エンジニア派遣会社一覧【大手5社】|技術者派遣とSESの違いと、競合かBPかを見分ける5つの質問

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

エンジニア派遣(技術者派遣)とは?

技術者派遣とは、エンジニアを派遣会社が雇い、労働者派遣契約で客先に送り出す働き方のことです。 客先の担当者が、エンジニアに直接仕事の指示を出せるのが特徴です。

大手の技術者派遣会社の多くは、常用型派遣をとっています。常用型派遣とは、派遣会社がエンジニアを期間の定めなく雇い、仕事がない期間も給料を払う形のことです。 SESの「正社員エンジニアを客先に出す」形とよく似ています。

似ているからこそ、SES営業の現場では同じ客先で名前がよく出ます。エンドの情報システム部門や、メーカーの開発部門で「派遣大手とSESが並んで常駐している」状態は珍しくありません。

技術者派遣とSESの違い

一番の違いは、客先がエンジニアに直接指示を出せるかどうかです。 派遣は出せますが、SES(準委任契約)は出せません。

比べる点技術者派遣SES(準委任契約)
契約の名前労働者派遣契約準委任契約(業務委託)
仕事の指示を出す人客先の担当者SES企業の責任者
必要な許可労働者派遣事業の許可原則不要(派遣もするなら許可が必要)
他社の人材を出せるか自社で雇った人だけ再委託は発注者の許諾が必要(民法644条の2)

準委任契約とは、成果物の完成ではなく「作業をすること」を約束する契約のことです。 指示の出し方を間違えると偽装請負になるため、営業は契約の形を客先に説明できる必要があります。

契約の違いを営業の確認ポイントで見るならSESと派遣の違い|準委任・派遣・請負の比較表と確認5項目を読んでください。用語は技術者派遣とは?SES・準委任との違いとIT業界での使われ方で説明しています。

エンジニア派遣の大手5社一覧(売上高・技術者数)

技術者数で見ると、テクノプロとオープンアップグループが2万人超で大きく抜けています。 次にパーソルクロステクノロジーとメイテックグループが1万人台で続きます。

数字は各社の決算資料・公式サイトで2026年9月30日に確認しました。決算期と基準日が会社ごとに違うため、順位は目安として見てください。

会社名売上高(決算期)技術者数(基準日)主な領域
テクノプロ・ホールディングス2,389億円(2025年6月期)国内28,100人(2025年6月末)機電・IT・化学など
オープンアップグループ1,879億円(2025年6月期)約2.5万人(国内従業員26,978名の91.9%、2025年6月期末)機電・IT・建設
パーソルクロステクノロジー単体は非公表(パーソルHD傘下)従業員13,171名(2026年4月1日)設計開発・IT・DX支援
メイテックグループHD1,376億円(2026年3月期)12,529名(2026年4月1日)機電・IT
アルプス技研526億円(2025年12月期)単体4,786名(2025年6月末)機電・IT

表の補足です。

  • テクノプロは、2025年12月9日に上場廃止となりました。ブラックストーン系の会社によるTOB(株式の公開買い付け)を受けたためです。数字は上場廃止前の2025年6月期の通期決算です。

  • オープンアップグループは、2024年4月1日に製造派遣・軽作業派遣の子会社をUTグループへ譲渡しました。2026年6月期は英国事業の売却により、売上収益1,710億円(前期比9.0%減)の予想です。

  • オープンアップグループの技術者数は目安です。同社の非財務情報にある国内従業員数(26,978名)とエンジニア比率(91.9%)から計算しました。

  • パーソルクロステクノロジーの人数は、全雇用形態の従業員数です。技術者だけの人数ではありません。

  • アルプス技研の人数は中間期末の単体の技術社員数で、同じ時期の稼働率は94.4%です。

このほか、エスユーエスなど中堅の上場企業や、上場していない技術者派遣の会社もたくさんあります。取引先として調べるときは、上場企業の一覧とあわせて見ると漏れが減ります。

IT派遣と技術系派遣は何が違う?

「IT派遣」はソフトウェアやインフラのエンジニア、「技術系派遣」は機械・電気・化学なども含む広い呼び方です。 大手の多くは両方を持ち、売上の中心は機電(機械・電気)である会社も多くあります。

たとえばオープンアップグループは、2025年6月期の決算短信で事業を「機電・IT領域」と「建設領域」に分けています。相手の決算短信で、ITの売上がどの領域に入っているかを最初に確認しましょう。

SES営業が気にするべきなのは、相手のIT部門の大きさです。機電が中心の会社なら、IT案件での競合は小さめです。IT部門が大きい会社なら、同じエンドで提案がぶつかる場面が増えます。

呼び方主な職種SES営業との重なり
IT派遣(SE派遣)開発・インフラ・ヘルプデスク大きい(同じ案件を取り合う)
機電系派遣機械設計・回路設計・組込み組込み・制御ソフトで重なる
化学・建設系派遣研究補助・施工管理ほぼ重ならない

派遣大手は競合?BP?見分ける5つの質問

相手が競合かBPかは、会社の大きさではなく「契約の形」と「協力会社を受け入れるか」で決まります。 次の5つの質問を、公式サイトと最初の打ち合わせで確認しましょう。

  1. その案件は派遣契約ですか、準委任契約ですか?
    派遣契約だけなら、自社のBP人材を乗せられません。準委任の案件もあれば、組める余地があります。

  2. 協力会社(パートナー)の募集をしていますか?
    公式サイトに「協力会社募集」「パートナー募集」のページがあるかを見ます。

  3. 自社は商流のどこに入る想定ですか?
    大手が元請けで、その下に入る形なのかを確認します。商流とは、エンドから仕事が流れてくる会社の並びのことです。

  4. エンジニアは正社員だけですか?
    正社員の常用型派遣だけの会社は、人材を外から受ける必要が少なく、BPになりにくいです。

  5. 請負や受託開発のチームを持っていますか?
    持っている会社は、そのチームの人手として準委任で人を受け入れることがあります。

5つの答えを、次の表で判定します。

答えの傾向判定営業の動き方
派遣のみ・協力会社募集なし競合同じエンドで差をつける提案を用意
準委任あり・協力会社募集ありBP候補協力会社登録の審査を受ける
受託チームあり・人手不足BP候補準委任での参画を打診
答えが出ない保留半年後にもう一度確認

協力会社登録の審査で見られる項目はSIerの協力会社登録の条件と流れ|審査で見られる7項目にまとめています。取引前の確認はSESパートナーの選び方と注意点|取引前に見る10項目チェック表も使えます。

初回の打ち合わせで使える確認メール

5つの質問は、打ち合わせの前にメールで送っておくと話が早く進みます。

件名:協力会社としてのお取引についてのご相談

〇〇株式会社 △△様
はじめまして。SES事業を行っている□□株式会社の××です。
貴社と協力会社としてお取引できないか、ご相談させてください。事前に次の3点を教えていただけますと助かります。

  1. 準委任(業務委託)契約の案件はございますか

  2. 協力会社(パートナー)の登録窓口はどちらになりますか

  3. 協力会社の人材が入る場合、商流は何社目までを想定されていますか
    弊社はJava・AWSのエンジニアが中心で、常時3〜5名を提案できます。

派遣会社と組むときの注意点:二重派遣

派遣会社から派遣で受けたエンジニアを、自社の客先へさらに送ると「二重派遣」になり、違法になるおそれがあります。 SES営業が一番気をつけたいのはこの点です。

二重派遣とは、派遣先が受け入れた派遣社員を、別の会社へ派遣して働かせることです。 職業安定法第44条が禁止する「労働者供給」にあたるとされます。違反すると1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です(同法第64条)。

反対向きも同じです。自社のBP(他社の社員)を、派遣会社の派遣人材として客先に出すことはできません。派遣会社が派遣できるのは、自社で雇った人だけです。

SES営業の場面では、次のような連絡が危険のサインです。

相手からの連絡危ない理由営業の返し方
「この人は弊社の派遣スタッフです」派遣先がさらに出すと二重派遣「派遣契約の方は弊社ではお受けできません」
「契約は派遣で、現場は御社の客先で」自社が派遣先として受けた人を他社へ出す形準委任で結べるかを確認し、無理なら見送る
「形は準委任、指示は客先から」実態が派遣なら偽装請負指示を出す人を契約書で確かめる

防ぐための手順は次のとおりです。

  1. 人材の紹介を受けたら、契約形態(派遣か準委任か)をメールで確認する

  2. 派遣と言われたら、その人材は自社の客先には出さない

  3. 準委任なら、所属会社と商流を書面で残す

  4. 相手の派遣許可番号を厚生労働省のサイトで調べておく

違法になる形と罰則はSESの二重派遣(多重派遣)は違法?罰則と避ける契約の組み方で解説しています。許可番号の調べ方は労働者派遣の許可番号を検索する方法|取引前の確認手順3つを見てください。

派遣大手と差をつけるSES営業の打ち手

規模で勝てない分、「スピード」と「組み合わせ」で勝負するのがSES営業の基本です。 派遣大手は人数が多い反面、社内の手続きに時間がかかることがあります。

  • 提案の速さ:案件を受けてから、その日のうちに候補者を出す

  • BPとの組み合わせ:自社だけで足りないスキルを、BPの人材で埋める

  • 準委任での提案:指示を受けずに進められるチームとして提案する

  • 派遣会社の稼働率を見る:稼働率が下がる時期は、大手も案件を探している

稼働率とは、在籍するエンジニアのうち、客先で働いている人の割合のことです。テクノプロの2025年6月期の稼働率は94.7%、アルプス技研の2025年12月期中間期は94.4%でした。稼働率が下がる時期は、大手から「人が空いている」と声がかかることもあります。

自分で相手の情報を集める方法

手作業でやるなら、次の3つから始めます。

  1. 各社のIR資料(決算説明資料)で、IT部門の売上と技術者数を見る

  2. 公式サイトで協力会社募集ページの有無を確認する

  3. 客先で一緒になった会社を、Excelの取引先リストに残す

チョータツで「組める相手」の情報をためる

BPとの案件・人材のやりとりを1か所に集めるなら、チョータツが使えます。 チョータツは、SES営業のための案件・人材の管理・共有ツールです。

場面自分でやる場合チョータツを使う場合
人材情報の管理Excelに1件ずつ転記案件・人材を1か所で管理・共有
取引先の情報を集める届いたメールを読んで拾う他社と連携し、営業中案件・人材をDB化
自社の情報を届けるBCCで一斉送信パートナーへのメール配信機能

派遣大手と同じ客先で戦うには、「すぐ出せる人材」の数が大事です。連携したBPの営業中人材をデータベースで見られれば、自社の人材だけより提案の幅が広がります。チョータツは3,000社以上が使っていて、無料で始められます。

フリーランスのエンジニアに直接声をかけたいときは、DrivenXのxhours(エックスアワーズ)も使えます。数千名のITフリーランスのデータベースから探して、直接スカウトできます。

よくある質問

Q. エンジニア派遣の大手はどこですか?
技術者数では、テクノプロ(国内28,100人)とオープンアップグループ(約2.5万人)が大きいです。次にパーソルクロステクノロジー、メイテックグループ、アルプス技研が続きます。
Q. IT派遣の会社とSES企業は何が違いますか?
派遣は客先が直接指示を出せる「労働者派遣契約」、SESは指示を出せない「準委任契約」が基本です。派遣をするには、厚生労働大臣の許可が必要です。
Q. 派遣会社とBPとして取引できますか?
準委任の案件を持ち、協力会社を募集している会社なら可能性があります。派遣契約の案件だけの会社とは、人材の交換は難しいです。
Q. 派遣会社から紹介された人材を、自社の客先に出してもいいですか?
その人材が派遣契約なら出せません。二重派遣になるおそれがあります。準委任かどうかを書面で確認してから判断しましょう。
Q. 技術者派遣の会社の売上や人数は、どこで調べられますか?
上場企業なら、決算短信や決算説明資料に載っています。日本取引所グループの適時開示や、各社のIRページから無料で見られます。

まとめ

  • エンジニア派遣の大手は、テクノプロ、オープンアップ、パーソルクロステクノロジー、メイテック、アルプス技研など

  • 技術者派遣は「派遣契約・客先が指示」、SESは「準委任契約・自社が指示」が基本

  • 競合かBPかは、契約の形と協力会社の募集で見分ける。5つの質問で判定する

  • 派遣で受けた人材を別の客先に出すと二重派遣のおそれ。契約形態は必ず先に確認

  • 規模で勝てない分、提案の速さとBPとの組み合わせで差をつける

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

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