Web系SIerとは?業務系SIerとの違いを技術・開発手法・商流・単価で比較|SES営業の人材要件つき

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

Web系SIerとは?意味と読み方

Web系SIerとは、Webサービスやスマホアプリを、ほかの会社から頼まれて作る会社のことです。読み方は「ウェブけい・エスアイヤー」です。「WebSIer」「Web系受託開発会社」と書かれることもあります。

SIer(エスアイヤー)とは、企業のシステムを設計から開発・運用までまとめて請け負う会社のことです。SIerについては、SIerとは?読み方・意味とSESとの関係を営業目線で解説でくわしく解説しています。

Web系SIerは、そのSIerのうちWebやアプリの開発が中心の会社を指す、業界の呼び名です。法律や統計で決まった言葉ではありません。国の産業分類では、どちらも「受託開発ソフトウェア業」に入ります。

Web系SIerと従来型(業務系)SIerの違い【比較表】

Web系SIerと業務系SIerの違いは、作るもの・使う技術・開発の進め方・商流の4点です。SES営業にとっては、求められる人材と単価の決まり方が変わる点が大切です。

業務系SIerとは、企業の社内で使う業務システムを作るSIerのことです。会計・人事・販売管理・生産管理などが代表例です。

比べる点Web系SIer業務系SIer
作るものECサイト、予約サービス、スマホアプリなど会計・販売・生産管理など社内システム
主な技術TypeScript、Go、Ruby、PHP、クラウドJava、C#、COBOL、オンプレミス
開発手法アジャイルが多いウォーターフォールが多い
商流浅め(エンド直・一次請けが多い)深め(大手SIerの下に何層も)

この表は、一般的な傾向をまとめたものです。業務系でもクラウドやアジャイルを使う会社は増えています。案件ごとに中身を確認することが前提です。

違い1:技術(使う言語とインフラ)

Web系SIerの案件は、新しい言語とクラウドを使うものが中心です。画面を作るフロントエンドではTypeScriptとReactやVue.jsがよく使われます。サーバー側ではGo、Ruby、PHP、Python、Node.jsなどが多く見られます。

インフラ(システムを動かす土台)は、AWS・Google Cloud・Azureなどのクラウドが主流です。コンテナ技術のDockerも、案件票によく出てきます。

一方、業務系SIerの案件はJavaやC#が中心です。古いシステムの保守では、COBOLが求められることもあります。

違い2:開発手法(アジャイルとウォーターフォール)

Web系SIerでは、アジャイル開発で進める案件が多くなります。アジャイル開発とは、小さな単位で「作る→試す→直す」を短い期間でくり返す進め方のことです。

ウォーターフォール開発とは、要件定義→設計→開発→テストを順番に一度ずつ進める方法です。業務系SIerの大きな案件で多く使われます。

アジャイルでは、エンジニアが仕様の相談や改善案を自分から出すことを求められます。「指示を待たずに動ける人」が評価されやすくなります。

同じチームを月単位で確保する「ラボ型」で頼まれることもあります。ラボ型の注意点はラボ契約とは?SESとの違いと準委任で結ぶときの注意点7つで解説しています。

違い3:商流(何次請けになるか)

Web系SIerの案件は、商流が浅いことが多いです。商流とは、発注元(エンド)からエンジニアの所属会社まで、仕事がどの会社を通って流れるかのことです。

Web系SIerは、事業会社から直接開発を頼まれることが多い会社です。そこへSES企業が人材を出すと、二次請けや一次請けの位置に入れます。

業務系の大規模案件では、大手SIerの下に何層もの会社が入ります。三次請け・四次請けになることもあります。商流の深さについては、SESの一次請け・二次請けの違い|単価差と商流を上げる方法で解説しています。

違い4:単価(スキルでの差が大きい)

Web系SIerの案件の単価は、スキルと経験年数によって差が大きくなりやすいです。商流が浅いと中間の会社が少ないため、同じスキルでも手元に残る金額が増えやすくなります。

ただし、Web系だから必ず高いわけではありません。実務経験が浅い人は、Web系でも決まりにくいのが実情です。職種別の目安は、SESの単価相場|職種別の月額目安と公的データの使い方を参考にしてください。

単価を比べるときは、商流の位置・求めるスキル・契約形態をそろえて比べます。条件が違う案件どうしを単価だけで比べると、判断を誤ります。

Web系SIerの案件で決まりやすい人材要件

Web系SIerの案件で決まりやすいのは、モダンな言語の実務経験と、チーム開発の経験がある人です。営業は、提案前に次の5項目を人材ごとにチェックします。

チェック項目見るポイント
言語・フレームワーク案件と同じ言語の実務経験が何年あるか
クラウドAWSなどで構築・運用した経験があるか
チーム開発Git・GitHubでのレビュー経験があるか
開発手法アジャイル(スクラム)の現場経験があるか
自走力仕様の相談や改善提案を自分からできるか

スキルシートには、使った技術を工程ごとに具体的に書きます。「Web開発経験あり」だけでは、Web系SIerの担当者は判断できません。書き方はSESスキルシートのフォーマットと書き方|15項目の記入例付きを参考にしてください。

Web系SIer向けの提案メールの例

件名:【ご提案】バックエンド(Go/AWS)1名・2026年11月〜

・Go 2年、PHP 3年の実務。ECサイトのAPI開発を担当
・AWS(ECS・RDS)での構築・運用、Dockerでの開発環境づくり
・GitHubでのプルリクエストとレビューを日常的に実施
・スクラム(2週間スプリント)の現場経験1年半

仕様の相談を自分から出せるタイプで、少人数の現場で力を発揮しています。

技術の年数に加えて、チーム開発と開発手法の経験を1行ずつ書くのがコツです。

SES営業の現場での使い方

SES営業が「Web系SIer」という言葉を使うのは、案件票を読むときと、人材の提案先を決めるときです。言葉の意味だけでなく、会話での使い方をそろえておくと、社内外の誤解が減ります。

使う場面

  1. 案件票を読むとき:「上位:Web系SIer」とあれば、商流が浅い可能性がある

  2. 人材の提案先を決めるとき:TypeScriptやGoの経験者は、Web系SIerへ優先して出す

  3. 新規開拓の先を選ぶとき:モダン言語の人材が多い会社は、Web系SIerを開拓先に入れる

例文(BPへの問い合わせ)

株式会社〇〇 ご担当者様
2026年10月5日(月)開始のWeb系案件について、3点確認させてください。
①上位の会社はWeb系SIerでしょうか、それとも事業会社でしょうか。
②開発手法はアジャイルでしょうか。
③契約形態は準委任で、貴社の次の商流に入る形でしょうか。

例文(社内での共有)

「今回の上位は、ECサイトを受託しているWeb系SIerです。Goの実務2年以上が条件なので、Aさんを出しましょう。」

注意点

  • 「Web系」は会社の自称であることが多く、決まった定義はありません。中身は必ず確認します

  • 「自社開発企業」と混ぜないようにします。自社開発は自社のサービスを作る会社で、受託ではありません

  • アジャイル案件でも、SES(準委任)なら客先がエンジニアに直接指示(指揮命令)することはできません。厚生労働省の疑義応答集(第3集)は、アジャイル開発でも実態として指揮命令があれば派遣にあたると整理しています

Web系SIerの案件を取りに行く手順

Web系SIerの案件は、「人材の棚卸し→開拓先の選定→条件の確認→提案」の順で取りに行きます。

  1. 人材を棚卸しする:自社・BPの人材から、モダン言語やクラウドの経験者を抜き出す

  2. 開拓先を選ぶ:Webサービスやアプリの受託実績を公開している会社をリストにする。自社サービスを持つSaaS企業は、SaaS企業一覧|日本の主要企業とSES営業の営業先としての見方で探せます

  3. 条件を確認する:技術・開発手法・商流・契約形態の4点を問い合わせる

  4. スキルシートを直す:案件の技術に合わせて、使った言語と工程を具体的に書く

  5. 提案して記録する:提案先・条件・結果を案件ごとに残し、次の提案に生かす

Web系の案件は、募集の締め切りが早いことが多いです。人材の情報を最新にしておくことが、決まる速さに直結します。

チョータツでWeb系の案件と人材を整理する

Web系の案件を取り続けるには、案件と人材の情報を1か所にまとめておくことが大切です。まずはExcelの管理表に「上位の種類(Web系/業務系)」「開発手法」「主な言語」の3列を足しましょう。

件数が増えてExcelで追いつかなくなったら、チョータツが使えます。チョータツは、SES営業の案件・人材の情報を管理・共有できるツールです。3,000社以上が利用し、無料で始められます。

チョータツには、パートナーへのメール配信機能があります。他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材をデータベースにできます。Web系の案件に合う人材を、自社の外からも探しやすくなります。

Web系SIerとの新しいつながりを増やしたいときは、チョータツブーストも使えます。チョータツの中で新しいパートナー企業を開拓できる機能です。

GoやTypeScriptの経験者が自社・BPで見つからないときは、フリーランスに直接声をかける方法もあります。xhoursなら、ITフリーランスに直接スカウトを送れます。

よくある質問

Q. Web系SIerと業務系SIerの違いは何ですか?
作るものが違います。Web系SIerはWebサービスやアプリ、業務系SIerは企業の社内システムを作ります。技術・開発手法・商流にも違いが出ます。
Q. WebSIerとWeb系SIerは同じ意味ですか?
同じ意味で使われています。どちらも、Webやアプリの受託開発が中心のSIerを指す業界の呼び名です。
Q. Web系SIerと自社開発企業の違いは何ですか?
Web系SIerはほかの会社から頼まれて作る「受託」です。自社開発企業は、自社のサービスを自社で作ります。
Q. Web系SIerの案件はSES契約で入れますか?
入れます。アジャイル開発は準委任契約と相性がよく、IPAのモデル契約書(アジャイル開発版)も準委任を前提にしています。ただし客先から直接指示を受けない体制にしておくことが前提です。
Q. Web系の案件は単価が高いですか?
商流が浅く、スキル次第で高くなりやすい傾向です。ただし実務経験が浅い人は決まりにくく、必ず高いわけではありません。

まとめ

  • Web系SIerとは、Webサービスやスマホアプリの受託開発が中心の会社

  • 業務系SIerは、会計・販売管理などの社内システムを作る会社

  • 違いは技術・開発手法・商流・単価の4点。Web系はモダン言語・アジャイル・浅い商流が多い

  • 決まりやすい人材は、モダン言語の実務経験・チーム開発経験・自走力がある人

  • 案件票の「Web系」は定義がないので、4点を確認してから提案する

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月29日確認)

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