IT業界の分類とは?5つの業界とIT企業の種類・業種、SESの位置づけ|営業先の分類別一覧つき
公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日
IT業界の分類とは?5つの業界
IT業界は、扱う商品やサービスで5つの業界に分けられます。 ハードウェア・ソフトウェア・情報処理サービス・インターネット/Web・通信の5つです。
IT業界とは、コンピューターやネットワークを使った製品・サービスを作ったり売ったりする会社の集まりのことです。法律で決まった分け方はありませんが、就職情報サイトや業界研究の本では、この5分類がよく使われます。
| 業界 | 何を売るか | 主な会社 |
|---|---|---|
| ハードウェア | パソコン・サーバー・部品などの機器 | 電機メーカー、部品メーカー |
| ソフトウェア | 業務ソフト・アプリ・OSなどのプログラム | パッケージソフト会社、SaaS会社 |
| 情報処理サービス | システムの開発・運用を請け負うサービス | SIer、SES企業、受託開発会社 |
| インターネット/Web | ネット上のサービスや広告 | Webサービス会社、EC、Web制作会社 |
| 通信 | 電話・インターネットの回線 | 通信キャリア、回線事業者 |
1. ハードウェア業界
ハードウェア業界とは、パソコンやサーバー、スマホ、半導体などの機器を作る業界のことです。 形のある製品を作るのが特徴です。
SES営業との関係では、機器の中で動く組込みソフトの開発案件が出ます。車や家電の制御ソフトなど、C言語や組込み経験を求める案件が多い分野です。
2. ソフトウェア業界
ソフトウェア業界とは、業務ソフトやアプリ、OSなどのプログラムを作って売る業界のことです。 最近は、ネット経由で月額で使ってもらうSaaS(サース)の会社が増えています。
自社製品を持つ会社が多いため、案件は自社製品の開発・改修が中心です。社内のエンジニアだけで足りないときに、SESの人材を受け入れます。
3. 情報処理サービス業界
情報処理サービス業界とは、ほかの会社のためにシステムを作ったり、運用したりする業界のことです。 SIer・SES企業・受託開発会社がここに入ります。
SES営業にとって、案件と人材の流れがいちばん多い業界です。多くの案件は、この業界の会社どうしの間で商流として流れていきます。
4. インターネット/Web業界
インターネット/Web業界とは、ネット上でサービスや広告を提供する業界のことです。 ECサイト、SNS、比較サイト、Web広告などの会社が入ります。
自社サービスを速く改善したい会社が多く、Web系の開発案件(React・Go・AWSなど)がよく出ます。エンドと直接つながりやすいのも特徴です。
5. 通信業界
通信業界とは、電話やインターネットの回線を提供する業界のことです。 大手の通信キャリアのほか、回線を借りてサービスを出す会社も入ります。
大手の通信会社はグループ内にSIerを持つことが多く、案件はグループのSIer経由で流れてくるのが一般的です。ネットワークやサーバーのインフラ案件が中心です。
IT企業の業種は?公的な業種分類との対応
公的な業種では、IT企業の多くは「情報通信業」に入り、ハードウェアのメーカーだけが「製造業」に入ります。 公的な業種の分け方は、総務省の日本標準産業分類で決められています。
日本標準産業分類とは、統計を取るときに会社や事業所の業種を分けるための、国の共通ルールのことです。IT業界の5分類との対応は、次のとおりです。
| IT業界の5分類 | 日本標準産業分類 | 番号 |
|---|---|---|
| ハードウェア | 製造業/情報通信機械器具製造業 | 大分類E・中分類30 |
| ソフトウェア | 情報通信業/情報サービス業 | 大分類G・中分類39 |
| 情報処理サービス | 情報通信業/情報サービス業 | 大分類G・中分類39 |
| インターネット/Web | 情報通信業/インターネット附随サービス業 | 大分類G・中分類40 |
| 通信 | 情報通信業/通信業 | 大分類G・中分類37 |
部品を作る会社は、同じ製造業の「電子部品・デバイス・電子回路製造業(中分類28)」に入ります。パソコンやサーバーを作る会社は、中分類30の中の「電子計算機・同附属装置製造業(小分類303)」です。
SES企業の業種は「3911 受託開発ソフトウェア業」が基本
SES企業の業種は、情報サービス業の中の「3911 受託開発ソフトウェア業」が基本です。ただし派遣の売上がいちばん多い会社は、「労働者派遣業」に分類されます。
口座開設や取引先登録で業種を書くときの記入例は、SES事業の業種は何?業種番号3911と書類別の書き方で解説しています。情報通信業の中身は情報通信業とは?産業分類での意味とSES企業の業種の位置がくわしいです。
統計で見る情報通信業の大きさ
総務省統計局の労働力調査によると、2025年平均の情報通信業の就業者は302万人でした。前の年より10万人増えています。
ただし、この数字には放送・新聞・出版で働く人も入ります。IT業界やSESの規模を話すときは、「情報通信業全体の数字」だと断って使いましょう。
IT企業の種類は?稼ぎ方で分ける6タイプ
IT企業の種類は、稼ぎ方で分けると6つです。 SIer・SES企業・受託開発会社・自社開発会社・パッケージ/SaaS会社・ITコンサルです。5分類が「何を売るか」なら、6タイプは「どうやってお金をもらうか」の分け方です。
| 種類 | 稼ぎ方 | 主な契約 | 5分類での位置 |
|---|---|---|---|
| SIer | システムの企画から運用までまとめて受ける | 請負・準委任 | 情報処理サービス |
| SES企業 | エンジニアの技術や作業時間を提供する | 準委任 | 情報処理サービス |
| 受託開発会社 | 決まった成果物を作って納める | 請負 | 情報処理サービス |
| 自社開発会社 | 自社のサービスを作り、利用料や広告で稼ぐ | ― | Web・ソフトウェア |
| パッケージ/SaaS会社 | ソフトを売る、または月額で貸す | 利用契約 | ソフトウェア |
| ITコンサル | IT戦略や導入計画を助言する | 準委任 | 情報処理サービス |
SES(システムエンジニアリングサービス)とは、エンジニアの技術や作業時間を提供する事業のことです。 契約は、成果物の完成を約束しない準委任契約が中心です。
受託開発とは、発注企業から頼まれたシステムを作り、完成させて納める事業のことです。 完成を約束する請負契約が中心で、SESとは責任の範囲が違います。くわしくは受託開発とは?SESとの違いと営業が請負案件を扱う注意点で解説しています。
1つの会社が、複数の種類をかねていることもよくあります。たとえば「SIerとして受けた案件の一部を、SES契約で人を出して進める」会社は珍しくありません。
SIerの分類は?系統で分ける5つ
SIerは、どこから生まれた会社かによって、メーカー系・ユーザー系・独立系・外資系・コンサル系の5つに分けられます。 系統によって、持っている案件の業界や、協力会社の使い方が変わります。
SIerとは、システムの企画・開発・運用をまとめて請け負う会社のことです。 基本はSIerとは?読み方・意味とSESとの関係で解説しています。
| 系統 | 生まれ | 案件の特徴 | SES営業の入り方 |
|---|---|---|---|
| メーカー系 | 電機メーカーの子会社 | 官公庁・大企業の大型案件 | 協力会社として登録し、体制に入る |
| ユーザー系 | 銀行・商社などの子会社 | 親会社グループの社内システム | 親会社の業界知識がある人材を出す |
| 独立系 | 親会社を持たない | いろいろな業界の案件 | BPを多く使うので、直接つながりやすい |
| 外資系 | 海外IT企業の日本法人 | 自社製品の導入・大型案件 | 英語や製品の資格がある人材を出す |
| コンサル系 | コンサル会社から発展 | 上流工程・PMO案件 | PMOや要件定義の経験者を出す |
系統ごとの主な会社は、メーカー系SIer一覧|4系統の違いで確認できます。独立系は独立系SIer一覧とランキングもあわせて見てください。
SESの位置づけ|分類と商流の両方で見る
SESは、5分類では「情報処理サービス」に入り、商流ではSIerの下で人を出す位置にいます。 SESを理解するには、「業界のどこにいるか」と「商流の何番目にいるか」の両方を見るのがコツです。
商流とは、仕事がエンド企業(システムを使う発注元)から、いくつもの会社を通って流れてくる経路のことです。典型的な流れは次のとおりです。
エンド企業(銀行・メーカー・官公庁・Webサービス会社など) └ 元請け(大手SIer・ITコンサル・自社開発会社) └ 二次請け(中堅SIer・受託開発会社) └ 三次請け(SES企業) └ 四次請け(SES企業・個人事業主)
Web系の自社開発会社の案件は、エンドと元請けが同じ会社になることが多いです。そのため、SES企業がエンドから2社目で入れることもあります。
一方、官公庁や金融の大型案件は、元請けの下に何層も入りやすい分野です。エンドと直接契約する元請けの役割は、プライムベンダーとは?元請け・一次請けとの違いと商流での役割で解説しています。SIerとSESの違いはSIerとSESの違い|商流の位置と営業先の見分け方もあわせて読んでください。
営業先となるIT企業の分類別一覧|持っている案件と入り方
SES営業が案件をもらう相手は、分類によって持っている案件と入り方が違います。 次の一覧で、営業先がどの分類にいて、どんな案件を持っているかを確認しましょう。
| 営業先の分類 | 持っている案件 | 商流での位置 | 営業のねらい目 |
|---|---|---|---|
| メーカー系SIer | 官公庁・大企業の基幹システム | 元請け | 協力会社登録。取引まで時間がかかる |
| ユーザー系SIer | 金融・商社など親会社の社内システム | 元請け〜二次 | 業界経験者の提案が通りやすい |
| 独立系・中堅SIer | 幅広い業界の開発・運用 | 二次〜三次 | BPとして付き合いやすく、件数が多い |
| 受託開発会社 | Webシステム・業務アプリの開発 | 二次〜三次 | 請負の一部を準委任で手伝う案件が出る |
| 自社開発会社(Web・SaaS) | 自社サービスの開発・改善 | エンド直 | 単価が高め。スキルの一致が厳しい |
| 通信キャリア系 | ネットワーク・サーバーの構築・運用 | グループSIer経由 | インフラ人材の提案先になる |
| ハードウェアメーカー | 組込み・制御ソフトの開発 | エンド直〜二次 | 組込み経験者を出せる会社に合う |
| ITコンサル | PMO・要件定義 | 元請け | PMO経験者の単価が高く取れる |
一覧のうち、件数が多いのは独立系・中堅SIer、単価が高いのは自社開発会社とITコンサルです。どちらを優先するかは、自社のエンジニアのスキルで決めましょう。メーカー系・ユーザー系に入るときの審査の中身は、SIerの協力会社登録の条件と流れ|審査で見られる7項目で確認できます。
初回の電話・メールで分類を確かめる質問3つ
会社のサイトだけでは分類がわからないときは、初回の連絡で次の3つを聞きます。
御社の案件は、エンド企業と直接ご契約のものが多いですか、SIerさん経由のものが多いですか。
よくご依頼のある業界と工程(例:金融の運用保守、Webの開発)を教えてください。
弊社から出す場合、エンドから数えて何社目の位置になりますか。
答えをそのまま、下のチェックリストの「商流の位置」「よく出る案件」の欄に書き写します。
営業先を分類で分けるメリット
分類で分けると、「この会社には、この人材を出す」という組み合わせが早く決まります。会社名だけのリストより、提案の精度が上がります。
また、分類ごとに商流の深さの目安がわかります。単価の交渉や、提案できるBP人材の範囲を事前に判断できるようになります。
営業先リストを分類で作る5つの手順
営業先リストは、「分類を決める→会社を集める→案件の傾向を記録する」の順で作ります。 次の5つの手順で進めると、1日〜2日で最初の形ができます。
自社のエンジニアのスキルを「開発・インフラ・組込み・PMO」などに分ける
スキルごとに、合う営業先の分類を一覧から選ぶ
分類ごとに、会社名・所在地・公式サイトを20社ずつ集める
各社の案件の傾向(業界・工程・言語)と、商流の位置を記録する
取引が始まった会社から、実際に届いた案件の単価と商流を追記する
会社の集め方や検索のしかたは、SESの開拓リストの作り方|検索コマンドと優良企業の見分け方にまとめています。エンドと直接つながりたい場合は、SESのエンド開拓のやり方|元請け・直案件を取る7ステップも参考になります。
分類を記録するときのチェックリスト
リストの各社について、次の項目を埋めておくと提案がぶれません。
5分類のどれか(ハードウェア・ソフトウェア・情報処理サービス・Web・通信)
稼ぎ方の種類(SIer・SES・受託開発・自社開発など)
SIerなら系統(メーカー系・ユーザー系・独立系・外資系・コンサル系)
よく出る案件の業界と工程(例:金融の運用保守)
商流の位置(エンドから何社目か)
窓口の担当者と、最後に連絡した日
分類ごとの案件をチョータツで一元管理する
分類ごとの営業先から届く案件は、1か所にまとめると見落としが減ります。 案件メールやExcelに情報が散らばると、「独立系SIerから来たインフラ案件」を探すだけで時間がかかるからです。
自分で管理するなら、Excelの案件表に「営業先の分類」「商流の位置」の2列を足すところから始めましょう。取引先や案件が増えて手作業で追いつかなくなったら、ツールに切り替えるのが近道です。
チョータツは、SES営業のための案件・人材の管理・共有ツールです。3,000社以上が利用し、無料で始められます。
案件・人材の管理・共有:案件と人材の情報を、社内でまとめて見られる
他社との連携:連携した会社の営業中案件・営業中人材を、データベースにできる
メール配信:自社の案件・人材を、パートナーへまとめて配信できる
AIが入力を手伝う:案件や人材の登録の手間を減らせる
いろいろな分類の会社と連携すると、業界や工程の違う案件が1つのデータベースに集まります。自社のエンジニアに合う案件を、分類をまたいで探せるようになります。
よくある質問
- Q. IT業界の分類はいくつありますか?
- 一般的には、ハードウェア・ソフトウェア・情報処理サービス・インターネット/Web・通信の5つです。法律で決まった分け方ではないため、4つや6つに分ける資料もあります。
- Q. IT企業の業種は、書類に何と書けばいいですか?
- 多くのIT企業は「情報通信業」です。SES企業なら、細かい分類は「受託開発ソフトウェア業(3911)」が基本です。ハードウェアのメーカーは「製造業」になります。
- Q. IT企業の種類にはどんなものがありますか?
- 稼ぎ方で分けると6つです。SIer・SES企業・受託開発会社・自社開発会社・パッケージ/SaaS会社・ITコンサルです。1社が複数をかねていることもあります。
- Q. SIerの分類にはどんなものがありますか?
- メーカー系・ユーザー系・独立系・外資系・コンサル系の5つです。親会社や生まれによって分けます。
- Q. SESはIT業界のどの分類に入りますか?
- 5分類では情報処理サービス業界に入ります。公的な業種では、情報通信業の「受託開発ソフトウェア業」が基本です。
- Q. SES営業は、どの分類の会社から営業すればいいですか?
- 件数を増やしたいなら、BPを多く使う独立系・中堅SIerから始めるのがおすすめです。単価を上げたいなら、自社開発会社やITコンサルもリストに入れましょう。
まとめ
IT業界は、ハードウェア・ソフトウェア・情報処理サービス・インターネット/Web・通信の5つに分けるのが一般的
公的な業種では、ハードウェアは製造業、残りの4つは情報通信業に入る
稼ぎ方で分けると、SIer・SES・受託開発・自社開発・パッケージ/SaaS・ITコンサルの6タイプ
SIerは、メーカー系・ユーザー系・独立系・外資系・コンサル系の5つに分かれる
SESは情報処理サービスに入り、商流ではSIerの下で人を出す位置にいる
営業先リストは分類で分け、持っている案件と商流の位置を記録する
運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日
参考資料(2026年9月30日確認)
総務省「日本標準産業分類(令和5年7月告示)」
総務省「日本標準産業分類 分類項目表(PDF)」(大分類E 製造業の中分類28・30、大分類G 情報通信業の中分類37〜41)
総務省統計局「労働力調査(基本集計)2025年(令和7年)平均結果の要約(PDF)」(情報通信業の就業者302万人、前年比10万人増)
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