金融系SIer一覧【銀行・証券・保険の系列別】|2026年の再編、SES案件で多い4つの要件と提案前の確認10点

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

金融系SIerとは

金融系SIerとは、銀行・証券会社・保険会社などの金融機関のシステムを、主に作り、動かしている会社のことです。 SIer(エスアイヤー)とは、システムの企画から開発・運用までをまとめて請け負う会社を指します。

金融系SIerは、成り立ちで大きく2種類に分かれます。

種類どんな会社か例
金融グループの子会社銀行・証券・保険グループのIT部門が独立した会社日本総合研究所、大和総研
金融に強い大手・独立系親会社は金融ではないが、金融機関の仕事が多い会社NTTデータ、日立製作所

金融グループの子会社は、ユーザー系SIerの一種です。ユーザー系SIerとは、システムを使う側の会社から生まれたSIerのことです。金融以外も含めた全体像は、ユーザー系SIer一覧とランキングで確認できます。

金融のシステムは「勘定系」と「情報系」に分かれる

勘定系システムとは、預金の出し入れや振込など、お金の動きそのものを記録する中心のシステムのことです。 止まると決済ができなくなるため、最も慎重に作られます。

情報系システムとは、取引のデータを分析したり、社内の資料を作ったりするためのシステムのことです。 勘定系ほど厳しくはありませんが、個人情報を多く扱います。

案件票に「勘定系」「情報系」「対外系」とあれば、この区分のことです。対外系とは、ほかの銀行や決済のネットワークとつながる部分を指します。どの区分かで、求められる経験がまったく変わります。

金融系SIer一覧【銀行・証券・保険の系列別14社】

金融グループの子会社11社と、金融に強い大手・独立系3社の計14社が代表的です。 親会社・大株主は、各社の会社概要や株主向けページで2026年9月30日に確認しました。

銀行系

銀行系は、メガバンクなど銀行グループのシステムを担う会社です。勘定系の大規模な開発や更改(システムの入れ替え)が中心になります。

企業名系列(親会社・大株主)上場
日本総合研究所三井住友フィナンシャルグループ非上場
三菱UFJインフォメーションテクノロジー三菱UFJ銀行(85.5%)・三菱UFJフィナンシャル・グループ(14.5%)非上場

みずほグループでは、みずほリサーチ&テクノロジーズが2026年4月1日にみずほ銀行と統合しました。統合前の社名で案件の話が来ることもあるので、エンドがどこかを必ず確かめましょう。

三井住友トラストグループでも、三井住友トラスト・システム&サービスが2026年4月1日に三井住友信託銀行に合併しました。システムの開発を銀行の中で行う「内製化」を進めるための統合です。

日本総合研究所は、2026年4月1日に日本総研ホールディングス・日興システムソリューションズと合併しました。SMBCグループのIT機能を1社にまとめる目的です。証券系のシステムを担ってきた日興システムソリューションズの仕事も、日本総合研究所の中に入りました。

証券系

証券系は、株式の売買や、投資家の口座を管理するシステムを担う会社です。取引時間中は止められないため、リリースは夜間や休日になりやすい系統です。

企業名系列(親会社・大株主)上場
野村総合研究所野村ホールディングス(20.14%)プライム
大和総研大和証券グループ本社(100%)非上場

野村総合研究所は、上場しているユーザー系SIerの中でも売上が大きい会社です。2026年3月期の連結売上収益(売上高にあたる数字)は8,147億円でした。証券会社向けの共同利用型システムで知られています。

保険系

保険系は、保険の契約や支払いを管理するシステムを担う会社です。契約が何十年も続くため、古い仕組みと新しい仕組みが混ざった現場が多くあります。

企業名系列(親会社・大株主)分野
東京海上日動システムズ東京海上日動火災保険(全額出資)損害保険
MS&ADシステムズMS&ADインシュアランス グループ ホールディングス(全額出資)損害保険
SOMPOシステムズSOMPOグループ損害保険ほか
ニッセイ情報テクノロジー日本生命保険ほか生命保険ほか
スミセイ情報システム住友生命保険生命保険ほか
第一ライフテクノクロス第一ライフグループ(旧社名:第一生命テクノクロス、その前は第一生命情報システム)生命保険
明治安田システム・テクノロジー明治安田生命保険(100%)生命保険

ニッセイ情報テクノロジーは、日本生命保険のほか、日本IBM・TISI・SCSK・日立製作所も株主です。保険・金融だけでなく、医療・介護向けのシステムや収納代行も手がけています。

金融に強い大手・独立系SIer

金融グループに属さなくても、金融機関の案件を多く持つSIerがあります。 SES営業にとっては、金融グループの子会社より、これらの大手・独立系のほうが協力会社を広く受け入れていることもあります。

企業名系統金融での主な領域
NTTデータ通信系銀行の共同センター、決済
日立製作所メーカー系銀行・保険の基幹システム
TISI(2026年7月にTISから社名変更)独立系決済・カード

各社の売上は5大SIerとは?5社の売上比較と下請け構造・商流の入り方で比べられます。

2026年の再編で、金融系SIerの一覧はどう変わったか

2026年は、金融グループのIT会社が親会社側にまとまる動きが続きました。 営業先リストを作るときは、会社がまだあるかを先に確かめましょう。

時期出来事SES営業への影響
2026年4月1日みずほリサーチ&テクノロジーズがみずほ銀行と統合契約の相手先や発注の窓口が変わることがある
2026年4月1日三井住友トラスト・システム&サービスが三井住友信託銀行に合併発注元が銀行本体になり、取引条件が見直されることがある
2026年4月1日日本総合研究所が日本総研ホールディングス・日興システムソリューションズと合併銀行と証券の案件が同じ会社の担当になった

親会社に統合されると、発注のルールや協力会社の登録が見直されることがあります。取引中の元請けやBPに、「統合後に取引条件や商流の制限が変わったか」を聞いておくと安心です。上場SIerの顔ぶれの変化は、大手SIer一覧と売上ランキング|上場企業20社を比較【2026年】でも確認できます。

銀行・証券・保険で、SES案件の中身はどう違うか

同じ金融でも、銀行・証券・保険で求められる経験は違います。 人材を選ぶときは、言語より先に「どの業界の、どの業務か」を合わせるのがコツです。

系列よくある案件評価されやすい経験
銀行系勘定系の更改、対外系、ネットバンキング勘定系の開発・テスト、COBOLやJava
証券系売買・口座管理、市場データの配信証券業務の知識、夜間・休日のリリース対応
保険系契約管理、保険金の支払い、代理店向けシステム保険業務の知識、古い仕組みからの移行

どの系列でも、テスト・運用保守・PMO(プロジェクトの管理を支える役)の募集は多くあります。経験が浅い人材は、まずテストや運用保守から提案するのが現実的です。

金融系のSES案件で多い4つの要件

金融系の案件には、経験年数・常駐・セキュリティ審査・商流制限の4つの条件がつきやすい傾向があります。 どれも、扱う情報が重く、システムを止められないことが理由です。

要件よくある書き方営業が気をつけること
経験年数「金融業務経験3年以上」「勘定系経験必須」必須か、あると有利かを確かめる
常駐「フル出社」「在宅不可」在宅の可否と、途中から変わる予定があるか
セキュリティ審査「入館審査あり」「身元確認書類の提出」入場までの日数と、必要な書類
商流制限「貴社まで」「一社先まで」「個人事業主不可」自社の位置と、人材の所属が条件に合うか

1. 経験年数:業務の中身まで書いてもらう

「金融経験3年」と書かれていても、勘定系か情報系かで意味が変わります。 紹介元には、どの業務の経験が何年必要かを具体的に聞きましょう。

2. 常駐:在宅の可否は途中で変わることがある

金融系は、客先の建物で働く「常駐」が多い分野です。 客先常駐とは、エンジニアが発注元の職場に出向いて作業する働き方のことです。在宅が認められていても、本番に近い作業は出社が必要になることがあります。

3. セキュリティ審査:入場までに日数がかかる

金融機関は、「FISC安全対策基準」を参考にシステムの安全対策をしています。 FISC安全対策基準とは、金融機関のシステムの安全対策の基準のことです。公益財団法人 金融情報システムセンター(FISC)がまとめています。

外部の会社の人が入るときも、入館証の発行や貸与端末の準備が必要になります。そのため、面談で決まってもすぐには入場できないことがあります。入場日は、手続きの日数から逆算して決めましょう。

入場までに営業がやることはSESの参画初日までに営業がやる準備|入場チェックリストと案内文にまとめています。

4. 商流制限:自社の位置を必ず確かめる

商流制限とは、案件に参加できる会社の段数や、人材の所属に条件をつけることです。 金融系では「貴社プロパーまで」「一社先まで」と厳しく決められることがよくあります。表記の読み方はSESの商流制限の書き方|案件メールの表記例と意味・守らせ方にまとめています。

案件票に「外国籍不可」「日本国籍のみ」とつくこともあります。理由と範囲を確かめたうえで判断しましょう。進め方は外国籍エンジニアをSESで提案する注意点|在留資格の確認と提案文で解説しています。

提案前に確認する10点チェックリスト

金融系の案件は、提案前に次の10点を紹介元にまとめて聞くと、あとのやり直しが減ります。 1通のメールで聞けるよう、チェックリストにしました。

#確認すること見るポイント
1エンドと系列どの金融グループの、どのシステムか
2システムの区分勘定系・情報系・対外系のどれか
3工程設計・開発・テスト・運用保守のどれか
4業務経験の条件必須か、あると有利か。何年か
5商流の制限と自社の位置何社目まで参加でき、自社は何社目か
6所属・国籍の条件BPの社員・個人事業主・外国籍は可か
7入館・端末の手続き必要な書類と、入場までの日数
8作業場所常駐か、在宅はどこまで可か
9夜間・休日の作業リリースや障害対応の当番があるか
10契約形態準委任か請負か、指示は誰から受けるか

10番の契約形態は、常駐が多い金融系で特に大切です。客先から直接指示を受ける形は、偽装請負を疑われることがあります。判断の目安は偽装請負の判断基準|SES営業が避けたいNG行為10選で確認しましょう。

金融系の案件に提案する6ステップ

  1. エンドと系列を特定する:案件票から、どの金融グループのどのシステムかを調べます。

  2. 10点を確認する:チェックリストの10点を、紹介元に1通のメールで聞きます。

  3. 条件に合う人材を選ぶ:スキルに加えて、業務経験・所属・国籍の条件に合う人を選びます。

  4. スキルシートを直す:「銀行の勘定系」「生命保険の契約管理」など、業界と業務名をはっきり書きます。

  5. 入場の書類を先に集める:面談の結果を待つ間に、身元確認などの書類を準備しておきます。

  6. 入場日を逆算して伝える:手続きの日数から、無理のない入場日を紹介元に伝えます。

スキルシートでは、「銀行の勘定系でテスト2年」のように、業界・システム区分・工程・年数を1行で書くと伝わります。

条件確認メールの例文

案件を紹介してくれた会社に、提案前の条件をまとめて聞くメールの例です。

件名:【条件のご確認】◯◯銀行様向け 勘定系テスト案件について

株式会社◯◯ ◯◯様

いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
2026年10月1日(木)にご紹介いただいた案件について、提案の前に次の点を教えてください。

  1. 商流の制限(何社目まで参加できるか)と、弊社の位置

  2. 所属・国籍の条件(BPの社員、個人事業主、外国籍)

  3. 金融業務の経験は必須か。必須の場合、勘定系・情報系のどちらか

  4. 入館・端末の手続きに必要な書類と、入場までの日数

  5. 在宅の可否と、夜間・休日の作業の有無

条件に合う人材がおりましたら、10月5日(月)までにスキルシートをお送りします。
どうぞよろしくお願いいたします。

金融案件の条件を、自分で管理する方法

金融系の案件は条件が多いため、案件ごとに確認結果を記録しておくことが大切です。 記録がないと、同じ質問を何度も送ったり、条件の違う人材を出したりしてしまいます。

Excelやスプレッドシートで管理するなら、案件の一覧に次の列を足しましょう。

  • エンドの系列(銀行・証券・保険と、グループ名)

  • システムの区分(勘定系・情報系・対外系)

  • 商流の制限と自社の位置

  • 所属・国籍の条件

  • 入場までの日数と必要な書類

  • 在宅の可否

列の作り方は、SESの案件・人材管理をExcelで無料で行う方法にテンプレートつきでまとめています。

チョータツで金融案件の情報を整理する

Excelで管理する人数や案件が増えてきたら、チョータツで管理・共有すると楽になります。 チョータツは、SES営業のための案件・人材の管理・共有ツールです。

  • 案件・人材の情報を1か所で管理・共有できるので、商流制限や入場条件の確認結果をチームで見られます。

  • パートナーへのメール配信機能があるので、条件に合う人材の募集を取引先へまとめて送れます。

  • 他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材をデータベース化できます。金融の経験がある人材を探すときの候補が増えます。

  • AIが入力を手伝うので、案件情報の登録にかかる手間を減らせます。

チョータツは3,000社以上が利用しており、無料で始められます。

よくある質問

Q. 金融系SIerにはどんな会社がありますか?
銀行系は日本総合研究所・三菱UFJインフォメーションテクノロジーが代表的です。証券系は野村総合研究所・大和総研、保険系は東京海上日動システムズ・MS&ADシステムズなどです。
Q. みずほ系のSIerは今もありますか?
みずほリサーチ&テクノロジーズは、2026年4月1日にみずほ銀行と統合しました。みずほ関連の案件は、エンドや発注元がどこかを紹介元に確かめましょう。
Q. 金融業務の経験がない人材でも提案できますか?
テストや運用保守では、金融経験を「あると有利」とする案件もあります。案件票の「必須」と「尚可」を見分け、紹介元に確かめてから提案しましょう。
Q. 金融系の案件は、なぜ入場まで時間がかかるのですか?
入館証の発行や貸与端末の準備など、セキュリティの手続きがあるためです。必要な書類と日数を先に聞き、入場日を逆算しましょう。
Q. 金融系IT企業の一覧は、どこで調べられますか?
上場企業なら、日本取引所グループの上場会社検索や金融庁のEDINETで調べられます。非上場の子会社は、各社の会社概要で親会社と事業内容を確かめましょう。

まとめ

  • 金融系SIerは、銀行系・証券系・保険系の系列に分けて整理できる

  • 金融グループの子会社のほか、NTTデータや日立製作所など金融に強い大手・独立系もある

  • 2026年4月1日、みずほリサーチ&テクノロジーズがみずほ銀行と統合した

  • 同じ日に、三井住友トラスト・システム&サービスは三井住友信託銀行に合併した

  • 日興システムソリューションズも同じ日に日本総合研究所に合併した

  • 金融系のSES案件は、経験年数・常駐・セキュリティ審査・商流制限の4つの条件がつきやすい

  • 提案前に10点を1通のメールで確認し、入場日は手続きの日数から逆算する

  • 確認した条件は案件ごとに記録し、人数が増えたらチョータツで管理・共有する

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

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