進捗管理ツールの選び方|SES営業の提案進捗をエクセルで見える化する方法と限界
公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日
SES営業の進捗管理とは?開発の進捗管理との違い
SES営業の進捗管理とは、1件の提案が今どの段階にあるかを記録し、次の一手を決めることです。開発の進捗管理が「作業が何%終わったか」を見るのに対し、営業は「どのステータスで止まっているか」を見ます。
進捗管理とは、仕事が予定どおりに進んでいるかを確かめ、遅れを早めに見つけることです。ステータスとは、その仕事が今いる段階を表す名前のことです。
「進捗管理ツール」で検索すると、ガントチャート(横棒で作業期間を表す図)やタスクの完了率を見るツールが多く出てきます。これは開発プロジェクト向けの道具です。SES営業にそのまま当てはめると、次のようなずれが起きます。
| 見るもの | 開発の進捗管理 | SES営業の進捗管理 |
|---|---|---|
| 単位 | 作業(タスク) | 提案(案件×人材の組み合わせ) |
| 進み具合の表し方 | 完了率(%)・期限 | ステータス(提案中・結果待ちなど) |
| 気にすること | 遅れている作業 | 止まっている提案・返事がない相手 |
| 1件の期間 | 数週間〜数か月 | 数日〜2週間ほど |
SES営業では、1人の人材を複数の案件に同時に提案することがよくあります。そのため「案件」と「人材」の両方から進捗を見られることが大切です。
SES営業が追うべきステータスは6つ
SES営業の進捗は、6つのステータスに分けると迷いません。ステータスを増やしすぎると、担当者ごとに選び方がばらつきます。
| ステータス | 意味 | 次にやること |
|---|---|---|
| 提案中 | スキルシートを送り、返事を待っている | 2営業日たったら状況を聞く |
| 面談調整中 | 面談することが決まり、日程を合わせている | 候補日を3つ出す |
| 結果待ち | 面談が終わり、合否を待っている | 期限を聞いておき、その日に確認 |
| 決定 | 参画が決まった | 注文書・契約の手続きへ |
| 見送り | 不採用、または自社から辞退した | 理由を記録し、別案件へ |
| 保留 | 相手の都合で止まっている | 再開予定日を決めておく |
「見送り」は消さずに残します。見送りの理由がたまると、どの案件・どのスキルが通りにくいかがわかるからです。
要員提案とは、案件に合うエンジニアのスキルシートを取引先に送り、参画を打診することです。面談とは、提案したエンジニアと案件側の担当者が会い、参画するかを決める打ち合わせのことです。
案件・人材の管理そのものの作り方は、SESの案件・人材管理をExcelで無料で行う方法|テンプレ付きで詳しく解説しています。
見送りになったときは、理由を必ず聞いて「見送り理由」の列に残します。聞き方の例文はSES面談の見送り理由の聞き方|例文と次の提案に活かす記録法にまとめています。
エクセルで進捗表を作る方法(5ステップ)
エクセルの進捗表は、1行=1提案にして、ステータスを選べるようにすれば作れます。無料で、今日から始められます。
ステップ1:列(項目)を決める
最初に置く列は、次の10個で足ります。
提案ID(例:P-2026-1001)
提案日(例:2026/10/1)
案件名(例:金融系Java開発)
人材名(イニシャルで可)
提案先の会社
自社の担当者
ステータス
次にやる日(例:2026/10/5)
見送り理由
備考
「次にやる日」を必ず入れるのがコツです。ステータスだけでは、いつ催促すればよいかがわからないからです。
ステップ2:ステータスをドロップダウンにする
ステータス列は、手入力をやめてドロップダウン(一覧から選ぶ形)にします。「結果まち」「結果待ち」のような表記ゆれがなくなり、集計が正しくなります。
ステータス列を選ぶ
「データ」タブの「データの入力規則」を開く
「入力値の種類」で「リスト」を選ぶ
「元の値」に「提案中,面談調整中,結果待ち,決定,見送り,保留」と入れる
ステップ3:色で止まっている提案を目立たせる
「条件付き書式」を使い、次にやる日が今日より前の行に色をつけます。放置している提案がひと目でわかります。数式は「=$H2<TODAY()」のように、次にやる日の列を指定します。
ステップ4:COUNTIFでステータスごとの件数を数える
COUNTIF関数を使うと、ステータスごとの件数がすぐ出ます。たとえば「=COUNTIF(G:G,"結果待ち")」で、結果待ちの件数がわかります。
ステップ5:ピボットテーブルとグラフで見える化する
ピボットテーブルとは、表のデータを、項目ごとにまとめて集計できるエクセルの機能です。行に「担当者」、列に「ステータス」、値に「提案IDの個数」を置くと、担当者別の進捗表が自動でできます。
できたピボットテーブルからは、積み上げ横棒グラフを作るのがおすすめです。担当者ごとに、どのステータスが多いかが一目でわかります。
| 見たいこと | ピボットテーブルの置き方 | おすすめのグラフ |
|---|---|---|
| 担当者ごとの進み具合 | 行:担当者/列:ステータス | 積み上げ横棒 |
| 月ごとの提案数と決定数 | 行:提案月/列:ステータス | 集合縦棒 |
| 通りにくい案件の傾向 | 行:見送り理由 | 横棒(多い順) |
進捗を見て数字で改善する(歩留まりの考え方)
進捗表は、つけるだけでなく段階ごとの通過率を見ると改善に使えます。どこで提案が止まっているかがわかれば、手を打つ場所がはっきりします。
歩留まりとは、ある段階から次の段階へ進んだ割合のことです。
計算例を見てみましょう。ある月の提案が40件だったとします。
| 段階 | 件数 | 前の段階からの通過率 |
|---|---|---|
| 提案 | 40件 | ― |
| 面談 | 12件 | 30%(12÷40) |
| 決定 | 4件 | 33%(4÷12) |
この場合、提案から面談への通過率が低めです。スキルシートの書き方や、案件と人材の合わせ方を見直すのが先です。面談から決定が低いなら、面談前の準備を見直します。
営業の数字の目安は、SES営業のKPIの目安|1日の提案数・面談数と1人あたり売上目標でまとめています。提案の通過率を上げる書き方は、要員提案メールの例文とテンプレ|SES営業の通過率を上げる書き方が参考になります。
毎日・毎週の進捗管理の回し方
進捗表は、毎朝5分の確認と週1回のふり返りで回すと崩れません。ルールを決めずに使うと、1か月ほどで更新が止まりがちです。
毎朝のチェックリスト
次にやる日が今日、または過ぎている行を確認した
提案中で2営業日以上返事がない相手に、状況を聞いた
結果待ちで期限を過ぎた相手に、結果を聞いた
昨日決まった面談の日程を、表に反映した
週1回のふり返り(例:毎週月曜の朝会)
ピボットテーブルを更新する(「データ」タブの「すべて更新」)
担当者ごとの「結果待ち」「保留」の件数を見る
2週間以上動いていない提案を、続けるか見送るか決める
見送り理由の多いものを1つ選び、次の週の対策を決める
たとえば2026年10月5日(月)の朝会で、10月1日(木)に出した提案に返事がなければ、その場で催促の担当を決めます。
催促は、相手を責めずに「こちらの都合」を添えると返事をもらいやすくなります。
件名:Re:【ご提案】金融系Java開発/K.T(Java7年) 〇〇様 お世話になっております。株式会社△△の□□です。 10月1日にご提案したK.Tの件、その後の状況はいかがでしょうか。 本人に別案件の面談の打診が来ており、10月7日(水)までに方向性を決めたいと考えております。 書類選考の状況だけでもお知らせいただけますと幸いです。
週1回のふり返りは、営業会議の議題に入れると定着します。議題の組み方は営業会議の進め方|SESで案件・要員を30分で回すアジェンダ例が参考になります。
エクセル管理の限界:件数が増えると起きること
エクセルの進捗表は、提案が月100件を超えるか、担当者が3人以上になると限界が見えてきます(編集部の目安です)。原因はエクセルの機能不足ではなく、情報の出どころがばらばらなことです。
| 起きること | 原因 | よくある結果 |
|---|---|---|
| 更新漏れ | メールで届いた返事を、手で表に写す | 決まった案件に、別の人材を重ねて提案 |
| 二重管理 | 案件表・人材表・進捗表が別のファイル | 人材の稼働状況が表ごとに違う |
| 同時編集の衝突 | 共有ファイルを複数人が同時に開く | 上書きで入力が消える |
| 探しにくい | 過去の提案が行の中に埋もれる | 同じ相手に同じ人材を再提案 |
いちばん困るのは、1人の人材を複数の案件に出しているときです。1つが決定したら、ほかの提案をすぐ取り下げる必要があります。しかしエクセルでは、別の行を自分で探して直すしかありません。同時合格したときの断り方は、SESで複数の案件に同時合格したら|選ぶ基準と断り方の例文で解説しています。
限界を感じたら、次の3つのどれかで対処します。
ファイルを1つにまとめる:案件・人材・進捗を同じブックの別シートにし、提案IDでつなぐ
共同編集できる表計算に移す:Microsoft 365のExcel for the webやGoogleスプレッドシートで、同時編集の衝突を減らす
SES向けの管理ツールに移す:案件・人材・提案を1か所で持てるツールに切り替える
進捗管理ツールの選び方:SES営業が見る5つのポイント
進捗管理ツールを選ぶときは、「案件と人材にひも付けて進捗を持てるか」を最初に見ます。汎用のタスク管理やプロジェクト管理のツールは、この点が弱いことが多いからです。
| ポイント | 確かめること | 汎用ツールで起きがちなこと |
|---|---|---|
| 案件・人材とのひも付け | 1件の提案に案件と人材を両方つなげるか | 案件名を毎回手で書く |
| ステータスの自由度 | 6つのステータスを自社用に作れるか | 「未着手・進行中・完了」しかない |
| 情報の取り込み | 案件メール・人材メールから入力できるか | すべて手で転記する |
| チームでの共有 | 担当者ごとの進捗を一覧できるか | 個人のToDoで終わる |
| 始めやすさ | 無料で試せるか、エクセルから移せるか | 設定に時間がかかる |
無料の進捗管理アプリでも、少人数なら十分に回ります。ただし、案件・人材のデータを別に持つことになるため、件数が増えると二重管理の問題が残ります。
営業のやることリストの持ち方は、タスク管理ツールの選び方|SES営業の提案・更新漏れを防ぐ方法で比べています。案件管理全体のツール比較は、SES案件管理ツールの比較ポイント5つ|Excelから移る目安と手順を見てください。
チョータツで進捗管理をもっと楽にする
エクセルでの管理に手間を感じてきたら、SES営業向けのチョータツが選択肢になります。進捗表の前にある「案件と人材の情報」を1か所にまとめられるので、転記と二重管理を減らせます。
| 悩み | 使える機能 | 楽になること |
|---|---|---|
| 案件・人材の表がばらばら | チョータツ(案件・人材の管理・共有) | チーム全員が同じ情報を見られる |
| 毎日のメールを表に写すのが大変 | チョータツメールAI | 届いたメールをAIが案件メールと人材メールに切り分ける |
| 提案先が足りず、進捗表が埋まらない | チョータツブースト | チョータツの中で新しいパートナー企業を開拓できる |
チョータツ:案件・人材の情報を管理・共有できます。パートナーへのメール配信機能もあります。他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材をデータベース化できます。3,000社以上が利用し、無料で始められます。
チョータツメールAI:転送設定でメールを取り込むと、AIが案件メールと人材メールに切り分けます。案件・人材以外のメールはデータに残りません。
チョータツブースト:提案の母数そのものを増やしたいときに、新しいパートナー企業を開拓できます。
進め方のおすすめは、エクセルの進捗表はそのまま使いながら、案件・人材の情報だけ先にチョータツへまとめる順番です。いきなりすべてを移すより、現場の混乱が少なく済みます。
自社の人材だけでは提案が足りないときは、DrivenXのxhours(エックスアワーズ)で、ITフリーランスに直接スカウトすることもできます。
よくある質問
- Q. 進捗管理ツールは無料のものでも大丈夫ですか?
- 担当者が1〜2人で、提案が月数十件なら無料ツールやエクセルで十分です。担当が増えたら、案件・人材とひも付けて持てるかを基準に見直します。
- Q. エクセルで進捗をグラフにするには、どうすればいいですか?
- 進捗表からピボットテーブルを作り、行に担当者、列にステータスを置きます。そこから積み上げ横棒グラフを挿入すると、担当者別の進み具合が見えます。
- Q. 営業の進捗管理と商談管理は何が違いますか?
- 大きな違いはありません。SES営業では「商談」が「要員提案」と「面談」にあたります。どちらも、1件ずつステータスを追うことが基本です。
- Q. プロジェクト進捗管理ツールをSES営業に使ってもいいですか?
- 使えますが、ステータス名を「提案中・面談調整中・結果待ち・決定」に変えて使います。案件・人材の情報は別に持つことになるため、二重管理に注意してください。
- Q. ステータスは何個に分ければいいですか?
- 6つ前後がおすすめです。提案中・面談調整中・結果待ち・決定・見送り・保留に分けると、担当者によるばらつきが出にくくなります。
- Q. 進捗表の更新が止まってしまいます。どうすればいいですか?
- 「次にやる日」の列を作り、毎朝5分だけ確認する時間を決めます。週1回の朝会でピボットテーブルを一緒に見ると、更新する理由が生まれます。
まとめ
SES営業の進捗管理は、提案ごとのステータスを追うこと。開発用の進捗管理とは見るものが違う
ステータスは「提案中・面談調整中・結果待ち・決定・見送り・保留」の6つで足りる
エクセルなら、ドロップダウン・条件付き書式・COUNTIF・ピボットテーブルで今日から作れる
段階ごとの通過率(歩留まり)を見ると、どこを直すべきかがわかる
提案が月100件、担当が3人を超えたら、案件・人材とひも付けて持てるツールを検討する
運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日
参考資料(2026年9月30日確認)
Microsoft サポート「ドロップダウン リストを作成する」
Microsoft サポート「COUNTIF 関数」
Microsoft サポート「ピボットテーブルを作成してワークシート データを分析する」
Microsoft サポート「ピボットテーブルおよびピボットグラフの概要」