SES管理システムおすすめ比較|営業・契約請求・会計の3層で選ぶ順番と導入失敗例5つ

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

SES管理システムとは?

SES管理システムとは、SES事業の「案件・人材」「契約」「稼働・請求」「売上・原価」の情報をまとめて管理するための仕組みのことです。専用の製品もあれば、汎用ツールを組み合わせて作る方法もあります。

SESは、1人のエンジニアに対して「お客さんとの契約」と「BP(取引先)や本人との契約」が同時に動きます。さらに毎月、稼働時間に応じて金額が変わります。この組み合わせの多さが、Excelで管理しきれなくなる一番の理由です。

販売管理システムとは、見積・受注・請求・入金など、売上に関わる事務をまとめて管理するシステムのことです。SES向けに作られたものは、精算幅や稼働時間の計算まで扱えるのが特徴です。

SES管理システムは「3層」に分けて考える

SES管理システムは、営業層・契約請求層・会計層の3つに分けると、自社に足りないものがはっきりします。上の層のデータが、下の層の材料になる流れです。

層管理するもの主に使う人代表的な道具
1. 営業層案件・人材・提案・BP営業担当案件・人材管理ツール、CRM
2. 契約・請求層契約・注文書・稼働・請求・支払い営業事務SES向け販売管理、クラウド請求書
3. 会計層仕訳・入金・決算・資金繰り経理・経営者クラウド会計ソフト

1. 営業層:案件と人材を合わせる

営業層は、届いた案件と自社・BPの人材を管理し、提案につなげる層です。SES営業の毎日の仕事の大半はここにあります。

この層の情報が「決まった案件の単価・期間・精算条件」として、次の契約・請求層に渡ります。ここがあいまいだと、請求のミスの元になります。

→ 案件管理ツールの比べ方はSES案件管理ツールの比較ポイント5つ|Excelから移る目安と手順で詳しく解説しています。

2. 契約・請求層:毎月の事務を回す

契約・請求層は、注文書・注文請書のやりとり、稼働時間の集計、精算、請求書の発行を回す層です。SESらしさが一番強く出るのもここです。

精算幅とは、月の稼働時間の上限と下限のことです(例:140〜180時間)。この幅を超えたり下回ったりすると、請求額が増減します。この計算を自動でできるかどうかが、汎用の請求ツールとSES向けシステムの大きな違いです。

→ 毎月の流れはSESの毎月の営業事務業務|注文書・請求・支払いの月次フローを参考にしてください。

3. 会計層:お金の流れを正しく残す

会計層は、請求した売上と支払った原価を帳簿につけ、入金や資金繰りを見る層です。税理士とのやりとりもこの層で行います。

SESでは、お客さんからの入金より先にBPやエンジニアへの支払いが来ることがあります。会計層で入金と支払いの時期を見える化すると、資金繰りの不安が減ります。

会社の規模別:どの層から入れるか

どの規模でも、まず営業層を整えるのが基本です。そのうえで、営業担当の人数と月の請求件数で、契約・請求層にどこまでお金をかけるかを決めます。

規模の目安最初に入れる層契約・請求層会計層
営業1〜3人・請求月20件未満営業層(無料ツール)Excel+クラウド請求書クラウド会計
営業4〜10人・請求月20〜100件営業層(共有できるツール)クラウド請求書か汎用の販売管理クラウド会計と連携
営業11人以上・請求月100件以上営業層と契約・請求層を並行SES向け販売管理システム会計ソフトと自動連携

※請求件数の区切りは、営業事務1人が手作業で回せるかどうかを目安にした編集部の考え方です。

営業1〜3人の会社

少人数の会社は、営業層を無料のツールで整え、請求はクラウド請求書で済ませるのがおすすめです。月額数万円のSES向けシステムは、まだ元が取れないことが多いです。

ただし、精算幅の計算表だけはExcelで1つの形に決めておきましょう。担当ごとに計算方法が違うと、あとでシステムに移すときに困ります。

営業4〜10人の会社

この規模では、案件・人材の情報をチームで共有することが一番の課題になります。「誰がどの人材を提案中か」が見えないと、二重提案が起きます。起きてしまったときの対応はSESの二重提案が発覚したら|どちらを残すかの判断と謝罪例文で解説しています。

請求は、請求件数が増えてきたら汎用の販売管理ツールを検討します。見積から請求までを1つにまとめられると、転記の手間が減ります。月末の請求作業の自動化は請求書の自動化|SES企業の月末請求をラクにする4ステップとソフト比較で手順を紹介しています。

営業11人以上の会社

この規模になると、営業事務が毎月の請求と支払いに追われ始めます。SES向けの販売管理システムで、稼働時間の集計から請求書の発行までを自動にする価値が出てきます。

同時に、営業層との連携も見直します。決まった案件の情報を、営業事務が手で打ち直していないかを確認しましょう。

代表的なツールと料金の比較

SES管理で使われる代表的なツールを、層ごとにまとめました。料金は2026年9月30日に各社の公式サイトで確認したものです。Fairgrit以外は税抜の表示で、Fairgritは公式サイトに税区分の記載がありません。

ツール名(提供会社)主な層できること料金の目安
チョータツ(株式会社DrivenX)営業層案件・人材の管理・共有、パートナーへのメール配信無料で始められる
Fairgrit(株式会社エージェントグロー)契約・請求層SES向けの勤怠・契約・請求の管理初期0円、月55,000円〜
楽楽販売(株式会社ラクス)契約・請求層見積・受注・請求など販売管理の一元化初期150,000円、月70,000円〜
board(株式会社ヴェルク)契約・請求層見積・請求書の作成、案件ごとの売上管理月1,200円〜7,900円(利用人数による)
kintone(サイボウズ株式会社)営業層・契約層自社に合わせた管理アプリを作れる1人月1,000円〜(10人から)
freee会計(freee株式会社)会計層経理の自動化、経営の見える化公式サイトで確認
マネーフォワード クラウド請求書(株式会社マネーフォワード)契約・請求層請求書・見積書の作成・送付公式サイトで確認

料金は、利用人数や機能の追加で変わります。申し込む前に、必ず公式サイトで最新の料金を確認してください。

SES向けと汎用ツールの違い

SES向けのシステムは、精算幅や稼働時間の計算など、SES特有の事務をそのまま扱えるのが強みです。汎用ツールは安く始められますが、SESの計算は自分で設定する必要があります。

比べる点SES向けシステム汎用ツール
精算幅の自動計算最初から入っていることが多い自分で設定するか、Excelで補う
費用月数万円からが多い月数千円から始められる
設定の手間少ない自社に合わせる作業が要る
向いている会社請求件数が多い会社少人数・請求件数が少ない会社

選ぶときのチェックリスト10項目

SES管理システムを選ぶときは、機能の多さより「自社の毎月の事務がそのまま回るか」で判断します。次の10項目を、デモや無料体験のときに1つずつ確かめましょう。

  1. 精算幅(上限・下限)と超過・控除の単価を、案件ごとに設定できるか

  2. 精算単位(15分・30分など)を契約ごとに変えられるか

  3. 1人のエンジニアに、売上側と仕入れ側の2つの契約をひも付けられるか

  4. 注文書・注文請書を作成・保管できるか

  5. インボイス制度の記載事項(登録番号・税率ごとの消費税額など)を満たした請求書を出せるか

  6. 電子で受け取った請求書を、電子のまま保存できるか

  7. 案件ごとの粗利(売上−原価)を、月ごとに見られるか

  8. 今使っている会計ソフトにデータを渡せるか

  9. 営業層のツールから、案件の単価・期間を取り込めるか

  10. 解約したときに、データをCSVなどで取り出せるか

インボイス制度とは、消費税の仕入税額控除を受けるために、決まった記載事項のある請求書(適格請求書)のやりとりを求める制度のことです。2023年10月1日に始まりました。

BPが免税事業者(登録番号がない会社・個人)の場合、控除できる割合が段階的に下がります。2026年10月1日から2028年9月30日までは70%です(それまでは80%)。システムで取引先ごとに登録番号の有無を持てるかも確認しましょう。

電子で受け取った請求書などの「電子取引」のデータは、2024年1月から電子のまま保存することが求められています。紙に印刷して保存するだけでは足りないので、5と6は必ず確認しましょう。

→ 請求書の書き方はSESの請求書テンプレートと送付前チェック10項目で解説しています。

導入でよくある失敗例5つと防ぎ方

SES管理システムの導入で失敗する原因は、機能不足より「入れ方」にあることがほとんどです。よくある5つの失敗と、防ぎ方をまとめました。

#よくある失敗何が起きるか防ぎ方
1全部入りを一度に入れる設定が終わらず、誰も使わない1層ずつ、1か月単位で入れる
2入力する人を決めていない情報が古いまま残る項目ごとに担当を決める
3営業層を後回しにする請求の元データが間違う案件・人材の管理から整える
4Excelと二重管理を続ける手間が倍になる移行日を決め、Excelを閉じる
5会計ソフトとつながらない経理が手で打ち直す選ぶ前に連携先を確認する

失敗1:全部入りを一度に入れる

営業から会計まで一度に切り替えようとすると、設定や移行が終わらないまま月末の請求が来ます。結局Excelに戻り、システムは使われなくなります。

防ぐには、1つの層を1か月使い切ってから次に進むことです。最初の1か月は営業層だけ、と決めるだけでも失敗は減ります。

失敗2:入力する人を決めていない

「みんなで入れる」は、「誰も入れない」になりがちです。案件情報は営業、稼働時間は営業事務、というように項目ごとに担当を決めましょう。

失敗3:営業層を後回しにする

請求システムだけ入れても、元になる案件の単価や精算条件が間違っていれば、請求も間違います。営業担当の手元の情報が正しく共有されていることが、すべての層の前提です。

失敗4:Excelと二重管理を続ける

「念のため」とExcelも更新し続けると、手間が倍になり、どちらが正しいかわからなくなります。移行する日を決め、その日からExcelは読むだけにしましょう。

失敗5:会計ソフトとつながらない

請求システムと会計ソフトがつながらないと、経理が請求データを手で打ち直すことになります。選ぶ前に、今の会計ソフトとの連携方法(自動連携かCSVか)を確認しておきましょう。

自分で進める導入の6ステップ

システムを入れる前に、今の管理のやり方を書き出すことから始めます。次の6ステップで進めると、無駄な機能にお金を払わずに済みます。

  1. 今の管理表を集める:案件表・人材表・請求表・支払い表など、使っているExcelを全部集める

  2. 層ごとに分ける:集めた表を、営業層・契約請求層・会計層に分ける

  3. 一番困っている層を決める:転記が多い、ミスが多い、時間がかかる層を1つ選ぶ

  4. 項目をそろえる:案件名・会社名・単価・精算幅などの書き方を1つに決める

  5. 無料体験で試す:実際の1か月分のデータを入れて、請求まで回るか確かめる

  6. 移行日を決める:月初など区切りのよい日に切り替え、Excelは読むだけにする

4の「項目をそろえる」が一番大切です。会社名の書き方がバラバラなだけで、システムでの集計がずれてしまいます。

→ 案件別の粗利の出し方はSESの収支管理の方法|案件別粗利の計算と原価に入れる費用一覧が参考になります。

営業層はチョータツで整える

3層の中で最初に整えたい営業層は、チョータツで無料から始められます。案件・人材の情報が1か所にまとまると、その後の契約・請求層にも正しい情報を渡せます。

場面自分でやる場合チョータツを使う場合
案件・人材を管理するExcelに担当ごとに入力チョータツで管理・チームで共有
届くメールを整理する案件か人材か、1通ずつ仕分けチョータツメールAIが案件メールと人材メールに切り分け
自社の情報を届けるBCCで一斉送信チョータツのメール配信機能でパートナーに配信
取引先を増やす検索・交流会で1社ずつチョータツブーストで新しいパートナーを開拓

チョータツでできること

  • 案件・人材の管理・共有:チーム全員が同じ情報を見られる。AIが入力を手伝う

  • 他社との連携:連携した会社の営業中案件・営業中人材を、自社のデータベースとして見られる

  • メール配信:自社の案件・人材の情報を、パートナーへまとめて配信できる

  • チョータツメールAI:転送設定で取り込んだメールを、AIが案件メールと人材メールに切り分ける。案件・人材以外のメールはデータに残らない

  • チョータツブースト:チョータツの中で、新しいパートナー企業を開拓できる

チョータツは、契約書の作成や請求書の発行をするツールではありません。営業層をチョータツで整え、契約・請求層と会計層は自社の規模に合った道具を選ぶ、という組み合わせをおすすめします。

よくある質問

Q. SES管理システムは、1つの製品で全部まかなえますか?
営業から会計まで1つで完結する製品は多くありません。3層に分け、層ごとに合う道具を選んでデータを受け渡す方が、費用も手間も抑えられます。
Q. SESの請求管理は、汎用のクラウド請求書でもできますか?
できます。ただし精算幅の超過・控除の計算は、自分でExcelなどで行う必要があります。請求件数が少ないうちは、汎用ツールで十分です。
Q. SES向けの販売管理システムは、いつ入れるべきですか?
営業事務が月末の請求・支払いに毎月追われ始めたときが目安です。編集部では、営業11人以上・請求月100件以上をひとつの目安としています。
Q. 契約管理だけを先にツール化してもいいですか?
できますが、契約の元になる案件情報が整っていることが前提です。営業層の情報がバラバラなら、先に案件・人材の管理をそろえましょう。
Q. 収支管理(案件ごとの粗利)はどの層で見ますか?
請求と支払いのデータがそろう契約・請求層で見るのが基本です。会社全体の利益は会計層で確認します。
Q. 提案できる自社・BPの人材が足りないときは、管理システムで解決できますか?
管理システムは今ある人材を整理する道具で、人材そのものは増えません。人材を増やしたいときは、DrivenXのxhoursを使うと、ITフリーランスに直接スカウトを送れます。

まとめ

  • SES管理システムは「営業」「契約・請求」「会計」の3層に分けて選ぶ

  • 入れる順番は、営業層 → 契約・請求層 → 会計層が基本

  • 少人数なら無料ツールとクラウド請求書、請求件数が増えたらSES向け販売管理を検討する

  • 選ぶときは、精算幅の計算・インボイス対応・電子保存・会計連携を必ず確認する

  • 失敗の多くは「一度に全部入れる」「入力担当を決めない」「Excelと二重管理」から起きる

  • 営業層は、無料で始められるチョータツで整えるのがおすすめ

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

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