営業報告書の書き方|SES営業の月次報告を1枚にまとめるテンプレートと記入例

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

営業報告書とは?日報・週報との違い

営業報告書とは、一定期間の営業の成果・活動・課題を、数字と文章で上司や経営者に伝える書類のことです。SES企業では、月に1回まとめて出す「月次の営業報告書」が中心になります。

日報・週報・月次報告書は、読む人と目的が違います。同じ中身を3回書くのではなく、期間が長くなるほど「結果」と「来月の判断材料」に寄せます。

種類頻度主に読む人中心になる中身
営業日報毎日営業責任者今日の提案数・面談数・連絡した相手
週報毎週営業責任者今週の面談結果、来週の山場
月次営業報告書毎月営業責任者・経営者稼働人数・粗利・契約終了予定・空き要員

日報の書き方は営業日報の書き方|SES営業で提案・面談数が見える項目と例文で解説しています。この記事では、月次報告書だけに絞ります。

SES営業の月次報告書が「普通の営業報告書」と違う点

SES営業の月次報告書は、「売れた数」より「今いる人がいつ空くか」が大事です。この点が一般的な営業報告書と違います。SESの売上は、エンジニアが案件に入っている人数と単価で決まるからです。

物を売る営業なら、報告の中心は「受注件数」と「受注金額」です。SESでは受注(新規決定)だけでなく、契約が終わる人・待機になる人を先に報告しないと、翌月の売上が読めません。

「労働者派遣事業報告書」とは別の書類

名前が似ていますが、社内の営業報告書と、国に出す労働者派遣事業報告書は別物です。労働者派遣事業報告書とは、派遣元が事業所ごとの派遣労働者数や料金などを書き、厚生労働大臣に出す書類のことです。根拠は労働者派遣法第23条です。

SESと派遣を両方行う会社では、社内の月次報告書の数字が、事業報告書を作るときの材料にもなります。ただし書式も目的も違うので、混同しないようにしましょう。

月次営業報告書に入れる7項目

SES営業の月次報告書は、稼働人数・新規決定・契約終了・粗利・空き要員・活動量・課題と打ち手の7項目で足ります。それ以上増やすと、読む側が大事な数字を見落とします。

項目書く中身元データ
① 稼働人数月末時点で案件に入っている人数(プロパー・BP別)アサイン表・稼働管理表
② 新規決定今月決まった案件の件数・単価・開始日案件管理表・注文書
③ 契約終了予定来月・再来月に契約が終わる人と理由契約書・注文書の期間
④ 粗利売上・原価・粗利・粗利率(前月比・目標比)請求書・支払い予定
⑤ 来月の空き要員来月・再来月の1日時点で待機になる人と得意スキルアサイン表
⑥ 活動量提案数・面談数・決定数と、面談から決定までの率日報・案件管理表
⑦ 課題と打ち手うまくいかなかったこと1つと、来月やること担当者の判断

ここで出てくる言葉を確認しておきます。

  • 稼働人数とは、月末時点で案件に入り、売上が立っているエンジニアの人数のことです。

  • プロパーとは自社の社員エンジニア、BP(ビジネスパートナー)とは案件や人材を紹介し合う取引先の会社のことです。報告書では、BPから出してもらっている要員も分けて数えます。

  • 粗利とは、売上から、その売上のためにかかった原価を引いた利益のことです。SESでは、客先からの単価から、エンジニアの給与やBPへの支払いを引いた額です。

  • 空き要員とは、案件が決まっていない、または来月から決まっていないエンジニアのことです。案件が無い状態を「待機」と呼びます。

入れなくていい項目

月次報告書には、日報に書いた細かい行動記録は入れません。「何日に誰に電話した」は日報で十分です。

また、案件ごとの長い経緯も不要です。経緯が大事な案件は、報告書では1行にとどめ、営業会議で口頭で補足します。

そのまま使える月次営業報告書テンプレート

月次営業報告書は、A4で1枚・上から「数字→名前と日付→文章」の順に並べると読みやすくなります。次のテンプレートを、Excelやメール本文にそのまま貼って使えます。

例文・テンプレート
【月次営業報告書】2026年_月分
提出日:2026年_月_日 担当:____ 提出先:____

■ 1. 今月のまとめ(3行以内)
・
・
・

■ 2. 数字(今月/前月/目標)
稼働人数(合計) :_名/_名/_名
 うちプロパー  :_名
 うちBP     :_名
売上       :_円/_円/_円
原価       :_円/_円/-
粗利       :_円/_円/_円
粗利率      :_%/_%/_%

■ 3. 新規決定(_件)
・要員名(イニシャル)/スキル/客先・商流/単価/開始日

■ 4. 契約終了予定(来月・再来月)
・要員名/終了日/理由(満了・客先都合・本人希望)/次の動き

■ 5. 空き要員(来月1日時点_名/再来月1日時点の見込み_名)
・要員名/空く日/得意スキル/希望単価/提案中の案件数

■ 6. 活動量(今月/前月)
提案数:_件/_件 面談数:_件/_件 決定数:_件/_件
提案→面談率:_% 面談→決定率:_%

■ 7. 課題と来月の打ち手
課題:
打ち手:
相談したいこと:

要員名はイニシャルか社員番号にしましょう。報告書は社内で回覧されたり、メールで転送されたりします。フルネームや単価が外に出ないよう、社外秘の扱いにします。

記入例:2026年9月分の月次営業報告書

テンプレートに数字を入れると、次のようになります。プロパー18名・BP要員7名を担当する営業の例です。数字は説明のための架空の例です。

例文・テンプレート
【月次営業報告書】2026年9月分
提出日:2026年10月5日(月) 担当:営業部 田中 提出先:営業部長・代表

■ 1. 今月のまとめ
・稼働25名で着地。粗利は315万円(目標300万円、達成率105%)
・10月末でプロパー2名の契約が終了予定。うち1名は次が未定
・10月はH.Iが待機。11月1日時点の空き要員は2名の見込みで、A.KのJava案件を優先して探す

■ 2. 数字(今月/前月/目標)
稼働人数(合計) :25名/23名/25名
 うちプロパー  :18名
 うちBP     :7名
売上       :17,250,000円/15,900,000円/17,000,000円
原価       :14,100,000円/13,050,000円/-
粗利       :3,150,000円/2,850,000円/3,000,000円
粗利率      :18.3%/17.9%/17.6%

■ 3. 新規決定(3件)
・K.S/Java(Spring)/金融系・元請け直/75万円/10月1日開始
・M.T/AWS構築/流通系・一次請け/70万円/10月1日開始
・BP要員 Y.O/PMO補佐/製造系・一次請け/65万円/10月14日開始

■ 4. 契約終了予定
・A.K/10月31日/契約満了(案件終了)/次の案件を提案中(3件)
・R.N/10月31日/客先の予算縮小/延長の交渉を10月9日に実施予定

■ 5. 空き要員(10月1日時点1名/11月1日時点の見込み2名)
・H.I/10月1日から待機/テスト・運用保守(2年)/希望50万円/提案中1件
・A.K/11月1日から空く予定/Java・Spring Boot(6年)/希望70万円/提案中3件

■ 6. 活動量(今月/前月)
提案数:64件/58件 面談数:11件/9件 決定数:3件/2件
提案→面談率:17.2% 面談→決定率:27.3%

■ 7. 課題と来月の打ち手
課題:H.Iの経験に合う案件の提案先が少ない
打ち手:テスト・運用保守の案件を持つBPに、10月第2週までに要員情報を送る
相談したいこと:R.Nの延長交渉で、単価を5万円下げる提案をしてよいか

記入例の数字の出し方

粗利と各種の率は、次の式で出しています。電卓でもExcelでも同じ結果になります。

  1. 粗利 = 売上 − 原価 = 17,250,000円 − 14,100,000円 = 3,150,000円

  2. 粗利率 = 粗利 ÷ 売上 = 3,150,000円 ÷ 17,250,000円 = 約18.3%

  3. 提案→面談率 = 面談数 ÷ 提案数 = 11 ÷ 64 = 約17.2%

  4. 面談→決定率 = 決定数 ÷ 面談数 = 3 ÷ 11 = 約27.3%

粗利率の目安や原価に入れる費用は、SESの粗利率の平均は?利益率の計算式と計算例・上げる方法5つで詳しく解説しています。

月次営業報告書の書き方|6つの手順

月次営業報告書は、締め日を決めて元データを集め、数字→名前→文章の順に埋めると、1時間ほどで書けます。書く順番を毎月そろえることが、早く書くコツです。

  1. 締め日と提出日を決める:月末締め・翌月3営業日以内の提出にすると、請求の数字とずれにくくなります。

  2. 元データを1か所に集める:アサイン表、注文書、請求書、日報を開きます。どこに何があるかを毎月同じにします。

  3. 数字の欄を先に埋める:稼働人数・売上・原価・粗利・活動量を入れます。前月と目標も同じ行に並べます。

  4. 契約終了予定と空き要員を書く:名前(イニシャル)・日付・理由・次の動きを必ずセットにします。

  5. 課題と打ち手を1つずつ書く:課題を並べすぎず、来月やることを1つに絞ります。期限も書きます。

  6. 「今月のまとめ」を最後に3行で書く:全部を書き終えてから、一番伝えたいことを3行にします。

まとめを最後に書くのは、数字を並べてみないと、本当に伝えるべきことがわからないからです。読む側には、まとめを一番上に置いて渡します。

請求・支払いの月次の流れとそろえるなら、SESの毎月の営業事務業務|注文書・請求・支払いの月次フローも参考になります。稼働報告書が遅れて売上が固まらないときは、SESの稼働報告書が遅れる・出ないときの対応|請求を間に合わせる手順で対応を確認してください。

伝わる営業報告書にする5つのコツ

伝わる報告書のコツは、結論から書く・事実と意見を分ける・数字を比べる・悪い話を先に書く・相談を明記するの5つです。読む人は数分しか時間をかけない前提で書きます。

1. 結論から書く
最初の3行で「目標に届いたか」「来月の心配ごとは何か」を言い切ります。読む側は、ここだけ読んで判断することも多いです。

2. 事実と意見を分ける
「客先の予算が縮小した」は事実です。「延長は難しそう」は意見です。混ぜて書くと、読む側が判断を誤ります。

3. 数字は前月・目標と並べる
「粗利315万円」だけでは、良いのか悪いのかわかりません。前月と目標を横に並べると、一目で伝わります。

4. 悪い話を先に書く
契約終了や待機の見込みは、早く伝えるほど打てる手が増えます。月末に突然「来月2名待機です」と言うのが一番困ります。

5. 相談したいことを明記する
単価を下げてよいか、BPを増やしてよいかなど、判断が要ることは項目を分けて書きます。報告書が「承認をもらう場」にもなります。

よくない書き方よい書き方
今月は順調でした稼働25名。粗利315万円で目標比105%
何名か契約が終わりそうですA.K・R.Nの2名が10月31日で終了予定
提案を頑張りますテスト案件を持つBPに10月第2週までに送る
単価が厳しいですR.Nの延長で5万円下げてよいか判断がほしい

読む側(営業責任者・経営者)がチェックする4つのポイント

報告書を受け取る側は、「空き要員に手が打たれているか」「粗利率が下がっていないか」を中心に見ます。次の4点を確認すると、見落としが減ります。

  • 契約終了予定と空き要員がつながっているか:終了する人が、空き要員の欄にも出ているか

  • 空き要員ごとに提案中の案件数が書かれているか:0件の人がいれば、すぐに手を打つ

  • 新規決定の粗利率が下がっていないか:件数が増えても、単価の低い決定ばかりでないか

  • 活動量のどこで落ちているか:提案数が少ないのか、面談から決まらないのかを分ける

空き要員が複数いる月は、報告書に「誰から決めるか」の順番も書きます。決め方はSESの待機エンジニアが複数いるときの営業の優先順位|判断表つきで解説しています。報告書の数字を営業会議の進め方|SESで案件・要員を30分で回すアジェンダ例でそのまま使うと、会議も短くなります。

営業報告書の作成時間を短くする方法

作成時間を短くする一番の方法は、報告書の元データを、ふだんから1か所にまとめておくことです。報告書を書く時間の多くは、文章を考える時間ではなく、数字を探す時間だからです。

自分でやる方法:Excelで「元データ表」を1つにする

無料で始めるなら、Excelかスプレッドシートで次の3つのシートを1つのファイルにまとめます。

  1. 要員シート:要員名・プロパーかBPか・スキル・今の案件・契約終了日

  2. 案件シート:案件名・客先・商流・単価・提案した要員・状況

  3. 月次シート:要員シートと案件シートから、稼働人数や決定数を数える集計表

契約終了日を要員シートに入れておけば、「来月終わる人」を絞り込むだけで一覧が出ます。アサイン表の作り方はSESのアサイン表の作り方|要員稼働表のテンプレ項目と更新ルールにまとめています。

ただしExcelは、複数の営業が同時に更新すると、どれが最新かわからなくなりがちです。BPからメールで届く案件・人材の情報を、毎回手で転記する手間も残ります。

もっと楽にするなら:チョータツで案件・人材を一元管理する

チョータツは、SES営業の案件・人材の情報を管理・共有できるツールです。3,000社以上が使っており、無料で始められます。

月次報告書づくりでは、次の点で元データ集めが楽になります。

  • 案件・人材の情報が1か所にまとまる:営業チーム全員が同じ情報を見られるので、「どれが最新か」で迷いません。

  • AIが入力を手伝う:案件や人材の登録にかかる手間を減らせます。

  • 他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材をデータベース化できる:空き要員に合う案件を探すときの材料が増えます。

BPから届くメールの整理には、チョータツメールAIが使えます。届いたメールをAIが処理し、案件メールと人材メールに切り分けます。転送設定で取り込め、案件・人材以外のメールはデータに残りません。

よくある質問

Q. 営業報告書と営業日報は、両方必要ですか?
目的が違うので、両方あると便利です。日報は毎日の行動を責任者が見るもの、月次報告書は月の結果と来月の判断材料を経営者まで伝えるものです。
Q. 営業報告書のテンプレートは、Excelとメールのどちらがいいですか?
数字の計算が多いならExcel、読む人が少ないならメール本文で十分です。大事なのは形式より、毎月同じ項目と順番で書くことです。
Q. 月次営業報告書は何枚くらいが適切ですか?
A4で1枚が目安です。2枚を超えると、読む側が大事な数字を見落としやすくなります。細かい経緯は営業会議で補足しましょう。
Q. 目標に届かなかった月は、どう書けばいいですか?
最初の3行に「目標比◯%で未達」と正直に書きます。そのうえで、原因を1つに絞り、来月の打ち手を期限つきで書きます。
Q. BPの要員も稼働人数に入れますか?
入れたうえで、プロパーとBPを分けて書きましょう。粗利率が違うことが多いので、合計だけでは会社の利益が読めません。
Q. 営業報告と営業報告書は違いますか?
営業報告は口頭やチャットでの報告も含む広い言い方です。営業報告書は、その内容を書類として残したものです。

まとめ

  • SES営業の月次営業報告書は、稼働人数・新規決定・契約終了予定・粗利・来月の空き要員を中心にA4で1枚にまとめる

  • 活動量と課題・打ち手を足した7項目で足りる。日報の細かい行動記録は入れない

  • 書く順番は「数字→名前と日付→文章」。まとめは最後に書き、一番上に置く

  • 一番大事なのは「来月、誰が空くか」。契約終了予定と空き要員を、名前・日付・次の動きつきで書く

  • 作成時間の多くは元データ探し。Excelで元データを1ファイルにするか、チョータツで案件・人材を一元管理すると早くなる

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

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