SESの案件メール整理方法|Outlookの振り分け設定・フォルダ設計と見落とし防止の運用ルール
公開日:2026年10月1日更新日:2026年10月1日
SESの案件メールとは?整理が必要になる理由
案件メールとは、取引先のSES企業やSIerから届く「こんな仕事があります」という募集のメールのことです。反対に、人材メールとは「こんなエンジニアが空いています」という紹介のメールのことです。
BP(ビジネスパートナー)とは、案件や人材を紹介し合う取引先のことです。SES営業は、BPが増えるほど2種類のメールを大量に受け取ります。一斉配信で届くため、件名や書式が会社ごとにバラバラです。
整理が必要なのは、メールの中に「次の提案の材料」が埋まっているからです。探せないメールは、無いのと同じになります。
SES営業が「大変」と言われる理由の1つがメール処理
SES営業が大変だと言われる理由には、提案の数の多さ、スピード勝負、条件確認の細かさがあります。そのどれにも、メール処理がからんでいます。
| 大変さ | メールとの関係 |
|---|---|
| 提案の数が多い | 案件メールを読んで、合う人材を探す作業がくり返し発生する |
| スピード勝負 | 読むのが遅れると、ほかの会社に先を越される |
| 条件の確認が細かい | 単価・商流・勤務地などをメール本文から拾い出す必要がある |
| 情報が人に閉じる | 自分の受信箱にしかないため、チームで使い回せない |
メールの整理を仕組みにすると、この4つの負担をまとめて軽くできます。条件の書き方そのものは「SESの条件面の書き方|案件・人材メールに入れる14項目と記入例」で詳しく解説しています。
整理の全体像:振り分け・読む時間・残す基準の3段階
案件メールの整理は、振り分け(自動)→ 読む時間(習慣)→ 残す基準(ルール)の順に作ると失敗しません。いきなりフォルダを細かく作りすぎると、どこに入ったかわからなくなるからです。
振り分け:仕分けルールで、メールを種類ごとのフォルダへ自動で移す
読む時間を決める:例として、9時・13時・17時の1日3回にまとめて読む
残す基準を決める:提案に使うメールだけにフラグを付け、ほかは既読にして流す
この順番で進めると、受信トレイには「人から届いた個別のやりとり」だけが残ります。案件・人材の一斉配信は、専用フォルダでまとめて処理できます。
Outlookの仕分けルールで案件メールを自動で振り分ける手順
Outlookで案件メールを整理するなら、仕分けルールを使うのが基本です。仕分けルールとは、「この条件のメールは、このフォルダへ移す」といった処理を自動で行う機能のことです。
メールから仕分けルールを作る手順
Microsoftの公式ヘルプによると、メールを右クリックして「ルール」から作るのが一番早い方法です。
振り分けたい案件メールを1通選ぶ
右クリックして「ルール」→「仕分けルールの作成」(新しいOutlookでは「ルールを作成」)を選ぶ
条件(差出人・件名に含まれる言葉など)にチェックを入れる
「アイテムをフォルダーに移動する」で移動先フォルダを選ぶ
必要なら「その他のオプション」で条件や例外を足す
保存し、今あるメールにも実行するかを選ぶ
画面の名前は、Outlookの種類(従来のOutlook・新しいOutlook・Web版)で少し違います。迷ったら、Outlookのヘルプで「仕分けルール」と検索してください。
SES営業向け:おすすめの振り分け条件
振り分けの条件は、件名の言葉と差出人の2つを組み合わせると精度が上がります。
| 振り分け先 | 条件の例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 01_案件 | 件名に「案件」「募集」「急募」を含む | 人材メールにも「案件」が入ることがある |
| 02_人材 | 件名に「人材」「要員」「稼働可能」を含む | 「案件」より先に判定させる |
| 04_BP別 | 差出人のドメインが主要BPのもの | 大口の取引先だけに絞る |
| 00_個別 | 自分が「宛先」に入っている | 一斉配信(BCC)と分けられる |
特に効くのが「自分が宛先(To)に直接入っているか」の条件です。一斉配信はBCCで届くことが多いため、個別のやりとりと分けやすくなります。
ルールの順番と「以降のルールを処理しない」の使い方
仕分けルールは、上から順番に実行されます。そのため、「人材」のルールを「案件」のルールより上に置くと、人材メールが案件フォルダに混ざりにくくなります。
1つのメールが2つのルールに当てはまると、意図しないフォルダに入ることがあります。ルールの動作に「以降のルールを処理しない」を付けると、最初に当てはまったフォルダで止まります。従来のOutlookでは「仕分けルールの処理を中止する」という名前です。
なお、公式ヘルプでは、従来のOutlookで作った一部のルールは新しいOutlookで動かないと説明されています。Outlookを切り替えたときは、ルールが動いているか確認してください。
案件メールのフォルダ設計の例
フォルダは5〜7個までにするのがおすすめです。細かく分けすぎると、どこを見ればいいかわからなくなり、見落としの原因になります。
番号を頭に付けると、フォルダが見たい順に並びます。以下は、営業1人で1日に数百通を受け取る場合の設計例です。
| フォルダ名 | 入れるもの | 見る頻度 |
|---|---|---|
| 00_個別 | 自分宛ての返信・面談調整 | 届いたらすぐ |
| 01_案件 | 一斉配信の案件メール | 1日3回 |
| 02_人材 | 一斉配信の人材メール | 1日3回 |
| 03_提案中 | 提案や面談が進んでいる案件 | 毎日 |
| 04_BP別 | 主要なBP数社からのメール | 毎日 |
| 09_保管 | 取引条件・契約関係など残すもの | 必要なとき |
「03_提案中」は自動振り分けではなく、手で移すフォルダです。動いている案件だけを1か所に集めると、進み具合を確認しやすくなります。
取引先ごとにフォルダを作る場合は、「04_BP別」の下に主要な数社だけを置きます。すべての取引先でフォルダを作ると、管理しきれなくなります。
見落としを防ぐ既読・フラグ・カテゴリの運用ルール
見落としを防ぐ一番の方法は、既読・フラグ・カテゴリの意味を1つに決めることです。人によって「既読=読んだ」「既読=対応済み」と意味が違うと、チームで確認するときに混乱します。
おすすめの意味の決め方
| 印 | 意味 | 付けるタイミング |
|---|---|---|
| 既読 | 中身を見た(提案の予定なし) | 読んだとき |
| フラグ | 提案する・返信が必要 | 読んで「使う」と決めたとき |
| カテゴリ(赤) | 今日中に対応 | 締め切りが近いとき |
| カテゴリ(青) | 人材の候補を探し中 | 社内に確認しているとき |
1日の運用の流れ(例:2026年10月1日(木))
9:00 「00_個別」を確認し、返信が必要なものに返す
9:15 「01_案件」「02_人材」をまとめて読み、使うものにフラグを付ける
9:45 フラグ付きのメールから、提案や人材の確認を進める
13:00・17:00 に同じ流れをくり返す
17:30 フラグが残っているメールを見て、翌日に回すものを決める
読む時間を決めると、「メールが来るたびに作業が止まる」ことを防げます。
案件メールを1通30秒で判断するチェックリスト
フラグを付けるかどうかは、次の5つを上から見て決めます。1つでも「いいえ」なら、既読にして次へ進みます。
自社の要員(稼働中で2か月以内に空く人を含む)のスキルに合うか
開始時期が、要員の空く時期と1か月以内でそろうか
単価が、要員の希望額と自社の粗利を満たせそうか
商流の制限(「貴社所属まで」など)を自社がクリアできるか
勤務地・リモート条件を、要員が受け入れられそうか
5つすべてに「はい」なら、フラグを付けてその日のうちに提案します。単価だけ不明な案件は、フラグを付けて差出人に確認します。提案の速さを保つコツは「SESの要員提案スピードと精度を上げる方法|流れと管理のコツ6つ」も参考にしてください。
探すときは検索の絞り込みを使う
過去のメールを探すときは、Outlookの検索の絞り込みを使います。Microsoftの公式ヘルプでは、次のような書き方が紹介されています。
| 書き方 | 意味 | SES営業での使い方の例 |
|---|---|---|
| from:〇〇 | 差出人で絞る | 特定のBPからのメールだけ見る |
| subject:〇〇 | 件名で絞る | 件名に「Java」を含むメールを探す |
| 言葉 AND 言葉 | 両方を含む | 「Java AND リモート」で探す |
| hasattachments:yes | 添付ファイルあり | スキルシート付きの人材メールを探す |
ただし、この検索は言葉で探すものです。「単価70万円以上」「来月から稼働」のような条件では、うまく絞り込めません。
自力の整理が限界になる3つのサイン
Outlookの工夫だけでは、いずれ限界が来ます。次の3つのサインが出たら、仕組みを変える時期です。
サイン1:条件で横断検索できない
メールは本文の書き方が会社ごとに違います。そのため、単価・スキル・勤務地・商流(仕事が発注元から流れてくる経路)といった条件で並べて比べることができません。
結果として、「前に似た案件が来ていた気がする」のに見つからない、ということが起きます。
サイン2:チームで共有できない
案件メールは、受け取った人の受信箱の中にしかありません。担当者が休むと、その人に届いた案件や人材が誰にも見えなくなります。
転送して共有すると、同じメールが何通も増えて、かえって探しにくくなります。社外への転送は、配信元が再配信を禁じていることもあります。起きがちな問題と防ぐルールは「SESの案件情報を無断で転送・再配信されたら|対応と防ぐルール」で確認してください。チームでの共有方法は「SESの案件・要員情報をチームで共有する方法|一元管理の5手順」で詳しく解説しています。
サイン3:Excelへの転記が追いつかない
メールの中身をExcelに写して管理している場合は、転記に時間がかかり、写し間違いも起きます。1日に数百通届くと、写す作業だけで営業時間の多くが消えてしまいます。
転記ミスの原因と対策は「SESの案件確認を効率化|転記ミスが起きる5原因と防ぐ仕組み」にまとめています。
チョータツメールAIで案件メールの整理を楽にする方法
自力の整理で限界が来たら、メールを「読む物」から「データ」に変えるのが次の一手です。チョータツメールAIは、そのためのメールインポート機能です。
チョータツメールAIとは、チョータツに届いたメールをAIが処理し、案件メールと人材メールに切り分ける機能のことです。メールに書かれた単価や商流などの条件も読み取ります。Outlookの仕分けルールのように、言葉の条件を自分で作る必要はありません。
できること
| 機能 | 自力の整理との違い |
|---|---|
| 転送設定で取り込める | 今のメールアドレスのまま使える |
| AIが案件メールと人材メールに切り分ける | 件名の言葉に頼らずに分けられる |
| 案件・人材以外のメールはデータに残らない | 営業に関係ないメールが混ざらない |
始める手順
チョータツに無料で登録する
チョータツメールAIの取り込み用の設定を確認する
Outlookなど、今使っているメールから転送設定をする
取り込まれた案件・人材が切り分けられているか確認する
「01_案件」「02_人材」に振り分けていたメールは、フォルダに移す代わりにチョータツメールAIへ転送する形にできます。
チョータツで案件・人材をチームで一元管理する
一元管理とは、ばらばらの場所にある情報を1か所に集めて管理することです。取り込んだ案件・人材は、チョータツの中で管理・共有できます。
チョータツは、SES営業のための案件・人材の管理・共有ツールで、3,000社以上が利用しています。他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材をデータベース化できます。受信箱の中に閉じていた情報を、チームで使える形にできるのが自力の整理との一番の違いです。
AIでメールを解析するツールの選び方は「SESの案件メール解析ツール比較|AIで自動仕分けする選び方5つ」で比べています。
よくある質問
- Q. SESの案件メールは1日に何通くらい届きますか?
- 取引先の数によって大きく変わります。BPが増えるほど増え、1日に数百通になることも珍しくありません。数が増えてきたら、自動振り分けから始めてください。
- Q. Outlookの仕分けルールで案件メールと人材メールを完全に分けられますか?
- 完全には分けられません。件名の言葉で判定するため、「案件」の文字が入った人材メールなどは混ざります。ルールの順番を工夫し、残りは目で確認します。
- Q. Gmailでも同じ整理はできますか?
- できます。Gmailでは「フィルタ」と「ラベル」で、Outlookの仕分けルールとフォルダに近い整理ができます。フォルダ設計や既読・フラグの運用ルールはそのまま使えます。
- Q. 一斉配信の案件メールは返信しなくても大丈夫ですか?
- 提案しない案件に、毎回返信する必要はありません。提案する案件だけに、フラグを付けて早めに連絡します。自社が配信する側なら、募集が埋まった時点で「SESの案件充足・募集終了の連絡メール例文|提案をくれたBPへ」の形で知らせると、BPからの信頼が上がります。
- Q. 案件メールを一元管理するにはどうすればいいですか?
- 小さいチームなら共有メールボックスやExcelでも始められます。人数やメールが増えたら、メールを取り込んで案件・人材を1か所で管理できるツールに移るのがおすすめです。
まとめ
案件メールの整理は「振り分け → 読む時間 → 残す基準」の順に作る
Outlookは仕分けルールで「個別・案件・人材」に分け、順番と「以降のルールを処理しない」で精度を上げる
フォルダは5〜7個まで。既読・フラグ・カテゴリの意味はチームで1つに決める
条件で横断検索できない・共有できない・転記が追いつかない、の3つが出たら仕組みを変える
チョータツメールAIなら、転送するだけでAIが案件メールと人材メールに切り分ける
運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年10月1日|更新日:2026年10月1日
参考資料(2026年9月30日確認)
Microsoft サポート「Outlook で仕分けルールを使用してメール メッセージを管理する」
Microsoft サポート「クイック検索を使ってメッセージまたはアイテムを検索する」