SES営業の効率化の方法|1日の流れで見る「時間を奪う作業7つ」と減らす順番5ステップ
公開日:2026年10月1日更新日:2026年10月1日
SES営業の効率化とは?
SES営業の効率化とは、同じ成果(提案数・面談数・成約数)を、より少ない作業時間で出せるようにすることです。「速く打つ」ことではなく、やらなくてよい作業を減らすことが中心になります。
SES営業は、案件と人材を合わせて提案する仕事です。SES営業とは、客先の案件にエンジニアを提案し、準委任契約などで参画を決める営業のことです。1日に届くメールの数が多く、情報の鮮度が数日で落ちるため、処理のスピードが成果に直結します。
効率化のゴールは、次の2つです。
| ゴール | 具体的な状態 |
|---|---|
| 作業時間を減らす | メール確認や転記に使う時間が短くなる |
| 提案の質を上げる | 空いた時間で、条件確認や面談準備に時間を使える |
SES営業が大変な理由は「情報の量」と「手作業」
SES営業が大変な一番の理由は、大量のメールを人の目で読み、手で別の場所に写していることです。1件ずつは数分の作業でも、件数が多いため1日の大半が消えます。
大変さの原因を3つに分けると、次のとおりです。
情報が多い:BPから案件メール・人材メールが毎日大量に届きます。
形がばらばら:会社ごとにメールの書き方が違い、単価や勤務地の場所がそろっていません。
鮮度が短い:案件も人材も、数日で決まってしまうことがあります。
この3つがそろうと、「読む→写す→探す→送る」を毎日くり返すことになります。効率化では、このくり返しの部分を減らします。
SES営業の1日の流れ(スケジュール例)
SES営業の1日は、午前にメールを処理し、午後に提案・面談・調整をする流れが多いです。下の表は、営業1人の1日のスケジュール例です(会社や担当によって違います)。
| 時間 | 主な仕事 | 効率化の余地 |
|---|---|---|
| 9:00〜10:30 | 夜間に届いたメールの確認・仕分け | 大きい |
| 10:30〜12:00 | 案件・人材を管理表に転記、マッチング | 大きい |
| 13:00〜15:00 | 要員提案メール作成、一斉配信 | 中くらい |
| 15:00〜17:00 | 面談の同席、BP・客先との条件調整 | 小さい(人の仕事) |
| 17:00〜18:30 | 進捗の確認、社内共有、翌日の準備 | 中くらい |
午前の「確認・仕分け・転記」は、人が判断しなくてもよい部分が多い作業です。ここを減らすと、午後の提案や面談に時間を回せます。
時間を奪う作業7つと、ツールなしでできる改善
時間を奪う作業は7つあり、どれもツールなしで減らせる部分があります。まずはお金をかけずにできる改善から試します。
| # | 時間を奪う作業 | よくあるムダ | ツールなしの改善 |
|---|---|---|---|
| 1 | メール確認 | 1通ずつ開いて案件か人材か判断する | 件名・送信元で振り分けルールを作る |
| 2 | 転記 | メールから管理表へ手で写す | 写す項目を必須の数個に絞る |
| 3 | マッチング | 管理表を目で探して合う人を探す | スキル・単価・時期の3条件で先に絞る |
| 4 | 一斉配信 | 宛先リストを毎回手で作る | 配信先をスキル別にグループ化する |
| 5 | スキルシート加工 | 社名・氏名を消す作業を毎回やる | 提案用の書式を1つに決める |
| 6 | 進捗の追いかけ | 「あの件どうなった?」を毎回聞く | 状態を5段階に固定して管理表に書く |
| 7 | 社内共有 | 同じ情報を口頭・チャットで何度も伝える | 共有の場所を1か所に決める |
1. メール確認:振り分けルールで「読む前に分ける」
メール確認の時間は、読む前に自動で分けることで減らせます。Outlookなどのメールソフトには、件名や送信元でフォルダに分ける「振り分けルール」があります。
件名に「案件」「募集」が入るものは案件フォルダへ
件名に「要員」「人材」「稼働可能」が入るものは人材フォルダへ
取引が止まっているBPからの配信は、別フォルダにまとめて週1回見る
振り分けの具体的な設定は、SESの案件メール整理方法|Outlook振り分けと見落とし防止策でくわしく解説しています。
2. 転記:写す項目を減らす
転記とは、メールに書かれた情報を管理表やシステムに写し直す作業のことです。転記の時間は、写す項目を減らすことで一番効率よく減ります。
最初に写すのは、次の6項目で十分です。
スキル(言語・工程)
単価
開始時期
勤務地・リモート可否
商流(何次請けか)
受信日(鮮度の確認用)
細かい条件は、提案する段階になってから元のメールを見れば足ります。転記ミスが起きる原因と防ぎ方は、SESの案件確認を効率化|転記ミスが起きる5原因と防ぐ仕組みにまとめています。
3. マッチング:3条件で先に絞る
マッチングとは、案件の条件に合う人材(または人材に合う案件)を探して組み合わせることです。マッチングは、スキル・単価・開始時期の3条件で先に絞ってから細かく見ると速くなります。
3条件が合わない組み合わせは、ほかの条件を見ても提案できないことが多いためです。3条件で候補を5件以内に絞り、そこから勤務地や面談回数を見ます。
4. 一斉配信:宛先をグループにしておく
一斉配信とは、案件や人材の情報を、複数のBPにまとめてメールで送ることです。一斉配信は、宛先を「Java系」「インフラ系」などのグループにしておくと、毎回リストを作る手間がなくなります。
営業目的のメールには、特定電子メール法(迷惑メールを防ぐための法律)のルールがあります。原則として、送ってよいと同意をもらった相手にだけ送ります。名刺交換した相手や、事業用にアドレスを公表している相手などの例外があります。本文には、送信者の名前と、配信を止める連絡先を入れておきます。※法律の説明は一般的な情報であり、法的助言ではありません。
配信の手順と誤送信の防ぎ方は、SESのメール一斉配信ツール比較|BP向け配信で選ぶポイント7つが参考になります。
5〜7. スキルシート・進捗・共有:書式と場所を1つに決める
残りの3つは、書式と置き場所を1つに決めるだけで大きく減ります。
スキルシート:提案用の書式を社内で1つに決め、氏名はイニシャルにするルールを先に作ります。
進捗:「新規→提案中→面談→結果待ち→決定/見送り」の5段階に固定し、管理表の1列で管理します。
共有:案件・人材の情報は、チャットではなく管理表(またはツール)の1か所だけに置きます。
スキルシートは個人情報を含みます。社外に出すときの注意点は、この記事の「よくある質問」で説明します。
効率化を進める順番5ステップ
効率化は、「測る→やめる→型にする→まとめる→ツールで減らす」の順番で進めます。順番を守ると、ムダな作業をツールで速くしてしまう失敗を防げます。
測る:1週間、7つの作業に何分かかったかを記録します。
やめる:見ていない配信、使っていない管理表の列など、なくても困らない作業をやめます。
型にする:条件面の書き方、返信の文面、スキルシートの書式をテンプレにします。
まとめる:案件・人材の情報を置く場所を1か所にします。
ツールで減らす:記録で一番時間がかかっていた作業から、ツールで減らします。
ステップ1で使う「作業時間の記録シート」
記録は、下のような表で十分です。1日の終わりに5分で書けるように、項目は4つだけにします。
| 作業 | 月曜の時間 | 件数 | 気づいたこと |
|---|---|---|---|
| メール確認 | (記入例)90分 | 200通 | 半分は取引のないBPの配信 |
| 転記 | (記入例)60分 | 30件 | 単価の書き方が会社ごとに違う |
| マッチング | (記入例)40分 | 8件 | 開始時期の確認で往復が多い |
| 一斉配信 | (記入例)30分 | 3回 | 宛先を毎回手で選んでいる |
※数字は書き方を示すための記入例です。実際の数字は、自分のチームで測ってください。
1週間分がたまったら、時間×件数が一番大きい作業から手をつけます。多くのチームでは、メール確認と転記が上位に来ます。
どの作業を誰が持つかを見直すときは、仕事の流れを図にすると抜けが見つかります。作り方はSES営業のプロセスフロー図|案件受付から更新までの作り方で解説しています。
ステップ3で使う「条件面の型」
案件・人材の情報を送るときは、項目の順番を固定します。受け取る側も読みやすくなり、返信が早くなります。
【案件名】ECサイト改修(Java) 【スキル】Java、Spring Boot/詳細設計〜テスト 【単価】〜70万円(スキル見合い) 【精算】140〜180時間 【開始】2026年11月〜長期 【場所】港区(週2リモート可) 【商流】元請け直下/弊社から1社先まで
条件面に入れる項目の全体は、SESの条件面の書き方|案件・人材メールに入れる項目14と記入例で確認できます。
ツールで減らすなら、メールの仕分けと転記から
ツールで減らす作業は、メールの仕分けと転記から選ぶのがおすすめです。7つの作業のうち、人が判断しなくてよい割合が一番大きいためです。
| 減らしたい作業 | 向いている道具 | DrivenXの機能 |
|---|---|---|
| メール確認・仕分け | メール解析・取り込みツール | チョータツメールAI |
| 転記・社内共有 | 案件・人材の管理共有ツール | チョータツ |
| 一斉配信 | メール配信機能 | チョータツ(メール配信機能) |
| 新しいBP探し | パートナー開拓機能 | チョータツブースト |
チョータツメールAIで仕分けを減らす
チョータツメールAIは、届いたメールをAIが処理し、案件メールと人材メールに切り分けるメールインポート機能です。メールに書かれた単価や商流などの条件も読み取ります。メールの転送設定で取り込めます。
毎朝、1通ずつ開いて「案件か人材か」を判断する作業を減らせます。
案件・人材以外のメール(あいさつ、請求の連絡など)はデータに残りません。
チョータツで転記・共有・配信をまとめる
チョータツは、SES営業の案件・人材の情報を管理・共有するツールです。AIが入力を手伝うため、手で写す作業を減らせます。
案件・人材の情報をチームで1か所にまとめ、「あの件どこ?」を減らせます。
パートナーへのメール配信機能があり、宛先リストの手作業を減らせます。
他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材をデータベース化できます。
チョータツブーストで取引先探しを減らす
チョータツブーストは、チョータツの中で新しいパートナー企業を開拓できる機能です。新しいBPを1社ずつ探して連絡する時間を減らしたいときに使います。
ほかの営業ツールも含めて比べるなら、SES営業ツールの種類と選び方|業務別のおすすめ構成と導入手順が参考になります。
効率化でやってはいけないこと3つ
効率化で失敗しやすいのは、速さだけを追って、確認や信頼を削ってしまうことです。次の3つは避けます。
条件を確認しないまま一斉提案する:提案数は増えても、商流や単価の食い違いでBPからの信頼を失います。
スキルシートを本人の了解なく広く配る:スキルシートは個人情報を含むため、社外に出す範囲を決めておく必要があります。
1人だけが使うやり方にする:担当者しかわからない仕組みは、休みや退職で止まります。この状態を属人化といい、手順を共有して防ぎます。
属人化を防ぐ手順は、SES営業の属人化を解消する方法|マニュアル作りと共有の5手順で解説しています。
よくある質問
- Q. SES営業の効率化は、何から始めればいいですか?
- まず1週間、7つの作業にかかった時間を記録します。時間×件数が一番大きい作業から減らします。多くの場合、メール確認と転記です。
- Q. SES営業の1日はどんな流れですか?
- 午前にメール確認・仕分け・転記、午後に提案メール作成・面談・条件調整、夕方に進捗確認と共有をする流れが多いです。
- Q. ツールを入れなくても効率化できますか?
- できます。メールの振り分けルール、転記項目の絞り込み、条件面のテンプレ、進捗の5段階管理は、ツールなしで始められます。
- Q. 提案数を増やすと、決まる数も増えますか?
- 条件確認を省いて数だけ増やすと、面談で落ちたりBPの信頼を失ったりします。数と確認の両方を保てる範囲で増やします。1日の目安はSES営業のKPIの目安|1日の提案数・面談数と1人あたり売上目標を参考にしてください。
- Q. スキルシートをBPに送るときに気をつけることは?
- スキルシートは、氏名や経歴などを含む個人情報です。個人情報保護法では、個人データを第三者に渡すときは、原則として本人の同意が必要です。提案前に、どこまで出してよいかを本人に確認します。
- Q. ChatGPTなどの生成AIでも効率化できますか?
- 提案文の下書きや条件の要約に使えます。ただし、個人情報を入力するときは社内ルールを先に決めます。使い方の例は、次に読む記事の「SES営業のChatGPT活用法」にまとめています。
まとめ
SES営業の時間を奪うのは、メール確認・転記・マッチング・一斉配信・スキルシート加工・進捗の追いかけ・社内共有の7つ
効率化は「測る→やめる→型にする→まとめる→ツールで減らす」の順番で進める
ツールなしでも、振り分けルール・転記項目の絞り込み・条件面のテンプレで今日から減らせる
ツールを入れるなら、人の判断が要らないメールの仕分けと転記から
速さのために、条件確認や本人の同意を削らない
減らした時間は、提案・面談・BPとの関係づくりに回す
新しいBP探しの時間も減らしたいなら:無料で登録してブーストを使う
運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年10月1日|更新日:2026年10月1日
参考資料(2026年9月30日確認)
e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」(第27条 第三者提供の制限)
個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」
e-Gov法令検索「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」(広告・宣伝のメールを送るときのルール)