SESの参画初日までに営業がやる準備|参画決定から1週目までの入場チェックリストと、エンジニアへの入場案内メールの例文

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

参画初日までに営業がやること

営業がやることは、契約書類・入館と機器・本人への案内の3つです。どれか1つでも漏れると、初日に入館できない、作業を始められない、といったトラブルになります。

参画とは、エンジニアが案件のチームに加わり、作業を始めることです。客先の建物に入ることを入場と呼ぶこともあります。客先で働く形の基本は客先常駐とは?SESの仕組みと派遣との違い、営業が守るルール5つで解説しています。

区分主な準備相手
契約書類注文書・注文請書、誓約書、個人情報の同意上位の会社、BP、本人
入館と機器入館申請、貸与PC、アカウント、セキュリティ研修客先・上位の会社
本人への案内入場案内メール、勤怠報告のルール、初日の連絡エンジニア本人

BPとは、ビジネスパートナーの略で、案件や人材を紹介し合う取引先の会社のことです。BPのエンジニアが参画する場合は、本人への案内をBPの担当者を通して行います。

参画決定から初日までの入場チェックリスト

時期ごとに区切ったチェックリストを使います。参画決定から初日までが2週間ある場合の例です。期間が短いときは、上から順に前倒しします。

参画決定の当日〜2営業日以内

  • 上位の会社に、参画の確定と開始日をメールで確認した

  • 単価・精算幅・期間・場所・勤務時間を、面談前の条件と照らし合わせた

  • 本人(BPの場合はBPの担当者)に参画決定を伝え、開始日を確定した

  • 並行して提案していた他の案件に、辞退の連絡をした

  • 客先に提出する書類(誓約書・経歴の確認書類など)の一覧をもらった

精算幅とは、1か月の稼働時間の上限と下限のことです。たとえば「140〜180時間」なら、その範囲の中では単価が変わりません。

初日の1週間前まで

  • 上位の会社から注文書を受け取り、条件を確認した

  • 注文請書を返送した(BPには自社から注文書を送った)

  • 客先の誓約書の内容を確認し、本人に署名をお願いした

  • 入館申請に必要な情報(氏名・写真など)を、本人の同意を取って提出した

  • 貸与PC・アカウント・入館証の受け取り方法を確認した

  • 客先のセキュリティ研修の有無と、受ける日を確認した

初日の3営業日前まで

  • 本人に入場案内メールを送った

  • 勤怠の報告方法(誰に・いつ・何で)を本人に伝えた

  • 初日の集合場所・時間・客先の担当者名を本人と再確認した

  • 自社の中で、初日に本人から連絡を受ける担当者を決めた

初日の前日

  • 本人に「明日の確認」の短い連絡をした

  • 注文書・注文請書のやりとりが終わっていることを再確認した

契約書類で確認すること

注文書と注文請書は、初日の前にやりとりを終えます。注文書とは、発注する側が「この条件で仕事を頼みます」と示す書類のことです。注文請書とは、受ける側が「この条件で引き受けます」と返す書類のことです。

書類確認すること相手
注文書(上位から)作業内容、期間、単価、精算幅、支払期日上位の会社
注文書(BPへ)上位と同じ期間・精算幅になっているかBP
誓約書守秘義務の範囲、損害賠償の条項客先・本人
個人情報の同意経歴や氏名を客先に出すことの同意本人

注文書の流れと送付メールの例は注文書とは?SESの発行から請書返送までの流れと送付メール例文で紹介しています。書類が初日に間に合わないときの対策は業務委託で契約書なしは有効?注文書前に稼働する時の対策を確認してください。

誓約書は内容を読んでから本人に渡す

客先から届く誓約書には、守秘義務のほか、損害賠償の条項が入っていることがあります。本人に署名をお願いする前に、営業が内容を読みます。賠償の範囲が広すぎる場合は、上位の会社と相談します。

誓約書のチェックポイントはSESの誓約書を客先に出すときの注意点|守秘義務の範囲と文例でまとめています。

本人の個人情報を出すときは同意を取る

入館申請では、氏名や顔写真を客先に出すことがあります。個人データを他社に渡すことは、個人情報保護法第27条第1項で、原則として本人の同意が必要とされています。提出する項目と提出先を本人に伝え、同意を取ってから出します。

入館と機器の準備で確認すること

入館証・貸与PC・アカウント・セキュリティ研修の4つを、初日の1週間前までに確認します。どれか1つが間に合わないと、初日に作業を始められません。

準備営業が確認することよくあるつまずき
入館証申請の締め切り、初日の受け取り場所申請が遅れ、初日は受付で待たされる
貸与PC受け取り日、初期設定をする人初日にPCが届かず、作業ができない
アカウントメール・チャット・作業環境の発行日権限の申請に数日かかる
セキュリティ研修受ける日、所要時間、テストの有無研修を終えるまで作業に入れない

貸与PCや入館証は、返すときにもトラブルになりやすい物です。受け取った日と物の一覧を記録しておくと、返却時に確認しやすくなります。返却のトラブルはSESの貸与品返却トラブル|入館証の紛失・未返却時の対応と費用負担で解説しています。

勤怠報告のルールを決める

勤怠は、エンジニアから自社(SES企業)に報告するルールにします。準委任契約のSESでは、始業・終業・休憩の管理は、エンジニアを雇っている会社が自分で行う必要があるからです。

厚生労働省の37号告示は、請負や準委任と認められる条件を定めています。その1つが、始業・終業の時刻や休憩の指示を事業主が自ら行うことです。客先の担当者が勤怠表に直接印を押して管理する形は、偽装請負と疑われる原因になります。

偽装請負とは、契約上は請負や準委任なのに、実際は派遣と同じ状態になっていることです。客先がエンジニアに直接指示を出している場合などが当たります。

本人に伝える勤怠のルール(例)

  1. 始業・終業の連絡は、自社のチャットで営業(または自社の管理者)に送る

  2. 遅刻・欠勤の連絡は、始業の30分前までに自社に入れる

  3. 月末の稼働時間は、自社の稼働報告書に書いて翌月1営業日目までに出す

  4. 客先の現場でも、作業の報告は自社の業務責任者を通す

勤怠の扱いでNGになる例はSESの勤怠管理は違法?客先が管理するNG例と日報・週報の扱いで紹介しています。

エンジニアへの入場案内メールの例文

入場案内メールは、初日の3営業日前までに1通で送ります。集合場所・時間・持ち物・連絡先・勤怠報告の方法をまとめると、本人が何度も確認しなくて済みます。

自社のエンジニアに送る場合

件名:【入場のご案内】10月1日(水)〇〇プロジェクト参画について

〇〇さん

お疲れさまです。営業の△△です。
10月1日(水)からの参画について、初日の案内をお送りします。

■初日の集合
・日時:10月1日(水)9:30
・場所:東京都港区〇〇ビル 1階受付
・受付で「株式会社□□の〇〇です。●●部の▲▲様にお約束があります」とお伝えください

■持ち物
・本人確認書類(入館証の発行に使います)
・署名済みの誓約書(先日お渡ししたもの)
・筆記用具

■初日の予定
・午前:入館証とPCの受け取り、セキュリティ研修(約2時間)
・午後:チームへの顔合わせ、作業環境の準備

■勤怠の連絡
・始業と終業は、これまでどおり社内チャットの「勤怠」チャンネルに投稿してください
・遅刻や体調不良のときは、始業の30分前までに私の携帯(090-xxxx-xxxx)へご連絡ください

■初日の連絡
・12時ごろと18時ごろに、私から様子をうかがうご連絡をします

不明な点があれば、いつでもご連絡ください。
よろしくお願いいたします。

BPのエンジニアの場合

BPのエンジニアには、BPの担当者に案内を送り、本人への転送をお願いします。直接本人に送る場合も、BPの担当者を必ずCCに入れます。勤怠の報告先はBPの会社になるため、「勤怠の連絡」の欄はBPのルールに合わせてもらいます。

初日の連絡と1週目のフォロー

初日は昼と夕方の2回、本人に連絡します。初日は緊張していて、困ったことがあっても自分からは言い出しにくいからです。

いつ何を聞くか聞き方の例
初日の昼入館・PC・研修が予定どおりか「入館とPCの受け取りは問題なかったですか」
初日の夕方作業の内容が聞いていた話と合っているか「今日の作業は、面談で聞いた内容と合っていましたか」
3日目作業環境・人間関係の困りごと「困っていることや、聞きにくいことはありませんか」
1週目の終わり1週間のふり返り(15分の面談)「来週以降、続けていけそうですか」

1週目の面談で「聞いていた作業と違う」という声が出たら、すぐ上位の会社に確認します。そのままにすると、1か月以内の退場につながることがあります。1か月目以降の面談の進め方はSESの定期面談(FB面談)のやり方|質問10とシート例で紹介しています。

参画する案件の情報を管理する方法

自分でやる場合は、案件ごとにExcelの1行に条件と準備の状況を書き、チームで共有します。ただ、条件の情報がメールの中に散らばっていると、担当者が休んだ日に誰も確認できません。

もっと楽にするなら、チョータツを使います。チョータツとは、SES営業の案件・人材の情報を管理・共有するツールのことです。3,000社以上が利用し、無料で始められます。

やること自分でやる場合チョータツを使う場合
参画する案件の条件を確認するメールを探して読み直す案件の情報を1か所で管理・共有する
担当者が休んだときの引き継ぎ口頭やメールの転送で伝えるチームの誰でも同じ情報を見られる
次の案件や代わりの人を探すBPに問い合わせを重ねる連携先の営業中案件・営業中人材のデータベースから探す

よくある質問

Q. SESの参画前に必要な書類は何ですか?
上位の会社との注文書・注文請書、客先の誓約書、本人の個人情報を客先に出すことへの同意が中心です。客先によっては、身分証の写しなども求められます。
Q. 注文書が初日に間に合わないときはどうすればいいですか?
少なくとも、単価・期間・精算幅をメールで確認し、記録に残します。そのうえで、注文書をいつまでに出してもらえるかを上位の会社に確認します。
Q. 入場案内メールはいつ送ればいいですか?
初日の3営業日前までが目安です。前日に送ると、持ち物の準備や本人の予定の調整が間に合わないことがあります。
Q. 勤怠を客先の担当者に報告させてもいいですか?
おすすめしません。準委任契約のSESでは、始業・終業の管理は雇っている会社が自分で行う必要があります。客先が直接管理すると、偽装請負と疑われることがあります。

まとめ

  • 参画初日までに営業がやることは、契約書類・入館と機器・本人への案内の3つ

  • 注文書と注文請書のやりとりは初日の前に終える

  • 誓約書は営業が内容を読んでから本人に渡し、個人情報は同意を取ってから出す

  • 勤怠は自社に報告するルールにし、客先に直接管理させない

  • 入場案内メールは3営業日前までに送り、初日は昼と夕方に連絡、1週目の終わりに面談する

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

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