業務管理とは?SES会社の案件・人材・契約を回す基本と仕組み化3手順|属人化と転記ミスが起きる場所

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

業務管理とは?意味と目的

業務管理とは、仕事の内容・進み具合・担当者・期限を見える形にして、チームで回せる状態に保つことです。「誰が・何を・いつまでに・どこまで進めたか」が、本人以外にもわかる状態を目指します。

業務管理の目的は、大きく3つあります。

  1. 抜け・漏れを防ぐ:提案の返信忘れや、契約更新の確認漏れをなくす

  2. 人に依存しない:担当者が休んでも、ほかの人が続きを進められる

  3. ムダを減らす:同じ情報を何度も入力する作業を減らし、提案に使う時間を増やす

似た言葉に「管理業務」があります。管理業務とは、経理・総務・人事など、会社を支える事務の仕事のことです。業務管理は「仕事の回し方」、管理業務は「仕事の種類」を指すので、意味が違います。

業務管理の主な内容

業務管理で見る対象は、一般に次のように分けられます。SES会社に当てはめると、下の表のようになります。

管理する対象一般的な意味SES会社での具体例
案件管理仕事の依頼と進み具合受け取った案件、提案中・面談中・決定の状況
人材管理人の情報と空き状況自社・BPのエンジニアのスキル、稼働開始可能日
顧客・取引先管理取引先の情報エンド・元請け・BPの担当者、商流、取引条件
契約・お金の管理契約とお金の流れ注文書・注文請書、精算幅、請求・支払い
タスク・期限管理やることと締め切り面談日程、契約更新の確認日、請求書の送付日

業務管理の主な手法

業務管理には、よく使われる考え方が2つあります。

  • PDCAとは、計画→実行→確認→改善を繰り返して、仕事を良くする考え方です。

  • ECRS(イクルス)とは、業務改善を「なくす→まとめる→順番を変える→簡単にする」の順で考える方法です。

SES営業の現場では、ECRSの「なくす」「まとめる」がとくに効きます。たとえば「同じ案件をExcelとチャットに二重で書く」作業は、なくすかまとめる対象です。

SES会社の業務は3段階に分けて考える

SES会社の業務は、「①案件・人材の情報管理」「②提案・面談」「③契約・精算」の3段階でつながっています。1本の流れとして見ると、どこで詰まっているかが見つけやすくなります。

例文・テンプレート
【①案件・人材の情報管理】
  メールで案件・人材が届く
      ↓(転記)
  Excel・チャット・頭の中に記録する   ← 属人化・転記ミスが最も多い
      ↓
【②提案・面談】
  案件と人材を組み合わせて提案する
      ↓
  面談の日程調整・結果の連絡       ← 進捗の見落としが起きやすい
      ↓
【③契約・精算】
  注文書・注文請書を取り交わす
      ↓(転記)
  稼働時間を集計し、請求・支払いする ← 条件の転記ミスが起きやすい

3段階それぞれの主な仕事と担当者は、次のとおりです。

段階主な仕事主な担当管理が崩れたときの損失
①情報管理案件・人材メールの受け取り、記録、共有営業担当・営業事務提案の機会を逃す
②提案・面談マッチング、提案、面談調整、結果連絡営業担当決まるはずの案件が決まらない
③契約・精算契約書類、稼働集計、請求・支払い営業事務・経理請求ミス・取引先とのトラブル

3段階の流れを社内で1枚の図にしておくと、新人への説明や担当の引き継ぎが早くなります。図の描き方は、SES営業のプロセスフロー図|案件受付から更新までの作り方で紹介しています。

属人化と転記ミスが起きる場所

属人化と転記ミスは、「情報を人の手で別の場所に移すとき」に集中して起きます。属人化とは、特定の人しか仕事の中身や状況がわからない状態のことです。転記ミスとは、情報を書き写すときに数字や文字を間違えることです。

段階ごとに、起きやすい場所を整理しました。

段階起きやすい場所よくある例
①情報管理メール→Excelへの転記単価・開始日の打ち間違い、案件の登録漏れ
①情報管理担当者の受信箱だけに情報がある休みの日に同じ案件の問い合わせに答えられない
②提案・面談提案状況を個人のメモで管理同じ人材を同じ案件に二重で提案する
②提案・面談面談結果の連絡が口頭だけ結果待ちの案件を放置し、人材を他社に取られる
③契約・精算案件情報→注文書への転記精算幅や支払いサイトの条件が契約書とずれる
③契約・精算稼働時間の集計→請求書控除・超過の計算ミスで請求をやり直す

いちばん上流の①が崩れると、全部が崩れる

①で入った情報が間違っていると、②と③にそのまま引き継がれます。たとえば案件メールの単価を1万円間違えて記録すると、提案単価も契約書の金額もずれてしまいます。

SES営業には、BPから毎日たくさんの案件・人材メールが届きます。量が多いほど手作業の転記が増え、ミスの入り口も増えます。

転記ミスの原因と対策は、SESの案件確認を効率化|転記ミスが起きる5原因と防ぐ仕組みでくわしく解説しています。

最初に仕組み化すべき業務の順番

仕組み化は、①案件・人材の情報管理 → ②提案・面談の進捗 → ③契約・精算の順に進めるのがおすすめです。上流の情報がそろえば、下流は「そろった情報を使うだけ」になるからです。

ステップ1:案件・人材の入口を1か所にまとめる

  1. 案件・人材メールを受け取るアドレスを、共有のアドレス(例:ses-info@〜)にまとめる

  2. 記録先を1つに決める(共有のExcel、スプレッドシート、管理ツールのどれか1つ)

  3. 記録する項目をそろえる(下のチェックリストを参考にする)

  4. 「メールを受け取ってから記録するまで」の担当と期限を決める(例:当日中)

項目をそろえるときは、次の10項目から始めると十分です。

  • 受け取った日

  • 案件名・人材名(イニシャル)

  • 送ってきた会社・担当者

  • スキル(言語・工程・経験年数)

  • 単価

  • 開始日・期間

  • 勤務地・リモート可否

  • 商流(何次請けか)・並行の有無

  • 精算幅

  • 社内の担当者

案件メールの受信箱を整理する方法は、SESの案件メール整理方法|Outlook振り分けと見落とし防止策にまとめています。

ステップ2:提案・面談の進捗を「状態」で管理する

  1. 提案の状態を「提案中/面談調整中/面談済み・結果待ち/決定/見送り」の5つに決める

  2. 案件と人材の組み合わせごとに、状態と次の期限を1行で残す

  3. 「結果待ちが3営業日を過ぎたら催促する」など、動くルールを決める

  4. 週1回、チームで「結果待ち」と「期限切れ」だけを確認する

結果待ちの催促のしかたは、SESの面談結果が遅いときの催促方法|連絡の目安日数とメール例文5つにまとめています。

ステップ3:契約・精算は「月次の流れ」を決める

  1. 決定した案件は、①で記録した条件から注文書を作る(手で打ち直さない)

  2. 月末の稼働時間の回収日・請求書の送付日を、カレンダーで固定する

  3. 請求前に「精算幅・単価・控除の計算」をもう1人が確認する

月ごとの事務の流れは、SESの毎月の営業事務業務|注文書・請求・支払いの月次フローが参考になります。

3ステップを回す「担当と期限」の表(ひな形)

ステップ1〜3で決めたことは、次の表にまとめて社内に共有します。空欄を自社の名前と期限で埋めれば、そのまま使えます。

業務担当期限確認する人
案件・人材メールの記録受け取った営業受信の当日中営業事務(翌朝)
提案の状態の更新提案した営業状態が変わった当日営業責任者(週1回)
結果待ちの催促提案した営業面談から3営業日後営業責任者(週1回)
注文書の作成営業事務決定から2営業日以内担当営業
稼働時間の回収営業事務翌月2営業日目担当営業
請求書の送付営業事務翌月5営業日目経理・営業責任者

「確認する人」の列を入れるのがポイントです。担当と確認を別の人にすると、1人が休んでも抜けに気づけます。

業務管理で守るべきルール(個人情報と書類の保存)

SES会社の業務管理では、「人材の個人情報」と「契約・請求の電子データ」の扱いにルールがあります。便利さを優先して、ルールを外れないよう注意しましょう。

対象守るべきルール業務管理での対応
スキルシートなどの個人情報個人データを第三者に渡すときは、原則として本人の同意が必要提案に使ってよいか、同意の有無を人材ごとに記録する
メールでやりとりした注文書・請求書など2024年1月から、電子で受け取った・送った取引データは、要件に沿って電子のまま保存が必要受信メールの添付を、決めたフォルダに決めた名前で保存する

個人情報の第三者提供のルールは、個人情報保護委員会のガイドラインで説明されています。電子取引データの保存は、国税庁が電子帳簿保存法の資料で説明しています。

同意の取り方はスキルシートの個人情報と第三者提供の同意|SES提案で守る手順と文例で解説しています。電子データの保存はSESの注文書・請書の電子化|電子帳簿保存法の対応と電子契約を確認してください。

※この章は一般的な情報であり、法的助言ではありません。個別の判断は、専門家や各省庁の窓口に確認してください。

業務管理のやり方は3つ:Excel・汎用アプリ・SES向けツール

業務管理のやり方は、「Excel・スプレッドシート」「汎用の業務管理アプリ」「SES営業向けのツール」の3つです。人数や案件の量に合わせて選びます。

やり方向いている会社よい点注意点
Excel・スプレッドシート営業1〜3人で、まず始めたい無料ですぐ始められるメールからの転記は手作業のまま
汎用の業務管理アプリ(タスク管理・CRMなど)業種を問わず使いたい進捗やタスクの管理が得意SESの項目(精算幅・商流など)は自分で作る
SES営業向けのツール案件・人材メールが多いSESの案件・人材の管理に合わせて作られている自社の運用ルールは別に決める必要がある

おすすめは、まずExcelでステップ1の項目と運用を固めてから、ツールに移る順番です。項目とルールが決まっていないままツールを入れても、入力がばらばらになり定着しません。

チョータツで①情報管理を楽にする方法

いちばん転記の多い「①案件・人材の情報管理」は、チョータツとチョータツメールAIで手作業を減らせます。自分で運用ルールを決めたうえで、次のように組み合わせると効果的です。

困りごと使う機能できること
大量の案件・人材メールを仕分けるのが大変チョータツメールAI届いたメールをAIが案件メールと人材メールに切り分ける
情報が担当者ごとに散らばるチョータツ案件・人材の情報を1か所で管理・共有できる
入力に時間がかかるチョータツAIが入力を手伝う
取引先の案件・人材を探しにくいチョータツ(他社との連携)連携した他社の営業中案件・営業中人材をデータベース化できる
人材情報をパートナーに届けたいチョータツ(メール配信)パートナーへのメール配信機能を使える

使い始めの流れは、次の4ステップです。

  1. チョータツに無料で登録する

  2. 案件・人材メールの受信アドレスから、チョータツメールAIへの転送を設定する

  3. ステップ1で決めた記録ルール(担当・期限)を、チョータツ上の運用に置き換える

  4. 取引の多いパートナーと連携し、営業中案件・人材をデータベースとして使う

業務管理がうまくいかない会社によくある失敗

業務管理の失敗は、「ルールを決めずにツールだけ入れる」ことから始まるケースが多いです。よくある失敗と対策を4つ挙げます。

  • 項目を増やしすぎる:入力が面倒になり、誰も記録しなくなる。最初は10項目程度に絞る

  • 記録の担当と期限がない:「気づいた人が入れる」では抜けが出る。担当と期限を決める

  • 二重管理を続ける:Excelと個人メモの両方に書くと、どちらが正しいかわからなくなる。記録先は1つにする

  • 見返す場がない:記録しても誰も見なければ意味がない。週1回の確認の場を決める

記録の担当を決めるときは、案件担当・人材担当・事務担当の分け方もあわせて決めると、抜けが出にくくなります。分け方の型は、SES営業の分業体制の作り方|案件・人材・事務の担当分けの型で紹介しています。

よくある質問

Q. 業務管理とは、かんたんに言うと何ですか?
仕事の中身・進み具合・担当者・期限を、チームの誰でもわかる状態にすることです。SES会社なら「どの案件に・誰を・どこまで提案しているか」が見えている状態を指します。
Q. 業務管理と管理業務の違いは何ですか?
業務管理は「仕事の回し方」のことです。管理業務は、経理・総務・人事など会社を支える事務の仕事の種類を指します。
Q. SES会社は、どの業務から管理を始めればいいですか?
案件・人材の情報管理から始めましょう。メールの情報をExcelなどに移す場面で、転記ミスと属人化が最も起きやすいからです。
Q. 業務管理アプリは、無料のものでも十分ですか?
営業が数人なら、Excelやスプレッドシートでも回せます。案件・人材メールが多く転記が追いつかないなら、SES営業向けのツールを検討しましょう。チョータツは無料で始められます。
Q. 業務管理力とは何ですか?どうすれば上がりますか?
業務管理力とは、仕事の抜けや遅れを防ぎ、チームで回せる状態を保つ力のことです。記録の項目・担当・期限を決め、週1回見返す習慣をつくると上がります。
Q. 業務管理の手法には何がありますか?
よく使われるのは、PDCA(計画→実行→確認→改善)とECRS(なくす→まとめる→順番を変える→簡単にする)です。SES営業では、二重入力を「なくす・まとめる」ことから始めると効果が出やすいです。

まとめ

  • 業務管理とは、仕事の中身・進み具合・担当者・期限を見える形にして、チームで回せる状態にすること

  • SES会社の業務は「①案件・人材の情報管理」「②提案・面談」「③契約・精算」の3段階でつながっている

  • 属人化と転記ミスは、情報を人の手で移すとき、とくに①のメール→Excelの場面で起きやすい

  • 仕組み化は①→②→③の順。まずは入口を1か所にまとめ、10項目をそろえる

  • 個人情報の同意と、電子取引データの保存ルール(2024年1月から電子のまま保存)も業務管理に組み込む

  • ルールを決めてからツールへ。①の転記を減らすなら、チョータツとチョータツメールAIが使える

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

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