工数とは?意味・単位(人時・人日・人月・人工)と、SES営業の見積・精算での使い方

公開日:2026年10月1日更新日:2026年10月1日

工数とは?意味をひとことで

工数とは、仕事の量を「何人が、どれだけの時間働くか」で表した数字のことです。読み方は「こうすう」です。「作業工数」と呼ぶこともあり、意味は同じです。

工数を使うと、人数と期間を入れ替えて考えられます。たとえば工数6人日の仕事は、次のどれでも終わる計算です。

人数期間工数
1人6日6人日
2人3日6人日
3人2日6人日

ただし、実際の開発では人を増やすほど打ち合わせや引き継ぎが増えます。人数を2倍にしても、期間がちょうど半分になるとは限りません。工数はあくまで「作業量の目安」として使いましょう。

「工数がかかる」の意味

「工数がかかる」とは、人の手間や時間がたくさん必要になるという意味です。「この改修は工数がかかる」なら、「作業する人の時間が多く必要だ」ということです。

SES営業の会話では、次のように使われます。

  • 「この案件はテスト工数が多いので、2名体制でお願いしたいです」

  • 「提案書を作る工数を減らしたいので、スキルシートの形式をそろえましょう」

工数の単位は4つ|人時・人日・人月・人工

工数の単位は、人時・人日・人月が基本で、建設や現場作業では「人工(にんく)」も使います。どれも「1人が一定の時間働いた量」を1とする考え方です。

単位読み方意味一般的な換算
人時にんじ1人が1時間働く量1人時=1時間
人日にんにち1人が1日働く量1人日=8人時
人月にんげつ1人が1か月働く量1人月=20人日=160人時
人工にんく1人が1日働く量(建設で多い)1人工=1人日とほぼ同じ

1人日を8時間とする会社が多いのは、労働基準法32条の考え方が目安だからです。32条は、1日の労働時間の上限を原則8時間と定めています。ただし、1人月を何時間とするかは法律で決まっていません。会社や案件によって、140時間・160時間・180時間などと変わります。人日・人月の読み方や日数の考え方は、人日・人月の計算方法|意味・読み方と換算早見表・見積例で詳しく解説しています。

「1工数」とは何を指す?

「1工数」という言い方は、単位を省いた言い方なので、人によって意味が違います。ある会社では1人日、別の会社では1人月を指します。

案件票や見積書に「1工数」と書かれていたら、次のように聞き返すのが安全です。

「1工数は、1人日(8時間)と1人月(160時間)のどちらの想定でしょうか。」

人工(にんく)と工数の関係

人工とは、1人が1日働く作業量のことで、主に建設や設備工事で使われる言葉です。ITの案件でも、現場作業(キッティングや配線など)では「3人工」のように書かれることがあります。考え方は人日とほぼ同じです。

工数の英語表記は別記事で

工数は英語で「effort」、単位で数えるときは「man-hour(person-hour)」と書きます。案件票でよく見る略語のMDは人日(man-day)、MMは人月(man-month)です。

人日・人月の英語、PMなど取り違えやすい略語、稼働率・常駐・精算幅の英語表現と、外資系の客先に送るメール例文は工数を英語で言うと?man-hour・稼働率などSES用語の英語表現にまとめています。

延べ工数・直接工数・間接工数の違い

延べ工数とは、仕事にかかわった全員の作業時間を足し合わせた合計のことです。「延べ」は「全員分を合計した」という意味です。

用語意味SESでの例
延べ工数全員の作業時間の合計3名×20人日=延べ60人日
直接工数成果物を作る作業に使った時間設計・開発・テストの時間
間接工数成果物に直接つながらない時間会議・社内事務・移動

直接工数とは、製品やシステムを作る作業そのものにかかった時間のことです。もとは製造業の原価計算で使われてきた言葉です。反対に、打ち合わせや事務作業などの時間を間接工数と呼びます。

SES営業が気にするべきは、自社の営業活動の間接工数です。案件メールの仕分けや、スキルシートの差し替えに毎日1時間かかると、月20営業日で20時間になります。この時間を減らす方法は、「案件メールの整理にかかる工数をチョータツメールAIで減らす」で紹介します。減らし方の全体像は工数削減とは?SES営業の事務を減らす方法7つと目標の立て方で解説しています。

SES営業が工数を使う3つの場面

SES営業は、見積・精算・稼働報告の3つの場面で工数を扱います。場面ごとに、使う単位と注意点が違います。

場面よく使う単位書類の例注意点
見積・提案人月見積書・要員提案書1人月の時間の前提をそろえる
契約・精算時間個別契約書・注文書精算幅と控除・超過単価を決める
稼働報告時間・日数稼働報告書・作業報告書休暇や半休の書き方をそろえる

見積・提案では「人月」

見積では、「〇名×〇人月」で人数と期間を示します。準委任契約とは、SESでよく使う、作業の時間や手間に対してお金を払う契約です。準委任契約では、「1人月=月額単価」として提案するのが一般的です。

例:Java開発エンジニア 1名 × 3人月(2026年10月〜12月)、月額単価70万円

見積の計算方法は、人日・人月の計算方法|意味・読み方と換算早見表・見積例でくわしく解説しています。

契約・精算では「時間」

契約書では、1人月を時間の幅(精算幅)で決めます。精算幅とは、月額単価のままでよい稼働時間の範囲のことです。よくあるのは「140〜180時間」です。

実際の稼働が下限を下回ると差し引き(控除)、上限を超えると上乗せ(超過)になります。精算幅の決め方は、SESの稼働時間の上限・下限の決め方|契約前の確認12項目つきを読んでください。

稼働報告では「時間と日数」

月末には、エンジニアが実際に働いた時間を稼働報告書にまとめます。稼働報告書の合計時間が、その月の工数の実績になり、精算の元データになります。

2026年10月を例にすると、平日は22日、そのうち10月12日がスポーツの日で祝日です。営業日は21日なので、8時間×21日=168時間が満稼働の目安です。精算幅140〜180時間の中に収まります。

書き方は、稼働報告書のテンプレート|SES・業務委託の書き方と精算前チェックにまとめています。

工数の食い違いを防ぐ確認手順5つ

工数のトラブルは、ほとんどが「数え方の前提のずれ」から起きます。契約の前に、次の5つを客先・BP(取引先の会社)と文字で確認しましょう。

  1. 1人日を何時間とするかを確認する(8時間か、7.5時間か)

  2. 1人月を何時間とするかと、精算幅(例:140〜180時間)を確認する

  3. 精算単位(15分・30分・1時間のどれで切り捨てるか)を確認する

  4. 休暇・祝日・半休の扱いを確認する(控除するか、固定にするか)

  5. 確認した内容を個別契約書か注文書に書いてもらう。メールだけで終わらせない

確認用のメール例文です。そのまま使えます。

件名:【ご確認】〇〇案件の稼働条件について

〇〇株式会社 〇〇様

お世話になっております。株式会社△△の□□です。
〇〇案件の稼働条件について、念のため確認させてください。

・1人月の基準時間:160時間
・精算幅:140〜180時間(上下割)
・精算単位:15分
・祝日・有給の扱い:控除対象

以上の内容に相違がなければ、注文書へのご記載をお願いいたします。

有給を取った月の扱いは、SESで有給を取ると稼働時間はどうなる?精算の扱い3パターンでパターン別に解説しています。

自分で工数の情報を整理する方法

まずはExcelで、案件ごとの工数条件を1行ずつ管理すれば十分です。次の列を作っておくと、見積と精算で見返せます。

列の名前入れる内容の例
案件名・取引先〇〇銀行 基盤更改(△△社経由)
月額単価・期間70万円/2026年10月〜12月
精算幅・精算単位140〜180時間/15分
休暇の扱い控除(有給・祝日とも)

人日・人月をExcelで計算する式は、エクセルの工数計算の関数|人日・人月を出す式とテンプレ付きにまとめています。

案件メールの整理にかかる工数をチョータツメールAIで減らす

工数の条件は、BPや客先から届く案件メールに書かれていることがほとんどです。ところが、案件メールと人材メール、それ以外の連絡が同じ受信箱に混ざると、探すだけで工数がかかります。

チョータツメールAIとは、届いたメールをAIが処理し、案件メールと人材メールに切り分けるメールインポート機能です。メールに書かれた単価や商流などの条件も読み取ります。使い方の流れは次のとおりです。

  1. 受信メールを、チョータツメールAIへ転送する設定をする

  2. 届いたメールをAIが案件メールと人材メールに切り分ける

  3. 案件・人材以外のメールはデータに残らないので、必要な情報だけが残る

切り分けた案件・人材の情報は、チョータツで管理・共有できます。チョータツは3,000社以上が使うSES営業向けのツールで、無料で始められます。他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材もデータベースにできます。

自分でExcelに転記する方法でも管理はできます。そのうえで、仕分けの時間を減らしたいときにチョータツメールAIを試してみてください。

よくある質問

Q. 工数と時間は何が違いますか?
時間は「1人が働いた長さ」、工数は「人数×時間」の作業量です。2人が8時間ずつ働けば、時間は8時間ですが、工数は16人時(2人日)です。
Q. 1人月は何時間ですか?
一般的には160時間(8時間×20日)で換算します。ただし法律の決まりはなく、契約ごとに140〜180時間などの精算幅で決めます。
Q. 工数の単位「MD」「MM」とは何ですか?
MDはman-dayで人日、MMはman-monthで人月のことです。「10MD」なら10人日、「3MM」なら3人月と読みます。英語での言い方は、SES用語の英語表現をまとめた別記事で確認できます。
Q. 工数と人工(にんく)は同じですか?
人工は1人が1日働く量のことで、人日とほぼ同じ意味です。建設や設備工事で使われることが多い言葉です。
Q. 延べ工数とはどういう意味ですか?
仕事にかかわった全員の作業量を合計したものです。3名がそれぞれ20人日働いたら、延べ工数は60人日です。
Q. 工数の計算方法はどこで確認できますか?
基本は「人日=時間÷8」「人月=人日÷20」です。見積での計算例は「工数の人日・人月の計算方法」の記事で解説しています。

まとめ

  • 工数とは、仕事の量を「人数×時間」で表したもの

  • 単位は人時・人日・人月が基本。人工は人日とほぼ同じ

  • 案件票の略語はMD=人日、MM=人月。英語表現は別記事で確認する

  • SES営業は、見積は人月、精算は時間、稼働報告は時間と日数で工数を扱う

  • 「1人月は何時間か」「精算幅」「精算単位」「休暇の扱い」を契約前に文字で確認する

  • 案件メールの仕分けにかかる工数は、チョータツメールAIで減らせる

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年10月1日|更新日:2026年10月1日

参考資料(2026年9月30日確認)

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