要員計画とは?SES企業の稼働・待機を見える化する作り方と様式|Excelの列12項目と月次運用6ステップ

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

要員計画とは?SES企業での意味

要員計画とは、事業に必要な人の数と、その人がいつどこで働くかを前もって決める計画のことです。 一般企業では、人事部が「来年は何人必要か」を決めるときに使います。

SES企業では、同じ言葉でも中身が変わります。SESの売上は、エンジニアが客先で働いた月にだけ立つからです。そのため、「誰が、いつ現場を離れ、次にどこへ入るか」を月ごとに見ることが中心になります。

比べる点一般企業の要員計画SES企業の要員計画
作る人人事部・経営企画営業・営業責任者
見る期間1年〜3年今月〜6か月先
決めること採用人数・配置提案する人と順番
更新の頻度年1回〜半年に1回毎週〜毎月

この記事では、SES企業の要員計画を「営業のための要員計画」として説明します。人事部向けの採用計画の立て方は扱いません。

「要員」という言葉そのものの意味は、要員とは?意味と使い方|SES営業の要員提案・要員確保を解説で解説しています。

要員計画・人員計画・要員管理の違い

3つの言葉は、「計画する」「配置する」「日々管理する」の違いです。 会社によって使い方は少しずれますが、SES営業では次のように分けると混乱しません。

言葉意味SES営業での使い方
要員計画いつ・何人が空くか、必要かを先読みする月別に空き予定を並べ、提案の順番を決める
人員計画どの部署やチームに誰を置くかを決める社内のチーム分け・担当営業の割り振り
要員管理今の稼働状況を日々記録・更新する稼働中・待機中・面談中などの状態を更新する

要員管理とは、エンジニア1人ひとりの今の状態を記録し続けることです。 要員計画は、その記録をもとに先の月を読む作業です。要員管理がずれていると、要員計画も当たりません。

SES企業が要員計画を作る理由

要員計画を作る一番の理由は、待機を減らして売上の空白をなくすためです。 SESでは、エンジニアが現場にいない月は売上がゼロになります。一方で、社員であれば給与などの費用はかかり続けます。

たとえば、月額単価60万円の社員が1か月待機すると、その月の売上60万円がなくなります。会社の都合で休ませた場合は、労働基準法第26条にもとづき、平均賃金の100分の60以上の休業手当を払う必要があります。売上が止まっても、費用は止まらないということです。

要員計画があると、次の3つができるようになります。

  1. 2〜3か月前から次の案件を探せる:終了月が見えていれば、空く前に提案を始められる

  2. 提案の順番を迷わない:営業の時間は限られるため、急ぐ人から動ける

  3. チームで同じ情報を見られる:担当営業が休んでも、誰が空くかがわかる

待機中の給与の扱いは、SESの待機期間の給与と対応|休業手当の計算例と早く案件に入る7手順で詳しく説明しています。

要員計画表の様式(Excelの列12項目)

要員計画表は、エンジニア1人を1行にして、次の12列を持たせれば運用できます。 列を増やしすぎると更新されなくなるので、最初はこの12列から始めるのがおすすめです。

#列の名前入れる内容記入例
1氏名(イニシャル)社外に出す資料と同じ表記T.K
2所属プロパー(自社社員)かBPかプロパー
3主なスキル言語・工程を2〜3個Java/詳細設計
4現在の案件案件名か客先の略称金融系基幹
5月額単価今の契約単価65万円
6契約期間の終わり今の契約の終了日2026/12/31
7更新の見込み◎更新確定/○見込み/△不明/×終了△
8空く予定の月次の現場が必要になる月2027年1月
9次の希望条件勤務地・リモート・単価の希望都内・週3在宅
10状態稼働中/営業中/面談中/待機稼働中
11提案の優先度A/B/CA
12最終更新日・担当いつ誰が直したか2026/09/28 佐藤

プロパーとは、自社で雇っている社員のエンジニアのことです。BPとは、案件や人材を紹介し合う取引先の会社のことです。BPの人材も、自社で提案する予定があれば同じ表に入れます。

月別に並べる「見える化」シート

12列の一覧とは別に、月を横に並べたシートを1枚作ると、空く時期がひと目でわかります。 縦にエンジニア、横に月を置き、各月の状態を短い記号で書きます。

氏名2026年10月2026年11月2026年12月
T.K稼働稼働稼働(更新△)
M.S稼働稼働(終了)待機予定
Y.N営業中面談中参画予定

表示する月は、今月から6か月先までがちょうどよい長さです。それより先は、契約の内容がまだ決まっていないことが多いからです。

Excelでは、「空く予定の月」が今月から2か月以内のセルに色を付けると、見落としが減ります。条件付き書式を使えば、日付を入れるだけで自動で色が変わります。

状態(ステータス)の決め方

状態は5つに絞り、言葉の意味を社内で1つに決めておきます。 人によって「営業中」の意味が違うと、表が役に立たなくなるからです。

  • 稼働中:客先で働いていて、更新の話がまだない

  • 更新確認中:契約の終わりが近く、客先に続けるかを確認している

  • 営業中:次の現場を探して、提案を始めている

  • 面談中:客先との面談が入っている、または結果を待っている

  • 待機:現場がなく、売上が立っていない

要員計画の作り方6ステップ

要員計画は、「今の状態を集める → 空く月を決める → 優先順位を付ける」の順に作ります。 初回は半日ほどかかりますが、2回目からは更新だけで済みます。

  1. 対象の人を洗い出す:プロパー全員と、自社で提案しているBPの人材をリストにする

  2. 契約の終わりを集める:注文書や個別契約書から、今の契約の終了日を転記する

  3. 更新の見込みを確認する:客先の担当者や上位の会社に、続ける予定かを聞く

  4. 空く予定の月を決める:更新の見込みが△か×の人は、終了月の翌月を「空く月」とする

  5. 提案の優先度を付ける:次の章のルールで、A・B・Cを決める

  6. 担当営業と締め切りを決める:A評価の人は「いつまでに何件提案するか」を決めて書く

ステップ3の確認は、契約の終わりの2〜3か月前に始めると余裕があります。契約更新の通知時期の考え方は、SESの契約更新はいつ決まる?通知時期と更新しない時の4手順にまとめています。

提案の優先順位の決め方

提案の順番は、「空く時期の近さ」を一番に、「更新の危うさ」と「単価」で調整します。 すべての人に同じ力で営業するのは無理なので、ルールで決めておくと迷いません。

優先度当てはまる人営業の動き
A待機中、または2か月以内に空く人毎週、条件の合う案件へ提案する
B3〜4か月以内に空く人、更新が△の人案件を集め始め、条件を本人と確認する
C更新が見込める人、単価を上げたい人次の単価交渉や、よりよい案件を探す

優先順位の計算例

点数を付けると、同じA評価の中でも順番を決められます。 次の例は、2026年10月時点で営業中・空き予定の4人に点数を付けたものです。

  • 空く時期:すでに現場がない(待機中・営業中)=5点、1か月以内=4点、2か月以内=3点、3か月以内=2点

  • 更新の見込み:×=3点、△=2点、○=1点(現場がない人は×として数える)

  • スキルの需要:同じスキルの案件が今月5件以上届いている=2点、それ以下=1点

氏名状態点数の内訳合計
Y.N現場なし・営業中5+3+210点
M.S11月末で終了3+3+17点
T.K12月末・更新△2+2+26点
R.I12月末・更新○2+1+14点

この例では、Y.N → M.S → T.K → R.I の順に提案を進めます。点数の付け方は会社ごとに変えて構いません。大事なのは、営業全員が同じルールで順番を決めることです。待機中の人が複数いるときの決め方は、待機エンジニアが複数いるときの営業の優先順位|決め方と進め方でさらに詳しく解説しています。

要員計画の運用ルール(週次・月次)

要員計画は、作ったあとの更新が一番大事です。 情報が古い表は、ないのと同じです。次のルールを決めておくと、表が生きたまま残ります。

毎週やること

  • 面談の結果、更新の返事、新しい契約を表に反映する

  • 「最終更新日」が2週間より前の行は、担当営業に確認する

  • A評価の人ごとに、今週の提案件数を記録する

毎月やること

  • 営業全員で月別シートを見て、翌々月に空く人を確認する

  • 優先度を付け直し、担当と締め切りを決め直す

  • 前月に待機した人数と日数を振り返る

年度末の前にやること

  • 3月末に契約が切れる人が集中していないかを、12月までに確認する

年度末の終了は重なりやすいので、早めの対策が欠かせません。

月次の見直しでは、案件受付から更新までの流れを図にしておくと、どこで止まっているかが見えます。作り方はSES営業のプロセスフロー図|案件受付から更新までの作り方で解説しています。

要員計画でよくある失敗と対策

よくある失敗は、「更新されない」「人によって書き方が違う」「計画が提案につながらない」の3つです。 どれも、ルールを先に決めれば防げます。

よくある失敗起きること対策
担当営業しか更新しない休みや異動で情報が止まる更新日と担当の列を必ず入れる
更新の見込みを書かない急な終了で待機が出る◎○△×の4段階で必ず書く
表を見るだけで終わる提案が後回しになるA評価の人に提案件数の目標を付ける
複数のファイルがあるどれが最新かわからない保存場所を1か所に決める

要員計画は、アサイン表(誰をどの案件に入れるかの表)と一緒に使うと効果が上がります。アサイン表の作り方は、SESのアサイン表の作り方|要員稼働表のテンプレ項目と更新ルールで紹介しています。

Excelで管理する限界と、案件・人材データベースで管理する方法

エンジニアが20〜30人を超えたり、BPの人材も入れたりすると、Excelでの管理は手間が大きくなります。 ファイルの取り合い、転記ミス、古い情報の残りが起きやすくなるからです。

まずは自分で改善できることから始めましょう。

  1. ファイルを共有フォルダやクラウドに1つだけ置く

  2. 入力欄はプルダウンにして、書き方をそろえる

  3. 案件情報と人材情報を別のシートに分け、同じIDでつなぐ

それでも手間が減らないときは、案件・人材を管理するツールに移す方法があります。

チョータツで要員計画を楽にする

チョータツとは、SES営業のための案件・人材の管理・共有ツールです。 3,000社以上が利用しており、無料で始められます。要員計画に関係するのは、次の3つです。

  • 人材の情報をまとめて管理・共有できる:営業中の人材をチームで同じ画面で見られる

  • AIが入力を手伝う:人材や案件の情報を登録する手間を減らせる

  • 他社と連携すると、他社の営業中案件・人材をデータベース化できる:空く予定の人に合う案件を探しやすくなる

要員計画表で「来月空く人」がわかったら、その人に合う案件を探す必要があります。案件の情報が1か所にあれば、提案までの時間を短くできます。パートナーへのメール配信機能を使えば、営業中の人材の情報を取引先にまとめて届けることもできます。

空く予定の人に合う案件がない一方で、案件に合う人が足りないときもあります。その場合は、DrivenXのxhoursでITフリーランスに直接スカウトする方法もあります。

よくある質問

Q. 要員計画のフォーマットはどう作ればいいですか?
エンジニア1人を1行にし、氏名・所属・スキル・単価・契約の終わり・更新の見込み・空く予定の月など12列を持たせます。別に、月を横に並べたシートを1枚作ると見やすくなります。
Q. 要員管理と要員計画は何が違いますか?
要員管理は、今の稼働状況を日々記録することです。要員計画は、その記録をもとに先の月を読み、提案の順番を決めることです。
Q. 要員計画は何か月先まで作ればいいですか?
SES営業では、今月から6か月先までがおすすめです。提案を始めるのは、空く予定の2〜3か月前が目安です。
Q. BPのエンジニアも要員計画に入れるべきですか?
自社から提案する予定がある人は入れましょう。所属の列で「BP」とわかるようにし、情報をもらった日も書いておくと、古い情報で提案するミスを防げます。
Q. 空く予定の人に合う案件が社内にないときは?
BPから案件情報を集めます。チョータツで他社と連携すると、他社の営業中案件をデータベースとして見られます。

まとめ

  • SES企業の要員計画は、エンジニアが空く時期を月別に並べ、提案の順番を決める「営業の道具」

  • 要員計画は先読み、要員管理は今の記録、人員計画は配置と、役割が違う

  • 様式は1人1行・12列から始め、月を横に並べたシートを別に作る

  • 作り方は、洗い出し→契約の終わり→更新の見込み→空く月→優先度→担当と締め切りの6ステップ

  • 提案の順番は、空く時期の近さを一番に、更新の危うさとスキルの需要で決める

  • 毎週更新し、月1回は営業全員で見直す。人数が増えたら案件・人材のデータベースで管理する

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

  • e-Gov法令検索「労働基準法」(第26条 休業手当:使用者の責に帰すべき事由による休業の場合、平均賃金の100分の60以上の手当を支払う)

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