SESのBPマッチングが難しい理由5つと成約率を上げるコツ|提案前の確認手順7ステップ付き
公開日:2026年9月29日更新日:2026年9月29日
SESのBPマッチングとは
BPマッチングとは、BP(取引先の会社)の案件や人材と、自社の人材や案件を組み合わせて提案することです。SES営業の仕事の中心で、成約までに一番時間がかかる部分でもあります。
BPマッチングには、2つの向きがあります。
| 向き | 組み合わせるもの | よくある悩み |
|---|---|---|
| 案件に人を合わせる | 自社の案件 × BPの人材 | 条件に合う人がすぐ見つからない |
| 人に案件を合わせる | 自社の人材 × BPの案件 | 単価や商流が合わず、提案しても通らない |
どちらの向きでも、決まらない原因は同じ5つに分けられます。
BPマッチングが難しい理由5つ
BPマッチングが難しい理由は、情報が古い・商流が深い・スキル表記がバラバラ・単価が合わない・返事が遅い、の5つです。まずは、それぞれで何が起きて、今日から何ができるかを一覧で見ます。
| 理由 | 起きること | 今日からできる対策 |
|---|---|---|
| 1. 情報の鮮度 | 提案したら「もう決まりました」 | 提案前に「今も募集中か」を確認する |
| 2. 商流の深さ | 単価が合わない、商流制限で通らない | 最初に「エンドから何次か」を聞く |
| 3. スキル表記のゆれ | 条件に合う人を見落とす、合わない人を出す | 自社の中でスキル名の書き方を決める |
| 4. 単価のずれ | 本人の希望と案件単価が合わない | 利益を引いた「出せる上限」を先に計算する |
| 5. レスの遅さ | 返事を待つうちに他社で決まる | 返信の期限を決め、期限を過ぎたら次へ進む |
理由1:情報の鮮度が落ちている
BPから届く案件・人材の情報は、送られた時点で古くなり始めます。SESでは、同じ案件に複数の会社が同時に提案するので、条件のよい案件ほど早く埋まります。
営業ができる対策は、提案の前に「この案件(人材)は今も営業中ですか?」と一言確認することです。メールの送信日が数日前なら、確認なしで提案しないのが安全です。
理由2:商流が深い
商流とは、SESの仕事がエンド(発注元)から、いくつもの会社を通って流れてくる経路のことです。商流が1段深くなるたびに、間の会社の取り分が引かれ、エンジニアに払える単価が下がります。
さらに、案件によっては「二次請けまで」「自社社員のみ」などの商流制限がついています。商流制限とは、何次の会社の人材まで提案できるかの決まりのことです。制限を確認せずに提案すると、スキルが合っていても通りません。
商流と単価の関係はSESの一次請け・二次請けの違い|単価差と商流を上げる方法で解説しています。
理由3:スキルの書き方がバラバラ
同じスキルでも、会社や人によって書き方が違います。たとえば「AWS」と「Amazon Web Services」、「Java」と「Java SE」です。「PM」と「プロジェクトマネージャー」も同じです。
書き方がバラバラだと、キーワードで探したときに合う人を見落とします。逆に、「Java経験あり」と書かれていても、何年・どの工程かがわからず、合わない人を出してしまうこともあります。
理由4:単価が合わない
単価のずれとは、案件の単価と、人材側が求める単価の差が埋まらない状態のことです。案件単価から自社の利益(マージン)を引いた金額が、人材の希望単価を下回ると、提案しても決まりません。
計算の例です。案件単価が月70万円で、自社のマージンを月5万円とすると、人材側に出せるのは月65万円までです。BPの人材の希望が月68万円なら、そのままでは組めません。
マージンの考え方はSESのマージン率の平均と相場|適正ラインと説明のしかたにまとめています。
理由5:返事が遅い
返事の遅さとは、BPへの確認や面談日程の調整に時間がかかり、その間にほかの会社で決まってしまうことです。案件側・人材側・お客さんの3者の返事が必要なので、1か所が止まると全体が止まります。
対策は、返信の期限を最初に伝えることです。「本日17時までにご返信がなければ、今回は見送ります」と書いておくと、相手も優先して動きやすくなります。
面談日程の組み方はSES面談の流れ|2回面談になる理由と営業の段取り7ステップで解説しています。
成約率を上げる確認手順7ステップ
成約率を上げるコツは、スキルより先に「今も募集中か」「商流」「単価」を確認することです。スキルが合っていても、この3つのどれかで止まる提案が多いからです。次の7ステップの順で確認します。
鮮度を確認する:案件・人材が今も営業中かを、BPに一言で確認する。
商流を確認する:エンドから何次か、商流制限があるかを聞く。初めてのBPなら、国税庁 法人番号公表サイトで実在も確かめる。
単価を計算する:案件単価から自社のマージンを引き、人材に出せる上限を出す。
必須スキルを照らし合わせる:案件の「必須」条件だけを先に見る。「歓迎」は後回しにする。
稼働開始日と勤務条件を合わせる:開始日、リモートの可否、勤務地を確認する。
本人の意向を確認する:BPを通して、本人がその案件に前向きかを確認する。
提案し、期限を決めて追いかける:提案メールに返信期限を書き、期限を過ぎたら次の候補へ進む。
ステップ4のコツ:「必須」と「歓迎」を分ける
案件票には、必ずある条件の「必須」と、あればうれしい「歓迎」が混ざっています。必須を1つでも満たさない人は、ほぼ通りません。先に必須だけで候補を絞ると、確認の手間が減ります。
ステップ6のコツ:本人の同意なしに提案しない
本人が知らないうちに提案すると、面談の直前で辞退されることがあります。本人の同意がない提案は、重複提案の原因にもなります。
重複提案とは、1人のエンジニアが、別々の会社から同じ案件に提案されてしまうことです。重複はお客さんからの信頼を大きく下げます。
提案メールの書き方は要員提案メールの例文とテンプレ|SES営業の通過率を上げる書き方で紹介しています。
提案前にBPへ送る確認質問テンプレ
提案前にBPへ送る質問は、次の6つにしぼると、短く確認できます。そのままコピーして使ってください。
〇〇様 いただいた〔案件名/人材イニシャル〕の件、提案を検討しております。 恐れ入りますが、次の点をご確認いただけますでしょうか。 1. 現在も営業中でしょうか 2. 商流(エンドから何次か)と、商流制限の有無 3. 単価(希望単価)と精算幅 4. 必須スキルの経験年数・担当した工程 5. 稼働開始日、リモート可否 6. すでに他社から同じ案件(人材)に提案されていないか 本日17時までにご返信いただけますと幸いです。 よろしくお願いいたします。
精算幅とは、SES契約で決める1か月の稼働時間の上限と下限のことです(例:140〜180時間)。単価と一緒に聞いておくと、あとで条件が合わなくなるのを防げます。
スキル表記のゆれを防ぐ社内ルール
スキル表記のゆれは、社内で「書き方の決まり」を1枚つくるだけで大きく減らせます。案件や人材を登録するときに、この決まりに合わせて書き直します。
| よくある書き方 | 社内でそろえる書き方 | ルール |
|---|---|---|
| aws / Amazon Web Services | AWS | 正式な略称の大文字にそろえる |
| Java SE / java | Java | 言語名はバージョンを分けて書く(例:Java(17)) |
| PM / プロマネ | PM | 役割は略称にそろえる |
| 設計経験あり | 基本設計(3年) | 工程名と年数をセットで書く |
スキルシートの書き方をBPとそろえておくと、さらに比べやすくなります。
BPから優先して情報をもらう関係のつくり方
BPから優先して情報をもらうコツは、「決まりやすい相手」だと思ってもらうことです。BPの営業担当者も、毎日たくさんの会社に同じ情報を送っています。その中で先に声がかかるのは、返事が早く、結果をきちんと返してくれる会社です。
| やること | 具体例 | 効果 |
|---|---|---|
| 結果を必ず返す | 見送りでも「単価が合わず見送り」と理由を伝える | 次から条件に合う情報が届く |
| 注力するBPを絞る | よく決まる5社前後と、月1回は情報交換する | 1社あたりのやりとりが濃くなる |
| 自社の情報を先に出す | 自社の営業中人材を毎週まとめて送る | お返しに案件情報が届きやすくなる |
| 担当者を固定する | BPごとに窓口を1人に決める | 誰に聞けばよいかが相手に伝わる |
見送りの連絡を返さないBPは、そのうち情報を送ってもらえなくなります。断りの返事の書き方は、案件紹介のお断りメール例文8選|関係を切らない返信のコツが参考になります。
やってはいけないBPマッチング
BPマッチングで避けたいのは、「商流を隠して提案する」「本人の同意なく提案する」「経歴を盛る」の3つです。どれも一度で信頼を失い、BPとの取引が止まる原因になります。
商流を隠す:商流を正しく伝えないと、あとで商流制限に引っかかる。取引そのものが止まることもある(SESの商流飛ばしは違法?営業が知るべきリスクと防ぎ方5つ)。
本人の同意なく提案する:重複提案や面談直前の辞退につながる。
経歴を盛る:スキルシートを実際より良く書くと、現場に入ってから問題になる。
商流が深すぎる組み方も避けます。派遣で受けた人を、さらに別の会社の指示で働かせる形は危険です。職業安定法第44条が禁じる労働者供給(二重派遣)とみなされるおそれがあります。
経歴の問題が起きたときの対応はSESの経歴詐称がバレたら?営業がやる対応6ステップにまとめています。
連携DBとメール切り分けで探す手間を減らす
ここまでの確認手順は、自分でも今日から始められます。ただ、BPから毎日届く大量のメールを読み、条件に合う案件・人材を探す手間そのものは残ります。DrivenXのチョータツを使うと、「探す」と「整理する」の手間を減らせます。
| 難しさ | 自分でやる場合 | チョータツを使う場合 |
|---|---|---|
| 情報が散らばる | メールを1通ずつ読み、Excelに転記 | チョータツで連携すると、相手の営業中案件・営業中人材がデータベースになる |
| メールが多すぎる | 案件か人材かを目で仕分け | チョータツメールAIが案件メールと人材メールに自動で切り分け |
| BPの数が足りない | 検索・交流会で1社ずつ開拓 | チョータツブーストで新しいパートナー企業を開拓 |
| 自社の情報を届ける | BCCで一斉送信 | チョータツのメール配信機能でパートナーに配信 |
チョータツの連携データベース
チョータツとは、SES営業の案件・人材を管理・共有できるツールのことです。他社と連携すると、連携した会社の営業中案件・営業中人材を、自社のデータベースとして見られます。「営業中」の情報を探せるので、理由1の「情報の鮮度」の悩みを減らす助けになります。
チョータツメールAI
チョータツメールAIとは、届いたメールをAIが案件メールと人材メールに切り分ける、メールインポート機能のことです。転送設定で取り込めて、案件・人材以外のメールはデータに残りません。メールの山から探す時間を減らせます。
チョータツブースト
チョータツブーストとは、チョータツの中で新しいパートナー企業を開拓できる機能のことです。組めるBPが増えるほど、案件と人材の組み合わせも増えます。チョータツは3,000社以上が使っていて、無料で始められます。
よくある質問
- Q. SESのBPマッチングで、一番決まらない原因は何ですか?
- 多いのは、スキル以前に「情報が古い」「商流」「単価」で止まるケースです。提案前に、今も営業中か・何次か・単価の3点を確認しましょう。
- Q. 要員提案がなかなか決まらないときは、何を見直せばいいですか?
- まず、案件の「必須」条件を満たしているかを見直します。次に商流制限と単価のずれを確認し、最後に提案メールの書き方を見直しましょう。
- Q. BPの人材は、どうやって探せばいいですか?
- 取引のあるBPからの配信メール、パートナー募集ページ、交流会が基本です。チョータツなら、連携した会社の営業中人材をデータベースとして探せます。
- Q. BPからのメールが多すぎて、見落としてしまいます。
- 件名のルールで振り分けるか、チョータツメールAIで案件メールと人材メールに自動で切り分ける方法があります。案件・人材以外のメールはデータに残りません。
- Q. BPから案件や人材の情報が来なくなりました。どうすればいいですか?
- 提案の結果や見送りの理由を毎回返しているかを見直します。自社の営業中人材を先に送ると、お返しに情報が届きやすくなります。
- Q. 案件と人材のマッチングにAIは使えますか?
- 使えます。メールの仕分けや候補探しにAIを使うツールが増えています。詳しくはSESマッチングのAI活用をご覧ください。
まとめ
BPマッチングが難しい原因は、情報の鮮度・商流の深さ・スキル表記のゆれ・単価のずれ・レスの遅さの5つ
確認は「鮮度→商流→単価→スキル→本人の意向」の順。スキルより先に止まりやすい条件を見る
提案前にBPへ6つの質問を送り、返信期限を決める
社内でスキル名の書き方をそろえると、見落としと出し間違いが減る
見送りでも結果を返し、注力BPを5社前後に絞ると、優先して情報が届く
探す手間はチョータツの連携データベースとチョータツメールAIで、BPの数はチョータツブーストで増やせる
本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。
運営:チョータツ(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月29日|更新日:2026年9月29日
参考資料(2026年9月28日確認)