工数計算ツールの選び方|無料の工数電卓・人月計算ツール5種類の使い分けと、時間・人日→人月の換算早見表
公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日
工数計算ツールとは?
工数計算ツールとは、作業の量を「人時・人日・人月」の単位に換算したり、金額を出したりする道具のことです。 「工数電卓」「人月計算ツール」「人日計算ツール」とも呼ばれます。
工数とは、ある作業を終えるのに必要な「人数×時間」の量のことです。工数には3つの単位があります。
| 単位 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 人時 | にんじ | 1人が1時間でする作業の量 |
| 人日 | にんにち | 1人が1日でする作業の量 |
| 人月 | にんげつ | 1人が1か月でする作業の量 |
単位の意味や読み方は工数とは?意味と単位・延べ工数をSES営業向けに例つきで解説と人日・人月の計算方法|意味・読み方と換算早見表・見積例でくわしく解説しています。人時の考え方は人時とは?人日・人月との違いと計算方法をSES営業向けに解説で確認できます。
SES営業が工数計算ツールを使う場面
SES営業が工数を換算する場面は、おもに3つです。
見積のとき:「480時間の作業は何人月か」を出して、金額を決める
精算のとき:「今月の稼働170時間は何人月か」「精算幅を超えたか」を確かめる
途中入場のとき:「月の途中から入る人は何人日分か」を出して、日割りする
どの場面でも、計算そのものは割り算とかけ算です。むずかしいのは、客先とそろえる前提と、時間の入力のしかたです。
工数計算ツールは5種類:無料で使えるものと使い分け
工数計算ツールは、Web電卓・スマホアプリ・Excel・工数管理ツール・生成AIの5種類です。 1回だけの換算ならWebの工数電卓、毎月くり返すならExcel、と使い分けるのがおすすめです。
| 種類 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| Webの工数電卓 | 1件だけすぐ換算したい | 計算結果が残らない |
| スマホの電卓・アプリ | 外出先で確認したい | 時間の入力を間違えやすい |
| Excel・スプレッドシート | 毎月、何人分も精算する | 最初に式を作る手間がある |
| 工数管理ツール | 社内の作業時間を集める | 営業の見積には大げさなことがある |
| 生成AI(対話型のAI) | 条件が多い計算を相談したい | 答えを必ず自分で検算する |
1. Webの工数電卓・人月計算ツール
Webの工数電卓とは、ブラウザで開いて数字を入れるだけで、人時・人日・人月を換算できる無料のページのことです。 「工数 電卓」「人月 計算 ツール」で検索すると、いくつも見つかります。
登録がいらず、すぐ使えるのが良い点です。一方で、多くは計算結果が保存されません。あとで「どう計算したか」を説明する場面には向きません。
2. スマホの電卓・工数計算アプリ
スマホの電卓は、外出先で数字を確かめるときに便利です。 工数計算アプリには、時間の足し算ができるものもあります。
ふつうの電卓は、時間を10進法で扱います。そのため「1時間45分」を「1.45」と入れると、計算がずれます。分は60で割って小数にしてから入れるのがルールです。
3. Excel・Googleスプレッドシート
Excelやスプレッドシートは、毎月何人分も精算するSES営業に一番向いている工数計算ツールです。 式を一度作れば、数字を入れ替えるだけで何度でも使えます。
計算の記録が残るので、客先から「この金額の根拠は?」と聞かれても、すぐ見せられます。使う関数はエクセルの工数計算の関数にまとめています。
4. 工数管理ツール
工数管理ツールとは、エンジニアの作業時間を記録して集計するソフトのことです。 社内の開発案件で、「誰がどの作業に何時間使ったか」を集めるのに向いています。
SES営業が見積の換算をするだけなら、作業時間を集計する機能まではいりません。選び方は工数管理ツールの選び方で比べています。
5. 生成AI(対話型のAI)
生成AIは、「有給2日を含めて今月は何人月か」のように、条件が多い計算を文章で相談できる道具です。 ただし、AIは計算を間違えることがあります。
AIの答えは、そのまま客先に出してはいけません。必ず電卓かExcelで検算してから使います。
工数計算ツールを選ぶときの確認点6つ
工数計算ツールを選ぶときは、「前提を変えられるか」と「記録を残せるか」を最初に確認します。 無料か有料かより、客先の条件に合わせられるかが大事です。
1人日の時間を変えられるか(8時間・7.5時間・7時間など)
1人月の日数を変えられるか(20日固定か、その月の営業日か)
分の入力ができるか(「7時間30分」をそのまま入れられるか)
端数の扱いを選べるか(切り捨て・切り上げ・四捨五入)
計算結果を保存・共有できるか(あとで根拠を見せられるか)
単価をかけて金額まで出せるか(見積や精算に使えるか)
1と2は特に大事です。客先によっては「1人日=7.5時間」「1人月=その月の営業日」と決めていることがあります。前提が固定のツールだと、客先と同じ答えになりません。
自分たちのおすすめの順番
SES営業には、次の順番をおすすめします。
まずはWebの工数電卓で、換算に慣れる
毎月の精算が3人分を超えたら、Excelのテンプレートに移る
案件や人材の数が増えたら、案件条件そのものをツールで管理する
3つ目は、計算より前の「条件をそろえる」手間を減らすためです。くわしくは「チョータツとチョータツメールAIで案件条件の管理を楽にする」で紹介します。
人月換算の早見表:時間→人月・人日→人月
1人日=8時間、1人月=20人日(160時間)を前提にすると、人月は「時間÷160」または「人日÷20」で出せます。 よく使う数字を早見表にしました。
この前提は、労働基準法第32条の「1日8時間・1週40時間」の考え方がもとになっています。1人月の日数は、土日と祝日を除いた月の営業日の平均に近い数字です。計算の式と理由は工数の人日・人月の計算方法で解説しています。
時間→人月の早見表(1人月=160時間)
| 稼働時間 | 人日(8時間) | 人月(160時間) |
|---|---|---|
| 120時間 | 15人日 | 0.75人月 |
| 140時間 | 17.5人日 | 0.875人月 |
| 150時間 | 18.75人日 | 約0.94人月 |
| 160時間 | 20人日 | 1.00人月 |
| 170時間 | 21.25人日 | 約1.06人月 |
| 180時間 | 22.5人日 | 1.125人月 |
| 200時間 | 25人日 | 1.25人月 |
人日→人月の早見表(1人月=20人日)
| 人日 | 時間(8時間) | 人月(20人日) |
|---|---|---|
| 5人日 | 40時間 | 0.25人月 |
| 10人日 | 80時間 | 0.5人月 |
| 15人日 | 120時間 | 0.75人月 |
| 21人日 | 168時間 | 1.05人月 |
| 40人日 | 320時間 | 2.0人月 |
| 60人日 | 480時間 | 3.0人月 |
分→時間の早見表(電卓に入れるときの数字)
電卓やツールに時間を入れるときは、分を60で割って小数にします。 「7時間30分」は「7.5」です。
| 分 | 電卓に入れる数字 | 入れがちな間違い |
|---|---|---|
| 10分 | 約0.17 | 0.1 |
| 15分 | 0.25 | 0.15 |
| 30分 | 0.5 | 0.3 |
| 45分 | 0.75 | 0.45 |
たとえば、毎日「7時間30分」を「7.3」と入れると、1日0.2時間ずれます。20日で4時間の差になり、精算幅のぎりぎりでは控除が出るかどうかが変わります。
月ごとの営業日で人月を出すときの早見表(2026年10〜12月)
「1人月=その月の営業日」と決めている客先では、月によって1人月の時間が変わります。 土日と祝日を除いて数えた、2026年10〜12月の営業日は次のとおりです。
| 月 | 営業日 | 1人月の時間(8時間) | 170時間は何人月か |
|---|---|---|---|
| 2026年10月 | 21日 | 168時間 | 約1.01人月 |
| 2026年11月 | 19日 | 152時間 | 約1.12人月 |
| 2026年12月 | 23日 | 184時間 | 約0.92人月 |
同じ170時間でも、11月と12月では約0.2人月の差があります。12月は年末の休みを入れていない数字です。会社の休みがある場合は、その日数を引いて数えます。
祝日は内閣府の「国民の祝日について」で確認できます。2026年は10月12日(スポーツの日)、11月3日(文化の日)、11月23日(勤労感謝の日)が祝日です。
工数電卓で精算を確かめる手順と計算例
精算を確かめるときは、「稼働時間を小数にする→精算幅と比べる→過不足に単価をかける」の3段階で計算します。 Webの工数電卓でも、スマホの電卓でもできます。
手順
エンジニアの勤怠から、1か月の合計稼働時間を出す(分は60で割って小数にする)
契約書の精算幅(例:140〜180時間)と比べる
幅の外なら、控除単価または超過単価を出す(月額単価÷下限時間、または月額単価÷上限時間)
足りない時間、または超えた時間に単価をかける
月額単価から引く、または足して、請求額を出す
計算例:月額65万円・精算幅140〜180時間・上下割
2026年11月の稼働が132時間だった場合を計算します。上下割(下限と上限で単価を分ける方式)とします。
| 計算すること | 式 | 結果 |
|---|---|---|
| 足りない時間 | 140時間−132時間 | 8時間 |
| 控除単価 | 65万円÷140時間 | 4,642円(円未満切り捨て) |
| 控除額 | 4,642円×8時間 | 37,136円 |
| 請求額 | 650,000円−37,136円 | 612,864円 |
端数の扱い(切り捨て・四捨五入、10円単位など)は、契約書の決め方に合わせます。控除の考え方はSESの精算幅を下回ったら?控除の計算方法でくわしく解説しています。
客先と換算の前提をそろえる確認リストと例文
工数計算ツールの答えがずれる一番の原因は、ツールではなく前提の違いです。 見積や契約の前に、客先と次の5点をそろえておきます。
1人日は何時間か(8時間か7.5時間か)
1人月は何日か(20日固定か、その月の営業日か)
精算の単位は何分か(15分・30分・1時間など)
精算幅と控除・超過の方式(上下割か中間割か)
端数の丸め方(切り捨て・切り上げ・四捨五入)
稼働時間の上限・下限の決め方はSESの稼働時間の上限・下限の決め方にまとめています。
確認メールの例文
件名:【確認】〇〇案件の工数換算の前提について
お世話になっております。〇〇株式会社の△△です。
2026年10月1日(木)にご相談いただいた〇〇案件について、見積の前に換算の前提を確認させてください。・1人日の時間:8時間でよろしいでしょうか
・1人月の日数:20日固定か、各月の営業日か
・精算の単位:15分単位でよろしいでしょうか
・端数の扱い:円未満切り捨てでよろしいでしょうかご確認いただけましたら、10月7日(水)までにお見積りをお送りします。
よろしくお願いいたします。
自分で工数計算をラクにする方法
自分でラクにするなら、「換算の前提」と「案件の条件」をExcelの1枚にまとめるのが近道です。式を毎回作り直さずに済みます。
おすすめのシートの形は次のとおりです。
| 列の名前 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 案件名・客先 | 〇〇案件(A社) |
| 1人日・1人月の前提 | 8時間・20日 |
| 精算幅と方式 | 140〜180時間・上下割 |
| 月額単価 | 65万円 |
ただし、この方法には弱点があります。案件の条件は、客先やBP(取引先の会社)からのメールで届くことが多いからです。メールを探して、条件をシートに写す手間が毎回かかります。
チョータツとチョータツメールAIで案件条件の管理を楽にする
案件の数が増えてきたら、条件を探して写す手間を、SES営業向けのツールで減らせます。 株式会社DrivenXが提供する「チョータツ」と「チョータツメールAI」です。
チョータツは、案件・人材の管理・共有ツールです。
案件・人材の情報を管理し、社内で共有できる
パートナー企業へのメール配信機能がある
他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材をデータベース化できる
AIが入力を手伝う
3,000社以上が利用し、無料で始められる
チョータツメールAIは、メールを取り込む機能です。
届いたメールをAIが処理し、案件メールと人材メールに切り分ける
転送設定で取り込める
案件・人材以外のメールはデータに残らない
工数の計算そのものは、電卓やExcelで行います。チョータツは、その前の「どの案件がどんな条件だったか」を探す手間を減らすための道具です。
よくある質問
- Q. 無料で使える工数計算ツールはありますか?
- あります。Webの工数電卓、スマホの電卓、Googleスプレッドシートは無料で使えます。毎月の精算で使うなら、記録が残るスプレッドシートがおすすめです。
- Q. 工数電卓とふつうの電卓の違いは何ですか?
- 工数電卓は、時間・人日・人月を選んで換算できる電卓です。ふつうの電卓でも計算できますが、分を60で割って小数にしてから入れる必要があります。
- Q. 人月計算ツールで、1人月は何時間で計算すればよいですか?
- 一般的には160時間(8時間×20日)です。ただし客先が「その月の営業日」で数える場合もあるので、見積の前に確認しましょう。
- Q. 人日から人月を出す計算式は何ですか?
- 「人月=人日÷20」です。1人月を20人日とする場合の式です。たとえば15人日なら0.75人月です。
- Q. 工数計算アプリとExcelはどちらがよいですか?
- 外出先で1件だけ確かめるならアプリ、毎月何人分も精算するならExcelが向いています。Excelは計算の根拠を客先に見せやすい点も良いところです。
- Q. 工数の算出にAIを使っても大丈夫ですか?
- 相談相手としては便利です。ただしAIは計算を間違えることがあるので、答えは必ず電卓かExcelで検算してから使いましょう。
まとめ
工数計算ツールは、Webの工数電卓・スマホアプリ・Excel・工数管理ツール・生成AIの5種類
1件だけならWebの工数電卓、毎月の精算ならExcelやスプレッドシートが向いている
選ぶときは「1人日の時間」「1人月の日数」を変えられるかを最初に確認する
一般的な前提は1人日=8時間、1人月=20人日(160時間)。人月は「時間÷160」で出せる
「7時間30分」は「7.5」と入れる。分の入れ間違いで精算がずれる
計算より先に、客先と換算の前提をそろえる。案件条件はツールで管理すると楽になる
運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日
参考資料(2026年9月30日確認)