SESの会社紹介資料の作り方|BP向け・エンド向けで変える構成10枚と、得意領域・商流実績の見せ方、載せてはいけない情報

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

SESの会社紹介資料とは?商談のどこで使うか

SESの会社紹介資料とは、自社の得意な技術・人数・取引の実績などを、初めて会う相手に説明するための資料のことです。PowerPointなどのスライドで作り、PDFで送る会社が多いです。

使う場面は、主に次の4つです。

場面相手資料の役割
BPとの情報交換他のSES企業案件・人材を回し合える相手かを判断してもらう
エンド・元請けへの初回訪問発注する会社案件を任せられる会社かを判断してもらう
取引開始の審査購買・法務の担当会社の基本情報を確認してもらう
アポ取りメールまだ会っていない相手会ってみる価値があるかを判断してもらう

BPとは、ビジネスパートナーの略で、案件や人材を紹介し合う取引先の会社のことです。エンドとは、システムを実際に使う発注元の会社のことです。

初回商談から契約までの流れはSESの商談の進め方|初回から契約までのフェーズと所要時間で解説しています。

BP向けとエンド向けで、見られるところが違う

会社紹介資料は、BP向けとエンド向けで見られるところが違います。同じ資料を使い回すと、どちらにも響かない資料になります。

見られることBP向けエンド・元請け向け
一番知りたいこと案件・人材を回し合えるか任せて安心か
重視する数字営業中の人材数、案件の数、商流の位置社員数、稼働中の人数、取引年数
刺さる内容得意な職種・単価帯、連絡の速さ得意な業務領域、体制、品質の管理
気にする点商流制限・所属の扱い情報管理・契約の守り方

商流とは、エンドから自社までに何社が間に入っているかという、取引のつながりのことです。

BPとの情報交換の進め方はSESの情報交換のやり方|初回面談で聞く質問15と次につなげるコツで紹介しています。エンドへの営業はSESのエンド開拓のやり方|元請け・直案件を取る7ステップがくわしいです。

会社紹介資料の構成10枚(BP向け・エンド向け)

構成は、前半5枚を共通にし、後半5枚をBP向けとエンド向けで差し替えると作りやすくなります。10枚の目次は次のとおりです。

枚目共通・BP向けエンド・元請け向け
1表紙:会社名と「一言で何の会社か」同じ
2会社概要(設立・資本金・社員数・所在地)同じ
3得意領域(職種・技術・業界)同じ
4数字で見る自社(稼働人数・取引社数など)同じ
5代表・営業担当の紹介同じ
6営業中の人材の傾向(職種・経験年数・単価帯)支援の実績(業界・工程・期間)
7案件の傾向(商流の位置・エリア・単価帯)体制の組み方(リーダー+メンバー)
8取引の条件(支払いサイト・商流制限の考え方)品質・勤怠の管理のしかた
9連絡の方法とスピード(返信の目安)情報管理(Pマーク・ISMS・教育)
10一緒にやりたいこと・連絡先相談できること・連絡先

支払いサイトとは、稼働した月の締め日から実際に代金が支払われるまでの期間のことです(例:月末締め翌月末払い)。

1枚目は「一言」で決まる

1枚目には、会社名だけでなく「何が得意な会社か」を一言で書きます。相手は最初の数秒で、話を聞くかを決めるからです。

よくない例よい例
お客様のDXを幅広くご支援しますJava・AWSの開発エンジニア40名、金融系の保守が得意です
ITソリューションカンパニー東京・大阪のインフラ案件に、週1回まとめて要員をご提案します

得意領域・稼働人数・商流実績の見せ方

得意領域・稼働人数・商流の実績は、数字と範囲で書きます。「多数」「幅広く」と書くと、他社との違いが伝わりません。

得意領域は3つまでに絞る

得意領域は、職種・技術・業界のそれぞれで上位3つまでに絞ります。全部書くと、何も得意でないように見えます。

【得意な職種】Javaの開発(詳細設計〜テスト)、AWSの設計・構築、PMO
【得意な業界】金融(銀行・保険)、製造
【エリア】東京23区、リモート

稼働人数は「内訳」と「時点」を書く

稼働人数は、社員とBPの内訳と、いつ時点の数字かを書きます。

稼働中のエンジニア:52名(社員38名・BP14名)※2026年9月時点

社員とBPを合わせた数だけ書くと、あとで内訳を聞かれたときに信頼を失います。プロパー(自社の社員)とBPの違いはSESのプロパーとBPの違い|営業が使い分ける意味と提案時の注意点で解説しています。

商流の実績は「割合」で書く

商流の実績は、取引先の名前ではなく位置の割合で書きます。

商流の割合:エンド直 15%、元請けSIerから 55%、二次請けから 30%(2026年9月の稼働人数ベース)

自社の強みの切り口はSES営業の差別化戦略|選ばれる会社になる5つの切り口と伝え方も参考にしてください。

会社紹介資料に載せてはいけない情報

会社紹介資料は、PDFで社外に転送されることを前提に作ります。次の4つは載せません。

  1. 要員の氏名・顔写真・年齢:個人データを他社に渡す「第三者提供」には、原則として本人の同意が必要です(個人情報保護法第27条第1項)。会社紹介資料にも個人がわかる情報は載せません。

  2. 許可をもらっていない取引先名・ロゴ:客先との秘密保持の約束で、取引の事実を外に出せないことがあります。載せるなら、取引先の書面での許可を取ります。

  3. 客先の案件内容:「〇〇銀行の勘定系の更改」のように、案件が特定できる書き方は避けます。「大手銀行の基幹系の保守」くらいにとどめます。

  4. 確かめていない数字:「業界トップクラス」「定着率99%」など、根拠を示せない数字は載せません。

取引先名を出せない代わりに、業界・工程・期間・人数で実績を書くと、十分に伝わります。

【実績の書き方の例】大手損害保険会社の保険金支払システムの保守(Java、5名、2023年〜継続中)

スキルシートの個人情報の扱いはスキルシートの個人情報と第三者提供の同意|SES提案で守る手順と文例でくわしく解説しています。

メールに添える「1枚版」の作り方

10枚の資料とは別に、アポ取りや情報交換の依頼メールに添える1枚版を作っておきます。1枚版は、会ってみる価値があるかを判断してもらうための資料です。

1枚版に入れるのは次の6項目です。

  1. 会社名と「一言で何の会社か」

  2. 得意な職種・技術(3つまで)

  3. 稼働人数(社員・BPの内訳と時点)

  4. 商流の位置(エンド直・元請けからの割合)

  5. 一緒にやりたいこと(例:「インフラ案件の要員を毎週ご提案できます」)

  6. 担当者名・連絡先

1枚版を送るときのメール例文です。

件名:【情報交換のお願い】Java・AWS案件の要員を毎週ご提案できます(株式会社□□)

〇〇株式会社 △△様

はじめてご連絡いたします。株式会社□□の××です。
弊社は、Java開発とAWS構築のエンジニア52名(社員38名・BP14名)が稼働しているSES企業です。
御社の募集案件を拝見し、弊社の要員とお役に立てる領域があると考え、ご連絡しました。

会社の概要を1枚にまとめた資料を添付いたします。
30分ほど、オンラインで情報交換のお時間をいただけないでしょうか。

資料を作る前のチェックリスト

資料を作る前と、送る前に、次の10項目を確認します。

  • 1枚目に「何が得意な会社か」を一言で書いた

  • 得意領域を3つまでに絞った

  • 稼働人数に、社員とBPの内訳と「いつ時点か」を書いた

  • 商流の実績を、取引先名ではなく割合で書いた

  • BP向けとエンド向けで、後半の5枚を差し替えた

  • 要員の氏名・写真・年齢を載せていない

  • 取引先名・ロゴは、書面で許可をもらったものだけにした

  • 案件が特定できる書き方をしていない

  • 根拠のない「No.1」「トップクラス」を書いていない

  • 1枚版を作り、PDFのファイル名に会社名と日付を入れた

取引開始の審査で求められる書類はSESの取引開始の審査と必要書類|口座開設で求められる8点一覧で一覧にしています。会社紹介資料とあわせて準備しておくと、審査が早く進みます。

資料を見せる相手を増やし、数字を最新に保つ

会社紹介資料は、作ったあとの見せる相手を増やすことと、稼働人数などの数字を最新に保つことが大切です。

自分でやる方法

  1. 交流会や問い合わせフォームで、情報交換の相手を探す

  2. 1枚版をアポ取りメールに添えて送る

  3. 月に1回、稼働人数・営業中の人材・案件の傾向をExcelで集計し、資料の数字を直す

もっと楽にするなら

チョータツブーストとは、チョータツの中で新しいパートナー企業を開拓できる機能のことです。会社紹介資料を見せる相手を探す入り口として使えます。

チョータツとは、SES営業の案件・人材の情報を管理・共有するツールのことです。3,000社以上が利用し、無料で始められます。

やること自分でやる場合チョータツ・チョータツブーストを使う場合
情報交換の相手を探す交流会・フォーム営業チョータツブーストで新しいパートナー企業を開拓できる
資料の数字を集計する担当者ごとのExcelを集める案件・人材の情報を1か所で管理・共有できる
つながったBPと案件を回すメールを1社ずつ送る連携すると他社の営業中案件・人材がデータベースになる

よくある質問

Q. SESの会社紹介資料は何枚が適切ですか?
10枚前後がおすすめです。初回商談の説明は5〜10分に収まり、相手が社内に回しやすい量です。メール用には1枚版を別に作ります。
Q. 会社紹介資料に取引先の名前を載せてもよいですか?
取引先から書面で許可をもらったものだけにします。許可がない場合は、「大手銀行」「製造業のユーザー系SIer」など、業界と規模で書きます。
Q. BP向けとエンド向けで資料を分けるべきですか?
分けるのがおすすめです。前半5枚(表紙・概要・得意領域・数字・担当者)は共通にし、後半5枚だけを差し替えると手間が少なくなります。
Q. 社員数が少ない会社はどう見せればよいですか?
人数ではなく、得意領域の絞り込みと連絡の速さで見せます。「インフラの要員を毎週ご提案」「返信は当日中」など、行動で約束できることを書きます。
Q. 会社紹介資料にPマークやISMSの記載は必要ですか?
取得していれば必ず載せます。Pマークとは個人情報を適切に扱う会社を認める制度、ISMSとは情報セキュリティの管理の仕組みを認証する制度のことです。エンドの審査で確認されることが多い項目です。

まとめ

  • 会社紹介資料は10枚前後で、1枚目で「何が得意な会社か」を一言で言い切る

  • BP向けは「回し合えるか」、エンド向けは「任せて安心か」を見られるため、後半5枚を差し替える

  • 得意領域は3つまで、稼働人数は内訳と時点、商流は割合で書く

  • 要員の個人情報、許可のない取引先名、案件が特定できる内容、根拠のない数字は載せない

  • メールに添える1枚版も作り、情報交換のアポ取りに使う

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

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