スキル見合いとは?SES案件メールの単価の3つの意味と、上位に上限を聞く質問例・提示額の決め方の計算例

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

スキル見合いとは?SESの案件メールでの意味

スキル見合いとは、提案される人のスキルや経験に合わせて単価を決めるという意味です。SESの案件メールでは、単価の欄に書かれることがほとんどです。

単価とは、エンジニア1人が1か月働いたときの料金のことです。SESでは「月額・税別」で書くのが一般的です。単金も同じ意味で使われます。違いはSESの単金とは?意味と単価の違い、営業の使い方と計算例3つで解説しています。

案件メールでの書き方は、主に次の4つです。

案件メールの書き方読み取れること
単価:スキル見合い金額が書かれていない。上位に確認が必要
単価:〜80万円(スキル見合い)上限が80万円。スキルによってはそれより下がる
単価:65〜80万円(スキル見合い)幅の中で、スキルによって決まる
単価:70万円前後(スキル見合い)目安が70万円。上下どちらにも動く

「〜80万円」は上限が80万円という意味で、80万円が保証されるわけではありません。案件メールの項目の読み方はSESの条件面の書き方|案件・人材メールに入れる14項目と記入例もあわせて確認してください。

スキル見合いの3つの意味と、見分け方

案件メールの「スキル見合い」は、書いた会社の事情によって3つの意味に分かれます。どれに当たるかで、提案のしかたが変わります。

意味よくある事情見分けるヒント提案のしかた
①上限非公開上限はあるが、下げて取りたい「スキル見合い」だけで金額がない上限を聞いてから出す
②幅あり幅の中でスキルに合わせる「〜80万円」「65〜80万円」と書いてあるスキルの根拠つきで出す
③予算未定エンドの予算が決まっていない開始が先、「相談」「調整中」の文字希望額を出し、決まる時期を聞く

①上限はあるが公開していない

上位は上限を知っていても、案件メールには書かないことがあります。上限を書くと、どの提案も上限の金額で来てしまうからです。

このタイプは、提案の前に上限を聞けば答えてもらえることが多いです。聞かずに提案すると、上限よりかなり低い金額で出してしまうおそれがあります。

②幅の中でスキルに合わせて決める

「〜80万円」「65〜80万円」のように、幅や上限が書いてあるタイプです。書いてある幅の中で、経験年数や必須スキルの満たし方によって単価が決まります。

このタイプでは、なぜその金額なのかをスキルで説明できるかが勝負です。「必須3つをすべて満たし、尚可も2つ満たしている」など、案件の条件と照らし合わせて示します。

③予算がまだ決まっていない

エンドの予算が決まる前に、先に人材を探し始めている案件です。エンドとは、システムを実際に使う発注元の会社のことです。開始が2〜3か月先の案件に多く見られます。

このタイプでは、希望額を出したうえで、予算が決まる時期を聞いておきます。予算が決まってから単価の話になるため、決まった時点ですぐ連絡をもらえる関係を作っておくことが大切です。

上位に上限を聞き出す質問例

「スキル見合い」だけの案件は、提案の前に上位へ確認します。上位とは、自社に案件を発注してくれる、商流で1つ上の会社のことです。聞き方ひとつで、答えてもらえるかが変わります。

聞くことは3つです。

  1. 上限:「この案件の上限はいくらですか」

  2. 決まったときの目安:「前に決まった方は、どのくらいの単価でしたか」

  3. 予算が決まる時期:「エンドの予算は、いつごろ決まりますか」

例文1:メールで上限を聞く

例文・テンプレート
件名:Re: 【案件】Java開発/港区/11月〜(単価:スキル見合い)

□□様

お世話になっております。株式会社△△の佐藤です。
ご案内の案件に、Java経験6年の者をご提案したいと考えています。

ご提案の単価を合わせたく、2点お伺いできますでしょうか。
・この案件の単価の上限(または目安の幅)
・精算幅の条件(140〜180hなど)

上限に近い単価をご検討いただける人材かどうか、
スキルシートと合わせてご判断いただければ幸いです。

「上限に近い単価で出せる人材がいる」と先に伝えると、上位は上限を教える理由ができます。精算幅とは、月の稼働時間が決めた範囲なら単価どおりに請求する取り決めのことで、単価と一緒に確認します。

例文2:電話・チャットで聞く

「スキル見合いとのことですが、上限はだいたいどのくらいで見ておけばよいですか。経験6年で、必須はすべて満たしている方がいます。」

「前にこの案件、というか同じ客先で決まった方は、どのくらいの単価でしたか。」

「予算がまだ決まっていないようでしたら、決まる時期を教えていただけますか。先に人材だけ押さえておきます。」

上限を教えてもらえなかったとき

上限を教えてもらえないときは、自社の希望額を先に出し、「合わなければ相談」と添えます。安く出して後から上げるのは難しいため、根拠のある希望額を出します。

「弊社の希望は75万円です。ご予算と合わない場合は、ご相談させてください。」

要員のスキルから提示額を出す5つの手順

スキル見合いの案件でも、提示額は相場・仕入れ単価・必要な粗利から出します。次の5つの手順で進めます。

  1. 案件の条件を分ける:必須スキル、尚可スキル、工程、経験年数を書き出す

  2. 要員の満たし方を数える:必須をいくつ満たすか、尚可をいくつ満たすかを数える

  3. 同じ条件の相場を調べる:同じ職種・スキル・工程の案件が、いくらで出ているかを見る

  4. 最低ラインを計算する:仕入れ単価と必要な粗利率から、これ以下では出さない金額を出す

  5. 提示額を決める:相場の中で、満たし方に応じて位置を決め、最低ラインを下回らないか確かめる

仕入れ単価とは、BPのエンジニアを提案するときに、自社がBPに払う単価のことです。自社社員なら、給与や社会保険料などの原価がこれに当たります。

満たし方で、相場の中の位置を決める

手順5では、要員の満たし方によって、相場の幅のどこで出すかを決めます。編集部では、次の目安をおすすめします。

要員の満たし方相場の中の位置伝え方の例
必須すべて+尚可2つ以上上限寄り「必須すべてに加え、尚可の〇〇も経験あり」
必須すべて真ん中「必須すべてを実務で経験」
必須が1つ足りない下限寄り、または見送り「〇〇は未経験だが、近い△△を2年」

必須が足りない要員を、単価を下げて無理に出すのはおすすめしません。書類で落ちるだけでなく、上位から「条件を読まない会社」と見られます。

計算例:スキル見合いの案件で提示額を決める

ここでは、架空の案件で提示額を決めてみます。金額はすべて説明のための例です。

案件メールの条件

  • 単価:〜80万円(スキル見合い)、精算140〜180h

  • 必須:Java 5年以上、Spring Boot、基本設計の経験

  • 尚可:AWS、リーダー経験

提案したい要員:BPのエンジニア。Java 6年、Spring Boot 3年、基本設計あり、AWS 1年。BPからの仕入れ単価は63万円。

手順ごとの計算

  1. 案件の条件:必須3つ、尚可2つ

  2. 満たし方:必須3つすべて、尚可1つ(AWS)

  3. 相場:同じ条件の案件を並べると、72〜80万円で出ていたとする

  4. 最低ライン:自社の必要粗利率を15%とすると、63万円 ÷(1 − 0.15)= 約74.1万円

  5. 提示額:必須すべて+尚可1つなので、相場の真ん中より少し上。最低ラインも上回る 76万円で提案する

76万円で決まった場合の粗利は、76万円 − 63万円 = 月13万円(粗利率は約17.1%)です。

最低ラインの計算で、「仕入れ単価に15%を掛けて足す」のは間違いです。63万円 × 1.15 = 72.45万円では、粗利率が約13.0%にしかなりません。計算式の考え方はSESの提案単価の決め方|仕入れ単価から逆算する計算式と5つの要素で詳しく解説しています。

上限から、仕入れの上限を逆算する

上位に上限を聞けた場合は、上限から仕入れの上限を逆算できます。上限80万円、自社の粗利率15%なら、80万円 × 0.85 = 68万円までならBPに払えます。

BPから「70万円でお願いします」と言われたら、そのままでは粗利率が足りません。BPとの交渉の伝え方はSESの仕入れ単価のBP交渉|関係を壊さない伝え方と例文5つにまとめています。

スキル見合いの案件で安売りしない返し方

スキル見合いの案件で一番多い失敗は、「単価はお任せします」「いくらでも大丈夫です」と答えてしまうことです。上位は下の方の金額で決めやすくなり、あとから上げるのは難しくなります。

言ってしまいがちなこと代わりに言うこと
「単価はお任せします」「弊社の希望は76万円です。根拠は〇〇の経験です」
「いくらでも大丈夫です」「上限を教えていただければ、合わせてご提案します」
「安くてもいいので通してください」「必須すべてを満たしているので、相場の範囲でお願いします」
「前の案件より下げます」「前の案件と同じ〇〇万円で、同じ工程を担当できます」

例文3:希望額と根拠を伝える提案メール

例文・テンプレート
件名:【ご提案】Java開発/港区/11月〜 山田T(Java6年・基本設計)

□□様

お世話になっております。株式会社△△の佐藤です。
ご案内の案件に、次の方をご提案いたします。

・山田T Java 6年、Spring Boot 3年
・必須:3つすべて実務で経験(基本設計は2案件)
・尚可:AWS 1年(EC2・RDSの構築)
・希望単価:76万円(精算140〜180h)
・所属:弊社BP社員(商流:貴社→弊社→BP)

必須すべてと尚可のAWSを満たしているため、
76万円でご検討いただけますと幸いです。

希望単価とその根拠を同じ段落に書くと、上位はエンドに説明しやすくなります。単価を上げたいときの時期の考え方はSESの単価交渉のタイミング|更新の何か月前か・例文と資料5点を参考にしてください。

自社で案件を配信するとき、「スキル見合い」だけにしない

自社が案件を配信する側のときは、「スキル見合い」だけでなく、上限か幅も書くのがおすすめです。金額がないと、BPから上限を聞く問い合わせが増え、提案が遅くなります。

フリーランスを広く募集する場合は、法律上の注意もあります。フリーランス法第12条は、従業員を使う会社などがフリーランスを広告などで募集するときのルールです。うそや誤解を招く表示をせず、正確で最新の内容に保つことを求めています。

報酬は、この義務の対象になる事項の1つです(同法施行令第2条)。「スキル見合い」だけで金額の目安がない書き方は避け、「〜80万円(スキル見合い)」のように目安を書きます。詳しくはフリーランス法の募集情報の的確表示とは|SES案件募集の注意点5つで解説しています。

相場を自分で調べる方法と、チョータツで楽にする方法

スキル見合いの案件で根拠のある提示額を出すには、同じ条件の案件が、今いくらで出ているかを知る必要があります。手順3の相場の調べ方です。

自分でやる方法:届いた案件メールを表にする

  • 届いた案件メールから、職種・スキル・工程・単価・商流を表に書き写す

  • 「〜80万円」「65〜80万円」など、書き方をそろえて並べる

  • 同じスキルの案件が10件ほど集まると、相場の幅が見えてくる

相場の調べ方はSESの単価相場|職種別の月額目安と公的データの使い方でも紹介しています。

もっと楽にするなら:チョータツで営業中案件をデータベースに

チョータツとは、SES営業の案件・人材の情報を管理・共有するツールのことです。3,000社以上が利用していて、無料で始められます。

やること自分でやる場合チョータツを使う場合
同じスキルの案件の単価を知る届いたメールを読んで表に転記連携した会社の営業中案件がデータベースになる
案件・人材の情報を整理する担当者ごとのExcelにばらばら1か所で管理・共有でき、AIが入力を手伝う
提案できる人材を探すBPに問い合わせを重ねる連携先の営業中人材から探せる

営業中の案件を並べて見られれば、「この条件なら76万円は妥当」と根拠を持って提示できます。上位に上限を聞くときも、相場を知っていれば話が早く進みます。

よくある質問

Q. スキル見合いとは、どういう意味ですか?
提案される人のスキルや経験に合わせて単価を決める、という意味です。SESの案件メールでは「単価:〜80万円(スキル見合い)」のように使います。
Q. 「〜80万円(スキル見合い)」なら、80万円で提案してよいですか?
必須スキルをすべて満たし、尚可も満たすなら、上限に近い金額で提案できます。必須がぎりぎりなら、上限より下で出す方が通りやすくなります。
Q. スキル見合いの案件で、上位に上限を聞いても失礼になりませんか?
失礼にはなりません。「上限に近い単価で出せる人材がいる」と添えると、上位も答えやすくなります。精算幅もあわせて確認します。
Q. スキル見合いの案件の相場は、どうやって調べますか?
同じ職種・スキル・工程の案件が、いくらで出ているかを並べて見ます。届いた案件メールを表にするか、連携した会社の営業中案件を見る方法があります。
Q. スキル見合いで提案したら、上限よりかなり低い単価を言われました。どうすればよいですか?
要員のスキルと相場を根拠に、希望額を伝え直します。最低ラインを下回るなら、無理に受けず見送ることも考えます。

まとめ

  • スキル見合いとは、提案される人のスキルや経験に合わせて単価を決めるという意味

  • 意味は、上限非公開・幅あり・予算未定の3つに分かれ、提案のしかたが変わる

  • 金額がないときは、上位に上限・決まったときの目安・予算が決まる時期を聞く

  • 提示額は、相場・仕入れ単価・必要な粗利から、5つの手順で1つの金額に決める

  • 「単価はお任せします」は安売りのもと。希望額と根拠を同じ段落で伝える

  • 自社で配信するときは、「スキル見合い」だけにせず上限か幅も書く

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

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