メーカー系SIer一覧|ユーザー系・独立系・外資系の企業と系統別の営業の攻め方

公開日:2026年9月29日更新日:2026年9月29日

SIerの4つの系統とは

SIerの系統とは、そのSIerがどんな会社から生まれ、どこが大株主かで分けた呼び方のことです。系統によって、案件の出どころや協力会社の使い方が変わります。

SIer(エスアイヤー)とは、お客さんのシステムを企画・開発・運用までまとめて請け負う会社のことです。SES企業は、SIerの案件にエンジニアを出す立場になることが多いです。

メーカー系SIerとは、コンピューターや通信機器のメーカーから生まれたSIerのことです。メーカーのシステム部門が独立してできた会社も含みます。

ユーザー系SIerとは、銀行・商社・鉄鋼など、システムを使う側の会社のシステム部門が独立してできたSIerのことです。

独立系SIerとは、メーカーやユーザー企業の親会社を持たず、自分で案件を取るSIerのことです。

外資系SIerとは、海外のIT企業の日本法人や、海外企業が親会社のSIerのことです。

系統生まれ主な案件の出どころ協力会社の使い方の傾向
メーカー系機器メーカー自社製品を使うお客さん・官公庁グループ子会社を通して大人数で発注
ユーザー系銀行・商社などの利用企業親会社・グループ会社親会社の案件に協力会社を常駐させる
独立系どこにも属さないいろいろな業界のお客さん案件ごとに柔軟に協力会社を探す
外資系海外IT企業大企業・グローバル企業自社製品の導入を国内パートナーと進める

※「協力会社の使い方の傾向」は、編集部の営業経験にもとづく一般的な傾向です。会社や部署ごとに違います。

→ SIerとSESの違いから知りたい方はSIerとSESの違い|商流の位置と営業先の見分け方5つをご覧ください。

メーカー系SIer一覧

メーカー系SIerの中心は、日立製作所・富士通・NECの3社と、それぞれのグループ子会社です。キヤノンマーケティングジャパンやOKI(沖電気工業)、三菱電機グループもメーカー系に入ります。

企業名親会社・系列上場連結売上高(決算期)
日立製作所本体プライム10兆5,867億円(2026年3月期)
NEC本体プライム3兆5,827億円(2026年3月期)
富士通本体プライム3兆5,029億円(2026年3月期)
キヤノンマーケティングジャパンキヤノン(54.09%)プライム6,797億円(2025年12月期)
OKI(沖電気工業)本体プライム4,216億円(2026年3月期)

※ 日立製作所・NEC・富士通・OKIは、IT以外の事業も含む会社全体の売上です。
※ 売上高は各社の決算短信の数値です。1億円未満は切り捨てています(2026年9月28日確認)。
※ キヤノンの持株比率は、2026年6月末時点の半期報告書の数値です(自己株式を除く)。

上場していない主なグループ子会社

メーカー系の現場で協力会社に声をかけるのは、本体よりもグループのSIer子会社であることが多いです。代表的な子会社は次のとおりです。

グループ主なSIer子会社(非上場)メモ
日立日立システムズ、日立ソリューションズ―
富士通富士通Japan、エフサステクノロジーズエフサスは旧・富士通エフサス
NECNECソリューションイノベータ、NECネッツエスアイネッツエスアイは2025年3月21日に上場廃止
三菱電機三菱電機デジタルイノベーション2025年4月に事業を開始

メーカー系の案件の特徴は、官公庁・金融・通信などの大規模で長く続く案件が多いことです。自社のサーバーや通信機器を使ったシステムも多く、製品の知識があるエンジニアが求められます。

SES営業の攻め方は、本体ではなくグループのSIer子会社や、その協力会社を入口にすることです。編集部の経験では、本体が直接SES企業と契約する例は多くありません。

ユーザー系SIer一覧

ユーザー系SIerの代表は、野村総合研究所・日鉄ソリューションズ・電通総研の3社です。親会社は、順に野村・日本製鉄・電通の各グループです。上場をやめたNTTデータグループ、SCSK、伊藤忠テクノソリューションズも、親会社を持つ大手です。

企業名親会社・大株主(持株比率)上場連結売上高(決算期)
野村総合研究所野村ホールディングス(20.14%)プライム8,147億円(2026年3月期)
日鉄ソリューションズ日本製鉄(63.43%)プライム3,813億円(2026年3月期)
電通総研電通グループ(61.78%)プライム1,648億円(2025年12月期)
NTTデータグループNTT非上場(2025年9月26日上場廃止)―
SCSK住友商事非上場(2026年3月12日上場廃止)―
伊藤忠テクノソリューションズ伊藤忠商事非上場(2023年のTOB後に上場廃止)―

※ 持株比率は、各社の最新の有価証券報告書・半期報告書の「大株主の状況」(自己株式を除く)によります。

ユーザー系の案件の特徴は、親会社やグループ会社のシステムが仕事の柱になりやすいことです。親会社向けの売上がどれくらいあるかは、有価証券報告書の「主要な相手先別の販売実績」や関連当事者の注記で確かめられます。

SES営業の攻め方は、親会社の業界(金融・鉄鋼・広告など)の知識を持つエンジニアを前に出すことです。業界の言葉がわかる人材は、ユーザー系の現場で評価されやすいです。

独立系SIer一覧

独立系SIerの代表は、大塚商会・TISI・DTS・NSD・システナなどです。特定の親会社を持たないため、いろいろな業界の案件を持っています。

企業名強い分野(会社概要から)上場連結売上高(決算期)
大塚商会中小企業向けのシステムと保守プライム1兆3,227億円(2025年12月期)
TISI金融向けの決済システムプライム5,964億円(2026年3月期)
BIPROGY金融・流通・空運プライム4,336億円(2026年3月期)
日本ビジネスシステムズマイクロソフト製品・クラウドプライム1,725億円(2025年9月期)
DTS金融・通信向けのソフト開発プライム1,352億円(2026年3月期)
オービック自社のERP(基幹業務システム)プライム1,352億円(2026年3月期)
SHIFTソフトウエアのテストプライム1,298億円(2025年8月期)
NSD金融機関・社会インフラプライム1,178億円(2026年3月期)
システナ自動運転・モバイル向けソフトプライム944億円(2026年3月期)
フューチャーITコンサルティングプライム759億円(2025年12月期)

※ BIPROGYは、大日本印刷が21.44%を持つ大株主です。一般に独立系として扱われることが多いため、ここに入れています。
※ TISIは、TISが2026年7月1日にインテックと合併して社名を変えた会社です。売上高は合併前のTISの連結の数値です。

独立系の案件の特徴は、お客さんの業界が幅広く、案件ごとに必要なスキルが変わることです。自社で直接お客さんから受ける案件も多いです。

SES営業の攻め方は、スキルが合う人材をすばやく出すことです。独立系は案件ごとに協力会社を探すことが多く、提案の早さが決め手になりやすいです。

外資系SIer一覧

外資系SIerのうち、日本の証券取引所に上場している代表は日本オラクルです。日本IBMやアクセンチュアのような外資系の日本法人は、上場していない会社が多いです。

企業名親会社・大株主(持株比率)上場連結売上高(決算期)
日本オラクルORACLE JAPAN HOLDING, INC.(74.0%)スタンダード2,850億円(2026年5月期)

日本オラクルの2026年5月期の有価証券報告書では、主要な販売先としてNEC(日本電気)の名前が載っています。NEC向けの販売は、売上の12.2%です。外資系の製品が、国内のメーカー系SIerを通してお客さんに届く流れがわかります。

外資系の案件の特徴は、自社のソフトウエアやクラウドの導入・運用が中心になることです。

SES営業の攻め方は、その製品の資格や導入経験を持つエンジニアを、製品を扱う国内パートナー企業に提案することです。外資系本体と直接契約するより、入口が見つけやすくなります。

系統ごとに得意な工程の違い

系統によって、得意な工程(仕事の段階)が違います。上流の企画はユーザー系・外資系、開発はメーカー系・独立系が強い傾向です。SES営業は、出したいエンジニアの得意工程と、相手の系統を合わせると提案が通りやすくなります。

工程強い系統の傾向SES営業が出しやすい人材
企画・コンサルユーザー系・外資系PMO・業務に詳しいコンサル経験者
要件定義・設計メーカー系・ユーザー系業界知識のあるSE
開発・テストメーカー系・独立系開発言語やテストの経験者
運用・保守メーカー系・ユーザー系インフラ・運用の経験者

※ 編集部の営業経験にもとづく一般的な傾向です。同じ会社でも部署によって違います。

→ 商流の中での位置も確かめたい方はSESの一次請け・二次請けの違い|単価差と商流を上げる方法をご覧ください。

大手SIer子会社ランキング

親会社を持つ上場SIerの売上1位は、キヤノンマーケティングジャパンです(この記事で確認した範囲)。2位以下は日鉄ソリューションズ、日本オラクル、電通総研の順です。ここでは、親会社が50%を超えて株を持つ会社を「子会社」としています。

#企業名親会社(持株比率)連結売上高(決算期)
1キヤノンマーケティングジャパンキヤノン(54.09%)6,797億円(2025年12月期)
2日鉄ソリューションズ日本製鉄(63.43%)3,813億円(2026年3月期)
3日本オラクルORACLE JAPAN HOLDING, INC.(74.0%)2,850億円(2026年5月期)
4電通総研電通グループ(61.78%)1,648億円(2025年12月期)

子会社とは、ほかの会社(親会社)に議決権の過半数を持たれるなどして、経営を支配されている会社のことです。定義は会社法第2条にあります。

日立システムズや富士通Japanのように、上場していない大手の子会社も数多くあります。非上場の会社は売上の開示が少ないため、このランキングには入れていません。

→ 系統を問わない売上ランキングは大手SIer一覧と売上ランキング|上場企業20社を比較にまとめています。

系統ごとの営業アプローチ5ステップ

どの系統も、系統を確かめる → 入口を決める → 人材を合わせるの順に進めると、ムダな提案が減ります。

  1. 系統を確かめる:有価証券報告書の「大株主の状況」で、親会社と持株比率を見ます。

  2. 案件の出どころを見る:「主要な相手先別の販売実績」で、グループ内の取引が多いかを確かめます。

  3. 入口を決める:メーカー系はグループ子会社や協力会社を狙います。ユーザー系は業界の知識が活きる部署、独立系は案件ごとの窓口です。

  4. 人材を合わせる:製品の知識、業界の知識、幅広いスキルなど、系統に合う強みを持つエンジニアを選びます。

  5. 提案を記録する:どの系統の会社に、どの人材を出して、結果がどうだったかを残します。次の提案の精度が上がります。

やってはいけないことは、系統を確かめずに同じ文面の提案メールを一斉に送ることです。系統ごとに求める人材が違うため、返信率が下がりやすくなります。

→ 取引先の探し方はSESパートナー募集企業の一覧と探し方7選にまとめています。
→ 元請けの見分け方はSESの元請けとはで解説しています。
→ 系統に合わせた提案文は要員提案メールの例文とテンプレを参考にしてください。

チョータツで系統ごとの案件・人材を管理する

系統の違うSIerと取引するほど、届く案件の形やルールはバラバラになります。自分で管理するなら、取引先ごとにExcelのシートを分け、メールを読み返しながら条件をそろえる作業が必要です。チョータツを使うと、この作業をまとめて進められます。

場面自分でやる場合チョータツを使う場合
案件・人材の管理取引先ごとにExcelを分ける案件・人材の情報を1か所で管理・共有
取引先の情報を集める届いたメールを1通ずつ読む他社と連携すると、営業中案件・営業中人材をデータベース化
自社の人材を届けるBCCで一斉送信パートナーへのメール配信機能で送る
入力の手間すべて手入力AIが入力を手伝う

チョータツは3,000社以上が使うSES営業向けのツールで、無料で始められます。系統の違う取引先の案件を同じ場所に並べられるので、「この人材はどの系統の案件に合うか」を比べやすくなります。

→ Excelで管理する方法から試したい方はSESの案件・人材管理をExcelで無料で行う方法をご覧ください。

よくある質問

Q. メーカー系SIerの一覧で、代表的な会社はどこですか?
日立製作所・富士通・NECの3社と、そのグループ子会社が代表です。キヤノンマーケティングジャパンやOKI、三菱電機グループもメーカー系に入ります。
Q. ユーザー系SIerと独立系SIerは、どちらが営業しやすいですか?
案件の幅で見ると、独立系のほうが入口は多いです。ユーザー系は親会社の案件が中心なので、その業界の知識を持つ人材がいると強みになります。
Q. 外資系SIerの一覧に日本IBMやアクセンチュアが入っていないのはなぜですか?
この記事では、持株比率や売上を公開資料で確認できる上場企業を中心に載せているためです。日本IBMやアクセンチュアの日本法人は、日本の証券取引所に上場していません。
Q. 大手SIerの子会社は、親会社と同じ案件を扱いますか?
親会社の案件の一部を受け持つことが多いです。ただし子会社が自分でお客さんを持っている場合もあります。有価証券報告書の「主要な相手先別の販売実績」で確かめられます。
Q. SIerの系統は変わることがありますか?
変わります。親会社が株を売ったり、別の会社が株を買ったりすると、系統の呼び方も変わります。年に1回は大株主の状況を見直しましょう。

まとめ

  • SIerは、親会社との資本関係でメーカー系・ユーザー系・独立系・外資系の4つに分けられる

  • メーカー系は日立製作所・富士通・NEC、ユーザー系は野村総合研究所・日鉄ソリューションズ・電通総研が代表

  • 独立系は大塚商会・TISIなど。外資系の上場企業は日本オラクルが代表

  • 親会社を持つ上場SIerの売上上位は、キヤノンMJ・日鉄ソリューションズ・日本オラクル・電通総研

  • 系統ごとに、案件の出どころと得意な工程が違う。有価証券報告書の「大株主の状況」と「主要な相手先別の販売実績」で確かめる

運営:チョータツ(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月29日|更新日:2026年9月29日

参考資料(2026年9月28日確認)

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