営業管理とは?SES企業で管理すべき5つの数字とやり方の手順【管理表の項目例付き】

公開日:2026年10月1日更新日:2026年10月1日

営業管理とは?SES営業での意味

営業管理とは、営業活動の数字・進み具合・動きを記録して見える化し、目標との差を早く見つけて手を打つことです。「営業マンを見張ること」ではありません。

一般的な営業管理は、次の3つに分けて説明されます。

種類何を見るかSES営業での例
数字の管理(目標・実績)売上・粗利・件数が目標に届いているか今月の決定数、稼働中人数、粗利
プロセス管理仕事がどの段階で止まっているか提案したのに面談にならない案件
行動管理営業が何にどれだけ時間を使ったか1日の提案メール数、BPへの連絡数

プロセス管理とは、営業の流れをいくつかの段階に分け、段階ごとの件数と次へ進んだ割合を見るやり方のことです。行動管理とは、提案やメール送信など、営業の1日の動きを数で記録するやり方のことです。

SES営業は、商品が「人(エンジニア)」で、在庫が毎日変わります。そのため一般的な営業管理より、案件と人材の組み合わせとスピードを見ることが大切です。

この記事は営業管理の全体像を扱います。数字の分析のしかたは営業分析のやり方|SES営業のデータで見るべき指標とグラフ例で解説しています。週ごとの見直しは、営業PDCAの記事(次に読む・使うを参照)に分けています。

SES企業で管理すべき5つの数字

SES企業の営業管理で見る数字は、受信案件数・提案数・面談数・決定数・稼働中人数と粗利の5つです。前の4つは「途中の数字」、最後の1つは「結果の数字」です。

#数字数え方何がわかるか
1受信案件数BP・客先から届いた案件の数(週・月)仕事の入口が足りているか
2提案数案件に人材を出した回数動けているか、合う人がいるか
3面談数提案から面談に進んだ数提案の質(合わせ方)
4決定数面談から参画が決まった数面談準備・条件の合わせ方
5稼働中人数と粗利今月現場に入っている人数と、その粗利合計会社の売上と利益

粗利とは、客先からもらう単価から、エンジニアへの支払い(給与や外注費)を引いた残りのお金のことです。SESでは「何人決めたか」だけでなく、1人あたりいくら残るかまで見ないと、忙しいのに利益が出ない状態になります。

数字は「割合」で見る

5つの数字は、件数そのものより次の段階へ進んだ割合を見ると原因がわかります。この割合を歩留まり(ぶどまり)と呼びます。

計算例(営業3人のチーム・ある月の例)

段階件数次へ進んだ割合
受信案件600件提案へ 15%(90件)
提案90件面談へ 30%(27件)
面談27件決定へ 33%(9件)
決定9件―

この例で決定を12件に増やしたいとします。面談→決定の割合が同じなら、面談を約36件にする必要があります。提案→面談も同じなら、提案は約120件です。「どの段階の数を何件増やすか」を逆算できるのが、数字で管理するいちばんの利点です。

※ 数字は説明のための例です。自社の実績で置き換えてください。1日の提案数などの目安はSES営業のKPIの目安|1日の提案数・面談数と1人あたり売上目標で解説しています。

稼働中人数と粗利の見方

稼働中人数は、月の初めに「来月も続く人・終わる人・未定の人」に分けて見ます。終わる人の次の案件が決まっていないと、翌月から売上がゼロになる「待機」が出るからです。

粗利は、案件ごとに「単価−支払い」で出し、月の合計を目標と比べます。稼働の一覧の作り方はSESの稼働管理の方法|待機を減らす稼働状況一覧と毎週12項目を見てください。

SES営業のプロセス管理:5つの段階と止まりやすい場所

SES営業のプロセス管理では、仕事を案件受信→マッチング→提案→面談→契約の5段階に分けます。そのうえで、止まっている案件を毎週見つけます。5段階を社内の図にする方法はSES営業のプロセスフロー図|案件受付から更新までの作り方で解説しています。

段階やること止まりやすい原因管理で見るもの
1. 案件受信届いた案件を読み、条件を記録メールが多すぎて見落とす受信数、未読・未処理の数
2. マッチング条件に合う人材を探す人材の情報が古い・散らばっている候補が見つかるまでの時間
3. 提案スキルシートと条件を送る本人の了承待ち・資料待ち受信から提案までの日数
4. 面談日程調整・事前準備・結果待ち結果の連絡が来ない面談待ち・結果待ちの件数
5. 契約条件確定・注文書・契約書単価や開始日の食い違い決定から書類完了までの日数

段階ごとの「止まり」を見つける手順

  1. 管理表に「段階」の列をつくり、案件ごとに今いる段階を入れる

  2. 「最後に動いた日」の列をつくり、更新した日を入れる

  3. 週1回、3営業日以上動いていない行を抜き出す

  4. 抜き出した行ごとに「次に誰が何をするか」を1行で書く

  5. 翌週、その行が次の段階に進んだかを確認する

SES案件は、条件の良い案件ほど早く埋まりやすく、提案が遅れると面談の機会を逃します。そのため受信から提案までの日数は、特に短く保ちたい数字です。提案を早める具体策はSESの要員提案スピードと精度を上げる方法|流れと管理のコツ6つにまとめています。

行動管理はどこまでやるか

行動管理は、数字が足りない原因を調べるときだけ使うのがおすすめです。毎日細かく報告させると、報告のための作業が増え、営業の時間が減ります。

記録してよい行動の例

  • 提案メールの送信数

  • BP(取引先の会社)への人材提案依頼の数

  • 新しい取引先への連絡数

やりすぎの例

  • 1時間ごとの作業報告

  • 全メールの転送・CC共有の義務づけ

行動の記録は、営業日報に入れると二度手間になりません。項目例は営業日報の書き方|SES営業で提案・面談数が見える項目と例文で紹介しています。

注意:エンジニアの「行動管理」とは分ける

営業管理で管理するのは、自社の営業担当の動きです。エンジニアの作業を客先が直接細かく指示・管理すると、準委任契約では偽装請負を疑われます(厚生労働省「37号告示関係疑義応答集」)。客先と稼働状況をやりとりする範囲は、偽装請負の判断基準|SES営業が避けたいNG行為10選と予防策で確認してください。

営業管理部とは?仕事内容と役割

営業管理部とは、営業が売ることに集中できるように、数字の集計・書類・社内の調整を受け持つ部署のことです。会社によって「営業企画」「営業推進」「営業事務」と呼び方が違います。

営業が数人規模のSES企業なら、営業管理部を独立させず、営業責任者と営業事務で役割を分ける形でも十分に回ります。大切なのは部署の名前より、だれが入力し、だれが整え、だれが判断するかを決めることです。

SES企業の役割分担表

役割主な仕事営業管理でのポイント
営業担当案件受信・マッチング・提案・面談調整段階と最後に動いた日を、その日のうちに入力
営業事務案件・人材情報の整理、注文書・請求、契約書の回収入力漏れ・重複を週1回チェックし直す
営業管理部・営業責任者5つの数字の集計、会議の運営、目標の配分止まっている案件に手を打つ。数字の定義を統一する
経営者粗利・稼働中人数の確認、採用やBP開拓の判断月1回、翌月・翌々月の稼働見込みを確認

営業事務とは、営業担当に代わって書類づくりや情報整理を行う仕事のことです。SESでは注文書・請求書・勤怠の回収など、毎月決まった仕事が多くあります。担当の分け方の型はSES営業の分業体制の作り方|案件・人材・事務の担当分けの型で詳しく解説しています。

営業管理職の仕事内容

営業管理職(営業マネージャー)の仕事は、数字を見て、足りない段階に人と時間を回すことです。具体的には次の4つです。

  1. 月初に、5つの数字の目標を営業ごとに配分する

  2. 週1回の営業会議で、止まっている案件と歩留まりを確認する

  3. 待機が出そうな人材の案件探しを、優先して割り当てる

  4. 月末に、粗利と稼働中人数を目標と比べ、翌月の打ち手を決める

会議の進め方とマネージャーの動き方は、「次に読む・使う」の記事で解説しています。

営業管理のやり方:始めるための6ステップ

営業管理は、数字の決め方をそろえ、1つの表に集め、週1回見ることから始めます。いきなりツールを入れるより、先に決めごとをつくる方が失敗しません。

  1. 5つの数字の定義を決める:例:「提案数=本人の了承を取り、スキルシートを送った回数」

  2. 段階の名前を決める:案件受信・マッチング・提案・面談・契約の5つにそろえる

  3. 管理表をつくる:案件ごとに1行。列は下の項目例を使う

  4. 入力のルールを決める:その日のうちに、担当者本人が入れる

  5. 見る日を決める:週1回(例:毎週月曜10時)に営業会議で確認する

  6. 月1回、数字を振り返る:歩留まりが下がった段階を1つ選び、翌月の打ち手を決める

管理表の項目例(案件ごとに1行)

項目入れる内容の例
受信日・送り元2026/10/5・株式会社〇〇(BP)
案件名・スキル・単価金融系Java開発・Java 3年以上・〇〇万円
段階・担当提案・山田
提案した人材自社Aさん/BPのBさん
最後に動いた日・次の行動2026/10/8・面談日程の回答待ち
見込み粗利単価−支払いの見込み額

人材側も同じように「人材ごとに1行」の表をつくり、稼働中・待機予定・待機中を分けます。スキルシートなど個人情報を含む情報は、共有する範囲を決めて保管してください(個人情報保護委員会のガイドライン)。

Excelでの具体的な作り方は、「次に読む・使う」のExcel管理の記事にテンプレート付きでまとめています。

営業管理ツールの選び方:スプレッドシートから専用ツールへ

営業管理の道具は、会社の規模と案件の量に合わせて段階的に変えるのがおすすめです。最初から高いツールを入れても、入力の決めごとがなければ使われません。

段階道具向いている状況限界が来るサイン
1Excel・Googleスプレッドシート営業1〜3人、表への転記が1日で終わる量行が増えて探せない、更新がぶつかる
2汎用の営業管理ツール(SFA・CRM)顧客との商談を追いたい案件と人材の組み合わせが管理しにくい
3SES向けの案件・人材管理ツール案件・人材メールが毎日大量に届く―

無料で始めるなら:Googleスプレッドシート

無料で始めるなら、Googleスプレッドシートでの管理が手軽です。Googleスプレッドシートは、個人のGoogleアカウントがあれば無料で使えます。複数の人が同じ表を同時に編集できるのも特長です。スマホやタブレットのアプリからも表示・編集できます(Google Workspace公式)。外出の多い営業にも向いています。

使うときのコツは次の3つです。

  • 「段階」の列はプルダウン(選択式)にして、書き方をそろえる

  • 「最後に動いた日」が3営業日より前の行に色がつくよう、条件付き書式を設定する

  • 案件の表と人材の表は、シートを分けて同じファイルに置く

専用ツールに移る目安

次のうち2つ以上当てはまったら、専用ツールへの移行を考える時期です。

  • 案件・人材のメールが1日に数百通届き、表への転記が追いつかない

  • 同じ案件が別の営業から二重に入力されている

  • 「その人材、今どこに提案中?」に答えるのに5分以上かかる

  • 営業事務が転記作業で1日の半分を使っている

SFAとは、営業の商談や活動を記録・共有するためのツールのことです。一般的なSFAは「1社の顧客に1つの商品を売る」流れを前提にしています。案件と人材を組み合わせるSES営業には、合わない部分もあります。

チョータツで営業管理の「元データ」をまとめる

営業管理でいちばん手間がかかるのは、数字を見ることではなく、案件・人材の情報を集めて表に入れる作業です。DrivenXのツールを使うと、この部分をまとめて楽にできます。

場面自分でやる場合DrivenXのツールを使う場合
案件・人材メールの仕分け1通ずつ読んで、案件か人材かを目で判断チョータツメールAIが案件メールと人材メールに切り分け
情報の管理・共有営業ごとのExcelやメールフォルダに散らばるチョータツで案件・人材の情報をチームで管理・共有
入力1項目ずつ手で転記チョータツではAIが入力を手伝う
BPの営業中の案件・人材を把握相手から届くメールを待つチョータツで他社と連携すると、相手の営業中案件・人材をデータベース化できる
自社の情報を届けるBCCで一斉送信チョータツのメール配信機能でパートナーに配信

チョータツは、SES営業の案件・人材を管理・共有するツールです。3,000社以上が使っていて、無料で始められます。チョータツメールAIは、転送設定で取り込んだメールを案件メールと人材メールに切り分けます。メールに書かれた単価や商流などの条件も読み取ります。案件・人材以外のメールはデータに残りません。

おすすめの使い方は、次の順番です。

  1. チョータツに無料で登録し、自社の案件・人材を登録する

  2. チョータツメールAIで、BPから届く案件・人材メールを取り込む

  3. チームで同じ情報を見ながら、提案・面談の段階を進める

  4. 5つの数字の集計や振り返りは、本記事の手順どおりに週1回・月1回行う

ツールは「入口の情報を集める・そろえる」部分を楽にするものです。数字の定義と、週1回見る習慣は、ツールを入れても自社で決める必要があります。

営業管理でよくある失敗と対策

営業管理がうまくいかない原因の多くは、入力の負担が大きすぎることと数字を見ても手を打たないことの2つです。

失敗起きること対策
項目を増やしすぎる入力されなくなり、表が古くなる最初は管理表の項目例の6項目だけにする
数字の定義が営業ごとに違う「提案数」を比べられない定義を1文で決め、表の上に書いておく
集計だけして終わる数字が悪くても何も変わらない会議で「次に誰が何をするか」まで決める
決定数だけを見る安い単価の案件ばかり決まる粗利と稼働中人数も必ず並べて見る
情報が個人のメールに残る担当が休むと案件が止まる情報は共有の表かツールにだけ置く

よくある質問

Q. 営業管理とは簡単に言うと何ですか?
営業の数字・進み具合・動きを記録して見える化し、目標との差に早く手を打つ仕組みです。SES企業では、受信案件・提案・面談・決定・稼働中人数と粗利の5つの数字を見ます。
Q. 営業のプロセス管理と行動管理の違いは?
プロセス管理は「案件がどの段階で止まっているか」を見ます。行動管理は「営業が何を何回したか」を見ます。SES営業では、まずプロセス管理を優先し、行動管理は数字が足りない原因を調べるときに使うのがおすすめです。
Q. 営業管理部の役割は何ですか?
営業が売ることに集中できるよう、数字の集計・書類づくり・社内調整を受け持つことです。営業が数人規模のSES企業なら、営業責任者と営業事務で役割を分ける形でも回ります。
Q. 営業管理ツールは無料でも使えますか?
使えます。Googleスプレッドシートは、Googleアカウントがあれば無料で、複数人で同時に編集できます。SES向けのチョータツも無料で始められます。
Q. 営業管理にスマホのアプリは必要ですか?
外出や面談の同席が多い営業には便利です。Googleスプレッドシートはスマホのアプリから見たり編集したりできます。まずは「外出先で段階を更新できるか」を基準に選びましょう。
Q. 営業管理職の仕事内容は?
目標の配分、週1回の会議での確認、待機が出そうな人材の優先対応、月末の振り返りの4つが中心です。数字を見て、足りない段階に人と時間を回すのが役目です。

まとめ

  • 営業管理とは、営業の数字・進み具合・動きを見える化し、目標との差に早く手を打つ仕組み

  • SES企業で見る数字は、受信案件数・提案数・面談数・決定数・稼働中人数と粗利の5つ。件数より「次へ進んだ割合」で見る

  • プロセスは案件受信→マッチング→提案→面談→契約の5段階。3営業日動いていない案件を毎週見つける

  • 役割は、営業担当が入力、営業事務が整える、営業管理部・責任者が判断する

  • 道具はスプレッドシートから始め、メールの転記が追いつかなくなったら専用ツールへ。チョータツとチョータツメールAIで「元データ」集めを楽にできる

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年10月1日|更新日:2026年10月1日

参考資料(2026年9月30日確認)

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