営業のAI活用|SES営業でAIに任せられる業務・人が残す業務の切り分け表と導入の手順6つ

公開日:2026年10月1日更新日:2026年10月1日

営業のAI活用とは?SES営業で何が変わるか

営業のAI活用とは、文章の整理や下書きの作業をAIに任せ、人が判断と対話に集中することです。 SES営業では、特にメールと書類の作業が大きく減ります。

ここでいうAIは、主に生成AIのことです。生成AIとは、大量の文章を学習し、指示に合わせて文章を作ったり、まとめたりするAIのことです。米OpenAI社の対話型AI「ChatGPT」などが代表例です。

AIの業務利用は広がっています。総務省の令和8年版情報通信白書(2026年9月30日確認)では、何らかの業務で生成AIを使う日本企業は86.4%でした。活用方針を「わからない」と答えた企業を除いた割合です。業務の種類別では「議事録・メール作成補助」が約7割、「営業・販売」が約6割です。

SES営業は、毎日たくさんの案件メール・人材メールを読み、書く仕事です。そのため、AIの効果が出やすい職種の1つといえます。

SES営業の1日の業務と、AIに任せられるもの

下の表の6つの業務のうち4つは、AIに下書きや整理を任せられます。 ただし、任せるのは「作業」までです。送るか・決めるかは人が判断します。

SES営業の1日の流れは、おおむね次のとおりです。

時間帯主な業務AIに任せられるかAIがやること
朝案件メール・人材メールの仕分け任せられる案件・人材・その他に分け、要点を短くまとめる
午前要員マッチング(案件と人材の組み合わせ)一部任せられるスキル条件の合う候補を並べる
午前スキルシートの整形・匿名化任せられる書式をそろえ、氏名などを伏せる
午後提案メール・お断りメールの作成任せられる下書きを作る。人が直して送る
午後面談調整・単価交渉・商流確認任せない人が相手と話して決める
夕方日報・進捗の記録任せられる1日のメモを決まった形にまとめる

要員とは、案件に参加してもらうエンジニアのことです。スキルシートとは、エンジニアの経歴やスキルを1枚にまとめた書類のことです。

朝:案件メールの仕分けと要約

案件メールの仕分けは、AIに最も任せやすい作業です。 案件メールとは、BP(取引先の会社)から届く「こんな人を探しています」という案件情報のメールのことです。

AIに任せると、次の作業が減ります。

  1. メールを開いて、案件か人材かを見分ける

  2. 必要なスキル・場所・期間などを読み取る

  3. 自社で扱えそうなものだけを残す

手作業での仕分けのコツは、SESの案件メール整理方法|Outlook振り分けと見落とし防止策で解説しています。

午前:要員マッチングとスキルシートの整形

マッチングは「候補を並べる」までをAIに任せ、提案するかは人が決めます。 必須スキルが合っても、本人の希望や人柄、稼働できる日が合わないことがあるからです。

スキルシートの整形もAIが得意な作業です。BPから届いた形のばらばらなシートを、自社の書式にそろえられます。

ただし、スキルシートには個人情報が入っています。AIに入れる前に、氏名・生年月日・住所などを伏せる匿名化をしてください。匿名化とは、個人がわからないように名前などを消したり、イニシャルに変えたりすることです。

午後:提案メールの下書き

提案メールは、AIに下書きさせて人が仕上げるのが基本です。 条件面(単価・期間・場所などの取引条件)の数字は、必ず元の情報と見比べてください。

プロンプト(AIへの指示文)の例は、SES営業のChatGPT活用法|案件整理・提案文のプロンプト例10にそのまま使える形で載せています。

夕方:日報のまとめ

日報は、1日のメモを貼って「決まった形にまとめて」と頼むだけで作れます。 提案数・面談数・決定数など、数える項目を先に決めておくと、AIの出力がぶれません。

日報の項目は「提案数・面談数・決定数・翌日の予定」の4つから始めると、AIのまとめがそろいます。

AIに任せず、人が残す3つの業務

面談調整・単価交渉・商流確認の3つは、人が担当します。 どれも相手との信頼や、お金・契約の責任がからむ仕事だからです。

業務人が残す理由AIに手伝わせてよい範囲
面談調整エンジニア・BP・客先の都合を、その場の事情も見て合わせる必要がある候補日時の一覧づくり、案内メールの下書き
単価交渉相手との関係や今後の取引を見ながら、落としどころを決める相場や過去の条件の整理、交渉メールの下書き
商流確認何次請けか、再委託の制限はあるかを、相手に直接確かめる必要がある確認すべき質問リストの作成

商流とは、エンド(発注元)から自社まで、仕事が何社を通って届いたかという流れのことです。商流を読み違えると、契約違反や思わぬトラブルにつながります。聞き方はSESの商流の確認方法|何次請けかの見分け方と質問例文にまとめています。

営業はAIでなくなる?SES営業の答え

SES営業の仕事はAIでなくなりません。ただし、AIを使わない営業と使う営業では、1日にこなせる提案数に差が出ます。 なくなるのは「仕事」ではなく「作業」です。

SES営業がなくなりにくい理由は、次の3つです。

  1. 人と人をつなぐ仕事だから:エンジニアの希望と客先の期待を、話しながらすり合わせる必要があります。

  2. お金と契約の責任があるから:単価・精算・商流の判断を間違えると、会社が損をします。AIは責任を取れません。

  3. 情報がメールや会話の中にあるから:「この客先は面談で何を重視するか」などの情報は、関係の中でしか手に入りません。

一方で、メールの仕分けや書類の整形だけをしている営業は、AIに作業を置きかえられやすくなります。生成AIがSES業界全体に与える影響は、SESへの生成AIの影響|人月モデルと単価の変化、営業の備え5つで詳しく解説しています。

AI営業ツールの種類と選び方

AI営業ツールは、「汎用の生成AI」と「SES営業向けの専用ツール」に分けると選びやすくなります。 汎用ツールは何にでも使えますが、毎回の指示と貼り付けが必要です。

種類向いている作業手間注意点
汎用の生成AI(ChatGPTなど)メールの下書き、要約、日報のまとめ毎回メールを貼り付け、指示を書く入力してよい情報を社内で決める
営業支援ツール(SFA・CRM)のAI機能顧客や商談の記録の整理項目がSES向けでないことがある案件・人材の管理には合わない場合がある
SES営業向けの専用ツール案件メールの仕分け、案件・人材の管理と共有転送などの設定をすれば、日々の貼り付けは不要自社のメール運用に合うか試して確かめる

SFAとは、商談の進み具合を記録する営業支援システムのことです。CRMとは、顧客の情報を管理するシステムのことです。汎用のSFA・CRMは、案件と人材を組み合わせる管理には向かないことがあります。

選ぶときは、まず1日で一番時間を取られている作業に効くかどうかで見てください。案件メールの処理に時間を取られているなら、メール仕分けに強いツールを優先します。比較の観点はSESの案件メール解析ツール比較|AIで自動仕分けする選び方5つにまとめています。

SES営業でAIを導入する手順6つ

AI導入のコツは、ツール選びより先に「使う作業」と「入力してよい情報」を決めることです。 次の6つの手順で進めると、失敗が少なくなります。

  1. 作業時間を1週間測る:メール仕分け・転記・提案メール・日報に、それぞれ何分かかっているかを記録します。

  2. AIに任せる作業を2つに絞る:時間が長く、決まった形のある作業を選びます。多くの場合、メール仕分けと提案メールの下書きです。

  3. 入力してよい情報を決める:スキルシートは匿名化してから入れる、客先名は伏せる、などのルールを文章にします。

  4. ツールを選んで2週間試す:汎用の生成AIで試すか、専用ツールで試すかを決めます。1人で試してから広げます。

  5. AIの出力を人が確認する流れを決める:単価・期間・場所の数字は、送る前に元のメールと見比べます。

  6. 時間の変化を測り、対象を広げる:手順1と同じ方法で測り、減った作業から順に他のメンバーへ広げます。

AIで空いた時間は、誰の何に回すかを先に決めます。SES営業の分業体制の作り方|案件・人材・事務の担当分けの型を参考に、担当分けと一緒に決めると定着します。

手順3で使う「AI入力ルール」の例

社内で配る入力ルールは、次のように短く書くと守られやすくなります。

  • AIに入れてよい:匿名化したスキルシート、客先名を伏せた案件の条件

  • AIに入れない:エンジニアの氏名・連絡先・生年月日、客先の社名と機密情報、契約書の本文

  • 送る前に確認する:単価・期間・場所・商流の数字と表記

  • 学習に使われない設定になっているかを、ツールごとに確認する

個人情報保護委員会の注意喚起は、会社が生成AIに個人情報を入力する場合、あらかじめ決めた利用目的の範囲内かを十分に確認するよう求めています。この記事は一般的な情報であり、法的助言ではありません。スキルシートを扱うときの同意の取り方は、スキルシートの個人情報と第三者提供の同意|SES提案で守る手順と文例を確認してください。

提案メールの下書きをAIに頼むときの例文

AIへの指示は「役割・材料・形・禁止事項」の4つを書くと、使える下書きが出やすくなります。 次の例は、匿名化した人材情報で提案メールを作るときの指示文です。

あなたはSES企業の営業担当です。
次の案件情報と人材情報をもとに、BP向けの要員提案メールの下書きを作ってください。
・形:件名1行+本文10行以内。条件面は箇条書き
・入れる項目:氏名のイニシャル、最寄り駅、スキルと経験年数、稼働開始日、単価
・禁止:書かれていない情報を足さない。数字を変えない。年齢・性別は書かない
(案件情報)Java開発、2026年11月開始、東京都港区、リモート週2日
(人材情報)K.T、Java経験6年、2026年11月1日から稼働可

できた下書きは、単価と開始日を元の情報と見比べてから送ります。たとえば2026年10月5日(月)に受けた案件なら、10月7日(水)までに提案を返す、のように期限も自分で入れてください。提案メールの型は、要員提案メールの例文とテンプレ|SES営業の通過率を上げる書き方で紹介しています。

チョータツでAI活用をもっと楽にする方法

自分で生成AIに貼り付ける方法でも効果は出ます。ただ、毎日のメール処理と入力は、SES営業向けの機能に任せたほうが手間が減ります。 DrivenXのプロダクトでは、次のように分担できます。

悩み使う機能できること
案件メールと人材メールが混ざって探せないチョータツメールAI届いたメールをAIが案件メールと人材メールに切り分ける。転送設定で取り込める
案件・人材の情報の入力と共有に時間がかかるチョータツ案件・人材を管理・共有できる。AIが入力を手伝う。パートナーへのメール配信もできる
案件と人材の情報源が足りないチョータツ(連携)他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材をデータベース化できる
新しい取引先が増えないチョータツブーストチョータツの中で、新しいパートナー企業を開拓できる

チョータツメールAIで朝の仕分けを減らす

チョータツメールAIは、メールを取り込むだけで案件メールと人材メールを切り分けます。メールに書かれた単価や商流などの条件も読み取ります。 案件・人材以外のメールはデータに残らないため、営業に関係ない連絡が混ざりません。

汎用の生成AIのように、1通ずつ貼り付けて指示を書く必要がありません。転送設定をしておけば、毎朝の仕分けの手間を減らせます。

チョータツで入力と共有をまとめる

チョータツは、3,000社以上が使うSES営業のための案件・人材の管理・共有ツールです。 AIが入力を手伝うので、メールからExcelへの転記の手間を減らせます。

チームで同じ案件・人材の情報を見られるため、「誰がどの人材を提案したか」が分かれにくくなります。

チョータツブーストで取引先を増やす

AIで作業時間が減ったら、空いた時間を新しい取引先づくりに使うのがおすすめです。チョータツブーストを使うと、チョータツの中で新しいパートナー企業を開拓できます。

空いた時間で、新しいパートナーを開拓する:無料で登録してブーストを使う

SES営業のAI活用でやってはいけないこと

やってはいけないのは、「AIの出力をそのまま送る」「個人情報をそのまま入れる」「全部の作業を一度に置きかえる」の3つです。 どれも、取引先の信頼を失う原因になります。

  • AIの出力をそのまま送る:AIは、元の情報にない数字や経歴を書き足すことがあります。単価や稼働開始日の間違いは、取引の失敗に直結します。

  • 個人情報をそのまま入れる:エンジニア本人の同意の範囲を超えて情報を扱うおそれがあります。匿名化してから入れます。

  • 全部を一度に置きかえる:メンバーが使い方をそろえられず、結局元のやり方に戻りがちです。2つの作業から始めます。

AIの下書きを送る前の確認チェックリスト

提案メールやBP向けの配信文をAIに作らせたら、送る前に次の6点を見ます。

  • 単価(万円・月額)が元の案件メール・人材メールと同じか

  • 稼働開始日・精算幅(140〜180時間など)が元の情報と同じか

  • 商流の位置(何次か)と「BP可否」を書き足していないか

  • 経歴・年数・資格が盛られていないか

  • 氏名はイニシャル、客先名は伏せたままか

  • 宛先のBPが、その案件を再配信してよい相手か

よくある質問

Q. 営業でAIを活用するなら、まず何から始めればいいですか?
案件メールの仕分けと、提案メールの下書きから始めるのがおすすめです。毎日発生し、決まった形があるため、効果が見えやすいからです。
Q. 営業職はAIでなくなりますか?
SES営業の仕事はなくなりません。面談調整・単価交渉・商流確認など、人との関係と責任がからむ仕事が残るからです。メールの仕分けなどの作業は減っていきます。
Q. AI営業ツールと営業支援ツールは何が違いますか?
AI営業ツールは、文章の整理や下書きをAIが手伝う道具です。営業支援ツール(SFA)は商談の記録を管理する道具で、AI機能を持つ製品もあります。
Q. 営業事務の仕事もAIに任せられますか?
案件・人材情報の入力、メールの仕分け、日報や報告書のまとめは任せやすい作業です。注文書・請求書の金額の最終確認は、人が行ってください。
Q. 無料で営業のAI活用を始められますか?
汎用の生成AIの無料版で、提案メールの下書きなどは試せます。チョータツも無料で始められるので、案件・人材の管理とあわせて試せます。
Q. スキルシートをAIに読み込ませても大丈夫ですか?
氏名・連絡先などを伏せて匿名化してから入れてください。あわせて、入力内容がAIの学習に使われない設定かを確認します。

まとめ

  • 営業のAI活用とは、文章の整理や下書きの作業をAIに任せ、人が判断と対話に時間を使うこと

  • SES営業でAIに任せやすいのは、案件メールの仕分け・要約、スキルシートの整形、提案メールの下書き、日報のまとめ

  • 面談調整・単価交渉・商流確認は人が残す。AIは下書きと整理まで

  • 営業の仕事はAIでなくならない。なくなるのは作業で、提案の数と質で差がつく

  • 導入は「時間を測る→任せる作業を2つに絞る→入力ルールを決める」の順で進める

  • 案件メールの仕分けはチョータツメールAI、入力と共有はチョータツ、取引先づくりはチョータツブーストに任せると楽になる

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年10月1日|更新日:2026年10月1日

参考資料(2026年9月30日確認)

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