SES営業のKPIの目安|稼働目標から逆算する1日の提案数・面談数と1人あたり売上目標、悪い段階ごとの打ち手

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

SES営業のKPIとは?

SES営業のKPIとは、売上や稼働人数というゴールに向けて、毎日・毎週追いかける途中の数字のことです。KPIは「重要業績評価指標」の略で、ゴールそのものの数字はKGI(重要目標達成指標)と呼びます。

SES営業では、KGIを「月の売上」や「稼働人数」に置くのが一般的です。KPIは、そのKGIにつながる提案数・面談数・成約数などの行動の数字です。

種類SES営業での例見る頻度
KGI(ゴール)月の売上、粗利、稼働人数月1回
KPI(途中の数字)提案数、面談数、成約数、新規稼働数毎日〜毎週
率(段階の効率)書類通過率、面談成約率、稼働率毎週〜毎月

KGIだけを見ていると、月末に「足りない」とわかっても手遅れです。KPIを毎日見ると、月の途中で遅れに気づいて手を打てます。

SES営業のKPIは「提案→面談→成約→稼働」の4段階

SES営業のKPIは、提案数・面談数・成約数・稼働数の4つを段階ごとに持つのがおすすめです。1つの数字だけでは、どこで詰まっているかがわからないからです。

段階数えるもの次の段階へ進む率
① 提案案件に人材を出した件数(スキルシート送付)書類通過率
② 面談お客さんとの面談(顔合わせ)の実施回数面談成約率
③ 成約参画が決まった件数稼働開始率(決定→稼働)
④ 稼働実際に案件に入った人数―

それぞれの言葉の意味は次のとおりです。

  • 書類通過率とは、提案した件数のうち、面談に進んだ件数の割合のことです。

  • 面談成約率とは、面談した回数のうち、参画が決まった件数の割合のことです。

  • 稼働開始率(決定から稼働までの率)とは、決まった件数のうち、実際に稼働が始まった割合のことです。辞退や開始日の延期があると下がります。

案件側の営業と人材側の営業で数える向きが違う

SES営業には、2つの向きがあります。自社やBPの人材を案件に出す「人材側」と、自社の案件にBPの人材を集める「案件側」です。

向き主なKPI補助のKPI
人材側(人を出す)提案数、面談数、成約数担当人材の待機人数
案件側(人を集める)集めた人材の数、面談設定数、成約数受けた案件の数、充足までの日数

1人の営業が両方を担当する会社も多いです。その場合は、向きごとにKPIを分けて記録すると、どちらで詰まっているかがわかります。

SES営業のKPIの目安(逆算の計算式と設定例)

SES営業のKPIの目安は、ゴールの稼働数から、各段階の率で割り戻して決めます。業界全体で共通の目安を示した公的な統計はないため、自社の実績の率を使うのが一番正確です。

逆算の計算式

  1. 稼働目標を決める(例:月2名)

  2. 成約目標=稼働目標÷決定から稼働までの率

  3. 面談目標=成約目標÷面談成約率

  4. 提案目標=面談目標÷書類通過率

  5. 1日の提案目標=提案目標÷その月の営業日数

設定例:月2名を稼働させる場合

まだ自社の実績がないときは、次の仮の率から始め、3か月ほどで自社の実績に置き換えます。仮の率は本記事の設定例で、業界平均ではありません。

段階仮の率月の目標数
稼働―2名
成約決定→稼働 100%(辞退なし)2件
面談面談成約率 33%6回
提案書類通過率 20%30件

2026年10月の営業日は21日です(土日と10月12日のスポーツの日を除く)。提案30件÷21日で、1日あたり約1.5件の提案が目安になります。

率が変わると提案数は大きく変わる

同じ「月2名」でも、書類通過率が変わると必要な提案数は大きく変わります。

書類通過率面談成約率月2名に必要な提案数1日あたり(21営業日)
10%33%60件約2.9件
20%33%30件約1.5件
30%33%20件約1.0件
20%50%20件約1.0件

提案数を増やすより、率を上げたほうが楽になることがわかります。書類通過率を10%から20%に上げると、同じ成果に必要な提案は半分です。

辞退や延期がある場合の計算例

決まっても稼働しない人が出る会社は、その分を上乗せします。

  • 決定→稼働の率が80%なら、成約目標=2名÷0.8=2.5件

  • 面談目標=2.5件÷0.33=約7.6回(8回)

  • 提案目標=8回÷0.2=40件

辞退が多いと、同じ稼働数でも提案は10件多く必要です。辞退を減らすことも、立派なKPI改善です。

1日の提案数の目安と決め方

1日の提案数の目安は、月の提案目標を営業日数で割った数です。本記事の設定例では1日約1.5件ですが、担当人数や率によって変わります。

1日の数を決めるときは、次の3つを確認します。

  1. 担当している待機・待機予定の人数:提案できる人がいなければ、提案数は増やせません。

  2. 提案1件にかかる時間:案件を読み、条件を確認し、スキルシートを整えて送るまでの時間です。

  3. 1人を何件に並行で出すか:並行での提案は、会社ごとのルールを守って行います。

提案数だけを追うと、条件の合わない案件にまで出してしまいます。書類通過率が下がり、相手の会社からの信頼も落ちます。提案数と書類通過率は必ずセットで見るようにしましょう。

→ SESの並行営業のルール|トラブルを防ぐ5つの決まり事

1人あたり売上目標の決め方

SES営業の1人あたり売上目標は、「担当する稼働人数×平均単価」で決めます。あわせて、会社に残るお金である粗利の目標も持ちます。

粗利とは、売上から、エンジニアの給与やBPへの支払いなどの原価を引いた残りのことです。

計算の手順

  1. 会社の月の粗利目標を決める

  2. 営業1人あたりの粗利目標=会社の粗利目標÷営業の人数

  3. 必要な担当稼働人数=1人あたり粗利目標÷1人あたりの平均粗利

  4. 1人あたり売上目標=必要な担当稼働人数×平均単価

計算例

次の数字は、計算の流れを示すための例です。

項目例の数字計算
会社の月の粗利目標900万円―
営業の人数3名―
1人あたり粗利目標300万円900万円÷3名
1人あたりの平均粗利12万円単価65万円−原価53万円
必要な担当稼働人数25名300万円÷12万円
1人あたり売上目標1,625万円25名×65万円

売上だけを目標にすると、粗利の薄い案件でも数を取りにいきがちです。売上と粗利の両方を目標に置くと、単価交渉や商流の改善にも目が向きます。

→ SESの粗利率の平均は?利益率の計算式と計算例・上げる方法5つ

新規の稼働だけでなく「減る分」も入れる

担当の稼働人数は、契約終了で毎月少しずつ減ります。1人あたり売上を保つには、減る人数を埋める新規稼働が必要です。

  • 月の新規稼働目標=契約終了で減る見込みの人数+増やしたい人数

  • 例:月1名が終了し、1名増やしたいなら、新規稼働目標は月2名

このため、契約更新率(更新の時期を迎えた人のうち、更新できた人の割合)もKPIに入れておくと安心です。

→ SESの稼働率の平均と上げ方|待機を減らす営業の打ち手5つ

KPIが悪い段階ごとの打ち手

KPIが目標に届かないときは、4つの段階のうち、どの率が低いかを先に調べます。原因の段階がわかれば、打ち手を絞れます。

悪い段階よくある原因打ち手
提案数が少ない案件・人材の情報が探せない、提案の準備が遅い情報を1か所にまとめる、提案の型を決める
書類通過率が低い条件が合っていない、スキルシートが読みにくい必須条件の確認を先に行う、スキルシートを案件に合わせて整える
面談成約率が低い面談の準備不足、条件のすれ違い面談前の打ち合わせ、単価・開始日の再確認
決定→稼働が低い本人の辞退、他社で先に決まる本人の意向確認をこまめに、並行状況を共有

提案数が少ないとき

提案数が少ない原因の多くは、提案に使う情報を探す時間です。メールで届く案件・人材の情報が受信箱に埋もれると、合う組み合わせを見つけるのに時間がかかります。

  • 届いた案件・人材の情報を、毎日決まった時間に一覧へ移す

  • 提案メールの型を作り、毎回ゼロから書かない

→ SESの要員提案スピードと精度を上げる方法|流れと管理のコツ6つ

書類通過率が低いとき

書類通過率が低いときは、提案する前の条件確認を見直します。スキル・単価・勤務地・開始日のどれか1つでも合わないと、通りにくくなります。

  • 案件の必須条件を、提案前にチェックリストで確認する

  • スキルシートの冒頭に、案件に合う経験を3行でまとめる

書類で落ちた理由は、提案先に聞いて記録しておくと、次の提案の条件確認に使えます。

面談成約率が低いとき

面談成約率が低いときは、面談前の準備を見直します。案件の内容をエンジニアに伝えきれていないと、質問に答えられず見送りになりがちです。

なお、SES(準委任契約)では、お客さんが個人を指名したり、選んだりすると、偽装請負と見られるおそれがあります。面談は、会社どうしの業務の確認の場として進めましょう。

→ SESの面談通過率を上げる方法|平均の目安と事前準備8つ

見送りになったときは、理由を聞いて提案ログに残します。聞き方の例文はSES面談の見送り理由の聞き方|例文と次の提案に活かす記録法にまとめています。

決定から稼働までで落ちるとき

決まった後の辞退は、本人の意向と、ほかの会社の選考状況を把握できていないことが原因です。面談の前後に、本人の希望と並行状況を確認しておきます。

KPIをExcelで集計する手順

KPIは、まずExcelで記録と集計から始められます。無料で、今日から始められるのが良い点です。

手順

  1. 提案ログのシートを作る:列は「提案日・担当者・人材名・案件名・相手の会社・向き・結果」です。向きは人材側か案件側かを書きます。

  2. 結果の選び方をそろえる:結果は「提案中・書類NG・面談設定・面談NG・決定・稼働・辞退」から選ぶ形にします。自由に書かせると集計できません。

  3. 提案するたびに1行足す:その日のうちに記録するルールにします。

  4. 集計シートを作る:担当者ごと・月ごとに、段階の件数を数えます。例:=COUNTIFS(担当者列,"佐藤",結果列,"面談設定")

  5. 率を計算する:書類通過率=面談に進んだ件数÷提案数です。面談に進んだ件数には、面談設定より先の結果(面談NG・決定・稼働・辞退)も含めます。

  6. 週1回、チームで見る:目標との差と、率が低い段階を確認します。

Excelでの案件・人材管理のやり方は、次の記事でテンプレと一緒に解説しています。

→ SESの案件・人材管理をExcelで無料で行う方法|テンプレ付き

Excel集計でつまずきやすい点

  • 記録もれ:忙しい日ほど、提案の記録が後回しになります。

  • 表記ゆれ:会社名や案件名の書き方がそろわず、同じものを数えられません。

  • 結果の更新もれ:面談の結果が出ても、行が「提案中」のまま残ります。

  • 同時編集:複数人で1つのファイルを触ると、上書きや壊れが起きます。

Excel集計と、提案履歴が自動で残るツール管理の比較

Excelは始めやすい一方、記録の手間とルール決めが営業の負担になります。提案の履歴が作業の中で自動で残るツールを使うと、この負担を減らせます。

比べる点Excelで集計履歴が自動で残るツール
費用無料で始められるツールによる(無料で始められるものもある)
記録の手間提案ごとに手で入力作業の流れで記録が残る
集計関数・ピボットを自分で作る画面で確認できるものが多い
共有ファイルの受け渡し・同時編集に注意チームで同じ画面を見られる

おすすめの順番は、まずExcelで3か月記録して自社の率を知り、手間が増えてきたらツールへ移ることです。何を数えるかが決まっていれば、ツールへ移っても迷いません。

提案履歴を自動で残せるか、どこまで集計できるかはツールごとに違います。選ぶときは、無料で試して確かめましょう。

チョータツとチョータツメールAIで提案の準備を楽にする

KPIの中で、多くの営業が一番苦労するのは提案数を増やすことです。その大きな原因は、案件・人材の情報を集めて探す作業にあります。DrivenXのチョータツとチョータツメールAIは、この作業を楽にします。

チョータツ:案件・人材の情報を1か所で管理・共有

チョータツとは、SES営業の案件・人材の情報を管理・共有できるツールです。3,000社以上が利用し、無料で始められます。

  • 案件・人材の情報を1か所にまとめ、チームで共有できる

  • AIが入力を手伝うので、登録の手間を減らせる

  • パートナーへのメール配信機能で、案件・人材の情報をまとめて届けられる

  • 他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材をデータベース化できる

情報が1か所にあれば、「合う案件を探す時間」が短くなります。その分、1日の提案数を増やしたり、条件確認に時間を使って書類通過率を上げたりできます。

チョータツメールAI:届いたメールを案件と人材に切り分け

チョータツメールAIとは、届いたメールをAIが処理し、案件メールと人材メールに切り分ける機能です。転送設定で取り込めます。案件・人材以外のメールはデータに残りません。

毎朝、大量の案件メール・人材メールを手で仕分けている営業にとって、仕分けの時間がそのまま提案の時間に変わります。

xhours:提案できる人材が足りないとき

提案数が伸びない原因が「出せる人がいない」ことなら、人材の入り口を増やします。xhoursとは、企業がITフリーランスに直接スカウトできるサービスです。数千名のフリーランスのデータベースから探せます。

→ xhoursでフリーランスを探す

KPI管理で失敗しないためのチェックリスト

KPIを決めたら、次の7項目を確認しましょう。1つでも「いいえ」があれば、KPIが形だけになるおそれがあります。

  • KGI(売上・粗利・稼働人数)から逆算してKPIを決めている

  • 提案数だけでなく、書類通過率・面談成約率も見ている

  • 「提案」「面談」「成約」の数え方を、チーム全員でそろえている

  • 人材側と案件側の数字を分けて記録している

  • 契約終了で減る人数を、新規稼働の目標に入れている

  • 週1回、目標との差と、率が低い段階を確認している

  • 3か月ごとに、仮の率を自社の実績の率に置き換えている

数え方がそろっていないと、担当者どうしで数字を比べられません。KPIのルールを文書にしておくと、新人が入ったときにもすぐ使えます。

週1回の共有に使う報告の型

週次の会議では、担当者が次の型でチャットに書いてから集まると、10分で確認が終わります。

例文・テンプレート
【KPI週報】佐藤(10/5〜10/9)
提案:8件(月目標30件に対し累計14件)
面談:2回(累計3回/目標6回)
決定:1件(累計1件/目標2件)
書類通過率:25%(目標20%)
詰まっている段階:面談成約(2回とも単価で見送り)
来週やること:単価の上限を提案前に確認する

よくある質問

Q. SES営業の1日の提案数の目安は何件ですか?
月の提案目標を営業日数で割って決めます。本記事の設定例(月2名稼働・書類通過20%・面談成約33%)では、1日約1.5件です。自社の率で計算し直しましょう。
Q. SES営業のKPIは何を追えばいいですか?
提案数・面談数・成約数・稼働数の4つと、その間の率です。ゴール(KGI)は売上・粗利・稼働人数に置きます。
Q. SES営業の1人あたり売上目標はどう決めますか?
「担当する稼働人数×平均単価」で決めます。会社の粗利目標を営業人数で割り、1人あたりの粗利目標も同時に持つのがおすすめです。
Q. 新人のSES営業にも同じKPIを課していいですか?
最初は提案数など行動のKPIを中心にし、率の目標はゆるめに置くのがおすすめです。
Q. KPIの管理にツールは必要ですか?
最初はExcelで十分です。記録の手間や共有の不便さが増えてきたら、提案の履歴が自動で残るツールへの移行を考えましょう。
Q. KPIの数字は月1回見れば十分ですか?
提案数などの行動のKPIは、毎日〜毎週見るのがおすすめです。月1回だと、遅れに気づいたときには取り返せません。売上・粗利の月次の比べ方は予実管理とは?SES会社の売上・粗利を月次で比べる表と計算例で解説しています。

まとめ

  • SES営業のKPIは「提案→面談→成約→稼働」の4段階で持つ

  • 目安は、稼働目標を各段階の率で割り戻して決める。設定例では月2名に提案30件・面談6回、1日約1.5件

  • 提案数を増やすより、書類通過率を上げるほうが必要な提案は大きく減る

  • 1人あたり売上目標は「担当稼働人数×平均単価」。粗利と、契約終了で減る人数も一緒に見る

  • 数字が悪いときは、率が低い段階を探して、その段階の打ち手を打つ

  • まずExcelで記録し、手間が増えたらツールへ。提案の準備はチョータツとチョータツメールAIで楽にできる

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

関連する記事