スキルシートと職務経歴書の違い|目的・項目・匿名化を表で比較し、SES提案でどちらを出すか決める3つの基準
公開日:2026年9月29日更新日:2026年9月29日
スキルシートとは?職務経歴書とは?
スキルシートとは、エンジニアの参加したプロジェクトを、技術・工程・役割ごとに表にした資料のことです。SESでは、お客さんに人材を提案するときに使います。「技術経歴書」と呼ぶ会社もあり、中身はほぼ同じです。
職務経歴書とは、これまで働いた会社と仕事の内容・実績を、文章を中心にまとめた資料のことです。転職で会社に応募するときに、履歴書と一緒に出します。
もう1つよく出てくる履歴書とは、氏名・住所・学歴・職歴など、本人の基本情報をまとめた書類のことです。
厚生労働省は2021年4月16日に、新しい履歴書の様式例を公表しました。この様式例では、性別欄の記載は任意です。配偶者・扶養家族数・配偶者の扶養義務・通勤時間の4項目は削除されました。
| 書類 | ひとことで | 主に使う場面 |
|---|---|---|
| スキルシート | 技術と工程の一覧表 | SES・フリーランスの案件提案 |
| 職務経歴書 | 仕事の経歴と実績の説明書 | 転職・社員の採用 |
| 履歴書 | 本人の基本情報 | 転職・社員の採用 |
スキルシートと職務経歴書の違いを表で比較
スキルシートと職務経歴書の違いは、目的・読む人・書く項目・個人情報の出し方の4点です。一番大きいのは目的で、「案件に入れるか」を見るか、「社員として採用するか」を見るかが違います。
| 比べる点 | スキルシート | 職務経歴書 |
|---|---|---|
| 目的 | この案件に参画できるかを判断する | 社員として採用するかを判断する |
| 読む人 | 現場の責任者・プロジェクトのリーダー | 人事の採用担当者・面接官 |
| 書く項目 | 技術とバージョン、工程、役割、人数、期間 | 会社ごとの経歴、実績、自己PR、志望動機 |
| 個人情報 | 氏名はイニシャル、住所は最寄駅だけ | 氏名はフルネーム(住所・連絡先は履歴書に書く) |
| 分量・形式 | A4で2〜3枚、Excelの表が多い | A4で2枚前後、Wordの文章が多い |
目的の違い
スキルシートは、特定の案件に合うかどうかを見るための資料です。そのため、案件ごとに見せ方を変えます。
職務経歴書は、その人のこれまでとこれからを見るための資料です。会社に長く働いてもらえるかも判断されます。
書く項目の違い
スキルシートは、プロジェクトごとに「言語・フレームワーク・DB・工程・役割・チームの人数」を表に並べます。職務経歴書は、会社ごとに「どんな立場で、どんな成果を出したか」を文章で書きます。志望動機は職務経歴書にしか書きません。
個人情報の出し方(匿名化)の違い
匿名化とは、名前などから本人が特定されないように、情報を加工することです。SESのスキルシートでは、氏名をイニシャルにして、住所は最寄駅だけにするのが一般的です。職務経歴書は採用の書類なので、フルネームで書きます。
SES提案ではスキルシートを出すのが基本
SES提案で出すのは、原則としてスキルシートです。SESの提案は「この案件に、この技術を持った人が入れるか」を判断してもらうものだからです。社員として採用するための情報は必要ありません。
スキルシートを基本にする理由は3つあります。
案件との比較がしやすい:お客さんは、案件の必須スキルとスキルシートの表を見比べて判断します
渡す個人情報を必要な分だけにできる:イニシャルと最寄駅にすれば、提案に不要な情報を渡さずにすみます
複数の会社を通っても形がそろう:BP・一次請け・元請けと書類が渡っても、同じフォーマットなら読みやすいです
個人情報保護法第27条では、本人の同意なく個人データを第三者に渡すことは、原則としてできません。スキルシートでも職務経歴書でも、提案の前に本人(BP経由の人ならBP)の同意を取ることは同じです。
書き方の中身は、エンジニアのスキルシート書き方例|職種別サンプルと自己PR文例で職種別に紹介しています。
どちらを出すか決める3つの基準
「職務経歴書を出してください」と言われたら、3つの基準で判断します。①何に使うか ②誰が読むか ③どこまで個人情報を出すかです。言葉は「職務経歴書」でも、実際にはスキルシートの中身がほしいだけ、ということがよくあります。
| 基準 | スキルシートを出す | 職務経歴書を検討する |
|---|---|---|
| ①何に使うか | 案件への参画を判断する | 社員として採用する |
| ②誰が読むか | 現場の責任者 | 人事の採用担当者 |
| ③個人情報 | イニシャル・最寄駅で足りる | フルネーム・連絡先が必要 |
基準①:何に使うか
案件への参画を判断するためなら、スキルシートで足ります。「採用」「正社員登用」の話が出たら、提案の話とは分けて考えます。SES契約で入る人を、お客さんが社員として採用する話になったら、契約書の引き抜きの条項も確認しましょう。→ SESの引き抜きに紹介料は取れる?相場と契約条項の書き方
基準②:誰が読むか
読む人が現場の責任者なら、技術と工程がひと目でわかるスキルシートが向いています。人事の担当者が読む場合は、職務経歴書の形を求められることがあります。
基準③:どこまで個人情報を出すか
フルネームや連絡先を求められたら、何のために必要かを先に確認します。SES提案の段階で、エンジニアの連絡先を渡す必要はありません。渡すと、営業を通さずに直接連絡される原因にもなります。
客先・BPから職務経歴書を求められたときの対応
客先やBPから職務経歴書を求められたら、まず「スキルシートの形でもよいか」を確認します。多くの場合、スキルシートで問題ありません。確認の流れは次のとおりです。
求めている理由を聞く(「どの点を確認されたいですか?」)
案件の判断のためなら、スキルシートで出してよいか確認する
職務経歴書の形が必要なら、使い道と、フルネームが必要かを確認する
本人(BP経由の人ならBP)に、出す書類と出す相手を伝えて同意を取る
送るときは、メール本文に「提案目的以外に使わないでください」と一言添える
確認するときのメール例文
件名:〇〇案件の提案書類について(株式会社△△) 株式会社〇〇 □□様 いつもお世話になっております。株式会社△△の◇◇です。 〇〇案件のご提案書類について、職務経歴書のご依頼ありがとうございます。 弊社では、技術と担当工程をまとめたスキルシートでご提案しております。 氏名はイニシャルとしておりますが、案件のご判断に必要な情報は記載しております。 スキルシートでのご提出でよろしいでしょうか。 職務経歴書の形式が必要な場合は、ご利用の目的をお知らせいただけますと幸いです。 本人の確認を取ったうえで、ご用意いたします。
→ 提案書類を送るときのメールは要員提案メールの例文とテンプレも使えます。
BPから職務経歴書が届いたとき
BPから、スキルシートではなく職務経歴書が届くこともあります。その場合は、自社のスキルシートの形に作り替えてからお客さんに出します。フルネームや連絡先が書かれたまま転送しないようにしましょう。
職務経歴書をスキルシートに作り替える手順
職務経歴書をスキルシートに作り替えるときは、技術・工程・役割・人数・期間を抜き出して表に並べ直すのが基本です。次の手順で進めます。
氏名をイニシャルにし、住所・電話番号・メールアドレスを消す
会社ごとの経歴を、プロジェクトごとに分け直す
各プロジェクトから、使った技術・工程・役割・チームの人数・期間を抜き出す
案件の必須スキルに合うプロジェクトを上に置く
志望動機は消し、自己PRは案件に合わせて200〜300字に書き直す
作り替えた内容を本人(またはBP)に確認してもらう
職務経歴書に技術のバージョンや工程が書かれていないことはよくあります。わからない部分は推測で埋めず、本人に聞いて書き足します。
→ スキルシートの項目とフォーマットはSESスキルシートのフォーマットと書き方で確認できます。
エンジニアの職務経歴書の書き方
エンジニアの職務経歴書は、職務要約・職務経歴・活かせる技術・自己PRの4つで組み立てると読みやすくなります。SES営業が職務経歴書を使うのは、主に自社でエンジニアを採用するときです。
| 項目 | 書く内容 | 書き方のコツ |
|---|---|---|
| 職務要約 | これまでの経歴を3〜5行で | 経験年数と得意分野を最初に書く |
| 職務経歴 | 会社ごとの在籍期間・立場・担当 | 直近の会社から書く |
| 活かせる技術 | 言語・DB・クラウド・資格 | 技術の一覧はスキルシートの形で添付してよい |
| 自己PR | 強みと、応募先で活かせること | 数字を使った実績を1つ入れる |
職務要約の例文
SES企業で6年間、金融系の業務システム開発に携わってきました。 Java・Spring Bootでの詳細設計から結合テストまでを担当し、 直近2年はサブリーダーとして5名のチームをまとめています。
エンジニアの採用では、職務経歴書にスキルシートを添付して出すことがよくあります。職務経歴書で人柄と経歴の流れを、スキルシートで技術の細かい中身を伝える、という分担です。
→ エンジニア採用の進め方はSESのエンジニア採用が難しい理由5つ|職種別の対策と面接のコツで解説しています。
スキルシートの管理と提案をチョータツで楽にする
人材の書類は、チョータツで人材情報をまとめて管理すると、どちらを求められてもすぐに出せます。
自分でやる場合は、書類をフォルダやExcelに分けて保存し、求められるたびに探して作り替えます。BPから届く人材メールも、1通ずつ開いて書類を探すことになります。
| 場面 | 自分でやる場合 | DrivenXのツールを使う場合 |
|---|---|---|
| 人材の情報を残す | 書類ごとにフォルダへ保存 | チョータツで人材の情報を管理・共有 |
| BPの人材メールを探す | 受信箱で1通ずつ検索 | チョータツメールAIが案件メールと人材メールに切り分け |
| 他社の営業中の人材を知る | 届いたメールを読んで転記 | チョータツで他社と連携すると、営業中人材がデータベースになる |
| 自社の人材を届ける | BCCでメールを一斉送信 | チョータツのメール配信機能でパートナーに配信 |
チョータツでできること
人材の管理・共有:人材の情報をまとめて管理し、社内で共有できます。入力はAIが手伝います
他社との連携:連携した会社の営業中人材を、自社のデータベースとして見られます
メール配信:自社の人材情報を、パートナーへまとめて配信できます
チョータツメールAI:転送設定で届いたメールを取り込み、AIが案件メールと人材メールに切り分けます。案件・人材以外のメールはデータに残りません
チョータツは3,000社以上が使っているSES営業のツールです。無料で始められます。
スキルシート・職務経歴書を扱うときの注意点
スキルシートでも職務経歴書でも、仕事の能力に関係のない情報は書かない・求めないのが原則です。厚生労働省は「公正な採用選考の基本」で、この考え方を示しています。本籍地・家族の職業・宗教・支持政党などは、採用の判断に使うべきでない事項です。
| 注意点 | やること |
|---|---|
| 関係のない情報 | 本籍地・家族・宗教などは書かない |
| 同意 | 出す書類と出す相手を、本人に伝えて同意を取る |
| 渡しすぎ | 連絡先は、提案の段階では渡さない |
| 古い情報 | 稼働開始日や単価は、出す日に最新にする |
| 提案後の扱い | 見送りになった書類は、社内ルールに沿って管理・削除する |
面談の段階でも、提案と採用を混ぜない線引きが大切です。→ SESの事前面談は違法?営業が守りたい適法な進め方7つとNG例
SESと派遣の契約の違いはSES契約と派遣契約の違い|指揮命令など営業の確認ポイント7つで確認できます。
よくある質問
- Q. スキルシートと職務経歴書は、どっちを出せばいいですか?
- SES提案なら、原則としてスキルシートです。社員として採用する話のときは、職務経歴書を使います。迷ったら、相手に使い道を確認しましょう。
- Q. SESの提案で、職務経歴書を求められたら断ってもいいですか?
- 断るより、「スキルシートでもよいか」を確認するのがおすすめです。多くの場合、案件の判断に必要な情報はスキルシートで足ります。
- Q. スキルシートとは何ですか?技術経歴書と同じですか?
- スキルシートとは、エンジニアの経験をプロジェクトごとに、技術・工程・役割で表にまとめた資料のことです。技術経歴書と呼ぶ会社もあり、中身はほぼ同じです。
- Q. エンジニアの職務経歴書には、スキルシートを付けたほうがいいですか?
- 付けるのがおすすめです。職務経歴書で経歴の流れを、スキルシートで技術の細かい中身を伝えられます。
- Q. BPから届いた職務経歴書を、そのままお客さんに出してもいいですか?
- そのまま出すのはやめましょう。氏名をイニシャルにし、連絡先を消して、自社のスキルシートの形に作り替えます。出す前に、BPを通して本人の同意も確認します。
- Q. 履歴書もSESの提案で必要ですか?
- 通常の提案では必要ありません。履歴書は採用のための書類です。求められたときは、何に使うかを確認しましょう。
まとめ
スキルシートは「案件に参画できるか」、職務経歴書は「社員として採用するか」を判断する資料
違いは目的・読む人・書く項目・個人情報の出し方の4点
SES提案では、イニシャルと最寄駅にしたスキルシートを出すのが基本
職務経歴書を求められたら、①何に使うか ②誰が読むか ③どこまで個人情報を出すかで判断する
BPから届いた職務経歴書は、スキルシートの形に作り替え、本人の同意を確認してから出す
人材の情報はチョータツで管理すると、どの書類を求められてもすぐに出せる
この記事は一般的な情報であり、法的助言ではありません。個別の判断は弁護士などの専門家に確認してください。
運営:チョータツ(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月29日|更新日:2026年9月29日
参考資料
厚生労働省「履歴書の様式例の作成について」(2021年4月16日)
厚生労働省「公正な採用選考の基本」
個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」(個人データの第三者提供)
e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」(第27条 第三者提供の制限)