SES営業のChatGPT活用法|案件整理・提案文にそのまま使えるプロンプト例10と個人情報の注意点

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

ChatGPTとは?SES営業の仕事で何ができるか

ChatGPTとは、アメリカのOpenAI社が提供する、文章で質問すると文章で答えてくれるAIのことです。このように文章や画像を作るAIを、生成AIと呼びます。

SES営業の仕事は、メールを読む・まとめる・書くの連続です。生成AIは、この「読む・まとめる・書く」が得意です。

営業の作業ChatGPTでできること向いている度合い
案件メールを読む長いメールを5行に要約するとても向いている
条件を確認する単価・場所・期間などを表に書き出すとても向いている
提案文を書くスキルと案件から提案メールの下書きを作る向いている
スキルシートを直す誤字や分かりにくい表現を直す向いている
単価を決める相場を調べる向いていない(数字が不正確なことがある)
取引先を探す実在する会社を挙げる向いていない(存在しない会社を挙げることがある)

プロンプトとは、ChatGPTに入力する指示文のことです。同じ作業でも、プロンプトの書き方で答えの質が大きく変わります。

ChatGPTを使う前に決める3つのこと

使い始める前に「入れてよい情報」「使うプラン」「送る前に確認する人」の3つを決めます。決めずに使うと、個人情報の流出や、間違った条件での提案につながります。

  1. 入れてよい情報を決める:氏名・連絡先・社名は入れない、など

  2. 使うプランと設定を決める:個人向けか、会社向けのプランか

  3. 確認する人を決める:AIが作った文は、必ず営業本人が読んでから送る

学習に使われない設定を確認する

ChatGPTは、入力した会話がAIの学習に使われることがあります。個人向けプランでは、設定の「Improve the model for everyone」をオフにできます。日本語にすると「すべての人のためにモデルを改善する」です。OpenAIのヘルプページでは、オフにすると新しい会話は学習に使われないとされています(2026年9月30日確認)。

また、履歴に残らない「一時チャット(Temporary Chat)」もあります。一時チャットの内容も、安全確認のために最大30日間はOpenAI側に保存されます。

会社向けのChatGPT Business・Enterpriseなどは、初期設定で入力内容を学習に使いません(2026年9月30日確認)。社内で広く使うなら、会社向けプランを検討しましょう。

【プロンプト例10】SES営業がそのまま使える指示文

ここからは、SES営業の毎日の作業に合わせたプロンプトを10個紹介します。〔 〕の部分を自分の情報に置きかえて使ってください。

No.使う場面減らせる作業
1案件メールの要約長いメールを読む時間
2条件面の書き出し条件を表にまとめる時間
3必須スキルの見極め人材と合うか考える時間
4不明点の質問リスト確認漏れ
5スキルシートの匿名化個人情報を消す手間
6スキルシートの要約人材の紹介文を書く時間
7要員提案メール提案文を書く時間
8お断りメール言いにくい文を考える時間
9人材の一斉配信文BP向け配信文を書く時間
10面談の想定質問面談前の準備

プロンプト1:案件メールを5行で要約する

案件メールは長く、書き方も会社ごとにバラバラです。まず要点だけをつかみましょう。

例文・テンプレート
あなたはSES企業の営業担当です。
次の案件メールを、営業が30秒で判断できるように5行以内で要約してください。
「業務内容」「必須スキル」「単価」「場所・リモート」「開始時期」を必ず含めてください。
メールに書かれていない項目は「記載なし」と書いてください。推測で埋めないでください。

〔ここに案件メールを貼る。社名・担当者名は消しておく〕

「推測で埋めないで」と書くのがコツです。ChatGPTは、書かれていない単価や場所をもっともらしく作ることがあるためです。

プロンプト2:条件面を表に書き出す

条件面とは、単価・期間・場所・精算幅など、案件の契約条件のことです。表にしておくと、人材と比べやすくなります。

例文・テンプレート
次の案件メールから、下の項目を表にしてください。
項目:案件名/業務内容/必須スキル/歓迎スキル/単価/精算幅/期間/勤務地/リモート可否/面談回数/商流/外国籍可否/年齢制限の記載
書かれていない項目は「記載なし」としてください。

〔案件メール〕

商流とは、仕事がエンド(発注元)から何社を通って届いているかという流れのことです。商流や精算幅が「記載なし」なら、提案前に必ず相手に確認します。項目の詳しい書き方は「SESの条件面の書き方|案件・人材メールに入れる14項目と記入例」を参考にしてください。

プロンプト3:必須スキルと自社人材が合うかを見る

例文・テンプレート
次の「案件の条件」と「人材のスキル」を比べてください。
必須スキルごとに「満たしている/一部満たしている/満たしていない」で判定し、理由を1行ずつ書いてください。
最後に、提案するときに補足すべき点を3つ挙げてください。

【案件の条件】〔プロンプト2で作った表〕
【人材のスキル】〔匿名化したスキル要約〕

最終判断は営業がします。AIの判定は「見落としを防ぐためのたたき台」として使いましょう。

プロンプト4:相手に確認すべき質問リストを作る

例文・テンプレート
次の案件メールを読んで、提案前にBP(取引先)へ確認すべき質問を5つ作ってください。
単価・精算幅・商流・面談回数・開始日など、契約や提案の可否に関わる順に並べてください。
そのままメールに貼れる丁寧な文で書いてください。

〔案件メール〕

BPとは、案件や人材を紹介し合う取引先の会社のことです。質問をまとめて1通で送ると、やりとりの回数が減ります。

プロンプト5:スキルシートを匿名化する

匿名化とは、名前などを消して、だれの情報か分からないようにすることです。ただし、ChatGPTに本物のスキルシートを貼る前に、自分で消すのが基本です。このプロンプトは「消し忘れの確認」に使います。

例文・テンプレート
次のスキルシートの文章に、個人を特定できる情報が残っていないか確認してください。
氏名・生年月日・住所・電話番号・メールアドレス・顔写真の説明・最寄り駅・前職の会社名・学校名が対象です。
見つかったものを一覧にし、「〔氏名〕」「〔最寄り駅〕」のような記号に置きかえた文を出してください。

〔氏名や連絡先を自分で消したスキルシート〕

イニシャル(例:T.Y.)でも、年齢・最寄り駅・前職と組み合わさると本人が分かることがあります。取引先への提案で気をつけることは「スキルシートの個人情報と第三者提供の同意|SES提案で守る手順と文例」で詳しく解説しています。

プロンプト6:スキルシートを提案用に3行でまとめる

例文・テンプレート
次のスキルシートを、案件メールへの返信に使える3行の人材紹介文にしてください。
1行目:職種と経験年数
2行目:得意な技術と担当した工程
3行目:強み(数字があれば入れる)
事実にないことは書かないでください。

〔匿名化したスキルシート〕

プロンプト7:要員提案メールの下書きを作る

例文・テンプレート
あなたはSES企業の営業担当です。
次の案件に、次の人材を提案するメールを書いてください。
条件:
・件名は「【ご提案】〔案件名〕/〔職種〕〔経験年数〕年」の形にする
・本文は300字以内
・必須スキルを満たす根拠を箇条書きで3つ
・単価と稼働開始日を最後に書く
・丁寧だが、前置きは1文まで

【案件】〔案件の要約〕
【人材】〔人材紹介文〕
【単価】〔〕万円/月 【開始可能日】2026年11月2日(月)〜

提案メールは「早さ」が通過率に直結します。書き方の型は「要員提案メールの例文とテンプレ|SES営業の通過率を上げる書き方」もあわせて見てください。

プロンプト8:関係を切らないお断りメールを書く

例文・テンプレート
次の状況で、取引先へのお断りメールを書いてください。
・理由:〔例:単価が合わないため/今回は稼働中で出せる人材がいないため〕
・次の案件もぜひ紹介してほしい、という気持ちを伝える
・200字以内、相手を責める表現は使わない

【相手から来た案件】〔案件名だけ〕

プロンプト9:BP向けの人材一斉配信文を作る

例文・テンプレート
次の複数の人材を、BP向けの一斉配信メールにまとめてください。
・1人あたり4行(職種/経験年数/主なスキル/希望単価と開始可能日)
・人材ごとに番号を付ける
・冒頭のあいさつは1文、最後に「ご興味のある方は番号でご返信ください」と書く

〔匿名化した人材情報を複数〕

プロンプト10:面談の想定質問と答え方を準備する

例文・テンプレート
次の案件と人材の組み合わせで、客先面談で聞かれそうな質問を7つ挙げてください。
それぞれに、人材のスキルシートに書かれた事実だけを使った答え方の例を付けてください。
スキルシートにない経験は「確認が必要」と書いてください。

【案件】〔案件の要約〕
【人材】〔匿名化したスキルシート〕

面談の準備で「盛った答え」を作ると、経歴の食い違いにつながります。事実だけで答える指示を入れましょう。上位から経歴を盛るよう求められたときの断り方は、SESで経歴を盛ってと言われたら|断り方と営業が負うリスクで解説しています。

ChatGPTに入れてはいけない情報と注意点

エンジニアの個人情報と、取引先の機密は、そのままChatGPTに入れてはいけません。入れる場合は、会社のルールと本人の同意を先に確認します。

個人情報保護委員会は、2023年6月2日に「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」を公表しました。会社が本人の同意なく個人データを含むプロンプトを入力する場面が取り上げられています。そのデータが応答以外の目的で使われると、個人情報保護法に違反する可能性があるという内容です。あわせて、AIの提供会社が個人データを学習に使わないことを十分に確認するよう求めています。

情報の種類例入れてよいか
エンジニアの個人情報氏名・生年月日・住所・電話番号・顔写真入れない(記号に置きかえる)
本人が分かる組み合わせ年齢+最寄り駅+前職の社名入れない(一部をぼかす)
取引先の機密エンド企業名・案件の社内資料・NDA対象の情報入れない
契約の条件単価・精算幅・支払いサイト社名を消せば可(社内ルールに従う)
一般的な技術の話Java・AWSなどのスキル名、工程名入れてよい

NDAとは、取引で知った秘密を外にもらさないと約束する契約(秘密保持契約)のことです。案件メールに「NDA締結後に詳細開示」とある情報は、ChatGPTにも入れないのが安全です。案件メールに「転送・再配信禁止」とある場合も同じです。無断転送が起きたときの対応はSESの案件情報を無断で転送・再配信されたら|対応と防ぐルールにまとめています。

AIの答えをそのまま送らない

ChatGPTは、もっともらしい間違いを書くことがあります。特に次の3つは、営業が必ず自分で確認します。

  • 数字:単価・期間・人数が元のメールと合っているか

  • スキル:スキルシートにない経験が書き足されていないか

  • 宛先と社名:別の会社の名前が混ざっていないか

社内でChatGPTを使うためのルール作り5手順

営業チームで使うなら、個人の判断に任せず、短いルールを1枚作ります。ルールがあると、新人でも安心して使えます。

  1. 使ってよいプランを決める:会社向けプランか、個人向けで学習オフの設定か

  2. 入れてはいけない情報を一覧にする:「ChatGPTに入れてはいけない情報」の表をそのまま使ってよい

  3. 共通のプロンプトを配る:この記事の10個を社内用に直して共有する

  4. 送信前の確認を決める:数字・スキル・宛先の3点チェック

  5. 3か月ごとに見直す:サービスの設定や規約は変わるため、確認日を書いておく

社内ルールのチェックリスト(そのまま使えます)

  • 使うChatGPTのプランと、学習に使われない設定を確認した(確認日:2026年〇月〇日)

  • 氏名・連絡先・顔写真を入れないことを全員が知っている

  • エンド企業名・NDA対象の情報を入れないことを全員が知っている

  • スキルシートを他社に出す前に、本人の同意を取っている

  • AIの文は、営業本人が読んでから送っている

  • 共通プロンプトの置き場所が決まっている

営業全体のムダをどこから減らすかは「SES営業の効率化の方法|時間を奪う作業7つと減らす順番」でまとめています。

SES営業のAI活用事例:どの作業から始めるか

最初は「案件メールの要約」から始めるのがおすすめです。毎日の量が多く、間違えても送信前に気づきやすいからです。

おすすめの順番は次のとおりです。

順番作業理由
1案件メールの要約・条件の書き出し量が多く、効果をすぐ感じられる
2確認質問・お断りメール文面を考える時間が減る
3提案メール・一斉配信文型ができると提案の速さが上がる
4案件と人材の組み合わせ判断判断の補助にとどめ、最後は人が決める

例えば、1日に案件メールが100通届くとします。1通の確認に1分かかれば、それだけで1日100分です。要約で1通30秒に縮めれば、1日50分の短縮になります。

ただし、ChatGPTに1通ずつ貼る作業そのものにも時間がかかります。メールが多いほど、「貼る手間」が新しいムダになります。案件と人材のマッチングにAIを使う考え方は「SESマッチングのAI活用|案件と人材を早く合わせるコツ5つ」も参考になります。

案件メールの仕分けは専用の機能に任せると楽になる

ChatGPTは「1通を深く読む」のが得意で、「毎日数百通を仕分ける」のは専用の機能のほうが向いています。自分でやる方法を試したうえで、量が多いなら仕組みに任せましょう。

比べる点ChatGPTに貼るチョータツメールAI
メールの取り込み1通ずつコピーして貼る転送設定で取り込める
案件・人材の仕分けプロンプトで毎回指示するAIが案件メールと人材メールに切り分ける
関係ないメール貼る前に自分で選ぶ案件・人材以外のメールはデータに残らない
情報の管理会話の履歴に散らばるチョータツで案件・人材として管理・共有できる

チョータツは、SES営業の案件・人材の管理・共有ツールです。3,000社以上が利用し、無料で始められます。他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材をデータベース化できます。

おすすめの分担は次のとおりです。

  • チョータツメールAI:届いたメールを案件と人材に切り分ける

  • チョータツ:案件・人材を管理・共有し、パートナーへメール配信する

  • ChatGPT:気になる1件を深く読む、提案文やお断りメールの下書きを作る

メールの仕分けツールを比べたい方は「SESの案件メール解析ツール比較|AIで自動仕分けする選び方5つ」もあわせてご覧ください。

よくある質問

Q. SES営業がChatGPTを使うのは違法ですか?
使うこと自体は違法ではありません。ただし、本人の同意なくエンジニアの個人データを入力すると、個人情報保護法に違反する可能性があります。氏名や連絡先は消してから使いましょう。
Q. 無料版のChatGPTでも仕事に使えますか?
要約や文章の下書きなら使えます。仕事で使うなら、設定で学習に使われないようにするか、会社向けプランを検討してください。
Q. スキルシートをそのままChatGPTに貼ってもいいですか?
そのまま貼るのは避けましょう。氏名・生年月日・連絡先・最寄り駅などを先に消し、記号に置きかえてから使います。
Q. ChatGPTに単価の相場を聞いてもいいですか?
参考程度にとどめてください。ChatGPTは数字を間違えることがあります。単価は取引先から届く実際の案件情報で確認するのが確実です。
Q. SES営業の効率化で、AI以外に何から始めればいいですか?
案件・人材の情報を1か所にまとめることです。Excelやメールに散らばったままだと、AIで要約しても探す時間が残ります。
Q. ChatGPTで作った提案メールは、そのまま送ってもいいですか?
必ず営業本人が読んでから送ります。数字・スキル・宛先の3点は、元の情報と見比べてください。

まとめ

  • ChatGPTは、案件メールの要約・条件の書き出し・提案文の下書きで特に役に立つ

  • プロンプトには「推測で埋めない」「事実にないことは書かない」を入れる

  • 氏名・連絡先・顔写真・エンド企業名・NDA対象の情報は入れない

  • 個人情報保護委員会は、本人の同意なく個人データを入れると違反の可能性があると注意している

  • 使う前に、プラン・入れてよい情報・確認する人の3つを決める

  • メールの量が多いなら、仕分けはチョータツメールAI、管理はチョータツに任せ、ChatGPTは文章づくりに使う

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

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