SESの案件が増える時期はいつ?4月・10月開始に向けた月別の動きと、閑散期にやるBP開拓の営業カレンダー

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

SESの案件が増える時期は「4月」と「10月」の前

SESの案件が増える時期は、4月開始の案件が出る1〜3月と、10月開始の案件が出る7〜9月の2つです。どちらも、客先の会社で「期」が切り替わる前にあたります。

繁忙期とは、案件や提案の依頼が集中し、営業が最も忙しくなる時期のことです。反対に閑散期とは、新しい案件が出にくく、動きが落ち着く時期のことです。

SESの繁忙期は、案件の「開始月」ではなく「開始の前の月」に来ます。4月1日に現場に入る人は、面談や契約を3月までに済ませる必要があるからです。

開始月案件が出始める時期提案・面談が集中する時期
4月開始1月中旬〜2月2月〜3月上旬
10月開始7月〜8月上旬8月下旬〜9月上旬
7月・1月開始開始の2か月前開始の1か月前

※ 時期は、営業現場での一般的な目安です。客先の業界や会社の決算月によって前後します。

案件が増える理由は「期初・予算・契約更新」の3つ

案件が特定の時期に増えるのは、期初(年度の始まり)、予算の確定、契約更新の区切りの3つが重なるからです。この3つを理解すると、客先ごとの山の時期を読めるようになります。

理由1:4月を期初にする会社が多い

期初とは、会社の会計年度(1年の区切り)が始まる最初の月のことです。日本では4月を期初、3月を期末にする会社が多くあります。

東京証券取引所の調査では、2026年3月期決算の東証内国上場会社は2,168社でした。3月決算の会社は、4月から新しい計画と予算でシステム開発を始めます。

理由2:国や自治体の年度も4月に始まる

国の会計年度は、法律で4月1日から翌年3月31日までと決まっています(財政法第11条)。都道府県や市町村も同じです(地方自治法第208条)。

国の予算は、前の年度の1月中に国会へ提出するのが常例とされています(財政法第27条)。官公庁向けのシステム案件や、その周りのSIerの案件も、4月開始に向けて動きます。

理由3:下期の10月にも予算の区切りがある

上期とは会計年度の前半6か月、下期とは後半6か月のことです。3月決算の会社では、10月が下期の始まりです。

多くの会社は上期の結果を見て、下期の予算や計画を見直します。追加の開発や、止まっていた計画の再開が決まり、10月開始の案件が増えます。

理由4:契約更新が「3か月ごと」に区切られている

契約更新とは、SESの契約期間が終わるときに、同じ条件で続けるかを決めることです。SESの個別契約は、1か月・3か月・6か月ごとの更新がよくあります。

3か月更新の契約は、3月末・6月末・9月末・12月末に区切りが来ることが多いです。区切りの前には「続ける人」と「入れ替える人」が決まり、そこに新しい案件が生まれます。

→ 契約更新が決まる時期の詳しい解説はSESの契約更新はいつ決まる?通知時期と更新しない時の4手順をご覧ください。

SESの案件の月別の動き一覧(1月〜12月)

SESの案件の動きを月別に並べると、1〜3月と7〜9月が山、4〜5月・8月中旬・12月下旬が谷になります。営業は、山の月に提案し、谷の月に仕込みをします。

月案件の動き起きやすいこと営業の重点
1月増え始める年明けに4月開始の相談が出る3月末で空く要員の確認
2月多い4月開始の提案・面談が集中提案の数とスピード
3月多い(前半)駆け込みの決定、期末の終了待機を出さない調整
4月落ち着く参画直後、客先は新体制参画のフォロー
5月少なめ連休で決定が遅れるBP開拓・情報交換
6月普通7月開始と下期の準備9月末で空く要員の確認
7月増え始める10月開始の相談が出る提案の準備
8月多い(前後)お盆で一時的に止まるお盆前後に提案を寄せる
9月多い(前半)10月開始の面談・決定待機を出さない調整
10月落ち着く下期の体制がスタート参画のフォロー
11月普通年明けと4月の計画が始まるBP開拓・休眠顧客への連絡
12月少なめ年末で決定が年明けに回る3月末満了の洗い出し

この表は、3月決算の会社を客先に多く持つSES企業を想定しています。12月決算の会社が多い場合は、1月が期初です。山が約3か月早まり、10〜12月に来やすくなります。

SESの案件が少ない時期は「連休前後」と「期が始まった直後」

SESの案件が少なくなりやすいのは、4月中旬〜5月の連休前後、8月のお盆、12月下旬〜1月上旬です。客先の決裁者(最終的に決める人)が休み、面談や決定が延びるためです。

期が始まった直後の4月と10月も、新しい案件は少なめです。客先は新しい体制を回すことが優先で、追加の募集は様子を見てから出すためです。

少ない時期でも、案件がゼロになるわけではありません。急な欠員の補充や、スポット(短期)の依頼は一年中出ます。閑散期は「提案の数」を追うより、次の山に向けた仕込みに時間を使うのがおすすめです。

4月・10月開始の案件はいつから動く?逆算の手順

4月・10月開始の案件は、開始の3〜4か月前から準備を始め、2か月前に提案、1か月前に決定という流れで動きます。4月開始なら前年12月、10月開始なら6〜7月が準備の始まりです。

ここでは、2027年4月1日(木)開始を例に、営業がやることを順番に並べます。

  1. 2026年12月1日(火)ごろ:2027年3月末で契約が満了する自社要員とBP要員を一覧にする

  2. 2026年12月中:客先に次の期の体制や増員の予定を聞く。年内に聞いておくと、年明けの動きが早くなる

  3. 2027年1月12日(火)ごろ:年始の挨拶とあわせて、4月から空く要員の情報をBPへ共有する

  4. 2027年2月1日(月)ごろ:客先に更新の意向を確認する。返事の期限を日付で伝える

  5. 2027年2月中旬〜3月上旬:4月開始の案件に提案し、面談を組む

  6. 2027年3月上旬〜中旬:参画先を決め、契約書と注文書を交わす

  7. 2027年3月31日(水):満了の現場を終え、翌日から新しい現場に入る

10月開始の場合は、同じ手順を半年ずらします。6月に9月末満了の要員を一覧にし、7月に客先へ聞き、8月下旬〜9月上旬に面談を組みます。お盆の週は決定が止まりやすいので、提案はお盆の前に出しておきます。

→ 3月末に待機を出さない手順:SESの3月末の契約終了対策|年度末に待機を出さない営業の7手順

自社の山と谷は「契約満了月の一覧」でわかる

世の中の繁忙期とは別に、自社の山と谷は、稼働中の要員の契約満了月を並べるとわかります。満了が集中する月の1〜2か月前が、自社にとっての繁忙期です。

作り方は簡単です。Excelなどの表に、要員ごとの「現場」「契約期間」「更新の単位」「次の満了日」を書き、満了月ごとに人数を数えます。

満了月満了する人数うち更新の見込みが低い人動き出す月
2026年12月3人1人10月
2027年3月8人3人1月
2027年6月2人0人4月
2027年9月5人2人7月

この例では、3月満了が8人と集中しています。1月から、3人分の次の案件探しを始める必要があるとわかります。

満了が一つの月に集中しすぎると、待機のリスクが上がります。待機とは、エンジニアが案件に入っておらず、売上が出ない状態のことです。新しい契約を結ぶときに開始月や更新の単位をずらし、満了月を分散させるのも一つの方法です。

→ 待機を減らす考え方はSESの稼働率の平均と上げ方|待機を減らす営業の打ち手5つもあわせて読んでください。

閑散期にやるBP開拓・関係づくりの打ち手7つ

閑散期にやるべきことは、次の山で声がかかる相手を増やすことです。BP(ビジネスパートナー)とは、案件や人材を紹介し合う取引先の会社のことです。繁忙期に初めて連絡しても、相手は忙しくて話を聞いてくれません。

おすすめの順番で、7つの打ち手を紹介します。

  1. 新しいBPを開拓する:公式サイトのパートナー募集ページ、交流会、紹介などで新しい取引先を探す。繁忙期の前に3〜5社と情報交換を済ませておく

  2. 既存BPと情報交換の場をつくる:取引が止まっているBPに、15〜30分のオンライン面談を打診する。次の山で出せる人材・欲しい人材をお互いに伝える

  3. 休眠顧客に連絡する:過去に取引があり、今は動きがない客先に近況を聞く。期の途中で出た計画を拾える

  4. 要員のスキルシートを最新にする:満了が近い要員から順に更新する。繁忙期にすぐ提案できる状態にする

  5. 客先に次の期の予定を聞く:「4月から体制の変更はありますか」と早めに聞く。予算が決まる前の相談に乗れる

  6. 交流会に参加する:閑散期は相手も時間があり、名刺交換のあとの面談につながりやすい

  7. 案件・人材の管理方法を見直す:届いたメールや表の情報を整理し、繁忙期に探す時間を減らす

この中でも1と2を最優先にするのがおすすめです。繁忙期に案件と人材が集まるかどうかは、つながっているBPの数と関係の深さでほぼ決まるからです。

→ BPとの関係の続け方:SESのBPとの関係構築|継続取引につながる7つの習慣と連絡頻度
→ 休眠顧客への連絡:SESの休眠顧客の掘り起こし方|再開につながる連絡例文と手順5つ

SES営業の年間カレンダー

1年の営業は、「仕込み→提案→決定→フォロー」を半年で1周させると考えると計画を立てやすくなります。3月決算の客先が多い場合の例です。

時期営業のテーマやること目標の例
4月〜5月フォローと仕込み参画後の確認、BP開拓、情報交換新しいBPと5社面談
6月〜7月下期の準備9月末満了の洗い出し、客先への確認満了者の意向を全員確認
8月〜9月下期の提案10月開始に提案・面談・契約待機ゼロで10月を迎える
10月〜11月フォローと仕込み参画後の確認、BP開拓、休眠顧客休眠顧客10社に連絡
12月〜1月期初の準備3月末満了の洗い出し、次の期の予定確認満了者の意向を全員確認
2月〜3月期初の提案4月開始に提案・面談・契約待機ゼロで4月を迎える

目標の数字は例です。自社の営業の人数や、1日の提案数の目安に合わせて決めてください。

チョータツとチョータツブーストで繁忙期に備える

自分でやる場合、閑散期のBP開拓は「探す→連絡する→返事を待つ」を1社ずつ繰り返します。繁忙期には、BPから届く大量の案件・人材メールを読んで、表に転記する作業も増えます。DrivenXのツールを使うと、この2つをまとめて楽にできます。

チョータツとは、SES営業のための案件・人材の管理・共有ツールのことです。3,000社以上が利用していて、無料で始められます。チョータツブーストとは、チョータツの中で新しいパートナー企業を開拓できる機能のことです。

時期自分でやる場合チョータツを使う場合
閑散期:BPを増やす検索・交流会・紹介で1社ずつチョータツブーストで新しいパートナーを開拓
繁忙期:案件・人材を集める届いたメールを読んでExcelに転記連携した会社の営業中案件・人材がデータベースになる
繁忙期:自社の情報を届けるBCCでメールを一斉送信メール配信機能でパートナーへ配信
通年:情報を登録する手で1件ずつ入力AIが入力を手伝う

使い始める流れは次のとおりです。

  1. チョータツに無料で登録する

  2. 自社の案件・人材を登録する(AIが入力を手伝う)

  3. 閑散期のうちに、チョータツブーストで新しいパートナーを開拓する

  4. つながったパートナーと連携し、お互いの営業中案件・人材を共有する

  5. 繁忙期は、メール配信機能で空く予定の要員の情報を届ける

閑散期に連携先を増やしておくほど、繁忙期に見られる案件・人材も増えます。山が来てから探し始めるのではなく、谷のうちに仕組みを整えておくのがポイントです。

繁忙期にやってはいけないこと3つ

繁忙期は提案の数が増える分、確認を飛ばした提案や、条件の詰めの甘さが起きやすくなります。次の3つは避けましょう。

  • 要員の了解を取らずに提案する:面談が決まってから本人が断ると、客先とBPの両方の信頼を失います。提案の前に、必ず本人に案件の内容を伝えて了解を取ります

  • 商流や契約条件を確かめずに進める:急いでいても、商流(何社を通るか)・精算幅・支払いサイトは確かめます。後から条件が違うとわかると揉めます

  • 閑散期に作った関係を放置する:繁忙期は新しい相手ばかり追いがちです。閑散期に情報交換したBPにこそ、最初に案件・人材を共有します

閑散期に送るBPへの連絡の例文

閑散期の連絡は、「次の山に向けて、今のうちに情報交換したい」と目的をはっきり書くのがコツです。相手も時間がある時期なので、面談の日時を2つ以上示すと返事をもらいやすくなります。

例文・テンプレート
件名:下期・来期に向けた情報交換のお願い(株式会社△△ □□)

株式会社〇〇
営業ご担当者様

いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。

来年4月に向けて、弊社では案件・人材の準備を始めております。
早めに情報交換をさせていただけないかと思い、ご連絡しました。

・弊社で4月から参画可能な要員:Java 5年 1名、インフラ 3年 1名
・弊社で探している人材:PMO経験者、テスト経験者

30分ほどオンラインでお話しできれば幸いです。
11月10日(火)か11月11日(水)の午後はいかがでしょうか。

よろしくお願いいたします。

12月に送る場合は、年末の挨拶とあわせると自然です。文面は年末の挨拶メール例文|SESの取引先・BPと年始の営業連絡を使えます。新しい取引先を増やす方法全体はSESの新規開拓の営業方法10選|エンドとBPの取り方と優先順位をご覧ください。

よくある質問

Q. SESの案件が一番多いのは何月ですか?
4月開始の案件が集中する2月〜3月上旬が、最も多くなりやすい時期です。次に多いのは、10月開始の案件が出る8月下旬〜9月上旬です。
Q. SESの閑散期はいつですか?
4月中旬〜5月の連休前後、8月のお盆、12月下旬〜1月上旬が閑散期になりやすいです。客先の決裁者が休みを取り、決定が先に延びるためです。
Q. 4月開始の案件は、いつから探せばいいですか?
前年の12月に準備を始め、1月中旬〜2月に案件を集めるのが目安です。3月に入ってから探すと、よい案件はほかの会社に決まっていることが多くなります。
Q. 10月開始の案件が多いのはなぜですか?
3月決算の会社では、10月が下期(年度の後半)の始まりだからです。上期の結果を見て予算を見直し、追加の開発や計画の再開が決まります。
Q. 12月決算の客先が多い場合は、時期が変わりますか?
変わります。12月決算の会社は1月が期初なので、案件の山は10〜12月に来やすくなります。客先ごとの決算月を顧客リストに記録しておくと、山の時期を読めます。
Q. 閑散期に待機が出てしまったら、どうすればいいですか?
まず短期のスポット案件や、BPの案件にも範囲を広げて探します。あわせて、次の山に向けたBP開拓も進めます。待機者が複数いるときの順番は待機エンジニアが複数いるときの営業の優先順位|決め方と進め方で解説しています。

まとめ

  • SESの案件が増えるのは、4月開始に向けた1〜3月と、10月開始に向けた7〜9月

  • 理由は、期初・予算の確定・契約更新の区切りが重なるため。国と自治体の会計年度も4月に始まる

  • 少ないのは、4月中旬〜5月の連休前後、8月のお盆、12月下旬〜1月上旬、期が始まった直後

  • 開始月の3〜4か月前に準備、2か月前に提案、1か月前に決定するのが基本

  • 自社の山は、稼働中の要員の契約満了月を一覧にするとわかる

  • 閑散期は、BP開拓と既存BPとの情報交換を最優先にする。チョータツブーストを使うと開拓の手間を減らせる

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

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