情報通信業とは?日本標準産業分類の5つの中分類と、SES企業・取引先の業種の位置

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

情報通信業とは

情報通信業とは、総務省の日本標準産業分類で、情報の伝達・処理・提供・加工を行う事業所をまとめた大分類のことです。記号は「G」です。

日本標準産業分類とは、国の統計で使うために、総務省が事業の種類を決めた分類のことです。大分類・中分類・小分類・細分類の4段階で、細かくなるほど番号の桁が増えます。

日本標準産業分類は、情報通信業の範囲を次のように説明しています。

情報の伝達を行う事業所、情報の処理、提供などのサービスを行う事業所、インターネットに附随したサービスを提供する事業所及び伝達することを目的として情報の加工を行う事業所が分類される。

引用した定義文をかみくだくと、次の4つの事業が情報通信業です。

事業のタイプひとことで代表的な会社の例
情報を伝える電話・ネット回線・放送通信キャリア、テレビ局
情報を処理・提供するシステムを作る、データを処理するSIer、SES企業
ネットに附随するサービスWebサービスを運営するポータルサイト、アプリ事業者
伝えるために加工する映像・記事・広告を作る新聞社、出版社、制作会社

「情報通信」とは

情報通信とは、文字・音声・映像などの情報を、電話回線やインターネットを使ってやりとりすることです。一般の会話ではIT(情報技術)とほぼ同じ意味で使われます。

ただし統計の「情報通信業」は、ITだけを指す言葉ではありません。新聞・出版・テレビも入る点が、日常の感覚と違うところです。

情報通信業の5つの中分類

情報通信業は、37〜41の5つの中分類でできています。SES営業に関係が深いのは「39 情報サービス業」です。

番号中分類主な小分類
37通信業固定電気通信業、移動電気通信業
38放送業公共放送業、民間放送業、有線放送業
39情報サービス業ソフトウェア業、情報処理・提供サービス業
40インターネット附随サービス業ポータルサイト・サーバ運営業など
41映像・音声・文字情報制作業映像制作、新聞業、出版業、広告制作業など

※ 総務省「日本標準産業分類(令和5年7月告示)」の分類項目表より(2026年9月29日確認)。2024年4月1日から使われている第14回改定の版です。

39 情報サービス業の細分類

情報サービス業とは、ソフトウェアを作る事業と、情報を処理・提供する事業をまとめた中分類のことです。SES企業やSIerのほとんどが、ここに入ります。

番号細分類SES営業から見た例
3911受託開発ソフトウェア業SIer、SES企業、受託開発会社
3912組込みソフトウェア業車・家電のソフトを作る会社
3913パッケージソフトウェア業業務ソフトを売る会社
3914ゲームソフトウェア業ゲーム開発会社
3921情報処理サービス業データ入力・計算処理の受託
3922情報提供サービス業データベースを提供する会社
3923市場調査・世論調査・社会調査業調査会社
3929その他の情報処理・提供サービス業上のどれにも入らないもの

受託開発ソフトウェア業とは、お客さんの注文を受けて、そのお客さん用のソフトウェアを作る事業のことです。「システムインテグレーションサービス業」もここに入ります。

40 インターネット附随サービス業の細分類

インターネット附随サービス業とは、インターネットを通じてサービスを提供する事業のことです。細分類は次の3つです。

  • 4011 ポータルサイト・サーバ運営業

  • 4012 アプリケーション・サービス・コンテンツ・プロバイダ

  • 4013 インターネット利用サポート業

自社でWebサービスやSaaSを運営する会社は、ここに入ることが多いです。SES営業にとっては「Web系のエンド企業」にあたる層です。

SES企業と取引先は、情報通信業のどこに入るか

SES企業は「3911 受託開発ソフトウェア業」が基本です。ただし派遣の売上がいちばん多い会社は、情報通信業ではなく「9121 労働者派遣業」になります。

分かれ目は、エンジニアに仕事の指示を出すのが誰かです。SES(準委任契約)は自社が指示を出すので、ソフトウェアを作る活動として3911に入ります。派遣は客先が指示を出すので、大分類「R サービス業(他に分類されないもの)」に入ります。

SES営業が日々やりとりする相手を当てはめると、次のようになります。

取引先の種類入りやすい分類案件との関わり
SIer・一次請け39 情報サービス業(3911)協力会社として人を出す相手
通信キャリア37 通信業グループのSIer経由で案件が来る
Web・SaaS企業40 インターネット附随サービス業直接取引のエンドになりやすい
放送・出版・広告38 放送業、41 映像・音声・文字情報制作業社内システムの案件のエンド

※ 会社の分類は、その会社の主な事業(売上などが最も大きい活動)で決まります。同じ業界の会社でも、事業の中身によって分類が変わります。

SES事業の業種番号の決め方と、書類への書き方はSES事業の業種は何?書き方と業種番号を3つの場面別に解説で詳しく解説しています。SIerがどんな会社かはSIerとは?読み方・意味とSESとの関係を営業目線で解説で確認できます。SESと派遣の運営上の違いはSES会社は派遣許可を取るべき?判断の目安6つと手順にまとめました。

情報通信業と「職種」の違い

情報通信業は会社の事業の種類(業種)で、職種は働く人の仕事の種類です。情報通信業の会社にも、営業・経理・人事など、ITの技術職ではない人がいます。

情報通信業の会社で働く人職種の例
エンジニアシステムエンジニア、プログラマー、インフラエンジニア
営業SES営業、IT法人営業、技術営業
管理部門経理、人事、総務
制作Webデザイナー、ディレクター、編集者

SES営業の職種は「営業職(IT法人営業)」です。業種は、勤めるSES企業に合わせて「情報通信業」になります。

SES営業の現場での注意点は、スキルシートや案件票の「業種」欄です。エンドの業種(例:金融業)と、SIerの業種(情報通信業)は混ざりがちです。どちらの会社の業種かを必ず書き分けます。

SES営業の現場で「情報通信業」をどう使うか

情報通信業という言葉は、書類の業種欄と業界データを読むときの2つの場面で使います。

場面1:書類の業種欄を書く

取引先登録や口座開設の選択肢に「情報通信業」があれば、SES企業はそれを選びます。自由記入なら「情報通信業(ソフトウェア業)」のように、中身まで書くと伝わります。

SIerの協力会社登録(取引先として登録してもらう手続き)では、業種欄の書き方で事業内容を確かめられます。登録の流れはSIerの協力会社登録の条件と流れ|審査で見られる7項目で解説しています。

書類別の業種欄の記入例

書類選ぶ・書く業種一言そえること
SIerの協力会社登録情報通信業(3911 受託開発ソフトウェア業)準委任・請負の対応可否
銀行の口座開設・融資情報通信業(ソフトウェア業)主な取引先と売上の割合
BPとの基本契約前の会社情報情報通信業派遣許可の有無(許可番号)
補助金・助成金の申請申請様式の業種区分に合わせる日本標準産業分類の番号

場面2:統計や業界データを読む

統計の「情報通信業」の数字には、通信・放送・新聞・出版・広告制作まで含まれることに注意します。SES市場の話に使うなら、「情報サービス業」や「ソフトウェア業」の数字を探します。

総務省統計局の労働力調査では、2025年平均の情報通信業の就業者は302万人です。前年より10万人増えました。

ただし、この302万人は放送や出版で働く人も含む数字です。エンジニアの人数そのものではありません。

情報サービス業にしぼった数字なら、総務省の「サービス産業動態統計調査」を使います。2026年7月(速報)の情報サービス業の売上高は2兆9,453億円で、前年同月より8.2%増えました。増加は52か月連続です(JISAの集計による)。

例文:営業の会話や資料での使い方

  • 取引先登録の電話で:「弊社の業種は情報通信業で、細分類は3911 受託開発ソフトウェア業です。」

  • 提案資料の一文:「情報通信業の就業者は302万人で、前年より10万人増えています。」(出典:総務省 労働力調査 2025年平均。放送・出版を含む)

  • BPへの案件メールの前置き:「情報サービス業の売上は52か月連続で前年を上回っています。人手が足りない案件をご紹介します。」

  • 案件票の確認で:「エンドは金融業、元請けのSIerは情報通信業ですね。業種欄には、どちらの会社の業種かを書き分けます。」

使うときの注意点

  • 「情報通信業=IT業界」と言い切らない:放送・新聞・出版も含むため、IT人材の話なら「情報サービス業」と言いかえます。

  • 業種と職種を混ぜない:「情報通信業の営業」は業種、「IT法人営業」は職種です。

  • 取引先の分類は推測で書かない:相手の会社概要の事業内容を見てから書きます。

統計を読む手順

業界データを営業資料や提案に使うときは、次の順番で確認します。

  1. 分類の段階を確かめる:大分類「情報通信業」か、中分類「情報サービス業」かを見る

  2. 調査の名前と時点を控える:「労働力調査 2025年平均」のように、出典と年を書く

  3. 範囲の違いを言いそえる:放送・出版を含む数字なら、そう書いて誤解を防ぐ

  4. 自社の話につなげる:「IT人材の需要が伸びている」など、提案に必要な一言だけ使う

  5. 古い数字を使い回さない:年に1回は最新の値に入れかえる

SES営業が見ておきたい公的データ

データ出しているところわかること
労働力調査総務省統計局産業別の就業者数(情報通信業)
サービス産業動態統計調査総務省情報サービス業の毎月の売上の動き
経済構造実態調査総務省・経済産業省産業別の売上高や事業所の数

情報サービス業の毎月の売上は、以前は経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」で見ていました。2025年1月分から、総務省の「サービス産業動態統計調査」にまとめられています。

売上の月ごとの動きは、案件の増減を先読みする材料になります。市場の大きさの読み方はSES業界の市場規模と推移|公的データで見る4つのポイントで解説しています。業界の数字をまとめて見るならIT業界の現状と市場動向2026|SES営業が見る4つの数字も役に立ちます。取引先候補の数を数えたいときはSES企業の数は何社?公的統計で見る事業所数とリストの作り方を使ってください。

業種がわかったら、案件と人材の情報を整理する

業種の分類は、取引先の性格をざっくり知るための地図です。実際の営業では、その取引先から「どんな案件が、どんな条件で来ているか」を整理するほうが、提案の速さに直結します。

自分でやる方法

まずはExcelなどで、取引先ごとに次の項目を1行ずつ記録します。

  • 取引先の分類(SIer/通信/Web・SaaS/その他)

  • 商流の位置(エンド、元請け、一次請けなど)

  • 届いた案件の数と、主なスキル

  • 最後に提案した日

分類ごとに並べると、「Web系のエンドからの案件が多い」などの傾向が見えます。

もっと楽にするなら:チョータツ

チョータツは、SES営業の案件・人材の情報を管理・共有できるツールです。3,000社以上が利用していて、無料で始められます。

  • 取引先から届く案件・人材の情報を、1か所で管理・共有できる

  • パートナーへのメール配信機能で、人材や案件の情報をまとめて送れる

  • 他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材をデータベース化できる

  • 入力はAIが手伝う

よくある質問

Q. 情報通信業とは簡単にいうと何ですか?
情報を伝える・処理する・提供する・加工する事業のまとまりです。通信、放送、ソフトウェア、Webサービス、新聞・出版などが入ります。
Q. SES企業は情報通信業ですか?
多くは情報通信業の「3911 受託開発ソフトウェア業」です。ただし派遣の売上がいちばん多い会社は「9121 労働者派遣業」になります。
Q. 情報通信業にはどんな職種がありますか?
エンジニア、営業、Webデザイナー、編集者、管理部門などです。業種は会社の事業、職種は個人の仕事なので、別のものとして考えます。
Q. 情報通信業とIT業界は同じですか?
同じではありません。情報通信業には放送・新聞・出版も入ります。IT業界に近いのは中分類「39 情報サービス業」と「40 インターネット附随サービス業」です。
Q. 取引先の業種番号はどこで調べられますか?
相手の会社概要や決算資料の事業内容から判断します。番号の意味は、総務省の日本標準産業分類や、e-Statの分類検索で確認できます。
Q. SIerの協力会社登録で業種欄はどう書けばいいですか?
選択肢があれば「情報通信業」を選び、自由記入なら「3911 受託開発ソフトウェア業」と番号まで書きます。派遣もしているなら、許可番号をあわせて書くと確認が早く済みます。
Q. 情報通信業の統計を提案資料に使ってもいいですか?
使えます。ただし出典と年を書き、放送・出版を含む数字であることを言いそえましょう。SESの話なら情報サービス業の数字のほうが正確です。

まとめ

  • 情報通信業とは、日本標準産業分類の大分類「G」で、情報の伝達・処理・提供・加工をする事業のまとまり

  • 中分類は37 通信業、38 放送業、39 情報サービス業、40 インターネット附随サービス業、41 映像・音声・文字情報制作業

  • SES企業の多くは3911 受託開発ソフトウェア業。派遣中心なら9121 労働者派遣業

  • 取引先はSIerなら39、通信キャリアなら37、Web・SaaS企業なら40に入りやすい

  • 統計の「情報通信業」は放送・出版も含む。SESの話では情報サービス業の数字を使う

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

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