SESの3月末の契約終了対策|年度末に待機を出さない7手順と12月〜3月の工程表

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

SESで3月末に契約終了が多い理由

SESで3月末に契約終了が多いのは、発注する側の「お金の区切り」が3月末に来るからです。予算が切り替わるタイミングで、体制を縮めたり入れ替えたりする判断がまとめて行われます。

会計年度とは、お金の出入りを区切って管理する1年間のことです。国の会計年度は、法律で4月1日から翌年3月31日までと決まっています(財政法第11条)。都道府県や市区町村も同じです(地方自治法第208条)。

民間企業も、4月始まりの年度で予算を組む会社が多くあります。その結果、エンド(発注元の会社)の予算が3月末で切り替わり、その下の元請け・一次請けの体制も連動して見直されます。

理由起きること営業への影響
予算の切り替え新年度の予算が決まるまで、次の発注額が決まらない更新の返事が遅くなる
プロジェクトの区切り年度内に終わる計画のシステム開発が多い3月末で案件そのものが終わる
体制の見直し新年度に合わせて人数や担当会社を入れ替える更新されない人が出る
人事異動客先の担当者が4月に替わる継続の約束が引き継がれないことがある

準委任契約とは、作業を行うこと自体に報酬が払われる契約のことで、SESの多くがこの形です。準委任は1〜3か月ごとの更新が多いので、年度の区切りで「更新しない」と決めやすい契約でもあります。

3月末の契約終了で困ること

3月末の契約終了で一番困るのは、4月からの待機です。待機とは、エンジニアが次の現場に入れず、売上が出ない状態のことです。

年度末は同じように契約が切れる人が業界全体で増えるため、次の案件の取り合いになります。3月に入ってから探し始めると、面談の日程すら取りにくくなります。

待機が出たときのお金の影響は、次のように計算できます。

項目計算例金額
失う売上単価70万円 × 待機1か月70万円
会社が払う給与月給30万円 × 1か月30万円
粗利への影響本来の粗利40万円(70万−30万)が、▲30万円(0−30万)になる差は70万円

※ 金額は説明のための例で、待機中も給与を全額払う場合の計算です。自社の単価・給与で置き換えてください。

会社の都合で休ませる場合、労働基準法第26条により、平均賃金の60%以上の休業手当が必要です。待機中の給与の扱いは、SESの待機期間の給与と対応|休業手当の計算例と早く案件に入る7手順で詳しく解説しています。

12月〜3月の工程表|待機を出さない7手順

待機を出さないためには、12月上旬に準備を始め、1月末までに更新か終了かを決めることが大切です。2027年3月31日(水)に契約が切れる人を例に、月別の工程表にしました。

時期手順締め切りの目安
12月上旬1. 3月末で切れる人の一覧をつくる2026年12月4日(金)
12月中旬〜下旬2. エンジニア本人の継続意向を聞く2026年12月25日(金)
1月上旬〜中旬3. 客先・上位会社に更新意向を確認する2027年1月15日(金)
1月下旬4. 「更新・終了・未定」の3つに分ける2027年1月29日(金)
2月5. 終了・未定の人の次案件を並行して探す2027年2月26日(金)
2月下旬〜3月上旬6. 面談を進め、開始日を4月1日に合わせる2027年3月12日(金)
3月7. 終了の手続きと引き継ぎを終える2027年3月31日(水)

2027年4月1日は木曜日です。新しい現場の初日が週の後半になるので、入館手続きやPCの準備日程も早めに確かめておきましょう。準備の抜けはSESの参画初日までに営業がやる準備|入場チェックリストと案内文で防げます。

1. 3月末で契約が切れる人の一覧をつくる(12月上旬)

最初にやるのは、3月末に契約が切れる人を1枚の表にまとめることです。担当ごとに頭の中で管理していると、確認漏れが起きます。

表には、少なくとも次の項目を入れます。

  • エンジニア名と所属(自社社員・BP・フリーランス)

  • 現在の案件名、客先名、商流(自社の上に何社いるか)

  • 契約満了日と、更新の単位(1か月・3か月など)

  • 契約書に書かれた解約予告の期間(例:満了の1か月前まで)

  • 本人の意向、客先の意向、状態(更新・終了・未定)

BPとは、案件や人材を紹介し合う取引先の会社のことです。BPから預かっている人も、自社社員と同じ表で管理すると、全体の人数を見誤りません。

2. エンジニア本人の継続意向を聞く(12月中旬〜下旬)

次に、エンジニア本人に4月以降も今の現場を続けたいかを聞きます。客先が更新を望んでも、本人が別の案件を希望していることがあるからです。

年末は面談が組みにくいので、12月中に聞いておくと1月から動けます。聞くときは「続けたい・変わりたい・どちらでもよい」の3択にし、変わりたい理由も記録しておきましょう。

3. 客先・上位会社に更新意向を確認する(1月上旬〜中旬)

更新意向とは、4月以降も契約を続けるかどうかの、発注側の考えのことです。年明けの営業開始日から2週間以内を目安に、客先や上位会社に確認します。

返事が「まだわからない」のときは、いつまでに決まるかを聞いてください。「2月上旬に予算が決まる」とわかれば、その日を待ちながら並行して動けます。確認メールの例文は、下の「更新意向を確認するメール例文」に載せています。

更新の通知時期の決まり方は、SESの契約更新はいつ決まる?通知時期と更新しない時の4手順も参考にしてください。

4. 「更新・終了・未定」の3つに分ける(1月下旬)

1月末の時点で、一覧の全員を更新・終了・未定の3つに分けます。ポイントは、未定の人を「終了」と同じ扱いにして動くことです。

状態意味営業がやること
更新客先・本人ともに継続で合意した注文書・条件(単価・精算幅)の確認
終了どちらかが更新しないと決めたすぐに次案件探しを始める
未定予算待ちなどで返事が出ていない終了と同じく次案件を探し始める

「たぶん更新されるだろう」と2月まで待ち、3月に終了が決まると、残りの時間は1か月しかありません。未定の人を並行して動かすことが、待機を防ぐ一番の近道です。

5. 終了・未定の人の次案件を並行して探す(2月)

並行営業とは、今の契約の返事を待ちながら、別の案件にも同時に提案することです。2月はこの並行営業が中心になります。

進め方は次のとおりです。

  1. スキルシートを今の現場の経験で更新する

  2. 希望の条件(単価・勤務地・リモート可否・開始日)を本人と決める

  3. 付き合いのあるBPや元請けに、4月開始の案件がないか聞く

  4. 条件に合う案件に提案し、面談の日程を押さえる

未定の人を並行営業に出すときは、今の客先の返事が先に来たらどうするかを本人と決めておきます。二重に内定が出て断る事態を防ぐため、提案先にも「現在更新確認中」と正直に伝えましょう。ルールはSESの並行営業のルール|トラブルを防ぐ5つの決まり事と伝え方の例文にまとめています。複数の案件に同時に通ったときの選び方と断り方は、SESで複数の案件に同時合格したら|選ぶ基準と断り方の例文で確認できます。

6. 面談を進め、開始日を4月1日に合わせる(2月下旬〜3月上旬)

3月上旬までに次の面談を終え、開始日を4月1日にそろえるのが理想です。開始日が1週間ずれるだけでも、その分の売上がなくなります。

面談の結果が遅いときは、日数を決めて催促します。3月上旬を過ぎたら、結果待ちの間も別の案件に提案を続けます。

7. 終了の手続きと引き継ぎを終える(3月)

3月は、契約を気持ちよく終えるための手続きをします。終わり方が悪いと、次の年度に同じ客先から案件をもらえなくなります。

  • 終了日と最終出社日を、客先・上位会社・本人の三者でそろえる

  • 引き継ぎの資料と期間を、客先と相談して決める

  • 貸与PC・入館証の返却日を決める

  • 3月分の稼働報告と精算の締め日を確かめる

終了を正式に伝えるメールは、SESの契約終了メール例文5つ|理由別の伝え方と送る時期をそのまま使えます。

更新意向を確認するメール例文

更新意向の確認は、「いつまでに」「何を」知りたいかを1通で伝えると返事が早くなります。2027年1月の確認を想定した例文です。

客先・上位会社への確認メール

例文・テンプレート
件名:【ご確認】〇〇様の4月以降のご契約について(株式会社△△)

株式会社〇〇
□□様

いつもお世話になっております。株式会社△△の◇◇です。
〇〇様のご契約が2027年3月31日(水)で満了となるため、
4月以降のご意向を伺いたくご連絡いたしました。

・4月以降のご継続のご予定(継続/終了/検討中)
・検討中の場合、ご判断いただける時期の目安
・継続の場合、期間や体制に変更のご予定があるか

恐れ入りますが、1月22日(金)までにご教示いただけますと幸いです。
引き続きよろしくお願いいたします。

エンジニア本人への確認メッセージ

例文・テンプレート
〇〇さん、お疲れさまです。◇◇です。
今の現場の契約が2027年3月31日(水)で満了になります。
4月以降について、次の3つのどれに近いか教えてください。

1. 今の現場を続けたい
2. 別の案件に移りたい(希望があれば理由も)
3. どちらでもよい

客先の意向は1月中旬に確認する予定です。
12月25日(金)までに返信をお願いします。

4月開始の案件の探し方

4月開始の案件は、新年度の体制を組む1〜2月に出てきやすいため、2月に集中して探します。探し方ごとの特徴は次のとおりです。

探し方早さ向いている場面
今の客先で別の案件を聞く◎評価が高く、客先に別部署がある
付き合いのあるBP・元請けに聞く○商流が近い取引先がある
届く案件メールから探す○毎日の配信メールが多い
チョータツで営業中案件を探す◎探す手間を減らしたい

おすすめの順番は、今の客先→取引先→データベースです。今の客先で別の案件に移れれば、面談や入館手続きの手間が小さく、開始日もずらさずに済みます。

BPに4月開始の案件をまとめて聞くときは、次の文面が使えます。

例文・テンプレート
件名:【4月開始案件のご相談】Java開発エンジニア1名(株式会社△△)

株式会社〇〇
□□様

いつもお世話になっております。株式会社△△の◇◇です。
弊社エンジニア1名が2027年3月末で現場を離れる予定のため、
4月開始の案件がございましたらご紹介いただけないでしょうか。

・スキル:Java(Spring Boot)5年、詳細設計〜テスト
・希望単価:〇〇万円〜
・勤務地:東京23区内、週2日以上リモート希望
・開始:2027年4月1日(木)〜

スキルシートを添付いたします。
2月中に面談できる案件ですと大変助かります。

チョータツで次の案件を早く探す

自分で探す方法は、どれも「メールを読む→条件を見比べる→Excelに書き写す」をくり返します。年度末は同じ時期に次案件を探す人が重なるため、この作業が一番の手間になりがちです。DrivenXのSES営業ツール「チョータツ」を使うと、この探す手間を減らせます。

場面自分でやる場合チョータツを使う場合
次案件を探す届いたメールを1通ずつ読む連携した他社の営業中案件をデータベースで探す
3月末で切れる人を管理するExcelで担当ごとに管理案件・人材の情報を管理・共有できる
自社の空く人を知らせるBCCでメールを一斉送信メール配信機能でパートナーへ配信
届くメールを仕分ける案件か人材かを目で分けるチョータツメールAIが案件メールと人材メールに切り分ける

チョータツでできること

  • 案件・人材の管理と共有:3月末で切れる人の一覧を、営業チームで共有できる

  • 他社との連携:連携した会社の営業中案件・営業中人材を、自社のデータベースとして見られる

  • メール配信:4月から空く人の情報を、パートナーへまとめて配信できる

  • AIの入力補助:案件・人材の情報を登録するとき、AIが入力を手伝う

使い始める流れ

  1. チョータツに無料で登録する

  2. 3月末で契約が切れる人の情報を登録する(AIが入力を手伝う)

  3. 取引のあるパートナーと連携し、営業中案件をデータベースで探す

  4. 空く人の情報を、メール配信機能でパートナーへ知らせる

チョータツは3,000社以上が使っています。取引先とつながるほど、見られる案件が増えます。12月〜1月のうちに始めておくと、2月の並行営業に間に合います。

人が足りない側になったら、xhoursでフリーランスに直接スカウト

年度末は、自社の人が空く一方で、4月開始の案件に出せる人が足りない場面もあります。そのときはDrivenXのxhours(エックスアワーズ)が使えます。数千名のITフリーランスのデータベースから、直接スカウトできます。

3月末の待機を防ぐチェックリスト

待機を防げるかどうかは、1月末までの準備でほぼ決まります。次の10項目を、1月末と2月末の2回確かめましょう。

#確認すること期限の目安
13月末で切れる人を全員、一覧に入れた12月上旬
2契約書の解約予告の期間を確かめた12月上旬
3本人の継続意向を聞いた12月下旬
4客先・上位会社に更新意向を聞いた1月中旬
5「未定」の人の判断時期を聞いた1月中旬
6全員を更新・終了・未定に分けた1月下旬
7終了・未定の人のスキルシートを更新した2月上旬
8終了・未定の人を1社以上に提案した2月中旬
9次の面談の日程が決まった2月下旬
10決まらない人の待機中の過ごし方を決めた3月上旬

10番は「それでも決まらなかったとき」の備えです。短期の案件、社内の業務、研修など、待機の間にやることを先に決めておくと、本人の不安も小さくなります。

年度末にやってはいけないこと

年度末の失敗は、ほとんどが「待つ」「言わない」「急ぐ」の3つから起きます。次の4つは避けてください。

  • 客先の返事を3月まで待つ:3月に終了が決まると、次の案件を探す時間がほぼ残りません

  • 本人に状況を伝えない:本人が不安になり、自分で転職活動を始めることがあります

  • 決まりそうな案件に無理に入れる:スキルが合わないと途中で退場になり、客先の信頼も失います

  • 単価を大きく下げて埋める:一度下げた単価は、次の更新で戻しにくくなります

単価を下げずに次を決めるには、年度末より前、1月の更新確認の場で条件を話しておくことが大切です。

よくある質問

Q. SESの契約更新は、何月に確認するのがよいですか?
3月末で満了する契約なら、1月上旬〜中旬に確認するのがおすすめです。契約書の解約予告が「1か月前」でも、次案件を探す時間を考えると、2月末の通知を待つのは遅すぎます。
Q. 年度末に契約終了が多いのはなぜですか?
国や自治体の会計年度は、法律で4月1日〜3月31日と決まっています。民間企業も、4月始まりの年度で予算を組む会社が多くあります。予算の切り替えにあわせて、体制の見直しやプロジェクトの区切りが3月末に集まります。
Q. 客先が「予算が決まるまで返事できない」と言う場合は?
予算が決まる時期を聞き、その日まで待ちながら次案件を並行して探します。提案先には「現在、更新確認中です」と正直に伝え、二重に決まったときの対応を本人と決めておきましょう。
Q. 3月の途中で急に「4月から終了」と言われたら?
まず契約書の解約予告の期間を確かめます。準委任の契約は、契約書に特別な定めがなければ民法第651条によりいつでも解除できます。ただし、相手に不利な時期の解除では損害賠償が問題になることがあります(同条第2項)。対応はSES契約の一方的な解除で損害賠償は?民法651条と請求の目安を参考にしてください。
Q. 4月開始の案件が見つからず、待機が出そうなときは?
4月中旬開始や5月開始の案件にも提案先を広げ、待機の期間をできるだけ短くします。待機中は、会社都合で休ませるなら休業手当(平均賃金の60%以上)が必要です。
Q. BPから預かっている人も、同じように確認が必要ですか?
必要です。BPの人は、BP側の会社にも本人の意向を確認してもらいます。自社社員と同じ一覧で管理すると、確認漏れを防げます。

まとめ

  • 3月末に契約終了が多いのは、国・自治体と多くの企業が4月始まりの年度で予算を組むから

  • 準備は12月上旬に始め、1月中に本人と客先の意向を確かめる

  • 1月末に「更新・終了・未定」に分け、未定は終了と同じ扱いで次案件を探す

  • 2月に並行営業で面談を進め、開始日を4月1日にそろえる

  • 次案件探しは、今の客先→取引先→データベースの順。チョータツなら連携先の営業中案件を探せる

  • 待機を防ぐチェックリスト10項目を、1月末と2月末の2回確かめる

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

  • e-Gov法令検索「財政法」第11条(国の会計年度)

  • e-Gov法令検索「地方自治法」第208条(地方公共団体の会計年度)

  • e-Gov法令検索「労働基準法」第26条(休業手当)

  • e-Gov法令検索「民法」第651条(委任の解除)

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