SESマッチングのAI活用|AIに任せる作業と人が判断する作業を分けて、案件と人材を早く合わせるコツ5つ
公開日:2026年9月29日更新日:2026年9月29日
SESマッチングとAIマッチングとは?
SESマッチングとは、案件の条件とエンジニアのスキル・希望を照らし合わせ、提案できる組み合わせを見つける作業のことです。営業の仕事の中でも、特に時間がかかる作業です。
AIマッチングとは、この照らし合わせの一部をAIに手伝わせることです。AIが候補を並べ、営業が最後に選ぶという分担になります。
SES営業には、毎日たくさんの案件メールと人材メールが届きます。1通ずつ読み、Excelに写し、条件を見比べると、1件の提案に何十分もかかります。AIを使う目的は、この「読む・写す・見比べる」を短くすることです。
マッチングで見比べる主な項目
SESマッチングで見比べる項目は、大きく6つに分かれます。
| 項目 | 案件側で見ること | 人材側で見ること |
|---|---|---|
| スキル | 必要な言語・経験年数 | 使える言語・経験年数 |
| 単価 | 上限の金額 | 希望の金額 |
| 時期 | 開始日 | 参画できる日 |
| 場所 | 勤務地・リモート可否 | 住まい・希望の働き方 |
| 商流 | 自社が何番目か | 所属会社が何番目か |
| 人柄 | 現場の雰囲気・求める姿勢 | 性格・コミュニケーション |
表の上の4つ(スキル・単価・時期・場所)は、文字で比べられる項目です。下の2つ(商流・人柄)は、文字だけでは判断しにくい項目です。
AIに任せる作業と人が判断する作業
AIに任せるのは「大量の文字を読んで整える作業」で、人が判断するのは「会社どうしの関係と人の相性に関わる作業」です。この線を最初に決めると、AIを入れても提案の質が落ちません。
| 作業 | 任せる先 | 理由 |
|---|---|---|
| メールを案件・人材・その他に分ける | AI | 量が多く、ルールで判断しやすい |
| 本文から言語・単価・開始日を書き出す | AI(人が見直す) | 書き方が会社ごとにばらばら |
| 条件に合う候補を10件ほどに絞る | AI | 何百件も見比べるのは人には重い |
| 商流の位置と再委託の可否を確かめる | 人 | メールに書かれていないことが多い |
| 単価と自社の取り分(マージン)を決める | 人 | 交渉と会社の方針が関わる |
| 人柄と現場との相性を見る | 人 | 面談や過去のやりとりでしかわからない |
ポイントは、AIの出した候補を「答え」ではなく「下書き」として扱うことです。 AIは文字に書かれた条件しか比べられません。書かれていない事情は、営業が電話や面談で埋めます。
→ 商流の見方はSESの一次請け・二次請けの違いで解説しています。
→ 人柄の聞き方はSES面談で営業が聞くべき深掘り質問にまとめています。
SESマッチングを早くするコツ5つ
SESマッチングを早くするコツは、「仕分け→そろえる→絞る→人が確かめる→直す」の順で進めることです。1つずつ見ていきます。
コツ1:最初にメールを「案件・人材・その他」に分ける
マッチングの出発点は、届いたメールを3つに分けることです。案件と人材が混ざったままだと、探すたびに受信箱をさかのぼることになります。
自分でやる場合は、メールソフトの振り分けルールを使います。件名に「案件」「要員」「人材」などが入るメールを、それぞれのフォルダへ自動で移します。ただし、件名の付け方は会社ごとに違うので、漏れは残ります。
コツ2:入力する項目と書き方をそろえる
AIでも人でも、情報の書き方がそろっていないと正しく見比べられません。単価を「60万」「600,000円」「60〜65」とばらばらに書くと、条件で絞れなくなります。
そろえておきたい書き方の例です。
単価は「万円・月額」で数字だけ書く(例:65)
開始日は「2026-10-01」の形で書く
スキルは言語名を1つずつ区切る(例:Java/Spring/AWS)
商流は「元請け・一次・二次」など決まった言葉から選ぶ
列の作り方はSESの案件・人材管理をExcelで無料で行う方法にまとめています。
コツ3:条件を「必須」と「歓迎」に分けて候補を絞る
必須条件とは、1つでも欠けたら提案できない条件のことです。歓迎条件とは、あると有利だが、なくても提案できる条件のことです。
AIに候補を絞らせるときは、必須条件だけで絞り、歓迎条件で並べ替えます。全部の条件で絞ると、候補が0件になりやすいからです。
| 分け方 | 例 | AIへの頼み方 |
|---|---|---|
| 必須 | Java3年以上、10月開始、単価70万円以下 | 満たさない人は外す |
| 歓迎 | 金融の経験、リーダー経験 | 満たす人を上に並べる |
コツ4:商流・単価・人柄は、決まった順番で人が確かめる
AIが絞った候補は、営業が3つの順番で確かめます。順番を決めておくと、確認の漏れが減ります。
商流:自社と相手の会社が、元請けから何番目か。再委託してよい案件か
単価:案件の上限と人材の希望の差で、取り分が残るか
人柄:過去の面談メモや所属会社の話から、現場に合いそうか
商流を最初に見る理由は、商流が合わないと単価の話をしても意味がないからです。たとえば「再委託禁止」の案件に、他社のエンジニアは出せません。
コツ5:提案の結果を記録して、絞り込みのルールを直す
提案した結果(通過・お見送り・辞退)と理由は、必ず記録します。記録が20件ほどたまると、「この会社はリモート不可だと決まらない」のような傾向が見えます。
見えた傾向は、必須条件や歓迎条件に足していきます。AIの精度は、道具そのものより、人が与える条件の質で決まります。
候補が決まったら、提案メールは早さが勝負です。書き方は要員提案メールの例文とテンプレを使うと迷いません。
生成AIでマッチングする手順(自分でやる方法)
自分で始めるなら、ChatGPTなどの生成AIに案件と人材の情報を渡し、候補を並べてもらう方法があります。生成AIとは、質問や指示に応じて文章などを作るAIのことです。次の6ステップで進めます。
案件情報を1件選び、必須条件と歓迎条件に分けて書き出す
人材情報から、氏名・連絡先など本人がわかる情報を消す
生成AIに「必須条件を満たす人だけを選び、歓迎条件の多い順に並べて」と頼む
出てきた候補の理由を読み、条件の読み違いがないか確かめる
上位の候補について、商流・単価・人柄を営業が確かめる
提案の結果を記録し、次回の条件づくりに使う
生成AIへの頼み方の例です。
次の案件に合う人材を選んでください。 ・必須条件:Java経験3年以上/2026年10月から参画可能/希望単価70万円以下 ・歓迎条件:金融系の経験/リーダー経験 ルール: 1. 必須条件を1つでも満たさない人は外してください。 2. 残った人を、歓迎条件を満たす数の多い順に並べてください。 3. 人ごとに、選んだ理由を1行で書いてください。 4. 情報が足りず判断できない項目は「不明」と書いてください。 【人材一覧】 (ここに、氏名や連絡先を消した人材情報を貼る)
「不明と書いて」と頼むのが大事です。AIは情報が足りないときに、それらしく埋めてしまうことがあるからです。
生成AIに人材情報を入れるときの注意
生成AIに人材の情報を入れる前に、入力した内容がAIの学習に使われない設定かを必ず確かめます。個人情報保護委員会は2023年6月2日に、生成AIの利用について注意喚起を出しています。
注意喚起では、個人情報を扱う会社に次の2点を求めています。
生成AIへの入力が、本人に伝えた利用目的の範囲内かを確かめる
本人の同意なく個人データを入れる場合は、AIの提供会社がそのデータを機械学習に使わないことなどを確かめる
個人データとは、データベースなどで整理された個人情報のことです。氏名や経歴が入ったスキルシートの一覧は、個人データにあたることが多いです。
いちばん安全なのは、生成AIでマッチングする手順のステップ2のように氏名・連絡先・生年月日を消してから入れることです。人材情報をパートナー企業へ渡すときも、本人の同意を得ておきます。個人情報保護法第27条の「第三者提供」のルールです。
社内でAIを使うルールをつくるときは、国のガイドラインも参考になります。総務省と経済産業省の「AI事業者ガイドライン」(第1.2版、2026年3月31日)です。
チョータツでAIマッチングの前準備を楽にする
AIマッチングの前準備(メールの仕分けと入力)は、DrivenXのチョータツとチョータツメールAIで楽にできます。 自分でやる方法では、「メールを読む→分ける→写す→そろえる」を毎日くり返す必要があるからです。
| 作業 | 自分でやる場合 | DrivenXのツールを使う場合 |
|---|---|---|
| メールの仕分け | 振り分けルールと目視 | チョータツメールAIが案件メールと人材メールに切り分け |
| 情報の入力 | Excelへ手で転記 | チョータツでAIが入力を手伝う |
| 見比べる情報を増やす | 届いたメールの分だけ | チョータツで他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材をデータベース化 |
| 取引先を増やす | 交流会・紹介で1社ずつ | チョータツブーストで新しいパートナーを開拓 |
チョータツメールAIでできること
チョータツメールAIとは、届いたメールをAIが処理し、案件メールと人材メールに切り分けるメールインポート機能のことです。
転送設定をするだけで、メールを取り込める
案件メールと人材メールに自動で切り分ける
案件・人材以外のメールは、データに残らない
「コツ1」でお伝えした仕分けを、ルールづくりなしで進められます。
チョータツでできること
案件・人材の情報を、1か所で管理・共有できる
AIが情報の入力を手伝う
他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材をデータベースにできる
パートナーへ、自社の案件・人材をメールで配信できる
チョータツは3,000社以上が利用しており、無料で始められます。見比べる情報が増えるほど、マッチングの候補も増えます。
使い始める流れ
チョータツに無料で登録する
チョータツメールAIの転送設定をして、案件・人材メールを取り込む
自社の案件・人材を登録する(AIが入力を手伝う)
取引のあるパートナーと連携し、営業中の案件・人材を共有する
チョータツブーストで、新しいパートナーを開拓する
SESマッチングアプリ・ツールを選ぶときの目安
SESマッチングアプリやツールを選ぶときは、「自社の情報を整える道具」か「新しい相手と出会う道具」かを先に決めます。両方ができる道具は少ないので、目的に合わせて選びます。
| 目的 | 向いている道具の例 | 確かめること |
|---|---|---|
| 届く情報を整える | メール取り込み・管理ツール | 仕分けと入力の手間がどれだけ減るか |
| 見比べる情報を増やす | 他社と連携できるツール | 連携先の数と情報の新しさ |
| 新しい相手と出会う | 掲載型のサービス・開拓機能 | 自社と取引できる会社がいるか |
| フリーランスに声をかける | スカウト型のサービス | 探せる人数と連絡の手間 |
AIマッチング機能を試すときに確かめる3点
SES向けには、AIでメールを読み取り、候補を出すツールがいくつも出ています。契約する前に、次の3点を自社のデータで確かめます。
精度:過去に決まった案件と人材を10組ほど入れ、AIが同じ組み合わせを候補に出すかを見る
データの扱い:入れた人材情報がAIの学習に使われるか、社外の誰が見られるかを聞く
今の管理表との二重管理:Excelなど今の管理表と、AIツールの両方に入力することにならないかを見る
1の「過去の正解で試す」は、宣伝の数字より確かな判断材料になります。10組のうち何組を候補に出せたかを記録しましょう。
タイプごとの違いと比べ方は、SESマッチングツールの選び方で表にしています。営業全体の道具の組み合わせは、SES営業ツールの種類と選び方で解説しています。
AIマッチングでよくある失敗と防ぎ方
AIマッチングでよくある失敗は、「AIの候補をそのまま出す」ことです。次の4つは特に起きやすいので、先に防ぎ方を決めておきます。
| 失敗 | 起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 候補をそのまま提案する | 商流や再委託の条件が合わず断られる | 商流を最初に人が確かめる |
| 古い情報で絞り込む | すでに決まった人を提案してしまう | 更新日を見て、古い情報は外す |
| 単価だけで選ぶ | 面談で人柄が合わず落ちる | 過去の面談メモを必ず読む |
| 個人情報をそのまま入れる | 情報の扱いで信頼を失う | 氏名・連絡先を消してから入れる |
特に「古い情報」は見落としがちです。人材メールは、送った時点で他社でも提案されています。情報を受け取ってから日がたつほど、決まっている可能性が高くなります。
よくある質問
- Q. SESマッチングはAIだけで完結できますか?
- できません。メールの仕分けや候補の絞り込みはAIに任せられます。一方で、商流・単価・人柄は、営業が相手と話して確かめる必要があります。
- Q. SESマッチングのコツをひとことで言うと?
- 「条件を必須と歓迎に分けること」です。必須条件で候補を絞り、歓迎条件で並べ替えると、0件にも多すぎにもならず、提案先を早く選べます。
- Q. ChatGPTにスキルシートを貼っても大丈夫ですか?
- 入力した内容が学習に使われない設定かを、先に確かめてください。そのうえで、氏名・連絡先・生年月日を消してから入れると安全です。
- Q. SESマッチングアプリは無料でも使えますか?
- 無料で始められるサービスもあります。たとえばチョータツは無料で始められます。ほかのサービスの料金は変わることがあるので、各社の公式サイトで最新の情報を確かめてください。
- Q. AIマッチングの精度を上げるには何が必要ですか?
- 情報の書き方をそろえることと、提案結果の記録です。単価や開始日の書き方がそろうほど、AIは正しく見比べられます。結果の記録は、条件の見直しに使います。
- Q. フリーランスのエンジニアも候補に入れたいときは?
- DrivenXのxhours(エックスアワーズ)を使うと、ITフリーランスに直接スカウトを送れます。パートナー企業の人材と組み合わせると、候補の幅が広がります。
まとめ
SESマッチングは、案件と人材の条件を照らし合わせて提案先を見つける作業
AIに任せるのは、メールの仕分け・入力補助・候補の絞り込みの3つ
商流・単価・人柄は、営業が決まった順番で確かめる
コツは「仕分け→そろえる→絞る→人が確かめる→直す」の5つ
生成AIに人材情報を入れるときは、学習に使われない設定かを確かめ、本人がわかる情報を消す
前準備を楽にするなら、チョータツメールAIで仕分け、チョータツで入力と連携
本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。個人情報の扱いの具体的な判断は、弁護士などの専門家にご相談ください。
運営:チョータツ(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月29日|更新日:2026年9月29日
参考資料
個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」(2023年6月2日)
個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等(PDF)」
e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」(第27条 第三者提供の制限)
総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」(2026年3月31日公表)