SESのBP営業のやり方|挨拶から初取引までの6ステップと、段階別のメール例文・期間の目安
公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日
SESのBP営業とは?
BP営業とは、案件や人材を紹介し合う取引先(BP)を新しく増やし、取引を始めるための営業のことです。BPはビジネスパートナーの略で、同じSES業界の会社が相手になります。
エンド(システムを使う発注元の会社)に向けた営業とは、相手と目的が違います。エンド営業は「仕事をもらう」営業です。BP営業は「案件と人材を交換し合う仲間をつくる」営業です。
| 比べる点 | エンド営業 | BP営業 |
|---|---|---|
| 相手 | システムを使う会社・元請け | ほかのSES企業・SIer |
| 目的 | 案件をもらう | 案件と人材を紹介し合う |
| 関係 | 発注する側とされる側 | 対等に近い |
| 決まるまで | 半年以上かかることも多い | 2〜4か月が目安 |
BP営業は、「今すぐ入れる人材」「今すぐ出せる案件」がある会社ほど早く決まります。自社の空き状況を整理してから始めるのが基本です。
用語の違いはSESのプロパーとBPの違い|営業が使い分ける意味と提案時の注意点で確認できます。
挨拶から初取引までの6ステップと期間の目安
BP営業は6ステップで進み、初回連絡から初成約まで2〜4か月が目安です。期間は、自社と相手の案件・人材の合い方で大きく変わります。
| ステップ | やること | 期間の目安 |
|---|---|---|
| ① リスト化 | 連絡する会社を選び、表にまとめる | 1〜2週間 |
| ② 初回連絡 | メールやフォームで挨拶する | 返信まで1〜2週間 |
| ③ 情報交換 | 30分ほど話し、得意分野を知り合う | 返信から1〜3週間 |
| ④ 相互共有 | 案件・人材の情報を送り合う | 1〜2か月 |
| ⑤ 口座開設 | 取引開始の審査と契約書の締結 | 1〜4週間 |
| ⑥ 初成約 | 面談を経て、最初の1件が決まる | 提案から2〜4週間 |
※期間は、SES営業の一般的な進み方をもとにした編集部の目安です。公的な統計ではありません。
口座開設とは、取引先として相手の社内に登録してもらう手続きのことです。会社の審査や契約書の締結が含まれます。④と⑤は、同時に進むこともあります。
ステップ1:連絡する会社をリスト化する
最初にやることは、「どんなBPがほしいか」を決めてから、連絡先を30〜50社ほど表にまとめることです。やみくもに連絡するより、返事の来る割合が上がります。
リストに入れる項目
会社名と法人番号
所在地(東京・大阪など)
得意な分野(開発・インフラ・PMOなど)
案件が多いか、人材が多いか
商流の位置(元請けに近いか)
連絡先(募集ページ・フォーム・担当者のメール)
見つけた場所(募集ページ・交流会・紹介など)
連絡した日と返事の有無
商流とは、仕事がエンドから、いくつもの会社を通って流れてくる経路のことです。自社より上の会社からは案件が、同じ位置の会社からは人材が届きやすくなります。
会社が実在するかは、国税庁の法人番号公表サイトで無料で確認できます。連絡先の探し方はSESパートナー募集企業の一覧と探し方7選|BP開拓のコツで詳しく解説しています。
逆に、相手から連絡をもらう入口も作っておくと効率が上がります。自社サイトの受け皿はSESのパートナー募集ページの作り方|載せる12項目とフォーム例を参考にしてください。
ステップ2:初回連絡で挨拶する
初回連絡では、「自社の強み」と「今ほしいもの」を具体的に短く伝えます。相手が「自社と組むと何が得か」をすぐ判断できる文面が、返事をもらうコツです。
初回連絡のメール例文
件名:SES事業での情報交換のお願い(株式会社△△) 株式会社〇〇 パートナー営業ご担当者様 はじめまして。株式会社△△の□□と申します。 貴社のビジネスパートナー募集ページを拝見し、ご連絡いたしました。 弊社は東京で、Java・AWSの開発案件を中心にSES事業を行っています。 ・自社エンジニア:15名(Java・インフラ中心) ・案件:金融・流通系の開発案件を常時10件ほど保有 現在、次の人材・案件を探しております。 ・Java経験3年以上の方(東京・週3日リモート可) ・AWSのインフラ構築案件 まずは30分ほど、オンラインで情報交換の時間をいただけないでしょうか。 10月6日(火)〜9日(金)の日中でしたら、ご都合に合わせます。 株式会社△△ 営業部 □□ 東京都〇〇区〇〇 1-2-3 TEL:03-XXXX-XXXX ※今後のご案内が不要の場合は、このメールにその旨ご返信ください。
返事がないときの再連絡(1回だけ)
件名:Re: SES事業での情報交換のお願い(株式会社△△) 株式会社〇〇 ご担当者様 先日ご連絡した株式会社△△の□□です。 お忙しいところ恐れ入ります。 今週、Java経験5年・10月中旬から参画できるエンジニアが1名空きます。 貴社の案件で合うものがあれば、ぜひご紹介させてください。 ご興味がなければ、このメールへのご返信は不要です。 株式会社△△ 営業部 □□ 東京都〇〇区〇〇 1-2-3 TEL:03-XXXX-XXXX ※今後のご案内が不要の場合は、このメールにその旨ご返信ください。
再連絡は、最初の連絡から5〜7営業日後に1回までにします。再連絡には、新しい具体的な情報(空く人材や新しい案件)を1つ入れると返事が来やすくなります。
送る前に守る法律のルール
特定電子メール法とは、広告・宣伝のメールの送り方を決めた法律のことです。BP営業の挨拶メールも、自社の宣伝を含むと対象になりえます。
原則は、相手の同意がなければ宣伝メールは送れません。ただし、ホームページでメールアドレスを公表している会社には送れる例外があります。一方で、アドレスの近くに「営業メールお断り」などの表示があるときは送れません。
送るメールには、送信者の名前・住所・受信拒否の連絡先などを表示します。例文の最後に署名と「ご案内が不要の場合」の一文を入れているのは、そのためです。
ステップ3:情報交換で得意分野を知り合う
情報交換とは、取引を始める前に、お互いの得意分野や今の案件・人材を話し合う打ち合わせのことです。オンラインで30分ほどが一般的です。
情報交換で聞くことは、次の5つに絞ると時間内に収まります。
得意な分野と、よく出る案件・人材の種類
商流の位置(元請けとの取引があるか)
今すぐ空く人材、今すぐ埋めたい案件
情報の受け取り方(配信メール・個別連絡など)
取引開始の手続き(口座開設に必要な書類)
聞く質問をもっと知りたい方は、SESの情報交換のやり方|初回面談で聞く質問15と次につなげるコツを参考にしてください。自社の説明に使う資料は、SESの会社紹介資料の作り方|BP・エンド向けの構成10枚で作れます。
情報交換のお礼メール例文(当日中に送る)
件名:本日の情報交換のお礼(株式会社△△ □□) 株式会社〇〇 ◇◇様 本日はお時間をいただき、ありがとうございました。 貴社がインフラ運用の案件に強いと伺い、大変参考になりました。 さっそくですが、お話に出た条件に近い人材が1名おります。 ・インフラ運用保守 4年(Linux・AWS) ・11月2日(月)から参画可能、東京・週2日リモート希望 スキルシートは、本人の同意を得たうえで、秘密保持契約の締結後にお送りします。 今後は弊社の人材情報を毎週月曜日にお送りしてもよろしいでしょうか。
ステップ4:案件・人材を相互に共有する
情報交換の後は、面談の翌営業日までに、相手に合う案件か人材を1件送ります。ここで何も送らないと、関係はそこで止まります。
相互共有とは、自社の案件・人材の情報を相手に送り、相手からも受け取る状態をつくることです。「配信リストに入れてもらう」「こちらの配信リストに入れる」の両方を行います。
共有するときの3つのルール
合うものだけを送る:情報交換で聞いた相手の得意分野に合わせて選ぶ
条件をそろえて書く:単価・場所・開始日・商流の条件を毎回同じ順番で書く
人材情報は同意とNDAのあとに送る:スキルシートには個人情報が含まれる
NDA(秘密保持契約)とは、受け取った情報をほかに漏らさないと約束する契約のことです。エンジニアのスキルシートを他社に渡すときは、原則として本人の同意が必要です(個人情報保護法第27条)。
NDAの条項はSESの秘密保持契約(NDA)ひな形|BPと結ぶ条項と注意点8つで確認できます。
案件を紹介するメール例文
件名:【案件】AWS構築/東京・週3リモート/11月〜(株式会社△△) ◇◇様 いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。 貴社のインフラ人材に合いそうな案件がありましたので、ご紹介します。 ・内容:AWSを使った社内システムの基盤構築 ・場所:東京都港区(週3日リモート) ・期間:2026年11月〜長期 ・単価:スキル見合い(〜75万円) ・精算:140〜180時間 ・商流:弊社は元請けから直接受けています。貴社社員またはその1社先までとさせてください 合う方がいらっしゃれば、10月14日(水)までにご連絡いただけると幸いです。
ステップ5:口座開設で取引の準備をする
口座開設では、相手の会社の審査を受け、基本契約書とNDAを結びます。審査には1〜4週間かかることがあるので、提案が決まる前に始めておくのが安全です。
基本契約書とは、取引全体で共通するルール(支払い・解約・秘密保持など)をまとめた契約書のことです。案件ごとの条件は、個別契約書や注文書で決めます。
先にそろえておく書類
| 書類 | 内容 | 用意するもの |
|---|---|---|
| 会社概要 | 社名・所在地・設立年・従業員数 | 自社の会社案内 |
| 登記の証明書 | 会社の正式な登録内容 | 履歴事項全部証明書 |
| 取引開始の申請書 | 相手が指定する登録用紙 | 相手のひな形に記入 |
| 基本契約書・NDA | 取引のルールと秘密保持 | どちらのひな形を使うか決める |
相手側でも、会社の実在や反社会的勢力との関係がないかを確認します。自社からも同じ確認をしておきましょう。必要書類の全体はSESの取引開始の審査と必要書類|口座開設で求められる8点一覧にまとめています。
口座開設を依頼するメール例文
件名:お取引開始のお手続きについて(株式会社△△) ◇◇様 いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。 今後の人材ご紹介に向けて、お取引開始のお手続きを進めさせてください。 弊社からは、会社概要・履歴事項全部証明書をお送りできます。 貴社で必要な書類と、基本契約書・秘密保持契約のひな形をお教えいただけますか。 10月22日(木)までに書類をそろえられるよう準備いたします。
ステップ6:初成約までつなげる
最初の1件は、条件を少し広げてでも早く決めることを優先します。1件決まると相手の社内で「取引実績のある会社」になり、その後の情報が優先して届きやすくなります。
初成約までの流れは次のとおりです。
案件と人材が合ったら、スキルシートを送って提案する
客先との面談の日程を調整する
面談の結果を受けて、単価・開始日・精算幅を確定する
個別契約書または注文書・注文請書を取り交わす
エンジニアの参画初日に、双方の担当者に連絡を入れる
精算幅とは、月の稼働時間の上限と下限のことです(例:140〜180時間)。この幅を外れると、単価が増減します。
初成約の後のお礼メール例文
件名:初めてのお取引のお礼(株式会社△△) ◇◇様 このたびは、弊社の◇◇(エンジニア)の参画を決めていただき、 ありがとうございました。 11月2日(月)の参画初日は、弊社からも朝に本人へ連絡を入れます。 今後も貴社の案件に合う人材を、毎週月曜日にお送りします。 引き続きよろしくお願いいたします。
初成約までの面談は、営業が同席して段取りを握ると通過しやすくなります。
初取引の前に止まりやすい段階と対策
BP営業が止まりやすいのは、「初回連絡」「情報交換のあと」「口座開設」「提案の合わなさ」の4か所です。原因と対策を表にまとめました。
| 止まる段階 | よくある原因 | 対策 |
|---|---|---|
| ② 初回連絡 | 文面が一般的で、組むメリットが伝わらない | 空く人材・持つ案件を数字で書く |
| ③→④ 情報交換のあと | お礼だけで、次の情報を送らない | 翌営業日までに案件か人材を1件送る |
| ⑤ 口座開設 | 書類がそろわず、審査が進まない | 会社概要と証明書を先に用意する |
| ④→⑥ 提案の段階 | 相手の得意分野と合わない情報を送る | 情報交換で聞いた分野に絞って送る |
いちばん多いのは、③から④に進めないケースです。情報交換で盛り上がっても、その後に具体的な情報が届かなければ、相手はすぐに忘れてしまいます。
数字で見る目安(計算例)
仮に、次の割合で進むとします。
100社に初回連絡する
返事が来るのが15社(15%)
情報交換できるのが10社
共有が続くのが6社
口座開設まで進むのが3社
初成約が1社
この例では、100社に連絡して初取引が1社です。月に1社の新規BPと取引を始めたいなら、毎月100社への連絡が必要になります。自社の実際の数字を記録すると、どの段階を直すべきかがわかります。
初取引のあとに長く続けるための連絡頻度は、SESのBPとの関係構築|継続取引につながる7つの習慣と連絡頻度で解説しています。
チョータツで相手探しと共有の手間を減らす
BP営業のうち、「①リスト化」と「④相互共有」は、チョータツを使うと手間を減らせます。どちらも、1社ずつ手作業でやると時間がかかる段階です。
| ステップ | 自分でやる場合 | チョータツを使う場合 |
|---|---|---|
| ① リスト化・② 初回連絡 | 募集ページや交流会で1社ずつ探す | チョータツブーストで新しいパートナーを開拓 |
| ④ 相手の案件・人材を知る | 届いたメールを読み、Excelに転記 | 連携すると、相手の営業中案件・営業中人材がデータベースになる |
| ④ 自社の情報を届ける | BCCでメールを一斉送信 | メール配信機能でパートナーに配信 |
| 情報の入力 | 手作業で1件ずつ | AIが入力を手伝う |
チョータツブーストとは、SES営業ツール「チョータツ」の中で、新しいパートナー企業を開拓できる機能のことです。チョータツは3,000社以上が使っています。
止まりやすい「情報交換のあと」も、連携しておけば相手の営業中案件・人材を自社のデータベースとして見られます。送る情報を探す時間が減り、翌営業日までに1件送る習慣をつくりやすくなります。
こんな会社に向いています
BP営業の相手探しに時間がかかっている
情報交換をしても、その後の取引が続かない
BPから届く案件・人材の情報がメールに埋もれている
よくある質問
- Q. SESのパートナー営業は、何から始めればいいですか?
- 自社の「今空く人材」と「埋めたい案件」を書き出すことから始めます。そのうえで、合いそうな会社を30〜50社リスト化し、1社ずつ連絡します。
- Q. SESのBPと新規取引を始める流れはどうなりますか?
- 初回連絡、情報交換、案件・人材の相互共有、口座開設、初成約の順です。口座開設では基本契約書とNDAを結びます。全体で2〜4か月が目安です。
- Q. BP営業のメールは、いきなり送っても問題ないですか?
- ホームページでアドレスを公表している会社には送れる例外があります。ただし「営業メールお断り」の表示があれば送れません。送信者名や受信拒否の連絡先も表示します。
- Q. 情報交換のあと、どのくらいの頻度で連絡すればいいですか?
- 最初の1か月は週1回、案件か人材の具体的な情報を送るのが目安です。お礼や挨拶だけの連絡は続けないようにします。
- Q. 口座開設の前に人材を提案してもいいですか?
- 案件情報の紹介は先に進めてかまいません。ただしスキルシートを渡すのは、本人の同意とNDAの締結のあとにします。
- Q. BPが見つからないときは、フリーランスに直接声をかけてもいいですか?
- 方法の1つです。DrivenXのxhoursなら、数千名のフリーランスのデータベースから探し、直接スカウトを送れます。
まとめ
BP営業は、リスト化・初回連絡・情報交換・相互共有・口座開設・初成約の6ステップ
初回連絡から初成約までは2〜4か月が目安
初回連絡は「自社の強み」と「今ほしいもの」を数字で短く書く
宣伝を含むメールは特定電子メール法に注意し、送信者名や受信拒否の連絡先を入れる
いちばん止まりやすいのは情報交換のあと。翌営業日までに案件か人材を1件送る
口座開設の書類は先にそろえ、スキルシートは本人の同意とNDAのあとに送る
相手探しと共有は、チョータツブーストとチョータツの連携で手間を減らせる
運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日
参考資料(2026年9月30日確認)
国税庁「法人番号公表サイト」
e-Gov法令検索「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」(第3条 送信の制限、第4条 表示義務)
総務省・消費者庁「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」
一般財団法人日本データ通信協会 迷惑メール相談センター「特定電子メール法」(オプトイン規制の例外と表示義務)
e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」(第27条 第三者提供の制限)