工数削減とは?SES営業の事務を減らす方法7つと目標の立て方|管理工数比率の計算例と1週間の棚卸し表つき

公開日:2026年10月1日更新日:2026年10月1日

工数削減とは?意味をひとことで

工数削減とは、同じ成果を出すのに必要な作業時間を減らすことです。人を減らすことではなく、ムダな作業を減らして、大事な仕事に時間を回すことが目的です。

工数とは、仕事を終えるのに必要な作業量を「人数×時間」で表したものです。たとえば2人で3時間かかる作業は、6人時の工数になります。単位のくわしい説明は、工数とは?意味と単位・延べ工数をSES営業向けに例つきで解説にまとめています。

製造業では、工場の作業時間を減らす意味で使われることが多い言葉です。SES会社では、営業やバックオフィスの事務の時間を減らす場面で使うと効果が出やすいです。

工数削減と工数低減の違い

工数低減とは、工数削減と同じく作業時間を減らすことです。意味の差はほとんどありません。製造業の現場や社内文書では「低減」、一般的な記事や会話では「削減」がよく使われます。

工数削減は英語で何という?

英語では man-hour reduction(工数の削減)と表します。「工数を減らす」は reduce man-hours です。海外の資料では workload reduction(仕事量の削減)という言い方もよく見かけます。ほかの工数まわりの英語表現は、「工数を英語で言うと?」の記事にまとめています。

SES営業の工数はどこにかかっている?

SES営業の工数で大きいのは、売上に直接つながらない「メールまわりの事務」です。提案や打合せの前に、案件・人材の情報を集めて整理する作業が毎日発生します。

作業中身減らしやすさ
メールの仕分けBPから届く案件・人材メールを開いて分ける◎
管理表への転記案件名・単価・スキルなどをExcelに写す◎
一斉配信自社の人材・案件をBPへまとめて送る○
マッチング案件と人材の条件を見比べる○
提案・打合せ客先・BPへの提案、電話、面談調整△(減らさない)

表の「減らしやすさ」が◎の作業は、やり方を決めれば機械に任せやすい作業です。△の提案・打合せは売上を生む作業なので、減らすのではなく増やしたい時間です。

管理工数と管理工数比率とは

管理工数とは、成果物を直接つくらない、管理・調整・事務にかかる工数のことです。SES営業なら、メールの仕分け、転記、勤怠の確認、社内報告などが管理工数にあたります。

管理工数比率とは、全体の工数のうち管理工数が占める割合のことです。計算式は「管理工数÷全体の工数×100」です。

管理工数比率の計算例

営業1人の1週間(40時間)を記録した例で計算します。

作業の種類時間区分
案件・人材メールの確認と仕分け10時間管理
管理表への転記4時間管理
請求・勤怠の確認、社内報告4時間管理
提案・一斉配信・打合せ・面談調整22時間成果

管理工数は10+4+4=18時間です。管理工数比率は18÷40×100=45%になります。

管理工数比率に、どの会社にも当てはまる正解の数字はありません。まず自社の今の数字を出し、3か月後に何%まで下げるかを自分たちで決めるのがおすすめです。

工数削減の目標の立て方(5ステップ)

工数削減の目標は、「どの作業を・何時間から何時間へ・いつまでに」の3点を数字で決めます。「なるべく減らす」では、できたかどうかを判断できません。

  1. 1週間、作業の時間を記録する:作業の種類ごとに、15分単位でメモする

  2. 管理工数比率を出す:管理の作業と成果の作業に分けて、割合を計算する

  3. いちばん大きい管理作業を1つ選ぶ:全部を一度に減らそうとしない

  4. 目標を数字で書く:例「メール仕分けを週10時間→週5時間。2026年12月末まで」

  5. 4週間ごとに記録をとり直す:目標との差を見て、方法を入れ替える

営業チームへの共有文の例

目標を決めたら、営業会議やチャットで次のように共有します。

来週月曜から金曜まで、全員で作業時間の記録をお願いします。
区分は「メール仕分け」「管理表への転記」「一斉配信」「提案・打合せ」「その他」の5つです。
15分単位で、共有シートに1日の終わりに入力してください。
個人の評価には使いません。チームで減らす事務を1つ決めるための記録です。

目標の例文(そのまま使える形)

【目標】案件・人材メールの仕分けと転記にかかる時間を、週14時間から週7時間に減らす。
【期限】2026年12月25日(金)
【浮いた時間の使い道】BPへの提案数を1日5件から8件に増やす
【確認日】毎月第1月曜日に1週間分の記録を見直す

浮いた時間の使い道まで書くのがポイントです。使い道を決めないと、空いた時間が別の事務で埋まってしまいます。

工数対効果の考え方と計算例

工数対効果とは、かけた工数(時間)に対して、どれだけの成果や節約が得られたかを見る考え方です。ツールを入れるか迷ったときの判断に使います。

計算の手順は次の3つです。

  1. 減らせる時間を出す(例:1日1時間×その月の営業日数)

  2. 1時間あたりの人件費をかける

  3. ツールの費用や、準備にかかる時間と比べる

計算例(2026年10月)
2026年10月の営業日は、土日と10月12日(月・スポーツの日)を除いて21日です。1日1時間減らせると、1か月で21時間になります。

1時間あたりの人件費を2,500円とすると、21時間×2,500円=52,500円分の時間が浮きます。ツールの月額や設定の手間がこれより小さければ、工数対効果はプラスです。

「工数が足りない」「工数オーバー」「工数圧迫」の意味と対処

3つとも、予定していた時間では仕事が終わらない状態を指します。言葉の使い分けは次のとおりです。

言葉意味営業の現場での例
工数が足りない仕事の量に対して、使える時間や人が少ない案件は多いのに、提案する時間がない
工数オーバー予定していた工数を実績が超えた見積もり40時間の作業に55時間かかった
工数圧迫ある作業の時間が増え、ほかの作業の時間を奪うメールの仕分けで午前が終わり、提案が午後にずれる

対処の順番は、まず減らせる事務を減らし、それでも足りなければ人や仕組みを足すです。残業で埋めるのは最後の手段にします。

残業には法律の上限があります。36協定で決める時間外労働の上限は、原則として月45時間・年360時間です(労働基準法第36条、厚生労働省「時間外労働の上限規制」)。工数不足を残業だけで埋め続ける計画は、長く続けられません。

自分でできる工数削減の方法7つ

工数削減の方法は、「やめる・まとめる・順番を変える・簡単にする」の4つの考え方から選びます。この4つは、頭文字をとってECRS(イクルス)と呼ばれる、業務改善の定番の考え方です。

考え方英語SES営業での例
やめるEliminate読まない配信メールの受信を止める
まとめるCombineメールの確認を1日3回にまとめる
順番を変えるRearrange仕分けの前に、急ぎの案件だけ先に拾う
簡単にするSimplify管理表の項目を絞る、定型文を使う

ここからは、お金をかけずに今日から試せる順に7つ紹介します。

1. 読まない配信メールを止める(やめる)

1か月分の受信メールを送り主ごとに数え、1通も開いていない配信を止めます。BPに「配信は月◯回で十分です」と伝えるだけでも量は減ります。

2. メールの確認時間を1日3回に決める(まとめる)

たとえば9:30・13:00・16:30の3回だけメールを開きます。届くたびに開くと、提案書づくりが何度も中断されます。

3. メールソフトの振り分けルールを作る(簡単にする)

Gmail(Googleのメールサービス)のフィルタを使います。Outlook(Microsoftのメールソフト)なら仕分けルールです。件名に「【案件】」「【人材】」「要員」などが入ったメールを、自動でフォルダに分ける設定です。

ただし件名の書き方はBPごとに違います。ルールから漏れるメールが残るので、月に1回ルールを見直す必要があります。設定の手順はSESの案件メール整理方法|Outlook振り分けと見落とし防止策で紹介しています。

4. 管理表の項目を絞る(簡単にする)

Excelの管理表は、提案に使う項目だけにします。案件なら「案件名・スキル・単価・場所・開始時期・商流」が目安です。人材なら「イニシャル・スキル・希望単価・稼働開始日」で足ります。

入力の手間を減らすには、ドロップダウン(選択肢から選ぶ入力)を使います。作り方はSESの案件・人材管理をExcelで無料で行う方法|テンプレ付きで紹介しています。

5. メールの定型文を用意する(簡単にする)

提案・お断り・日程調整のメールは、型を決めて使い回します。毎回ゼロから書くのをやめるだけで、1通あたりの時間が短くなります。例文はSES営業メールの例文10選|案件・人材紹介の書き方とコツと案件紹介のお断りメール例文8選|関係を切らない返信のコツにあります。

6. 一斉配信のリストを整理する(まとめる)

自社の人材を紹介する一斉配信は、送り先をスキル別のグループに分けておきます。毎回宛先を選び直す手間がなくなり、関係のない相手に送ることも減ります。

7. 仕分けと転記を自動化する(簡単にする)

1〜6を試しても残るのが、メールを読んで案件か人材かを判断し、管理表に写す作業です。この作業は1通ごとに中身を読む必要があるため、振り分けルールだけでは減らしきれません。

ここで使えるのが、AIによるメールの切り分けです。具体的な方法は、「チョータツメールAIとチョータツで仕分け・転記・配信を減らす」で紹介します。

1週間の棚卸し表:削減の候補を見つけるチェックリスト

棚卸し表とは、自分の作業を全部書き出し、減らせるかどうかを1つずつ判定する表のことです。次のチェックに「はい」が多い作業から手をつけます。

  • 毎日、同じ手順でくり返している

  • 判断よりも、読む・写す・送る作業が中心だ

  • 自分がやらなくても、成果が変わらない

  • 1回あたり5分以内だが、1日に何十回もある

  • やり方が人によってバラバラで、引き継ぎにくい

  • ミスが出ると、あとで直す時間がかかる

「はい」が3つ以上なら、ルール化か自動化の候補です。1〜2つなら、まずはやり方を統一するところから始めます。

時間の記録や集計を仕組みにしたい場合は、工数管理とは?目的とやり方、意味ないと言われる理由と対策5つで記録する項目を確認できます。AIでの仕分けツールを比べたい場合は、SESの案件メール解析ツール比較|AIで自動仕分けする選び方5つも参考にしてください。

チョータツメールAIとチョータツで仕分け・転記・配信を減らす

メールの仕分けと転記は、チョータツメールAIとチョータツを組み合わせると手作業を減らせます。自分で振り分けルールを作っても残る「中身を読んで分ける作業」を、AIに任せる方法です。

チョータツメールAIとは、届いたメールをAIが処理し、案件メールと人材メールに切り分けるメールインポート機能です。メールに書かれた単価や商流などの条件も読み取ります。使い方の流れは次のとおりです。

  1. 受信メールを、チョータツメールAIへ転送する設定をする

  2. 届いたメールを、AIが案件メールと人材メールに切り分ける

  3. 案件・人材以外のメールはデータに残らないので、必要な情報だけが残る

切り分けた案件・人材の情報は、チョータツで管理・共有できます。チョータツではAIが入力を手伝うので、管理表に一から写す手間が減ります。

一斉配信には、チョータツのパートナーへのメール配信機能が使えます。さらに他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材をデータベースにできます。

おすすめの進め方は、まず1週間の記録で仕分けと転記の時間を測ることです。その時間が大きければ、チョータツメールAIを試して、同じ記録をもう一度とると効果を比べられます。

工数削減で失敗しやすい3つのパターン

工数削減の失敗は、「測らない」「全部やる」「浮いた時間を決めない」の3つが多いです。

  1. 測らずに始める:前の時間がわからないと、減ったかどうかを判断できません

  2. 一度に全部変える:チームが新しいやり方に慣れず、かえって時間が増えます

  3. 浮いた時間の使い道を決めない:空いた時間がほかの事務で埋まり、提案数が増えません

また、工数の数字で個人を責めないことも大切です。責められると少なめに記録する人が出て、データが使えなくなります。

よくある質問

Q. 工数削減とは簡単にいうと何ですか?
同じ成果を出すのに必要な作業時間を減らすことです。人を減らすことではなく、ムダな作業を減らして大事な仕事に時間を回すことが目的です。
Q. 工数削減と工数低減は違いますか?
意味はほぼ同じです。製造業や社内文書では「工数低減」、一般的な会話では「工数削減」がよく使われます。
Q. 工数削減の目標はどう立てればいいですか?
「どの作業を・何時間から何時間へ・いつまでに」の3点を数字で決めます。浮いた時間を何に使うかも一緒に書くと、成果につながります。
Q. 管理工数比率はどう計算しますか?
管理工数÷全体の工数×100で計算します。1週間40時間のうち、事務が18時間なら45%です。
Q. 工数削減は英語で何といいますか?
man-hour reduction や reduce man-hours と表します。workload reduction(仕事量の削減)という言い方もあります。
Q. SES営業で最初に減らすべき工数はどれですか?
案件・人材メールの仕分けと、管理表への転記です。毎日くり返す作業で、ルール化や自動化の効果が出やすいからです。

まとめ

  • 工数削減とは、同じ成果を出すのに必要な作業時間を減らすこと。工数低減も同じ意味

  • SES営業では、メールの仕分け・転記・一斉配信の3つの事務が減らしやすい

  • 管理工数比率=管理工数÷全体の工数×100。まず自社の今の数字を出す

  • 目標は「どの作業を・何時間から何時間へ・いつまでに」と、浮いた時間の使い道で立てる

  • 方法はECRS(やめる・まとめる・順番を変える・簡単にする)の順で、無料でできることから試す

  • 残る仕分けと転記は、チョータツメールAIとチョータツで自動化できる

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年10月1日|更新日:2026年10月1日

参考資料(2026年9月30日確認)

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