SESの案件確認を効率化する方法|転記ミスの5原因とダブルチェック表・転記を減らす仕組み
公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日
SESの転記ミスとは?どこで起きるのか
転記ミスとは、ある場所の情報を別の場所に写すときに、数字や文字を間違えることです。SES営業では、案件メールの条件をExcelに写すとき、Excelから提案メールに写すときに起きやすくなります。
1件の案件が提案されるまでに、情報はふつう次の順で移ります。
| 順番 | 情報がある場所 | 主な作業 | 起きやすいミス |
|---|---|---|---|
| 1 | 取引先からの案件メール | 読んで条件を確認する | 読み落とし |
| 2 | 自社の案件管理Excel | 条件を打ち直す | 単価・期間の打ち間違い |
| 3 | 社内チャット・朝会 | 担当者に共有する | 古い情報のまま共有 |
| 4 | 提案メール・スキルシート | 条件を書き写す | 商流・勤務地の取り違え |
写す回数が多いほど、ミスの入り口が増えます。1回ごとのミスが少なくても、回数が増えれば全体のミスは増えます。
間違えると困る項目
特に困るのは、お金と契約に関わる項目です。
単価:月いくらで契約するか。1万円違うだけで、粗利が大きく変わります
期間:いつから・いつまでか。開始日を間違えると、人の手配が合いません
商流:案件が何社を通って来たか。「商流制限」の条件を見落とすと、提案自体が無効になります
精算幅:月の稼働時間の上限・下限(例:140〜180時間)。請求額に直結します
条件の項目の意味と書き方は、SESの条件面の書き方|案件・人材メールに入れる14項目と記入例で詳しく解説しています。
転記ミスが起きる5つの原因
転記ミスの原因は、人の注意力ではなく仕事の流れの形にあります。次の5つに分けると、打つ手が見えます。
| # | 原因 | よくある例 |
|---|---|---|
| 1 | 手で打ち直している | 「65万」を「56万」と打つ |
| 2 | メールごとに書き方が違う | 「〜65万」「スキル見合い」「650,000円」 |
| 3 | 同じ情報が何か所にもある | Excelは更新したが、共有シートは古いまま |
| 4 | コピペで行や案件がずれる | 隣の案件の商流を貼り付ける |
| 5 | 確認の決まりがない | 急ぎの提案で、見直さずに送信 |
原因1:手で打ち直している
メールを見ながら数字を打つと、数字の入れ替わりや桁の間違いが起きます。「65」と「56」、「1月」と「11月」などが典型です。人が打つ以上、ゼロにはできません。
原因2:メールごとに書き方が違う
案件メールの書式は、会社ごとに違います。「60〜65万(スキル見合い)」「〜650,000円」「上限65」など、同じ意味でも書き方がバラバラです。写す人がその場で解釈するので、人によって入る値が変わります。
原因3:同じ情報が何か所にもある
個人のExcel、チームの共有シート、チャットのメモなど、同じ案件の情報が何か所にもある状態です。単価や期間が変わったとき、1か所だけ直して、ほかが古いまま残ります。
原因4:コピペで行や案件がずれる
コピー&ペーストは打ち間違いを防げますが、貼り付ける場所を間違えます。Excelで行が1つずれる、似た案件名のメールから貼る、といったミスです。見た目が正しそうなので、気づきにくいのが特徴です。
原因5:確認の決まりがない
SESの提案は早さが大切です。そのため「急ぎなので見直しは後で」となりがちです。誰が・いつ・どの項目を確認するかが決まっていないと、確認は忙しい日ほど抜けます。
自分でできる転記ミス対策4つ
お金をかけずにできる対策は、「打たせない・迷わせない・元をたどれる・送る前に見る」の4つです。今のExcelのまま、今日から始められます。
対策1:入力規則で「選ぶだけ」にする
入力規則とは、Excelのセルに入れられる値を決めておく機能のことです。ドロップダウンリスト(一覧から選ぶ入力欄)にすると、手で打つ項目が減ります。
| 列 | 入力のしかた | 例 |
|---|---|---|
| 契約形態 | 一覧から選ぶ | 準委任/派遣/請負 |
| 商流制限 | 一覧から選ぶ | 制限なし/1社先まで/プロパーのみ |
| 勤務形態 | 一覧から選ぶ | 常駐/一部リモート/フルリモート |
| 単価(万円) | 整数だけ・20〜200の範囲 | 65 |
作り方はMicrosoft公式の「ドロップダウン リストを作成する」で確認できます(参考資料にリンクがあります)。
対策2:単位と書き方を列の名前で固定する
単価の列名を「単価(万円・上限)」のようにすると、「円で打つか万円で打つか」の迷いがなくなります。期間も「開始日」「終了日」を別の列にし、日付の形で入れます。「スキル見合い」のように数字が決まっていない場合は、単価を空欄にし、別の列に「見合い」と入れるルールにします。スキル見合いの意味と提示額の決め方は、スキル見合いとは?SES案件の単価の意味と提示額の決め方で解説しています。
対策3:元のメールにたどれるようにする
案件の行ごとに、受信日時と送り主の会社名を入れる列を作ります。数字に迷ったとき、すぐ元のメールを開いて確かめられます。同じ案件が複数の会社から届いたときも、どのメールの条件かがわかります。
COUNTIF関数(条件に合うセルの数を数える関数)で案件名の重複を数えると、同じ案件の二重登録にも気づけます。
対策4:提案前のダブルチェック表を使う
ダブルチェックとは、2回、または2人で同じ内容を確かめることです。提案メールを送る前に、次の表を上から順に見ます。
| # | 確認する項目 | 見比べる相手 |
|---|---|---|
| 1 | 単価(上限・下限) | 元の案件メール |
| 2 | 精算幅(例:140〜180時間) | 元の案件メール |
| 3 | 開始日・期間 | 元の案件メール |
| 4 | 商流制限・契約形態 | 元の案件メール |
| 5 | 勤務地・リモートの可否 | 元の案件メール |
| 6 | 要員の単価・稼働可能日 | 人材情報(スキルシート) |
| 7 | 要員の所属(プロパー/BP何社先) | 人材情報 |
| 8 | 宛先・件名の案件名 | 提案メールの本文 |
「Excel」ではなく元のメールと見比べるのがポイントです。Excelが間違っていたら、Excelと見比べても気づけません。
対策を入れる順番(手順)
案件管理Excelの列名に単位を入れる(10分でできる)
契約形態・商流制限などを入力規則で選択式にする
受信日時・送り主の列を足す
ダブルチェック表をチームで共有し、提案前に使うと決める
1か月後、見つかったミスを数え、多い項目の入力方法を見直す
列の作り方のテンプレートは、SESの案件・人材管理をExcelで無料で行う方法|テンプレ付きにあります。
SESのエクセル管理の限界:対策しても残るミス
Excelの工夫で打ち間違いは減らせますが、写す作業そのものは残ります。案件メールが毎日何十通も届くと、次の3つは工夫では消えません。
写す時間:1件ずつ読んで打つ時間は、件数に比例して増えます
更新のずれ:条件が変わるたびに、Excelを探して直す必要があります
同時の編集:何人かで1つのファイルを触ると、上書きや古い版の利用が起きます
目安として、次のどれかに当てはまったら、Excelだけの管理は限界に近いと考えてください。
案件メールをExcelに写すだけで、1日30分以上かかっている
同じ案件を2人の営業が別々に登録していたことがある
「最新のファイルはどれ?」とチャットで聞くことがある
条件を間違えて提案し、取り消したことが月1回以上ある
当てはまる数が2つ以上なら、次の章の一元管理か、転記を減らす仕組みの導入を検討しましょう。
チームで案件・要員情報を共有するときの注意点
チームで共有するときは、正しい情報を1か所だけに置くことが最大の対策です。これを一元管理といいます。一元管理とは、同じ情報を1つの場所でまとめて管理し、全員がそこを見る状態のことです。
| やりがちな形 | 起きること | 変える形 |
|---|---|---|
| 営業ごとに個人のExcel | 同じ案件が二重に登録される | 共有の1ファイル(または1ツール) |
| チャットに条件を貼る | 条件の変更が伝わらない | チャットには置き場所のリンクだけ貼る |
| ファイルをメールで回す | 古い版が残る | 共有フォルダやクラウドで1つだけ持つ |
案件や要員の情報には、取引先の担当者名やエンジニアの経歴など、個人に関する情報が入ります。共有する範囲と、見られる人を決めておきましょう。個人情報の扱いは、個人情報保護委員会のガイドラインで確認できます。
共有のルールづくりは、SESの案件・要員情報をチームで共有する方法|一元管理の5手順で手順を紹介しています。この記事は、写すときのミスを防ぐことに絞っています。
月次の事務でも転記ミスは起きる
転記ミスは提案のときだけでなく、契約後の月次の事務でも起きます。提案時に写し間違えた単価や精算幅は、注文書・請求書まで引き継がれるからです。
SESの月次事務のおおまかな流れは次のとおりです。
要員から稼働報告(勤務時間の報告)を集める
契約の精算幅と照らして、請求額・支払額を計算する
取引先へ請求書を出し、BP(取引先の会社)からの請求書を確認する
入金と支払いを確認する
2番で使う単価と精算幅が、提案時の転記ミスのまま残っていると、請求額が間違います。契約が決まった時点で、注文書の条件と管理表の条件を見比べる一手間を入れましょう。月次の流れの詳細は、SESの毎月の営業事務業務|注文書・請求・支払いの月次フローにまとめています。請求書を出した後で誤りに気づいたときは、請求書の金額間違いに後から気づいたら|SESの訂正と再発行の例文の手順で直します。
転記そのものを減らす仕組み:チョータツとチョータツメールAI
転記ミスをいちばん確実に減らす方法は、写す回数を減らすことです。DrivenXのチョータツとチョータツメールAIを使うと、写す流れを短くできます。「メールを探す→Excelに写す→チャットで共有する」の3段階です。
| 場面 | 自分でやる場合 | チョータツを使う場合 |
|---|---|---|
| 届いたメールを分ける | 1通ずつ読んで、案件か人材か判断 | チョータツメールAIが案件メールと人材メールに切り分け |
| 情報をためる | Excelに打ち直す | チョータツで案件・人材を管理(AIが入力を手伝う) |
| チームで見る | ファイルやチャットで回す | チョータツの中で共有 |
| パートナーに届ける | 提案メールに条件を書き写す | チョータツのメール配信機能で配信 |
チョータツメールAIでできること
届いたメールをAIが処理し、案件メールと人材メールに切り分けます
メールの転送設定で、取り込めます
案件・人材以外のメールはデータに残りません
「どのメールが案件か」を探す時間が減るので、確認そのものに時間を使えます。
チョータツでできること
案件・人材の情報を1か所で管理・共有できます
パートナーへのメール配信機能があります
他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材をデータベースにできます
3,000社以上が利用しており、無料で始められます
使い始める流れ
チョータツに無料で登録する
案件メールが届くアドレスから、チョータツメールAIへの転送を設定する
切り分けられた案件・人材を、チョータツで管理・共有する
提案前は、この記事のダブルチェック表で元のメールと条件を見比べる
ツールを入れても、提案前の確認は残します。写す回数が減れば、確認する箇所も少なくなり、確認にかかる時間も短くなります。
よくある質問
- Q. 転記ミスを完全にゼロにできますか?
- 人が写す作業が残る限り、ゼロにはできません。写す回数を減らし、提案前に元のメールと見比べる決まりを作ると、大きく減らせます。
- Q. ダブルチェックは2人でやるべきですか?
- 理想は2人ですが、営業が少ない会社では1人で2回見る形でもかまいません。1回目は送る直前、2回目は元のメールと項目ごとに見比べる、と見る観点を変えるのがコツです。
- Q. Googleスプレッドシートなら転記ミスは減りますか?
- 同時に編集でき、最新版が1つになるので、古い版を使うミスは減ります。ただし、メールから写す作業は残ります。入力規則などの工夫は同じように必要です。
- Q. 単価が「スキル見合い」の案件は、どう記録すればいいですか?
- 単価の列は空欄にし、「見合い」と別の列に入れます。推測の数字を入れると、あとで確定した単価と混ざります。確定したら、元のメールか取引先の連絡を見て単価の列を埋めます。
- Q. 案件確認を早くするには、まず何から始めればいいですか?
- 案件管理Excelの列名に単位を入れ、契約形態などを選択式にすることから始めましょう。10〜30分で終わり、その日から打ち間違いが減ります。
- Q. 転記ミスで間違った単価を提案してしまったら?
- 気づいた時点ですぐ取引先に連絡し、正しい条件を伝えます。面談や契約が進む前に直すほど、影響は小さくなります。連絡は次のような文面で送れます。
件名:【訂正】本日ご提案のT.K(Java)の単価について
本日14時にお送りしたご提案メールで、希望単価を「56万円」と記載しておりました。
正しくは「65万円」です。こちらの転記の誤りで、ご迷惑をおかけし申し訳ございません。
この条件でご検討が難しい場合は、ご遠慮なくお知らせください。
まとめ
SESの転記ミスは、メール→Excel→提案メールと写す回数に比例して増える
原因は「手で打ち直す・書き方がバラバラ・情報が何か所にもある・コピペのずれ・確認の決まりがない」の5つ
自力の対策は、入力規則・単位を固定した列名・元メールへのひも付け・提案前のダブルチェック表
チームでは情報を1か所に集める一元管理にし、契約後は注文書と管理表の条件を見比べる
いちばん効くのは写す回数を減らすこと。チョータツメールAIでメールを切り分け、チョータツで管理・共有する
運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日
参考資料(2026年9月30日確認)
Microsoft サポート「ドロップダウン リストを作成する」
Microsoft サポート「COUNTIF 関数」
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