SES事業の業種は何?業種番号3911と書類別の書き方・記入例
公開日:2026年9月29日更新日:2026年9月29日
SES事業の業種は「情報通信業」
SES事業の業種は、大きな分け方でいうと「情報通信業」です。細かく分けると「受託開発ソフトウェア業」になります。
日本標準産業分類とは、国の統計で使うために、総務省が事業の種類を決めた分類のことです。大分類・中分類・小分類・細分類の4段階で、それぞれに記号や番号が付いています。
現在の版は第14回改定です。2023年(令和5年)6月29日に公表、同年7月に告示され、2024年(令和6年)4月1日から使われています。
SES事業を日本標準産業分類に当てはめると、次のようになります。
| 段階 | 番号 | 名前 |
|---|---|---|
| 大分類 | G | 情報通信業 |
| 中分類 | 39 | 情報サービス業 |
| 小分類 | 391 | ソフトウェア業 |
| 細分類 | 3911 | 受託開発ソフトウェア業 |
受託開発ソフトウェア業とは、お客さんの頼みで、コンピューターのプログラムを作る事業のことです。作るための調査・分析・助言も含みます。内容の例として、「プログラム作成業」「情報システム開発業」「システムインテグレーションサービス業」が挙げられています。
SESに関係する業種番号の一覧
SES企業が書類で使う業種番号は、3911・3912・3921・9121の4つを押さえておけば足ります。自社の主な仕事に合わせて選びます。
| 番号 | 分類名 | 当てはまるSESの例 |
|---|---|---|
| 3911 | 受託開発ソフトウェア業 | 業務システム・Webシステムの開発や保守にエンジニアを出す |
| 3912 | 組込みソフトウェア業 | 家電・車などに組み込むソフトの開発にエンジニアを出す |
| 3921 | 情報処理サービス業 | 計算処理やデータ入力などを受託する |
| 9121 | 労働者派遣業 | 派遣契約で、客先の指示のもとで働く人を出すのが中心 |
3911・3912・3921は大分類「G 情報通信業」に入ります。9121は大分類「R サービス業(他に分類されないもの)」の中の「91 職業紹介・労働者派遣業」に入ります。
同じ「エンジニアを出す仕事」でも、情報通信業かサービス業かで分かれるのがポイントです。分かれ目は、誰がエンジニアに仕事の指示を出すかです。
SESが「労働者派遣業」ではなく「ソフトウェア業」になる理由
SESが労働者派遣業にならないのは、SES企業が自社でエンジニアに指示を出すからです。日本標準産業分類の労働者派遣業の説明に、その線引きが書かれています。
日本標準産業分類は、労働者派遣業を次のように説明しています(e-Statの分類説明より)。
主として派遣するために雇用した労働者を、派遣先事業所からその業務の遂行等に関する指揮命令を受けて、
その事業所のための労働に従事させることを業とする事業所
つまり、客先の指揮命令で働く人を送り出す事業が労働者派遣業です。
あわせて、請負の事業や、自ら指揮命令を行う事業所は、経済活動の種類によってそれぞれ分類すると書かれています。SESは準委任契約で、指示はSES企業の責任者から出します。そのため「ソフトウェアを作る活動」として、3911などに分類するのが自然です。
指揮命令とは、仕事のやり方・順番・時間などを、働く人に直接指示することです。客先がエンジニアに直接指示している状態は、契約の名前にかかわらず派遣と判断されるおそれがあります。業種を「ソフトウェア業」と書くなら、現場の運用もSESの形を守る必要があります。
→ 指揮命令の違いはSES契約と派遣契約の違い|指揮命令など営業の確認ポイント7つで詳しく解説しています。現場で避けたい行為は偽装請負の判断基準|SES営業が避けたいNG行為10選にまとめました。
SESと派遣の両方をしている会社の業種
SESと派遣の両方をしている会社は、売上などが最も大きい事業で業種を決めます。総務省の「よくあるお問合せ」で示されている考え方です。
総務省は、1つの事業所で複数の活動をしている場合の決め方を示しています。主要な活動(利益や売上高などが最も大きいもの)で分類を決めます。SES企業に当てはめると、次のようになります。
| 会社の売上の中身 | 書く業種 | 番号 |
|---|---|---|
| SES(準委任)の売上がいちばん多い | 情報通信業(受託開発ソフトウェア業) | 3911 |
| 派遣契約の売上がいちばん多い | サービス業(労働者派遣業) | 9121 |
| 請負の開発がいちばん多い | 情報通信業(受託開発ソフトウェア業) | 3911 |
判断に迷ったら、直近の決算で契約形態ごとの売上を出してみるのがおすすめです。業種を一度決めたら、社内の書類でそろえて使いましょう。
→ 派遣許可の要否など事業運営の違いはSES事業と派遣事業の違い|許可・指揮命令・契約を表で比較を見てください。
場面別:業種の書き方と記入例3つ
業種欄の書き方は、選択式なら大分類、自由記入なら分類名+事業の中身が基本です。営業責任者が業種を書く代表的な3つの場面を、記入例つきでまとめます。
日本標準産業分類は統計のための基準です。総務省も、許認可など統計以外の目的では、その手続きを担当する役所に確認するよう案内しています。そのため、書類ごとの選択肢や指定があれば、そちらを優先してください。
| 場面 | 業種欄の形 | 記入例 |
|---|---|---|
| 1. 法人口座の開設 | 選択式が多い | 「情報通信業」を選ぶ。事業内容欄に「ソフトウェアの受託開発、システムエンジニアリングサービス(SES)」 |
| 2. 取引先登録(与信・購買の登録) | 自由記入または選択式 | 「情報通信業(ソフトウェア業)」。業種コード欄があれば「3911」 |
| 3. 求人票 | 事業内容を文章で書く | 「情報通信業。お客さまのシステム開発・運用を技術支援するSES事業」 |
1. 法人口座の開設
法人口座の開設では、事業の実態がわかる書き方が大切です。業種が「その他」だけだと、事業内容の確認に時間がかかることがあります。
選択肢に「情報通信業」がなければ、「サービス業」ではなく、いちばん近い「ソフトウェア」「IT」系の項目を選びます。事業内容欄には、ホームページの会社概要と同じ言葉を書きましょう。
2. 取引先登録
取引先登録では、相手の会社が審査しやすい書き方にします。SIerや大手企業の購買部門は、業種と事業内容を見て、契約の種類や審査の手順を決めます。
「SES」だけを書くと、相手の担当者によっては意味が伝わりません。「システムエンジニアリングサービス(準委任契約による技術支援)」のように、契約形態まで書くと確認の手間が減ります。
3. 求人票
求人票では、求職者にもわかる言葉で書きます。業種欄は「情報通信業」とし、事業内容で働き方を具体的に説明します。
客先で働く可能性がある場合は、「お客さまのオフィスで働くことがあります」と正直に書きましょう。入社後の「思っていたのと違う」を防げます。採用の工夫はSESのエンジニア採用が難しい理由5つ|職種別の対策と面接のコツで解説しています。
番号が日本標準産業分類と違う書類もある
「業種番号」は、書類によって日本標準産業分類とは別の番号を使うことがあります。SES企業がよく出会うのは次の2つです。
| 書類・制度 | 使う番号・区分 | SES企業の場合 |
|---|---|---|
| 労災保険(労働保険の届出) | 労災保険率適用事業細目 | 「94 その他の各種事業」の「9436 情報サービス業」 |
| 補助金などの中小企業の判定 | 中小企業基本法の業種区分 | ソフトウェア業・情報処理サービス業は、資本金3億円以下または従業員300人以下を中小企業とする場合がある |
労災保険の細目では、ソフトウェア業・情報処理サービス業などが「9436 情報サービス業」に入ると説明されています。中小企業の判定は制度ごとに異なるため、申請する制度の担当窓口で確認しましょう。
事業内容の書き方例文
業種欄とセットで書く事業内容は、分類名+具体的な仕事+契約形態の順に書くと伝わります。そのまま使える例文を用意しました。
【短い版(30字程度)】 ソフトウェアの受託開発およびSES(システムエンジニアリングサービス) 【標準版(取引先登録向け)】 情報通信業(ソフトウェア業)。準委任契約によるシステム開発・運用の技術支援(SES)、ソフトウェアの受託開発。 【派遣許可がある場合】 情報通信業(ソフトウェア業)。SES(準委任契約による技術支援)、労働者派遣事業(許可番号 派13-000000)、ソフトウェアの受託開発。
派遣許可がある会社は、許可番号を書き添えると相手の確認が早くなります。番号は必ず自社の許可証どおりに書きます。
業種と職種の違い
業種は会社の事業の種類、職種はその会社で働く人の仕事の種類です。同じSES企業の中でも、職種は人によって違います。
| SES企業で働く人 | 業種 | 職種の例 |
|---|---|---|
| 営業担当 | 情報通信業 | 営業職(IT法人営業・技術営業) |
| エンジニア | 情報通信業 | システムエンジニア、プログラマー、インフラエンジニア |
| 採用・管理部門 | 情報通信業 | 人事、経理、総務 |
商談や名刺交換で職種を聞かれたら、「IT業界の法人営業(SES営業)」と答えると伝わります。業種と職種を混ぜて「SES業」と書かないように注意しましょう。
スキルシートの「業種」欄は、案件先の業種を書く
スキルシートの「業種」欄には、エンジニアが働いた案件先(エンド)の業種を書きます。SES企業自身の業種(情報通信業)ではありません。
たとえば銀行の勘定系システムの案件なら「金融(銀行)」、工場の生産管理なら「製造業」と書きます。案件側は、同じ業界での経験があるかを業種欄で見ています。
| 書き方 | 伝わり方 |
|---|---|
| 「情報通信業」 | どの業界の案件か伝わらない |
| 「金融」 | 業界はわかるが、銀行・保険・証券の区別がつかない |
| 「金融(銀行・勘定系)」 | 業界と業務がわかり、書類選考で比べやすい |
エンドの社名を出せない案件でも、業種と業務の種類は書けることが多いです。スキルシート全体の書き方はSESスキルシートのフォーマットと書き方|営業用テンプレ付きで解説しています。
業種を書くときに間違えやすい4つの例
業種の書き方でよくある間違いは、次の4つです。どれも、相手に事業の中身が伝わらないことが問題です。
「人材派遣業」と書く:派遣許可がないのに派遣業と書くと、無許可の派遣と誤解されるおそれがあります。
「サービス業」とだけ書く:範囲が広すぎて、何の会社かわかりません。
「SES」とだけ書く:業界の外の人には伝わりません。必ず「システムエンジニアリングサービス」と正式名も書きます。
書類ごとに業種がバラバラ:口座・取引先登録・ホームページで業種が違うと、審査で問い合わせが来ます。
私たちのおすすめは、社内で「業種」「事業内容(短い版・標準版)」を1つずつ決めて、全員が同じ文を使うことです。担当者ごとに書き方が変わると、取引先から見た信頼が下がります。
業種をそろえた後は、チョータツで取引を早く回す
業種と事業内容の書き方をそろえると、取引先登録はスムーズに進みます。次に大切なのは、登録が済んだ取引先と、案件・人材の情報を早くやりとりすることです。
自分でやるなら、取引先ごとに「登録日」「登録した業種」「契約できる形態(準委任・派遣)」を一覧表にまとめます。そのうえで、届いた案件・人材の情報を同じ表に記録していきます。
もっと楽にするなら、チョータツが使えます。
| 場面 | 自分でやる場合 | チョータツを使う場合 |
|---|---|---|
| 案件・人材を記録する | メールを読んでExcelに転記 | 案件・人材の情報を管理・共有。AIが入力を手伝う |
| 取引先の情報を知る | 配信メールを1通ずつ読む | 他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材をデータベース化 |
| 自社の情報を届ける | BCCでメールを一斉送信 | パートナーへのメール配信機能で届ける |
チョータツは3,000社以上が利用しているSES営業のためのツールで、無料で始められます。
よくある質問
- Q. SESの業種は何と書けばいいですか?
- 選択式なら「情報通信業」、自由記入なら「情報通信業(ソフトウェア業)」と書きます。事業内容に「SES(システムエンジニアリングサービス)」と添えると伝わります。
- Q. SES事業の業種番号(産業分類コード)は何番ですか?
- 日本標準産業分類では「3911 受託開発ソフトウェア業」が基本です。派遣の売上が最も多い会社は「9121 労働者派遣業」になります。
- Q. SESは人材派遣業ですか?
- 業種としては人材派遣業ではありません。SES企業が自社でエンジニアに指示を出すため、日本標準産業分類ではソフトウェア業などに分類されます。
- Q. SESの業種と職種はどう違いますか?
- 業種は会社の事業の種類で「情報通信業」、職種は働く人の仕事の種類で「営業職」「システムエンジニア」などです。
- Q. 書類の選択肢に「情報通信業」がないときは?
- 「ソフトウェア」「IT」など、いちばん近い項目を選びます。事業内容欄で「ソフトウェアの受託開発・SES」と補足しましょう。
- Q. スキルシートの業種欄には何を書きますか?
- エンジニアが働いた案件先の業種を書きます。「金融(銀行・勘定系)」のように、業界と業務を並べると伝わります。
まとめ
SES事業の業種は「G 情報通信業」→「3911 受託開発ソフトウェア業」が基本
自社でエンジニアに指示を出すため、労働者派遣業(9121)ではなくソフトウェア業に分類される
SESと派遣の両方をしている会社は、売上などが最も大きい事業で決める
書類の業種欄は、選択式なら「情報通信業」、自由記入なら分類名+事業内容。書類の指定があればそちらを優先
業種は会社、職種は人の分類。社内で業種と事業内容の文をそろえる
本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。許認可や届出での業種の書き方は、手続きの窓口や専門家にご確認ください。
運営:チョータツ(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月29日|更新日:2026年9月29日
参考資料(2026年9月28日確認)
総務省「日本標準産業分類(令和5年7月告示)」
総務省「日本標準産業分類の第14回改定」(公表:令和5年6月29日、施行:令和6年4月1日)
総務省 政府統計の総合窓口「3911 受託開発ソフトウェア業」
総務省 政府統計の総合窓口「3921 情報処理サービス業」
総務省 政府統計の総合窓口「9121 労働者派遣業」
厚生労働省「労災保険率適用事業細目 94 その他の各種事業」
中小企業庁「中小企業・小規模企業者の定義」