SES営業の評価シートの作り方|粗利・稼働数など数字と行動の項目の配点、記入例と評価面談

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

SES営業の評価シートとは?

SES営業の評価シートとは、営業担当の半期や1年の成果と行動を、決められた項目と基準で点数にする表のことです。「考課表」「人事評価表」と呼ぶ会社もあります。

似た道具との違いは、次のとおりです。

道具何を見るか主な使い道
評価シート期間中の数字と行動賞与・昇給・等級を決める
スキルマップできること(能力)の段階育成の計画を立てる
KPI表毎週・毎月の途中の数字日々の行動を管理する

スキルの段階を見る表は営業スキルマップの作り方|SES営業の評価基準と項目例・シート例で紹介しています。評価シートは、スキルマップやKPIの結果を「期間の評価」にまとめる役割です。

評価シートは「数字60点+行動40点」で作る

SES営業の評価シートは、数字の項目に60点、行動の項目に40点を配るのがおすすめです。数字だけ、行動だけのどちらかに寄せると、次のような問題が起きます。

配分起きやすいこと
数字100点大口の客先を持つ人だけが高評価になる。記録や引継ぎを誰もやらない
行動100点頑張っているのに利益が出ない状態を見逃す
数字60点+行動40点成果を出す人を正しく評価しつつ、チームを支える行動も点になる

経験の浅い新人は、数字40点+行動60点にするなど、等級で配分を変える方法もあります。数字をまだ動かしにくい時期に、行動で伸びを評価できるからです。

数字の評価項目5つと配点例

数字の項目は、粗利・稼働数・新規稼働数・新規BP数・更新率の5つを基本にします。合計60点の配点例です。

項目定義配点確かめる資料
粗利担当案件の売上−仕入れ(給与・BPへの支払い)20点案件別の収支表
稼働数期末に稼働しているエンジニアの人数10点稼働一覧
新規稼働数期間中に新しく稼働を始めた人数15点契約・注文書の一覧
新規BP数期間中に初めて取引したBPの社数5点BPの取引一覧
更新率更新月を迎えた契約のうち更新できた割合10点契約の一覧

粗利とは、売上から、その売上を作るために直接かかった費用(自社エンジニアの給与や、BPへの支払い)を引いた金額のことです。BPとは、ビジネスパートナーの略で、案件や人材を紹介し合う取引先のSES企業のことです。

数字の項目は「目標に対する達成率」で点にする

数字の項目は、金額や人数そのものではなく、期初に決めた目標に対する達成率で点にします。担当する客先の大きさの違いを、目標の段階で調整できるからです。

達成率粗利(20点満点)新規稼働数(15点満点)稼働数・更新率(10点満点)
120%以上20点15点10点
100〜119%16点12点8点
80〜99%12点9点6点
60〜79%8点6点4点
60%未満4点3点2点

新規BP数(5点満点)は、10点満点の列の半分で採点します(例:100〜119%なら4点、120%以上なら5点)。

目標の決め方は営業目標の立て方|SES営業の個人目標・行動目標の例文と決め方で解説しています。途中の数字の追い方はSES営業のKPIの目安|1日の提案数・面談数と1人あたり売上目標が参考になります。

売上ではなく粗利で見る理由

SES営業の評価は、売上ではなく粗利で見るのが基本です。売上で評価すると、会社に利益が残らない動きでも点が上がってしまいます。

  • BPから高い仕入れ単価で人材を受け、そのまま提案する

  • 商流が深く、自社の取り分がほとんどない案件を取る

  • 利益の出ない値下げで、無理に契約を取る

粗利の計算方法はSESの粗利率の平均は?利益率の計算式と計算例・上げる方法5つでくわしく解説しています。

行動の評価項目4つと基準の書き方

行動の項目は、提案の速さ・記録と共有・商流と条件の確認・引継ぎと育成の4つが基本です。合計40点で、各10点です。

基準は、記録で確かめられる文で書きます。「積極的に動いた」ではなく「案件を受けた当日中に提案した」のように書くと、評価する人が変わっても点がぶれません。

項目10点の状態5点の状態0点の状態
提案の速さ案件の8割以上に当日中に提案翌日の提案が多い締切を過ぎる提案がある
記録と共有提案・面談・結果を当日中に一覧へ書いた週末にまとめて書いた一覧に書かず個人のメモだけ
商流と条件の確認提案前に商流・精算幅・再委託の可否を全件確認確認もれが期に1〜2件確認もれでトラブルが起きた
引継ぎと育成後輩の面談同席や手引きの作成を期に3回以上1〜2回なし

中間の点(2点や8点など)は、上の段階の間として採点します。商流とは、案件がエンドから自社まで何社を経由して届いているかの流れのことです。ほかの用語はSES用語一覧|営業が現場で使う用語60と意味・例文つきで確認できます。

行動の項目でやってはいけない書き方

行動の項目で避けたい書き方は、次の3つです。

  1. 言葉だけの項目:「責任感」「協調性」は、何をすれば満点か本人にわからない

  2. 数字と重なる項目:「成約に向けた努力」は、新規稼働数と二重に数えてしまう

  3. 確かめられない項目:「客先からの評判」は、聞き取りの記録がなければ点にしない

そのまま使える評価シートの記入例

ここまでの項目を1枚にまとめた記入例です。そのまま自社用に書き換えて使えます。

例文・テンプレート
【SES営業 評価シート】2026年度 上期(4月〜9月)
氏名:□□ 等級:営業2級 評価者:◇◇(営業マネージャー)

■数字の項目(60点)
項目    目標  実績  達成率 配点 本人 上司
粗利    900万円 945万円 105%  20  16  16
稼働数   8名   8名   100%  10   8   8
新規稼働数 4名   3名    75%  15   9   6
新規BP数  3社   4社   133%   5   5   5
更新率   90%   92%   102%  10   8   8
小計                60  46  43

■行動の項目(40点)
項目       本人 上司 根拠
提案の速さ     8   8  当日提案 41件/52件(79%)
記録と共有    10   6  8月に面談結果の記入が3件、週をまたいだ
商流と条件の確認  8   8  確認もれ1件(精算幅)、トラブルなし
引継ぎと育成    5   8  新人の面談同席4回、ロープレ相手役2回
小計       31  30

■合計 本人 77点 / 上司 73点
■差が2点以上の項目:新規稼働数、記録と共有、引継ぎと育成
■次の期の約束(本人が書く)
・面談結果はその日のうちに一覧へ書く
・新規稼働4名のため、BP向けの配信を週2回から週3回に増やす

新規稼働数の点が本人と上司でずれているのは、本人が達成率75%を「80〜99%の段」と読み違えたためです。正しくは「60〜79%の段」で6点です。点のつけ方の表を、評価シートの下に必ず載せておくと、この種のずれは起きません。

評価面談の進め方(30分)

評価面談は、差が2点以上ある項目だけを話すと30分で終わります。全項目を1つずつ読み上げると、1時間たっても次の期の話にたどり着きません。

時間やること
0〜5分合計点と、良かった項目を先に伝える
5〜20分差が2点以上の項目について、根拠の記録を見ながら話す
20〜27分次の期の目標と、行動の約束を本人に書いてもらう
27〜30分賞与・昇給への反映の時期を伝える

面談の最初に言う一言の例です。

「上期の合計は73点でした。新規BPを目標より1社多く開拓できたのは、チームにとっても大きかったです。今日は、点のつけ方が〇〇さんと私でずれた3つの項目だけを話しましょう。」

面談の場で点数を大きく変えるのは避けます。変える場合は、根拠の記録をその場で確かめてからにします。

評価シートを作る6ステップ

評価シートは、次の6ステップで作ります。

  1. 評価の目的を決める:賞与に使うのか、昇給・等級に使うのかを先に決める

  2. 数字の項目と配点を決める:粗利を中心に、自社で集計できる数字だけを選ぶ

  3. 行動の項目と基準を書く:「記録で確かめられる文」で、10点・5点・0点の状態を書く

  4. 点のつけ方の表を作る:達成率ごとの点を表にし、シートの下に載せる

  5. 試しに前の期で採点してみる:前の期の実績で2〜3人を採点し、偏りがないか確かめる

  6. 全員に説明してから使う:期が始まる前に、項目と基準を全員に配る

ステップ6は、期が終わってから項目を伝えないために欠かせません。後から項目を知らされると、本人は何をがんばればよいかわかりません。

評価の結果を賃金に反映するしくみは、就業規則や賃金規程に書いておきます。賃金の決め方・計算方法は、雇うときに示す労働条件の1つです(労働基準法第15条、同法施行規則第5条)。就業規則の変更で労働条件を不利益に変えるには、周知と、変更の合理性などが必要です(労働契約法第9条・第10条)。報酬とのつなげ方はSES営業のインセンティブ設計|粗利連動の計算式と失敗例で解説しています。

チョータツで「行動の評価の根拠」をたまりやすくする

行動の項目を正しく点にするには、提案や面談の記録が、担当者の手元ではなくチームの一覧に残っていることが前提です。

自分でやる方法

共有のExcelに「提案日・案件名・人材名・結果」の列を作り、担当者に当日中に書いてもらいます。期末に、この一覧から提案の速さや記録の件数を数えます。

もっと楽にするなら

チョータツとは、SES営業の案件・人材の情報を管理・共有するツールのことです。3,000社以上が利用し、無料で始められます。

評価で困ること自分でやる場合チョータツを使う場合
誰がどの案件に動いたかわからない担当者のメールを見せてもらう案件・人材の情報をチームで管理・共有できる
記録の入力が面倒で続かない手で一覧に書き写すAIが入力を手伝う
新規稼働を増やす材料が足りないBPに1社ずつ問い合わせる連携した他社の営業中案件・人材がデータベースになる

記録がチームの一覧に残るようになると、評価面談で「言った・言わない」の話が減ります。

よくある質問

Q. SES営業の評価シートには、どんな項目を入れればいいですか?
数字の項目(粗利・稼働数・新規稼働数・新規BP数・更新率)と、行動の項目(提案の速さ・記録と共有・商流と条件の確認・引継ぎと育成)を入れます。
Q. SES営業の評価基準は、売上と粗利のどちらがよいですか?
粗利です。売上で評価すると、仕入れ単価の高いBP人材や、商流が深い案件でも点が上がってしまいます。
Q. 営業の評価表で、数字と行動の配分はどれくらいにしますか?
数字60点・行動40点が目安です。新人は数字40点・行動60点にするなど、等級で変える方法もあります。
Q. 評価シートの点数が、本人と上司で大きくずれたらどうしますか?
差が2点以上ある項目だけを面談で話し、根拠の記録を一緒に確かめます。点のつけ方の表をシートに載せておくと、ずれ自体が減ります。
Q. エンジニアの評価シートと同じものを使ってもいいですか?
分けるのがおすすめです。営業は粗利や新規稼働数で、エンジニアは単価や客先評価で見るなど、見る数字が違うからです。

まとめ

  • SES営業の評価シートは、数字60点+行動40点で作る

  • 数字は粗利・稼働数・新規稼働数・新規BP数・更新率の5項目を、目標に対する達成率で点にする

  • 評価は売上ではなく粗利で見る

  • 行動は提案の速さ・記録と共有・商流と条件の確認・引継ぎと育成の4項目を、記録で確かめられる文で基準にする

  • 本人と上司が別々に採点し、差が2点以上の項目だけ面談で話す

  • 評価の根拠になる記録は、チョータツでチームの一覧に残すと集めやすい

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

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