SESのスキルシート管理方法|ファイル名・フォルダ・台帳で「すぐ探せる」保管ルールと、更新・本人同意・削除の手順

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

SESのスキルシート管理とは?

スキルシート管理とは、エンジニアのスキルシートを「すぐ探せる」「いつも最新」「安全に扱える」状態に保つ仕事のことです。書き方ではなく、保管・更新・共有・削除のルールを決めて守ることを指します。

スキルシートとは、エンジニアの経験した案件・使える技術・担当した工程をまとめた書類のことです。SES営業は、客先やBPへの要員提案で毎日のように使います。

要員とは、案件に提案するエンジニアのことです。SES営業が扱う要員は、大きく3種類あります。

区分どんな人かスキルシートの入手先
プロパー自社で雇っているエンジニア本人に書いてもらい、営業が整える
BP要員取引先(BP)の会社に所属するエンジニアBPの営業からメールで届く
個人事業主自社と直接契約するフリーランス本人から直接もらう

書き方そのものはSESスキルシートのフォーマットと書き方|15項目の記入例付きで解説しています。この記事では、書き上がったスキルシートをどう管理するかに絞って説明します。

スキルシート管理でよく起きる5つの失敗

管理のルールがないと、「探せない」「古い」「送ってはいけない相手に送る」の3種類の失敗が起きます。現場でよく聞くのは次の5つです。

#起きること原因困ること
1最新版がどれかわからない「最新」「最終」「修正2」などの名前がばらばら古いシートで提案してしまう
2メールを探し回るBPから届いた添付をメールに置いたまま提案が遅れ、他社に先を越される
3退場した人のシートが残る削除のルールがない情報漏えいのときの被害が大きくなる
4本人が知らない会社に送られている同意の確認をしていない本人・BPとの信頼を失う
5担当者しか場所を知らない個人のPCやメールで保管休み・退職で仕事が止まる

特に1と2は、提案スピードに直結します。SESの提案は、早く出した会社が有利です。スキルシートを探す5分が、案件を逃す原因になります。提案を早くする全体の流れは、SESの要員提案スピードと精度を上げる方法|流れと管理のコツ6つで紹介しています。

管理の基本は「1か所・同じ名前・台帳」の3ルール

スキルシート管理のルールは、保管場所を1か所に決める、ファイル名をそろえる、台帳で状態を見るの3つだけで十分です。ここからは、Excelと共有フォルダだけで今日から始められる方法を説明します。

ルール1:保管場所を1か所に決める

スキルシートは、会社の共有フォルダ(クラウドストレージ)1か所だけに置きます。個人のPC・メールの受信箱・チャットには置きません。

おすすめのフォルダ構成は次のとおりです。

例文・テンプレート
スキルシート/
├─ 01_稼働中/        … 今、案件に入っている人
├─ 02_営業中/        … 次の案件を探している人(提案に使う)
├─ 03_待機・調整中/  … 条件の確認中など
├─ 09_削除予定/      … 退場・取引終了。削除日を待つ
└─ 99_ルール.txt     … ファイル名と更新のルールを書いておく

ポイントは、「プロパー」「BP」でフォルダを分けないことです。営業が探すときは「今、提案できる人」を見たいので、状態で分ける方が早く見つかります。プロパーかBPかは、ファイル名と台帳で見分けます。

ルール2:ファイル名をそろえる

ファイル名は、次の順番に固定します。

区分_イニシャル_主スキル_更新日_版.拡張子

部分書き方例
区分P=プロパー、BP=BP要員、F=個人事業主BP
イニシャル名・姓の順で2文字TY
主スキル一番得意な言語・分野を1つJava
更新日+版8けたの日付と版番号20261001_v2

できあがる名前は、たとえば 「BP_TY_Java_20261001_v2.xlsx」 です。

この形にすると、フォルダ内で「Java」と検索すれば候補がそろいます。日付が8けたなので、名前順に並べるだけで新しい順に並びます。

BP要員は、社名も入れたくなりますが、ファイル名には入れません。 社名は台帳に書きます。ファイル名が長くなると、名前のつけ方がばらつく原因になるからです。

ルール3:管理台帳で状態を見る

管理台帳とは、スキルシート1枚につき1行で、状態や更新日を一覧にした表のことです。ファイルの中身を開かなくても、「今だれが提案できるか」がわかります。

Excelなら、次の12項目で作れます。

#項目書く内容の例
1管理番号S-0123
2区分プロパー/BP/個人事業主
3イニシャルT.Y.
4所属会社(BPのみ)株式会社〇〇
5主スキルJava、Spring Boot
6状態稼働中/営業中/待機・調整中/削除予定
7稼働可能日2026年11月1日
8希望単価〇〇万円
9スキルシート更新日2026年10月1日
10同意の範囲例:「提案ごとに確認」「営業中は包括OK」
11担当営業佐藤
12削除予定日退場日から〇か月後

「同意の範囲」と「削除予定日」の2列を入れるのが、ほかの管理表との違いです。この2列があると、送ってよいか・いつ消すかを、台帳を見るだけで判断できます。

台帳の「稼働可能日」は、契約終了日から埋めます。終了日の管理には、SESのアサイン表の作り方|要員稼働表のテンプレ項目と更新ルールが使えます。

スキルシートの更新ルール:月1回+現場が変わったとき

スキルシートは、月1回の定期更新と、案件が変わったときの臨時更新の2本立てで最新に保ちます。更新のタイミングを「気づいたとき」にすると、ほぼ確実に古くなります。

更新のタイミング

タイミングだれが何をする
毎月1回(月初の営業日など)担当営業台帳の「更新日」が古い順に確認し、本人やBPに変更がないか聞く
案件の入場・退場時担当営業案件の経歴を1行追加し、台帳の状態を変える
資格を取ったとき本人→担当営業資格欄を追記する
BPから新しい版が届いたとき受け取った営業古い版を削除予定フォルダへ移し、台帳を更新する

更新の手順

  1. 台帳を「更新日」の古い順に並べる

  2. 更新日から3か月以上たっている人を抜き出す(目安。自社で決めてよい)

  3. プロパーには本人へ、BP要員にはBPの営業へ、変更がないかを連絡する

  4. 新しい版を受け取ったら、ルール2のファイル名で保存する

  5. 古い版は「09_削除予定」へ移し、台帳の更新日と版を書き換える

BPに最新版をお願いするときは、次のような短いメールで十分です。

例文・テンプレート
件名:〔確認のお願い〕T.Y.様のスキルシート最新版について

株式会社〇〇
営業ご担当 〇〇様

いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。

以前ご共有いただいたT.Y.様(Java)のスキルシートについて、
2026年10月時点の最新版がございましたらお送りいただけますでしょうか。
あわせて、稼働可能日と希望単価に変更がないかも教えてください。

なお、弊社から客先へご提案する際は、これまでどおり
事前にご確認をお願いしたうえでお送りいたします。

よろしくお願いいたします。

最後の2行で「勝手には送らない」と伝えておくと、BPも安心して最新版を送ってくれます。

他社へ送る前の本人同意の取り方

スキルシートを客先や別のBPへ送ることは、個人情報の第三者提供にあたる場合が多く、原則として本人の同意が必要です。管理のルールの中に、同意の確認を組み込んでおきます。

第三者提供とは、自社が持っている個人データを、ほかの会社や人に渡すことです。個人情報保護法第27条は、法律で決められた例外を除き、第三者提供を禁じています。あらかじめ本人の同意を得ないで個人データを第三者に提供してはならないという決まりです。

個人データとは、名前などで検索できるように整理した一覧やファイル(個人情報データベース等)に含まれる個人情報のことです。台帳やフォルダで整理されたスキルシートは、個人データにあたると考えて扱うのが安全です。イニシャルにしても、ほかの情報と照らし合わせて本人がわかる場合は、個人データのままのことがあります。

管理の流れに組み込む4ステップ

  1. 受け取るとき:スキルシートを受け取る時点で、どこまで提案に使ってよいかを本人(BP要員ならBPの営業)に確認する

  2. 台帳に書く:確認した範囲を台帳の「同意の範囲」列に書く(例:「提案ごとに確認」)

  3. 送る前に見る:送る直前に台帳を見て、範囲の外なら先に確認する

  4. 記録を残す:いつ・どの会社に・だれのシートを送ったかを記録する。第三者に提供したときの記録と保存は、個人情報保護法第29条で求められています

場面同意の確認管理のコツ
プロパーを客先に提案必要(入社時の書面での包括同意+案件ごとの一声が確実)台帳に同意書の有無を書く
BP要員を客先に提案必要(BPを通じて本人の同意を確認)「提案ごとに確認」を基本にする
BP要員を、さらに別のBPへ転送必要(元のBPの了承も取る)無断転送はしない、と社内で決める
社内の営業どうしで共有同じ会社の中なので第三者提供ではない共有フォルダの閲覧者を営業に絞る

提案の直前にBPへ同意を確認するときは、次の一文を使えます。

例文・テンプレート
T.Y.様(Java)を、A社経由の物流システム開発案件(11月開始・単価目安65万円)にご提案したく存じます。
ご本人様のご了承をいただけましたら、本日17時までにご返信いただけますでしょうか。

同意書の文例と転送可否の確認メールは、スキルシートの個人情報と第三者提供の同意|SES提案で守る手順と文例にあります。提供の記録の作り方や保存期間もあわせて確認してください。

安全に保管するためのチェックリスト10項目

スキルシートを安全に保管するには、見られる人を絞る、持ち出さない、使い終わったら消すの3点を守ります。個人情報保護法第23条は、個人データの漏えいなどを防ぐために必要で適切な安全管理の措置をとるよう会社に求めています。

月に1回、次の10項目を確認しましょう。

#確認することできている?
1スキルシートの保管場所が1か所に決まっている□
2共有フォルダを見られるのは、営業と営業事務だけ□
3退職者・異動者のアクセス権を外している□
4個人のPC・USBメモリ・私用メールに保存していない□
5送るときは、提案に要らない情報(住所・生年月日など)を消している□
6パスワード付きファイルとパスワードを、同じメールで送っていない□
7送り先のメールアドレスを、送信前に2回確認している□
8台帳の「同意の範囲」が空欄の人はいない□
9「09_削除予定」に、削除日を過ぎたファイルが残っていない□
10ルールを書いたファイル(99_ルール.txt)が最新になっている□

7の確認をしても誤送信が起きたら、まず相手に削除を依頼し、本人とBPに報告します。手順と例文はスキルシートを誤送信したら|削除依頼の例文と個人情報の報告要否にまとめています。

削除のルールを先に決める

個人情報保護法第22条は、個人データを使う必要がなくなったときは、遅れずに消すよう努めなければならないと定めています。スキルシートでは、次のように決めておくと迷いません。

状態削除の目安(自社で決める)
BP要員で、提案が決まらなかった提案期間が終わってから〇か月後
BPとの取引が終わった取引終了から〇か月後
プロパーが退職した社内規程で決めた保存期間の後

期間は会社ごとに決めてかまいません。大切なのは、期間を決めて台帳の「削除予定日」に書き、月1回のチェックで実際に消すことです。ただし、第三者提供の記録など、法律で保存が必要なものは消さないよう注意してください。

チームで共有するときの決めごと

営業が2人以上になったら、「だれが担当か」「だれが更新するか」を台帳で決めておくことが共有の条件です。場所とファイル名がそろっていても、更新する人が決まっていないと、同じ人のシートが2つできてしまいます。

チームで決めておきたいのは次の4つです。

  1. 担当営業を1人に決める:1人のエンジニアにつき担当は1人。更新と連絡はその人が行う

  2. 重複を防ぐ:同じ人を複数のBPから紹介されたら、台帳で先に登録された方を優先する

  3. 提案の前に台帳を見る:だれが、どの案件に、いつ提案したかを確認し、同じ客先への二重提案を防ぐ

  4. ルールを1枚にまとめる:新人も同じルールで動けるよう、フォルダ内にルールを置く

特に3の二重提案は、客先の信頼を落とします。同じエンジニアが別々のBP経由で、同じ客先に2回提案されるケースです。台帳に「提案先」の列を足しておくと防げます。起きてしまったときの判断は、SESの二重提案が発覚したら|どちらを残すかの判断と謝罪例文で解説しています。

案件・要員の情報全体の共有ルールは、SESの案件・要員情報をチームで共有する方法|一元管理の5手順で解説しています。

Excel管理の限界と、チョータツで楽にする方法

Excelと共有フォルダでの管理は、人数が少ないうちは十分です。ただ、BPから届く人材が増えると、台帳への転記と最新版の差し替えが追いつかなくなります。

場面Excel+共有フォルダチョータツを使う場合
BPから人材メールが届く1通ずつ読んで、添付を保存し、台帳に転記チョータツメールAIが案件メールと人材メールに切り分ける
人材の情報を探すフォルダ検索と台帳のフィルターチョータツで人材の情報を管理・共有
他社の営業中人材を知る届いたメールを読むしかない他社と連携すると、他社の営業中人材をデータベース化できる
自社の人材を知らせるBCCで一斉送信(誤送信の心配)チョータツのメール配信機能でパートナーへ配信

チョータツでできること

  • 人材の管理・共有:自社・BPの人材情報を1か所にまとめ、チームで共有できる

  • AIの入力サポート:人材情報の登録を、AIが手伝う

  • 他社との連携:連携した会社の営業中案件・営業中人材を、自社のデータベースとして見られる

  • チョータツメールAI:届いたメールをAIが処理し、案件メールと人材メールに切り分ける。転送設定で取り込め、案件・人材以外のメールはデータに残らない

チョータツは3,000社以上が使っていて、無料で始められます。まずはExcelの台帳で「1か所・同じ名前・台帳」のルールをつくり、転記がつらくなったら移すのがおすすめの順番です。

なお、ツールに移しても、本人の同意を確認してから他社へ送るというルールは変わりません。台帳の「同意の範囲」にあたる情報は、ツールに移したあとも残しておきましょう。

よくある質問

Q. スキルシートはExcelとWord、どちらで管理すればいいですか?
保存するファイルの形式は、どちらでもかまいません。大切なのは、ファイル名のルールをそろえ、台帳で状態を管理することです。客先へ送るときは、書き換えられにくいPDFにする会社も多いです。
Q. BPから届いたスキルシートは、いつまで保管してよいですか?
法律で一律の期間は決まっていません。ただ、使う必要がなくなったら遅れずに消すよう努めることが、個人情報保護法第22条で求められています。「提案期間が終わってから〇か月後」など、自社で期間を決めて台帳に書きましょう。
Q. スキルシートを客先に送るとき、毎回本人の同意が必要ですか?
他社へ送ることは第三者提供にあたることが多く、原則として事前の同意が必要です。入社時などにまとめて同意をもらう方法もありますが、案件ごとに一声かけるのが一番確実です。
Q. 社内の営業どうしで共有するのに、同意は要りますか?
同じ会社の中での共有は、第三者提供にはあたりません。ただし、見られる人を営業と営業事務に絞るなど、安全管理のルールは必要です。
Q. 同じエンジニアのスキルシートが、別々のBPから届きました。どうすればいいですか?
台帳で先に登録された方を優先し、もう一方のBPにはその旨を伝えます。同じ客先に2回提案すると、客先からの信頼を失うので注意しましょう。
Q. スキルシートの管理にツールは必要ですか?
管理する人数が少なければ、Excelと共有フォルダで十分です。BPからの人材メールが多く、転記が追いつかなくなったら、チョータツのような人材管理ツールへの移行を考えましょう。

まとめ

  • スキルシート管理の基本は「1か所に置く」「ファイル名をそろえる」「台帳で状態を見る」の3つ

  • ファイル名は「区分_イニシャル_主スキル_更新日_版」、フォルダは「稼働中・営業中・待機・削除予定」の状態で分ける

  • 台帳には「同意の範囲」と「削除予定日」の列を入れる

  • 更新は月1回の定期更新と、入場・退場時の臨時更新の2本立て

  • 他社へ送る前は、原則として本人の同意が必要(個人情報保護法第27条)

  • 使わなくなったシートは、決めた期間で消す(同法第22条)

  • 人材メールが増えて転記が追いつかなくなったら、チョータツとチョータツメールAIで楽にする

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

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