SESの一斉配信が迷惑メールに入る原因と対策|Gmail・Yahoo!の新基準とSPF・DKIM・DMARCの設定手順
公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日
SESの一斉配信が迷惑メールに入る原因
主な原因は、送信元の認証がない、受け取る側が迷惑と感じている、書き方が迷惑メールに似ている、の3つです。3つのうち、最初に直すべきなのは認証の設定です。
一斉配信とは、同じ内容のメールを多くの相手に一度に送ることです。SES営業では、案件情報や人材情報を、取引のあるBPに毎日配信する会社が多くあります。BPとは、ビジネスパートナーの略で、案件や人材を紹介し合う取引先の会社のことです。
| 原因 | 具体例 | 直し方 |
|---|---|---|
| 送信元の認証がない | SPF・DKIM・DMARCが未設定 | DNSに3つの設定を入れる |
| 受け取る側が迷惑と感じている | 取引のない相手にも送っている、配信停止ができない | 配信先を見直し、配信停止の仕組みを入れる |
| 書き方が迷惑メールに似ている | 件名に【】や!が多い、本文が画像だけ | 件名と本文の書き方を直す |
「急に届かなくなった」というときは、配信先の数が増えた、配信ツールを変えた、ドメインを変えた、のどれかが起きていることがよくあります。
GmailとYahoo!の送信者ガイドライン
GmailとYahoo!は、大量に送る送信者に対して、認証と配信停止の仕組みを求めています。条件を満たさないメールは、迷惑メールに入る、または受け取りを拒否されることがあります。
送信者ガイドラインとは、メールサービスの会社が公開している、送信者に守ってほしい条件のことです。
Gmail(Google「メール送信者のガイドライン」)
| 対象 | 求められること |
|---|---|
| すべての送信者 | SPFかDKIMの設定、送信元の正引き・逆引きDNS、TLSでの送信、迷惑メール率0.3%未満 |
| 1日5,000件超の送信者 | SPF・DKIM・DMARCのすべて、差出人(From)のドメインとSPFかDKIMのドメインの一致、ワンクリックの配信停止と本文の配信停止リンク、迷惑メール率0.10%未満を目標に0.30%以上にしない |
Googleのいう「1日5,000件」は、個人用のGmailアカウント(@gmail.com など)宛てに送る件数です。取引先の会社ドメイン宛ての件数は数えません。ただし、取引先の会社がGoogleのメールを使っていることは多いため、件数にかかわらず同じ設定をしておくのが安全です。
Yahoo!(Yahoo「Sender Best Practices」)
| 対象 | 求められること |
|---|---|
| すべての送信者 | SPFかDKIMの設定、迷惑メール率0.3%未満、正引き・逆引きDNS |
| 大量に送る送信者 | SPFとDKIMの両方、DMARC(少なくとも p=none)、ワンクリックの配信停止、配信停止の依頼を2日以内に反映 |
迷惑メール率とは、届いたメールのうち、受け取った人が「迷惑メール」と報告した割合のことです。1,000通送って3人が報告すると0.3%になります。
SPF・DKIM・DMARCとは
SPF・DKIM・DMARCは、メールが本当にその会社から送られたものかを、受け取る側が確かめるための仕組みです。3つとも、会社のドメインのDNSに設定を書き込んで使います。
DNSとは、ドメイン名とサーバーの住所を結びつける、インターネット上の住所録のことです。ドメインを管理している会社(お名前.com、さくらインターネットなど)の管理画面で設定します。
| 仕組み | ひとことで | 設定しないと起きること |
|---|---|---|
| SPF | 「このサーバーから送るメールは本物です」と宣言する | 配信ツールから送ったメールが偽物と疑われる |
| DKIM | メールに電子の署名を付け、途中で書き換えられていないことを示す | 転送された後などに本物と確かめられない |
| DMARC | SPF・DKIMで確かめられなかったメールをどう扱うかを決める | 大量送信者の条件を満たせない |
SPFとは、自社のドメインからメールを送ってよいサーバーの一覧を、DNSに書いておく仕組みのことです。DKIMとは、送るメールに電子署名を付け、受け取る側がその署名を確かめる仕組みのことです。DMARCとは、SPFやDKIMの確認に失敗したメールを、受け取る側にどう扱ってほしいかを伝える仕組みのことです。
SPF・DKIM・DMARCの設定手順
設定は、SPF→DKIM→DMARCの順に進めます。DMARCは、SPFとDKIMが正しく動いていることを確かめてから入れます。
使っている送信サーバーを洗い出す:普段のメール(Google Workspace、Microsoft 365など)と、配信ツールの両方を書き出す
SPFを設定する:DNSに
v=spf1 include:(メールサービスが指定する値) ~allのような1行を入れる。配信ツールの値も同じ1行に足すDKIMを設定する:メールサービスと配信ツールの管理画面で署名用の値を作り、DNSに登録する
DMARCを設定する:DNSに
_dmarcという名前でv=DMARC1; p=none; rua=mailto:(レポートを受け取るアドレス)を入れる確認する:自分のGmailアカウントに送り、メールの「メッセージのソースを表示」で SPF・DKIM・DMARC が「PASS」になっているかを見る
様子を見て強める:レポートで問題がなければ、DMARCの
p=noneをp=quarantineなどに変えることを検討する
設定でよくある間違い
SPFの行を2つ作ってしまう(SPFは1つのドメインに1行だけ)
配信ツールのサーバーをSPFに入れ忘れる
配信ツールのDKIMが、自社ドメインではなくツール会社のドメインで署名されている
差出人(From)を個人のフリーメールにして配信している
設定の値は、使っているメールサービスや配信ツールの案内に従います。自社で設定できない場合は、ドメインの管理を担当している人か、システムの担当に依頼します。
迷惑メールに入りにくい書き方
件名・本文・リンクの3つを、迷惑メールと似ない書き方にします。認証を設定していても、書き方しだいで迷惑メールに入ることがあります。
| 場所 | 避けたい書き方 | 直した例 |
|---|---|---|
| 件名 | 【急募!!】【高単価】★案件★ | 【案件】Java 開発/11月〜/港区・週3出社 |
| 本文 | 案件情報を画像だけで送る | 条件をテキストで書く |
| リンク | 短縮URLを使う | 自社ドメインのURLをそのまま書く |
| 添付 | 大きなファイルを毎回添付する | 必要な人にだけ個別に送る |
| 差出人 | 毎回違う名前・アドレスで送る | 同じ担当者名・アドレスで送る |
件名の付け方は、開封率にも関わります。開封率を上げる件名のコツはSES営業メールの開封率・返信率を上げる方法|件名のコツ7つで紹介しています。本文の書き方はSES営業メールの例文10選|案件・人材紹介の書き方とコツで紹介しています。
配信先を見直す
迷惑メール率を下げる一番の近道は、受け取りたい相手にだけ送ることです。次の相手は、配信リストから外すか、送る頻度を下げます。
半年以上、返信も取引もない相手
配信停止を求めてきた相手
宛先不明で戻ってくるアドレス
名刺交換だけで、配信の了承をもらっていない相手
配信停止の仕組みを入れる
本文の最後に、配信停止の方法を必ず書きます。広告や宣伝のメールには、特定電子メール法第4条で、送信者の名前と、配信停止の連絡先を表示する義務があります。特定電子メール法とは、広告・宣伝のためのメールの送り方のルールを定めた法律のことです。配信停止を求められたときの対応は営業メールの配信停止依頼への対応|特定電子メール法と返信例文で解説しています。
配信停止をご希望の方は、このメールに「配信停止」とご返信ください。2営業日以内に配信リストから外します。
送信者:株式会社□□ 営業部 △△(sales@example.co.jp)
配信ツールを選ぶときの確認点
配信ツールは、自社ドメインで認証できるか、配信停止を自動で処理できるかを必ず確認します。料金や使いやすさだけで選ぶと、到達率の問題があとから出ます。
| 確認点 | 確認のしかた |
|---|---|
| 自社ドメインでSPF・DKIMを設定できるか | 設定手順のページがあるか、管理画面で確かめる |
| ワンクリックの配信停止に対応しているか | 配信停止のヘッダー(List-Unsubscribe)を付けられるか聞く |
| 配信停止を自動でリストに反映するか | 停止した相手に次から送られない仕組みか |
| 宛先不明のアドレスを自動で止めるか | 戻ってきたメールの処理方法を聞く |
ツールの比較はSESのメール一斉配信ツール比較|BP向け配信で選ぶポイント7つでまとめています。配信そのものを外に頼むか迷っている場合は、メール営業代行は使うべき?SESの一斉配信を外注する前の判断基準も参考にしてください。
案件・人材メールの送受信を楽にする方法
自分でやる場合は、認証の設定、配信リストの手入れ、書き方の見直しを続けます。配信先が増えるほど、リストの手入れにかかる時間も増えます。
もっと楽にするなら、DrivenXのツールを使います。
チョータツとは、SES営業の案件・人材の情報を管理・共有するツールのことです。パートナーへのメール配信機能があり、連携した会社とは、営業中案件・営業中人材をデータベースで共有できます。3,000社以上が利用し、無料で始められます。
チョータツメールAIとは、メールインポート機能のことです。届いたメールをAIが処理し、案件メールと人材メールに切り分けます。転送設定で取り込め、案件・人材以外のメールはデータに残りません。
| 困りごと | 自分でやる方法 | ツールを使う方法 |
|---|---|---|
| 配信の準備に時間がかかる | 宛先と本文を毎回手で整える | チョータツのメール配信機能で送る |
| 取引先の案件・人材を毎日メールで受け取っている | 受信箱で読んで表に写す | チョータツで連携し、営業中案件・人材をデータベースで見る |
| 受け取った案件・人材メールの整理が追いつかない | フォルダ分けのルールを作る | チョータツメールAIで案件メールと人材メールに切り分ける |
よくある質問
- Q. 案件メールが急に届かなくなったのはなぜですか?
- 配信先が増えた、配信ツールを変えた、ドメインを変えた、のどれかで、SPF・DKIM・DMARCの条件を満たさなくなったことがよくあります。まず自分のGmailアカウントに送り、認証の結果が「PASS」かを確かめます。
- Q. 1日5,000件も送っていなければ、DMARCは不要ですか?
- Gmailの大量送信者の条件には当たりませんが、設定しておくことをおすすめします。取引先の会社がGoogleのメールを使っていることは多く、認証がそろっているほうが届きやすくなります。
- Q. SPFだけ設定すれば十分ですか?
- 十分ではありません。GmailとYahoo!は、大量に送る送信者にSPFとDKIMの両方、さらにDMARCを求めています。転送されたメールはSPFの確認に失敗しやすいため、DKIMも必要です。
- Q. 迷惑メール率はどこで確認できますか?
- Gmail宛ての迷惑メール率は、Googleの「Postmaster Tools」で確認できます。Postmaster Toolsとは、Gmail宛てのメールの扱われ方を送信者が確認できる、Googleの無料の管理画面のことです。
まとめ
一斉配信が迷惑メールに入る主な原因は、認証の不備、受け取る側の迷惑、書き方の3つ
GmailとYahoo!は、大量に送る送信者にSPF・DKIM・DMARCと、ワンクリックの配信停止を求めている
迷惑メール率は0.3%未満に保つ。受け取りたい相手にだけ送ることが一番の対策
設定はSPF→DKIM→DMARCの順に進め、自分のGmailで「PASS」を確かめる
配信ツールは、自社ドメインでの認証と、配信停止の自動処理ができるかで選ぶ
本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士などの専門家にご相談ください。
運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日
参考資料(2026年9月30日確認)
Google Workspace 管理者ヘルプ「メール送信者のガイドライン」
Yahoo「Sender Best Practices」
e-Gov法令検索「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」(第3条 送信の制限、第4条 表示義務)