SESのメール一斉配信ツール比較|BP向けの案件・人材配信で選ぶポイント7つとBCC事故の防ぎ方
公開日:2026年10月1日更新日:2026年10月1日
SESのメール一斉配信とは?
SESのメール一斉配信とは、自社の案件や営業中の人材の情報を、取引のあるBP(ビジネスパートナー)にまとめて送ることです。毎朝や毎夕に、数十〜数百社へ送る会社も少なくありません。
BP(ビジネスパートナー)とは、案件や人材を紹介し合う取引先の会社のことです。SES営業では、一斉配信が「案件を埋める」「人材の行き先を探す」ための基本の動きになっています。
一斉配信で送るメールは、大きく2種類です。
| 種類 | 中身 | 送る相手 |
|---|---|---|
| 案件メール | 自社が持つ案件の条件(スキル・単価・場所など) | 人材を持っているBP |
| 人材メール | 自社やBPの営業中エンジニアの情報 | 案件を持っているBP |
メール本文の書き方は「SES営業メールの例文10選|案件・人材紹介の書き方とコツ」で解説しています。条件の書き方は「SESの条件面の書き方|案件・人材メールに入れる14項目と記入例」が参考になります。
一斉配信の方法は3種類|比較表
結論として、BPが30社くらいまではBCC送信でも回りますが、それを超えたら専用ツールを検討する時期です。30社はあくまで目安です。配信の回数や担当者の人数でも変わります。
| 方法 | よいところ | 気をつけること | 向いている会社 |
|---|---|---|---|
| ①Gmail・OutlookのBCC | 無料。今日から始められる | 宛先ミスの事故。配信停止の管理が手作業 | BPが少ない。営業が1〜2人 |
| ②汎用のメール配信ツール | 大量に送れる。開封率がわかる。配信停止リンクが付く | 案件・人材のデータとは別管理になる | メルマガも送る。社内にツール担当がいる |
| ③SES特化ツール | 案件・人材の管理と配信が1か所。BPのスキル・エリアで絞れる | ツールごとに機能の差が大きい | BPが多い。営業が複数人いる |
汎用のメール配信ツールとは、メルマガ(お知らせメール)などをたくさんの相手に送るための道具のことです。もともと一般の会社が顧客に送るために作られています。
SES特化ツールとは、SES営業の案件・人材の管理と、BPとのやりとりに合わせて作られた道具のことです。
①BCC送信の弱点:宛先ミスが「個人情報の漏えい」になる
BCC送信の一番の弱点は、BCCに入れるはずの宛先をToやCCに入れる事故です。全員のメールアドレスが、受け取った全員に見えてしまいます。
メールアドレスに担当者の名前が入っていると、個人情報になることがあります。個人情報保護委員会は、本人の数が1,000人を超える漏えいを、委員会への報告が必要なケースの1つとしています。例として挙がっているのが、1,000人を超える会員への配信で、BCCに入れるべきアドレスをCCに入れて送った場合です。報告は、気づいてから速やかに出す速報(目安はおおむね3〜5日以内)と、30日以内の確報の2段階です。
1,000人に届かなくても、BPからの信頼は大きく下がります。競合する会社同士のアドレスが見えることも、SES営業では特に問題になります。
②汎用ツールの弱点:案件・人材のデータと別になる
汎用ツールは送る力は強いですが、「どのBPに、どの案件を送るか」を決めるデータは持っていません。案件はExcel、BPの一覧は別のシート、配信はツール、という形になりがちです。
その結果、配信のたびに「Javaの人材を持っているBPだけ」のリストを手で作ることになります。転記ミスも起きやすくなります。
配信リストの作り方|スキル・エリア別に分ける
一斉配信の成果を決めるのは、ツールよりも配信リストです。全BPに同じ案件を送ると、関係のないメールが増え、読まれなくなります。
配信リストとは、メールを送る相手を目的ごとにまとめた一覧のことです。SESでは、次の項目で分けておくと絞り込みやすくなります。
| 分ける項目 | 例 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 得意なスキル | Java、インフラ、PMO | 案件メールを人材が合いそうなBPへ |
| エリア | 東京、大阪、福岡、フルリモート | 勤務地が合うBPだけに送る |
| 商流の位置 | 元請け、一次請け、二次請け以下 | 商流制限のある案件で送り先を絞る |
| 受け取りたいメール | 案件のみ、人材のみ、両方 | 相手が要らないメールを送らない |
配信リストを作る5つの手順
BPの一覧を1つにまとめる:会社名・担当者・メールアドレス・取引開始日を1つの表に集めます。
分ける項目を決める:スキル・エリア・商流・受け取りたいメールの4つから始めます。
BPに聞いて埋める:挨拶や情報交換の場で、得意分野と受け取りたいメールを確認します。
配信停止の欄を作る:「停止を希望した日」「停止した人」を記録する欄を用意します。
月1回見直す:退職した担当者や、半年やりとりのないBPを整理します。
BPの一覧で持つべき項目は、「SESのBP登録管理方法|取引先情報の管理項目15」にまとめています。
配信停止と特定電子メール法|BP向けでも対象になる
BP向けの案件・人材メールも、営業のために送る以上「特定電子メール法」の対象になりえます。会社から会社へのメールだから関係ない、とは言えません。
特定電子メール法とは、広告や宣伝のメールを送るときのルールを決めた法律のことです。総務省のパンフレットでは、主に次のことが求められています。
| ルール | 中身 | SES営業でやること |
|---|---|---|
| 事前の同意 | 原則、同意した相手にだけ送る | 取引関係・名刺交換・アドレスの公表などの例外も確認する |
| 同意の記録 | いつ、どうやって同意を得たかを残す | 取引開始日や同意の方法をBP一覧に残す |
| 表示の義務 | 送信者の名前・住所、受信拒否の連絡先、問い合わせ先を書く | 署名に会社名・住所と「配信停止はこちら」を入れる |
| 拒否後の停止 | 受信拒否を受けたら、以後は送らない | 停止リストを全営業で共有する |
同意なしで送れる例外もあります。すでに取引関係にある相手、名刺などでアドレスを教えてくれた相手、アドレスを公表している相手です。ただし、受信拒否を受けたあとは送れません。
BCC送信で一番もれやすいのが、この配信停止です。営業Aさんが停止を受けても、営業Bさんのアドレス帳には残っている、ということがよく起きます。停止を頼まれたときの返信例文は、営業メールの配信停止依頼への対応|特定電子メール法と返信例文にまとめています。
Gmail宛てに大量に送るときの注意
Googleは、Gmail宛てに1日5,000件以上送る送信者に、追加の設定を求めています。送信元ドメインのSPF・DKIM・DMARCという認証の設定や、ワンクリックで配信停止できる仕組みです。
SPF・DKIM・DMARCとは、「このメールは本当にその会社から送られた」とメールサーバーに証明するための設定のことです。5,000件未満の送信者にも、SPFかDKIMの設定は求められています。社内のメール担当者に、設定済みかを一度確認しておきましょう。設定の手順はSESの一斉配信が迷惑メールに入る原因|SPF・DMARCの設定手順で解説しています。
メール一斉配信ツールを選ぶポイント7つ
選ぶときは、次の7つを順に確認します。上から順に、SES営業での大切さが高いものを並べています。
| # | ポイント | 確認すること |
|---|---|---|
| 1 | 宛先ミスが起きない | 1社ずつ個別に届くか。ほかの宛先が見えないか |
| 2 | 配信先を絞れる | スキル・エリア・商流で配信リストを作れるか |
| 3 | 配信停止を管理できる | 停止した相手に、誰が送っても届かないか |
| 4 | 案件・人材のデータと一緒か | 配信のたびに転記しなくてよいか |
| 5 | 複数の営業で共有できる | 誰が、いつ、何を送ったかが残るか |
| 6 | 届いた返信を整理できる | 返信や他社からのメールを探しやすいか |
| 7 | 費用と始めやすさ | 無料で試せるか。人数が増えたときの費用はいくらか |
やってはいけないのは、「送れる通数」と「値段」だけで選ぶことです。BPへの配信は通数より「合う相手に、事故なく届く」ことが大切です。
送信ボタンを押す前の7点チェック(BCC運用中の会社向け)
ツールに移るまでの間は、次のチェックを配信担当の机に貼っておくと事故が減ります。
To欄は自社のアドレス1つだけか
BPのアドレスはすべてBCC欄に入っているか(CCに入っていないか)
配信リストは今日の案件に合うもの(スキル・エリア)か
配信停止リストの相手を外したか
件名に【スキル/場所/単価】と締め切りが入っているか
案件の元請け名・エンド名など、出してはいけない情報を消したか
署名に会社名・住所・配信停止の連絡先があるか
営業ツール全体の組み合わせ方は、「SES営業ツールの種類と選び方」でまとめています。
開封率・返信率を上げる配信のコツ
返信を増やす一番の近道は、送る相手を絞ることです。合わないメールが続くと、BPはメールを開かなくなります。
すぐにできるコツを5つ挙げます。
件名に条件を入れる:「【Java/東京/80万円】」のように、開かなくても中身がわかる件名にします。
1通に1案件か1人材:複数を詰め込むと、どれに返信すればよいかわかりにくくなります。
送る時間をそろえる:毎朝9時など、BPが待ち受けやすい時間に固定します。
締め切りを書く:「10月2日(金)17時まで」のように、返事がほしい日時を入れます。
反応のないBPを見直す:3か月返信がないBPは、配信リストの分け方が合っているか確認します。
件名の作り方は「SES営業メールの開封率・返信率を上げる方法」で、例とあわせて紹介しています。
もっと楽にするなら|チョータツとチョータツメールAI
案件・人材の管理と一斉配信を1か所にまとめたいなら、チョータツが使えます。チョータツは、SES営業のための案件・人材の管理・共有ツールです。3,000社以上が利用し、無料で始められます。
チョータツでできることは、次のとおりです。
| 悩み | チョータツでできること |
|---|---|
| 案件・人材と配信がバラバラ | 案件・人材の情報を管理・共有し、パートナーへメール配信できる |
| BPの営業中の情報が集まらない | 他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材をデータベース化できる |
| 入力が面倒 | AIが入力を手伝う |
一斉配信を続けると、BPから届く案件・人材メールも増えます。チョータツメールAIは、届いたメールをAIが処理し、案件メールと人材メールに切り分けるメールインポート機能です。メールに書かれた単価や商流などの条件も読み取ります。転送設定で取り込め、案件・人材以外のメールはデータに残りません。
受信メールの整理方法は「SESの案件メール解析ツール比較」でも比べています。
BPから届く案件・人材メール、手で仕分けしていませんか?:無料で登録してメールAIを使う
よくある質問
- Q. SESの案件メールは、BCCで一斉送信しても問題ありませんか?
- BCC送信自体は禁止されていません。ただし、宛先をToやCCに入れる事故が起きやすいです。BPが増えたら、1社ずつ個別に届くツールに移るのがおすすめです。
- Q. BCCの宛先ミスでアドレスが漏れたら、報告は必要ですか?
- 個人情報保護委員会は、本人の数が1,000人を超える漏えいなどを報告が必要なケースとしています。1,000人以下でも、相手へのおわびと再発防止は欠かせません。判断に迷ったら専門家に相談しましょう。
- Q. BP向けの営業メールにも配信停止の案内は必要ですか?
- 営業のために送るメールは、特定電子メール法の対象になりえます。取引中のBPでも、送信者の名前と、受信拒否の方法・連絡先を書いておくのが安全です。この記事は一般的な情報であり、法的助言ではありません。
- Q. SES営業を効率化するには、まず何から始めればいいですか?
- BPの一覧を1つにまとめ、スキルとエリアで分けることから始めます。配信先が絞れると、送る手間も、返信を読む手間も減ります。
- Q. 汎用のメール配信ツールとSES特化ツールは、何が一番違いますか?
- 一番の違いは、案件・人材のデータと配信が一緒かどうかです。汎用ツールは送る力が強く、SES特化ツールは「どのBPに何を送るか」を決めやすくなっています。
まとめ
SESのメール一斉配信は、案件・人材の情報をBPへまとめて送ること
方法はBCC送信、汎用のメール配信ツール、SES特化ツールの3種類
BCC送信は無料だが、宛先ミスで全員のアドレスが見える事故が起きやすい
成果を決めるのは配信リスト。スキル・エリア・商流・受け取りたいメールで分ける
BP向けでも特定電子メール法の対象になりえる。配信停止は全営業で共有する
ツールは「宛先ミスが起きない」「配信先を絞れる」「配信停止を管理できる」を優先して選ぶ
運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年10月1日|更新日:2026年10月1日
参考資料(2026年9月30日確認)
総務省「迷惑メール対策」
総務省「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント」(同意・記録の保存・表示義務・受信拒否後の送信禁止)
e-Gov法令検索「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」
個人情報保護委員会「漏えい等の対応とお役立ち資料」(報告が必要なケース、BCC→CC誤送信の例、確報の期限)
個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」(速報の目安「概ね3~5日以内」、確報「30日以内」)
Google Workspace 管理者ヘルプ「メール送信者のガイドライン」(1日5,000件以上の送信者の要件)