SES企業の数は何社?公的統計で見る事業所数の目安と、営業先リストを自分で作る6ステップ
公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日
SES企業の数は何社?正確な数は誰も出していない
SES企業の正確な数を示した公的な統計は、2026年9月時点でありません。国の統計には「SES業」という分類がないためです。
SES企業とは、エンジニアを客先に送り、準委任契約などで技術サービスを提供する会社のことです。ただ、国の統計で使う「日本標準産業分類」には、SESという分類がありません。SESの会社は、ソフトウェア業や情報処理サービス業などに分かれて数えられます。
さらに、同じ会社が受託開発・派遣・SESを同時に行うこともよくあります。そのため、「SESだけをしている会社」を統計から取り出せません。自社の業種の書き方は、SES事業の業種は何?書き方と業種番号を3つの場面別に解説で詳しく解説しています。
ネットでは「SES企業は〇万社」という数字も見かけます。出典や数え方が書かれていない数字は、提案資料や社内説明に使わないようにしましょう。
公的統計で見るSES企業の数の目安は3つ
公的統計から出せるのは「上限の目安」です。SES企業が含まれる大きなグループの数を見て、規模感をつかみます。使える統計は、主に次の3つです。
| 統計 | 数 | 何を数えているか | SESとの関係 |
|---|---|---|---|
| 令和3年経済センサス‐活動調査 | 会社企業 5万3,662社 | 情報通信業の会社(2021年6月1日時点) | SES企業を含む。放送・通信なども含む |
| 令和3年経済センサス‐活動調査 | 事業所 7万6,559所 | 情報通信業の事業所(支店も1つと数える) | 1社で複数の事業所を持つことがある |
| 令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報) | 報告した事業所 4万3,812所 | 派遣の許可を持ち、報告を出した事業所 | IT以外の派遣も含む |
1. 経済センサス:情報通信業の会社は5万3,662社
経済センサスとは、国内のすべての事業所と企業を対象に、総務省と経済産業省が行う大きな調査のことです。「会社の国勢調査」のようなものです。
東京都がまとめた令和3年の結果では、全国の情報通信業は次のとおりでした。
会社企業数:5万3,662社
事業所数:7万6,559所
従業者数:198万6,839人
情報通信業とは、通信・放送・ソフトウェア・情報処理・インターネット関連などをまとめた大きな分類のことです。SES企業の多くはこの中に入ります。ただし、放送局や新聞社なども含むため、全部がSES企業ではありません。分類の中身は情報通信業とは?5つの中分類とSES企業・取引先の業種の位置で整理しています。
2. 労働者派遣事業報告:派遣の事業所は4万3,812所
労働者派遣事業報告とは、派遣の許可を持つ会社が、毎年の実績を国に出す報告のことです。厚生労働省がその集計を公表しています。
令和6年度の集計(速報)では、次のとおりでした。
報告を出した事業所:4万3,812所
そのうち派遣の実績があった事業所:3万3,207所(75.8%)
SES企業の中には、派遣の許可も持つ会社が多くあります。ただし、この数は製造業や事務の派遣会社も含みます。逆に、準委任だけで派遣をしないSES企業は入りません。
3. 公正取引委員会の調査:ソフトウェア業2万1,000社に依頼
公正取引委員会は、2022年6月に「ソフトウェア業の下請取引等に関する実態調査報告書」を公表しました。資本金3億円以下のソフトウェア業2万1,000社に調査を依頼し、4,739社が回答しています。
この2万1,000社は、調査のために選んだ数です。ソフトウェア業の総数ではありません。「少なくとも2万社を超えるソフトウェア会社がある」という目安として読みます。
統計の数字をそのまま使えない4つの理由
公的統計は信頼できますが、「SES企業の数」としては使えません。数えている範囲がずれているからです。提案資料や事業計画で使う前に、次の4点を確認しましょう。
| 理由 | 何が起きるか | 使うときの書き方 |
|---|---|---|
| 1. 分類が広すぎる | 放送・通信などSES以外も入る | 「情報通信業の会社は約5.4万社」と分類名で書く |
| 2. 事業所と企業が違う | 支店が多い会社は何回も数えられる | 「社」と「所」を混ぜない |
| 3. 派遣と準委任が混ざる | 派遣だけの会社も、派遣をしない会社もある | 「派遣の事業所」と明記する |
| 4. 時点が古い | 経済センサスは2021年時点 | 「2021年6月1日時点」と日付を添える |
事業所とは、1つの場所で事業をしている単位のことです。本社と大阪支店がある会社は、企業としては1社、事業所としては2所になります。
特に気をつけたいのは、別々の統計の数字を足したり引いたりしないことです。数えている範囲が違うため、計算の答えに意味がなくなります。
IT企業の4割以上は東京都に集中している
情報通信業の会社の43.2%は東京都にあります。案件も会社も東京に集まっているため、首都圏のSES営業は取引先候補が多い環境です。
東京都がまとめた令和3年経済センサスの結果は、次のとおりです。
| 項目 | 全国 | 東京都 | 東京都の割合 |
|---|---|---|---|
| 会社企業数 | 5万3,662社 | 2万3,171社 | 43.2% |
| 事業所数 | 7万6,559所 | 2万8,503所 | 37.2% |
| 従業者数 | 198万6,839人 | 108万5,934人 | 54.7% |
地方のSES営業は、候補の数が少ないぶん、1社との関係が深くなりがちです。東京の案件を取りたいなら、東京の会社とのつながりを意識して作る必要があります。
営業にとって大事なのは「自社と組める会社の数」
業界全体の社数は、営業の目標には使えません。数万社のうち、自社と実際に取引できる会社はごく一部だからです。
SES営業が知るべき数は、次のように絞っていくとわかります。
業界全体:情報通信業の会社 約5.4万社(経済センサス)
対象の地域:たとえば東京都なら 約2.3万社
SESや受託開発をしている会社:公式サイトの事業内容で確かめる
自社の強みと合う会社:得意な技術・工程・商流が合う
実際に連絡できる会社:窓口や担当者がわかる
3番目より後の数は、統計では出ません。自分で調べて数えるしかないということです。次の章で、そのやり方を説明します。
SESの上場企業一覧と大手ランキング|売上規模で見る20社も、候補探しの入口になります。大手SIerと直接取引したいときは、SIerの協力会社登録の条件と流れ|審査で見られる7項目も確認しておきましょう。
取引先候補を自分で数えてリスト化する6ステップ
無料の公的サイトと公式サイトを組み合わせれば、取引先候補のリストを自分で作れます。手順は次の6つです。
狙う相手を1行で決める:例「東京都の、Javaの開発案件を持つ一次請けの会社」。地域・技術・商流の3つを入れると、調べる範囲が絞れます。
候補の会社名を集める:名刺・紹介・パートナー募集ページ・上場企業の一覧から、会社名を書き出します。
派遣の許可を調べる:厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で、社名や所在地の都道府県を入れて検索します。許可の有無と許可番号をメモします。
会社の実在を確かめる:国税庁の「法人番号公表サイト」で、正式な社名・所在地・法人番号を確かめます。
公式サイトで事業内容を見る:事業内容と得意な技術を確かめます。合わない会社は外します。
数を数えて、連絡の順番を決める:残った会社を数え、合いそうな順にA・B・Cのランクを付けます。
法人番号とは、国税庁が会社ごとに付けている13桁の番号のことです。社名が変わっても番号は変わらないので、リストの重複を防げます。派遣の許可の調べ方は労働者派遣の許可番号を検索する方法|取引前の確認手順3つで、画面の手順つきで解説しています。
リストに入れる項目
リストは、最初から項目を決めておくと後で使いやすくなります。最低限、次の項目を入れましょう。
| 項目 | 記入例 | 調べる場所 |
|---|---|---|
| 正式な社名・法人番号 | 株式会社〇〇/13桁の番号 | 法人番号公表サイト |
| 所在地・派遣の許可番号 | 東京都港区/派13-000000 | 人材サービス総合サイト |
| 事業内容・得意な技術 | SES・受託開発/Java | 公式サイト |
| ランク・次の行動 | A/2026年10月1日(木)に初回メール | 自分で判断 |
顧客リストの詳しい項目は、SESの顧客リスト管理方法|必要な項目20と見込み客の育て方で紹介しています。
計算例:何社のリストが必要か
リストの社数は、目標から逆算すると決めやすくなります。次の数字は計算のための例です。
目標:3か月で新しい取引先を5社増やす
初回連絡から情報交換に進む割合:5社に1社
情報交換から取引につながる割合:4社に1社
必要な連絡数:5社 × 4 × 5 = 100社
この場合、3か月で100社のリストが要ります。1か月あたり約34社、平日1日あたり1〜2社を調べれば間に合います。自社の割合がわからないときは、まず20社に連絡して数字を取りましょう。
ランクA・B・Cの付け方の目安
ランクは、担当者によって基準がぶれないように、社内で決めておきます。
| ランク | 目安 | 次の行動 |
|---|---|---|
| A | 得意分野・地域・商流の3つが合う | 今週中に初回メールを送る |
| B | 3つのうち2つが合う | 今月中に初回メールを送る |
| C | 1つだけ合う、または情報が足りない | 3か月後に見直す |
初回メールの例文(候補リストから連絡するとき)
件名:【パートナーのご相談】Java開発の要員・案件の情報交換(株式会社〇〇)
株式会社△△ ご担当者様
はじめてご連絡いたします。株式会社〇〇の営業、□□と申します。
貴社のパートナー募集ページを拝見し、ご連絡しました。
当社は都内のJava開発案件を中心に、BP様と要員・案件をご紹介し合っております。
10月8日(木)〜10月14日(水)のどこかで、30分ほど情報交換のお時間をいただけないでしょうか。
公式サイトにパートナー募集のページがある会社は、BPからの連絡を受け付けている会社です。先に当たりましょう。自社の募集ページを作るときはSESのパートナー募集ページの作り方|載せる12項目とフォーム例が参考になります。
リスト作りでやってはいけない3つのこと
リストは「数」より「使えるかどうか」が大事です。次の3つは、手間をかけても成果につながりにくいやり方です。
統計の社数を目標にする:「東京に2万社あるから全部に連絡」は現実的ではありません。狙う相手を1行で決めてから集めます。
確認しないまま一斉にメールを送る:会社の実在や事業内容を見ずに送ると、相手に迷惑がかかります。広告メールのルールにも気をつけましょう。
1回作って更新しない:会社は移転・社名変更・事業の変更をします。3か月に1回は、法人番号で社名と所在地を確かめ直します。
取引を始める前の確認項目は、SESパートナーの選び方と注意点|取引前に見る10項目チェック表にまとめています。
チョータツで取引先探しとリスト管理を楽にする方法
自分で調べる方法は確実ですが、時間がかかります。そこで役立つのが、株式会社DrivenXが提供するチョータツです。
チョータツとは、SES営業の案件・人材の情報を管理・共有するツールのことです。3,000社以上が利用していて、無料で始められます。
チョータツには、取引先探しに使える機能が2つあります。
| 機能 | できること | 役立つ場面 |
|---|---|---|
| チョータツブースト | チョータツの中で、新しいパートナー企業を開拓できる | 候補の会社を増やしたいとき |
| チョータツの連携機能 | 他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材をデータベース化できる | つながった会社と取引を増やしたいとき |
おすすめの使い方は、チョータツブーストで候補を広げ、公的サイトで確かめる順番です。つながった会社とはチョータツで連携すると、相手の営業中の案件・人材が1か所にまとまります。リストを作って終わりではなく、取引に進めやすくなります。
会社ではなく個人のエンジニアとのつながりを増やしたいときは、xhoursも使えます。xhoursは、ITフリーランスに直接スカウトを送れるサービスです。
よくある質問
- Q. SES企業は全国に何社ありますか?
- 正確な数を示した公的な統計はありません。目安は、SES企業を含む情報通信業の会社の5万3,662社です。出典は令和3年経済センサス‐活動調査(2021年6月1日時点)です。
- Q. SES企業の数は増えていますか?
- SESだけの推移を示した公的な数字はありません。派遣の事業所数や情報サービス業の売上高など、近い統計を時点つきで比べて判断します。
- Q. 派遣の許可を持つ会社は何社ですか?
- 厚生労働省の令和6年度の集計(速報)では、事業報告を出した派遣の事業所は4万3,812所です。IT以外の派遣も含み、単位は「社」ではなく「事業所」です。
- Q. 東京のSES企業は何社ですか?
- SESだけの数はありません。情報通信業の会社企業は東京都に2万3,171社あり、全国の43.2%を占めます(令和3年経済センサス)。
- Q. 営業先リストは何社くらい作ればいいですか?
- 目標から逆算します。3か月で5社増やしたいなら、連絡→情報交換→取引の各割合をかけて必要数を出します。例の割合なら100社です。
- Q. 営業先リストはどこで作ればいいですか?
- 最初はExcelやスプレッドシートで十分です。社名・法人番号・許可番号・事業内容・ランクを入れます。件数が増えたら、案件・人材と一緒に管理できるツールに移すと楽になります。
まとめ
SES企業だけを数えた公的な統計はない。「〇万社」という数字は推計として扱う
目安は、情報通信業の会社企業5万3,662社(2021年)、派遣の事業所4万3,812所(令和6年度)
統計は分類・単位・時点がずれるので、分類名と日付を添えて使い、別の統計どうしを足し引きしない
情報通信業の会社の43.2%は東京都にある
営業に必要なのは「自社と組める会社の数」。公的サイトと公式サイトで、6ステップで自分で数えられる
候補探しを楽にするなら、チョータツブーストで広げ、公的サイトで確かめる
参考資料(2026年9月30日確認)
東京都総務局統計部「令和3年経済センサス‐活動調査 第1 概況 ~全国における東京都の状況~」(情報通信業の会社企業数・事業所数・従業者数)
総務省統計局「令和3年経済センサス‐活動調査 調査の結果」
厚生労働省「令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」(報告事業所数・実績のあった事業所数)
公正取引委員会「ソフトウェア業の下請取引等に関する実態調査報告書について」(2022年6月29日)
厚生労働省「人材サービス総合サイト」
国税庁「法人番号公表サイト」
運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日