営業メールの配信停止依頼への対応|特定電子メール法のルール、SESでの返信例文と配信リストの運用

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

配信停止を求められたら、その相手に広告メールを送ってはいけない

配信停止の依頼を受けたら、その相手には、依頼の内容に反する広告・宣伝のメールを送ってはいけません。これは、特定電子メール法第3条第3項で決められた送る側の義務です。

特定電子メール法とは、広告・宣伝のために送るメールのルールを定めた法律のことです。正式名称は「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」(平成14年法律第26号)で、「迷惑メール対策法」とも呼ばれます。

特定電子メールとは、会社などが営業の広告・宣伝のために送るメールのことです(同法第2条第2号)。SESの案件・人材の紹介メールは、自社の取引を増やすための案内なので、特定電子メールに当たると考えて扱うのが安全です。

SESでは、BP(案件や人材を紹介し合う取引先の会社)に向けて、案件・人材の情報を毎日のように一斉配信します。配信で使う言葉はSES用語一覧|営業が現場で使う用語60と意味・例文つきで確認できます。

オプトアウトとは、受け取る人が「もう送らないで」と伝えて、配信を止めてもらうことです。反対に、先に受け取りの同意をもらうことをオプトインといいます。

特定電子メール法の3つのルールをSESの配信に当てはめる

特定電子メール法のルールは、送ってよい相手、止める義務、表示義務の3つが中心です。条文は第3条第1項、第3条第3項、第4条です。SESの一斉配信に当てはめると、次のとおりです。

ルール条文SESの配信での意味
送ってよい相手第3条第1項同意した人、名刺をくれた人、取引関係にある人、アドレスを公表している会社
停止後の送信禁止第3条第3項停止を求めた人には、案件・人材メールを送らない
表示義務第4条送信者名・停止の連絡先などをメールに書く
同意の記録の保存第3条第2項同意をもらった記録を残す

送ってよい相手(第3条第1項)

原則として、広告・宣伝のメールは事前に同意した相手にだけ送れます。例外として、次の相手にも送れます。

  1. 名刺など書面でメールアドレスを知らせてくれた相手(第2号、施行規則第2条)

  2. 取引関係にある相手(第3号)

  3. ホームページなどでメールアドレスを公表している会社・営業をしている個人(第4号、施行規則第3条)

ただし、公表しているアドレスの横に「広告メールはお断り」と書いてある場合は、送れません(施行規則第3条ただし書)。

例外で送れる相手でも、停止を求められたら止める

名刺交換した相手や取引先は、同意がなくても送れる相手です。しかし、第3条第3項は、第1項の各号に当たる相手すべてから停止の通知を受けたら送ってはいけないと定めています。

つまり、「名刺をもらったから」「取引先だから」という理由で、停止の依頼を無視することはできません。

停止の依頼を伝える方法は自由

停止の依頼は、止めるアドレスがわかれば、メール・電話など方法は自由です(施行規則第5条)。総務省・消費者庁のガイドラインも、方法は特に限定されていないと説明しています。

SESの現場では、次のような依頼がすべて有効な停止の依頼になると考えて対応します。

  • 配信メールへの「配信停止希望」という返信

  • 電話での「もう案件メールは送らなくていいです」

  • 交流会や商談での口頭の依頼

  • 別の担当者あての「〇〇さんからのメールを止めてほしい」という連絡

一部だけ止める・期間を決めて止める依頼もある

停止の依頼には、一部の種類だけや一定の期間だけ止める形もあります(施行規則第5条)。その場合は、依頼の条件に合うメールを送ってはいけません。

SESでは「人材メールだけ止めてほしい」「年度末まで止めてほしい」といった依頼がこれに当たります。

配信停止はいつまでに?法律上の期限と実務の目安

特定電子メール法には、「停止の依頼から〇日以内に止める」という期限の定めはありません。そのかわり、依頼を受けた後に、依頼に反するメールを送ること自体が禁止されています。

ここから、実務では次の考え方になります。

  • 依頼を受けた時点から、次の配信までに必ず外す

  • SESの配信は毎日のように送るため、受けた当日中に外すのが現実的な目安

  • 配信予約をしているメールがあれば、予約分からも外す

編集部では、依頼を受けた担当者が、その日のうちに停止リストへ登録し、返信するルールをおすすめします。翌日に回すと、朝の一斉配信で送ってしまう事故が起きやすくなります。

配信停止の後でも送ってよいメール

配信停止の後でも、契約の事務連絡に広告が少し付いているだけのメールは送れます。施行規則第6条が、停止の例外を定めています。

メールの種類停止後に送れるか
案件・人材の一斉配信送れない
新しいサービスや交流会の案内送れない
注文書・請書・請求書の送付送れる(契約の履行の連絡)
稼働報告・精算・更新の確認送れる(契約の内容・履行の連絡)
相手からの問い合わせへの返信送れる(広告が付随的な場合)

時候のあいさつだけのメールは、特定電子メールに当たらないとガイドラインは説明しています。広告・宣伝の内容を含まず、宣伝のサイトへ誘導しないことが条件です。ただし、あいさつに案件の紹介を足せば、広告・宣伝のメールになります。

停止を求めた相手に注文書や請求書を送るときは、署名の下に案件の紹介を付けないようにします。付随的な広告でも、相手の気持ちを考えると外しておくのが無難です。

配信メールに必ず書く4つの表示

広告・宣伝のメールには、送信者の名称、停止の連絡先、停止できる旨、住所と問い合わせ先を書く義務があります。根拠は特定電子メール法第4条と、施行規則第7条・第9条です。

表示する事項根拠書く場所
送信に責任を持つ会社の名称法第4条第1号見つけやすい場所
停止の依頼を受けるアドレスかURL法第4条第2号見つけやすい場所
そのアドレス等で停止できる旨施行規則第9条第1号停止の連絡先のすぐ前か後
住所、苦情・問い合わせの連絡先施行規則第9条第2号・第3号どこでもよい(リンク先でも可)

案件・人材メールの末尾に、次のような署名を入れておけば4つがそろいます。

例文・テンプレート
──────────────────
株式会社△△ 営業部
〒105-XXXX 東京都港区〇〇1-2-3
電話:03-XXXX-XXXX(受付:平日10時〜18時)
配信停止をご希望の方は、このメールに「配信停止」とご返信いただくか、
stop@example.co.jp までご連絡ください。
──────────────────

配信メールの書き方全体はSES営業メールの例文10選|案件・人材紹介の書き方とコツにまとめています。

配信停止の依頼への返信例文

停止の依頼には、止めたことと、止めた範囲を短く返します。言い訳や引き留めは書きません。

例文1:すべての配信を止める

例文・テンプレート
件名:Re: 配信停止のお願い

株式会社〇〇
□□様

株式会社△△の山田です。
ご連絡いただき、ありがとうございます。

本日10月5日付で、弊社からの案件・人材情報の配信を
すべて停止いたしました。
行き違いで配信が届いてしまった場合は、何卒ご容赦ください。

これまでお読みいただき、ありがとうございました。

「行き違い」の一文は、すでに予約済みの配信がある場合だけ入れます。予約分も外せたなら、この一文は不要です。

例文2:一部だけ止める(人材メールだけ停止)

例文・テンプレート
件名:Re: 人材情報の配信停止について

□□様

株式会社△△の山田です。
ご連絡ありがとうございます。

ご希望どおり、人材情報の配信を本日停止いたしました。
案件情報の配信は、これまでどおりお送りいたします。
案件情報も不要になりましたら、このメールにご返信ください。

例文3:取引が続いている相手から停止を求められた

例文・テンプレート
件名:Re: 案件メールの配信停止

□□様

株式会社△△の山田です。
案件・人材情報の配信は、本日停止いたしました。

なお、現在ご稼働中の鈴木さんの稼働報告と、
請求書の送付は、これまでどおりメールでお送りいたします。
ご不便があれば、お知らせください。

取引が続いている相手には、止めるものと続けるものを分けて書くと、請求書まで止まったと誤解されません。

例文4:社内の別の担当者あてに停止依頼が届いた

例文・テンプレート
件名:Re: 御社からの配信について

□□様

株式会社△△の佐藤です。
ご連絡ありがとうございます。

弊社の山田を含め、営業部全員からの案件・人材情報の配信を
本日停止いたしました。
今後、個別のご連絡が必要な場合は、私にご連絡ください。

相手は「会社から」の配信を止めたいと考えていることが多いです。担当者個人ではなく会社全体で止めるのが基本です。

名刺交換先・取引先・公開アドレスへの配信の扱い

SESの配信先は、名刺交換、交流会、取引先、Webで見つけたアドレスなど入り口がさまざまです。入り口ごとに、最初に送ってよいかと、停止の依頼への対応を整理します。

入り口最初に送れるか停止を求められたら
同意をもらった相手送れる(同意の記録を保存)止める
名刺交換した相手送れる(書面での通知)止める
取引中のBP・上位送れる(取引関係)止める(事務連絡は可)
Webでアドレスを公表している会社送れる(「広告お断り」の記載がなければ)止める
購入リストや他社から回ってきたアドレス原則、同意を取ってから止める

同意をもらった相手については、同意の記録を保存する義務があります(第3条第2項、施行規則第4条)。問い合わせフォームのチェック欄や、同意の返信メールを残しておきます。

購入リストの扱いは営業リストの入手方法4つ|SESが無料・購入・ツールを使い分けるコツで解説しています。取引が止まった会社への連絡はSESの休眠顧客の掘り起こし方|再開につながる連絡例文と手順5つが参考になります。

違反するとどうなる?措置命令と罰則

停止の依頼を無視して一斉に送り続けると、国から送り方を改める命令を受けることがあります(第7条)。命令を出すのは総務大臣と内閣総理大臣で、従わないと罰則の対象です。

違反の内容行政の対応・罰則根拠
多数に送る配信で、同意のない相手に送る・停止後に送る・表示がない措置命令第7条
措置命令に違反した1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金第34条第2号
同意の記録の保存に関する命令に違反した100万円以下の罰金第35条第1号
送信者の情報を偽って送った1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金第34条第1号
会社の業務として第34条の違反をした会社に3,000万円以下の罰金第37条第1号

停止の依頼を1回無視しただけで、すぐに罰金になるわけではありません。ただし営業にとっては、「止めてと言ったのにまだ届く」と思われること自体が大きな損です。

配信リストから漏れなく外す社内ルール

停止の漏れは、担当者ごと・ツールごとにリストがばらばらなときに起きます。会社で1つの「停止リスト」を持ち、すべての配信の前に照らし合わせるのが確実です。

漏れが起きる5つの原因

  1. 担当者がそれぞれ自分のアドレス帳から配信している

  2. 一斉配信ツールと、Outlookの連絡先グループの両方で送っている

  3. 同じ会社の別の担当者(別アドレス)が配信リストに残っている

  4. 停止の依頼を受けた人が、配信担当に伝えていない

  5. 予約済みの配信から外し忘れている

停止リストの運用5ステップ

  1. 停止リストを1つ作る:共有の表に、受けた日・会社名・アドレス・止める範囲・受けた人を記録する

  2. 受けた人がその日のうちに登録する:電話や口頭で受けたときも、担当者がその場でメモし、当日中に入力する

  3. 全ツールから外す:一斉配信ツール、メールソフトの連絡先グループ、予約済みの配信の3か所を確認する

  4. 配信の前に照らし合わせる:新しい配信リストを作るときは、停止リストと重なりがないかを必ず確認する

  5. 月に1回点検する:停止リストに載っているアドレスが、どこかの配信リストに残っていないかを確かめる

停止リストは、消さずに残し続けるのがポイントです。削除すると、名刺交換などで同じアドレスがまた配信リストに入ってしまいます。

停止の依頼を減らす工夫

停止の依頼が多いときは、配信の中身が相手に合っていないサインです。対策は次の3つです。

  • 相手の得意分野に合わせて、配信先を分ける

  • 同じ案件の再送を減らし、配信の回数を見直す

  • 件名で内容がわかるようにして、読むかどうかを相手が選べるようにする

件名と配信の見直し方はSES営業メールの開封率・返信率を上げる方法|件名のコツ7つで解説しています。

停止リストを自分で管理する方法と、チョータツで配信をまとめる方法

配信停止の漏れを防ぐには、配信に使う仕組みを会社で1つにまとめるのが一番の近道です。仕組みが1つなら、外す場所も1つで済みます。

自分でやる方法:共有の停止リストとチェックの手順

  • 停止リストを共有フォルダのスプレッドシートで作る

  • 配信ツールの「配信停止」機能があれば、停止リストのアドレスを登録する

  • 配信の担当者を決め、担当者以外は一斉配信をしない

一斉配信ツールの選び方はSESのメール一斉配信ツール比較|BP向け配信で選ぶポイント7つで比べています。

もっと楽にするなら:チョータツで配信と情報をまとめる

チョータツとは、SES営業の案件・人材の情報を管理・共有するツールのことです。パートナーへのメール配信機能があり、3,000社以上が利用しています。無料で始められます。

やること担当者ごとに配信する場合チョータツを使う場合
案件・人材の情報担当者のExcelやメールにばらばら1か所で管理・共有できる
パートナーへの配信担当者ごとのアドレス帳から送るメール配信機能で会社として送れる
情報の入力手で転記するAIが入力を手伝う

配信の仕組みを1つにまとめておくと、停止の依頼を受けたときに確認する場所が減ります。担当者が替わっても、配信のルールを引き継ぎやすくなります。

よくある質問

Q. 配信停止の依頼は、何日以内に対応すればよいですか?
特定電子メール法に日数の定めはありません。ただし、依頼を受けた後に広告メールを送ると違反になるため、受けた当日中に止めるのが安全です。
Q. 取引先から配信停止を求められたら、請求書も送れなくなりますか?
送れます。施行規則第6条で、契約の内容や履行に関する連絡は停止の例外とされています。止めるのは案件・人材の紹介など広告・宣伝のメールです。
Q. 名刺交換した相手に、案件メールを送ってもよいですか?
送れます。名刺など書面でメールアドレスを知らせてくれた相手は、同意がなくても送れる相手です(第3条第1項第2号)。停止を求められたら止めます。
Q. 電話で「もう送らないで」と言われた場合も、停止の依頼になりますか?
なります。施行規則第5条で、停止の依頼はメールアドレスを明らかにすれば、電話などどんな方法でもよいとされています。
Q. 配信停止の依頼に、返信は必要ですか?
法律上の義務はありませんが、止めたことと止めた範囲を返信するのがおすすめです。相手が安心でき、送り間違いがあったときにも誤解を防げます。

まとめ

  • 配信停止を求められたら、その相手に広告・宣伝のメールを送ってはいけない(特定電子メール法第3条第3項)

  • 名刺交換先や取引先など、同意なしで送れる相手でも、停止を求められたら止める

  • 依頼の方法はメール・電話・口頭など何でも有効。受けた人が当日中に止める

  • 注文書・請求・稼働の連絡など、契約の事務連絡は停止後も送れる

  • 配信メールには、送信者名・停止の連絡先・停止できる旨・住所と問い合わせ先を書く

  • 会社で1つの停止リストを持ち、すべての配信の前に照らし合わせる

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

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