スキルシートとは?SES営業が使う目的と中身、誰が作りどこに回るかを解説

公開日:2026年10月1日更新日:2026年10月1日

スキルシートとは?

スキルシートとは、エンジニアが参加したプロジェクトを、使った技術・担当した工程・役割ごとに一覧にした資料のことです。SESやフリーランスの案件で、人材を紹介するときに使います。

会社によって呼び名が違いますが、中身はほぼ同じです。

呼び名よく使われる場面
スキルシートSES営業のやりとり全般
技術経歴書SIerや大手の客先
経歴書・スキルシートBPから届く人材メールの添付
ITスキルシート・SEスキルシート検索や求人で使われる言い方

「ITスキルシート」「SEスキルシート」も、同じものを指します。ITエンジニアやSE(システムエンジニア)の経歴をまとめた資料、という意味です。

要員とは、案件に参加してもらうエンジニアのことです。SES営業の会話では「要員のスキルシートを送ってください」のように使います。

SES営業がスキルシートを使う3つの目的

SES営業がスキルシートを使う目的は、客先に「この人は案件に合う」と判断してもらうことです。細かく分けると、3つの目的があります。

目的客先が見るところ営業がやること
①案件に合うかの判断必須スキル・工程・業界の経験案件票の条件に合う経験を上に書く
②面談の準備経験年数・役割・直近の案件面談で確認したい点がわかるように整える
③単価の根拠を示すリーダー経験・上流工程の経験単価に見合う経験を具体的に書く

案件票とは、客先や元請けが出す、案件の条件をまとめた資料のことです。必須スキル・期間・場所・単価などが書かれています。

目的①:案件に合うかを判断してもらう

客先は、1つの案件に何人分ものスキルシートを受け取ります。最初に見るのは、案件票の必須スキルを満たしているかです。

たとえば「Java 3年以上、詳細設計から」という案件があるとします。客先は、Javaの年数と詳細設計の経験を真っ先に見ます。営業は、ここが一目でわかるように整えます。

目的②:面談(業務のすり合わせ)の準備にする

SESの現場では、スキルシートのあとに客先との面談(顔合わせ)が行われることが多いです。スキルシートは、面談で何を確認するかを客先と共有する材料になります。

ただし、準委任(SES)では、誰を配置するかを決めるのは受注側(自社)です。厚生労働省の37号告示に関する疑義応答集(第3集)Q7の考え方です。発注者が特定の人を指名したり、就業を拒んだりすると、適正な請負等とは認められません。個人を特定できず、指名や拒否に使えないスキルシートの提出を求めることは、直ちに偽装請負にはならないともしています。

そのため、複数名のシートを並べて「選んでください」と出す使い方は避けます。自社で1名に絞って提案するのが安全です。面談の進め方はSESの事前面談は違法?営業が守りたい適法な進め方7つとNG例で解説しています。

目的③:単価の根拠を示す

単価とは、エンジニア1人を1か月お願いするときの料金のことです。スキルシートは、その単価が妥当かを客先が判断する材料になります。

「チームリーダー経験あり」「要件定義から担当」などの経験は、高めの単価を提案する根拠になります。案件票に「スキル見合い」とあれば、経験に応じて単価を相談できるという意味です。

スキルシートの中身:書かれている項目

スキルシートには、大きく「基本情報」「スキル」「プロジェクト経歴」の3種類の情報が書かれています。提案で特に見られるのは、プロジェクト経歴です。

分類主な項目営業のチェックポイント
基本情報イニシャル・最寄駅・稼働開始日氏名はイニシャルか、年齢・性別が載っていないか
スキル言語・OS・DB・クラウド・資格経験年数が書かれているか
プロジェクト経歴期間・業界・内容・工程・役割・人数直近の案件が上にあるか
営業が足す情報単価・所属・商流・面談可能日客先向けと社内向けを分けているか

氏名をイニシャルにして、住所を最寄駅にするのは、提案の段階では個人を特定できる情報を出しすぎないためです。

項目ごとの書き方と記入例は、SESスキルシートのフォーマットと書き方|15項目の記入例付きにまとめています。

スキルシートは誰が作る?

スキルシートの元の情報を書くのはエンジニア本人で、提案用に整えるのは所属会社の営業です。人材がどこの所属かによって、作る人が変わります。

人材の所属元の情報を書く人提案用に整える人
自社の社員エンジニア本人自社の営業
BP(取引先)の社員BPのエンジニア本人BPの営業 → 自社の営業
個人のフリーランスフリーランス本人本人、または契約する会社の営業
新人・経験が浅い人本人と上司・営業自社の営業

BP(ビジネスパートナー)とは、案件や人材を紹介し合う取引先の会社のことです。

営業が「整える」とは何をすることか

営業が整える作業は、主に次の4つです。

  1. 自社の形式にそろえる:届いた形式がバラバラでも、客先に出す形式を1つに決めて写す

  2. 案件に合わせて並べ替える:案件票の必須スキルに当たる経験を目立たせる

  3. 出しすぎた情報を消す:氏名・連絡先・過去の客先名など、提案段階で要らない情報を消す

  4. 中身を本人に確かめる:経験年数や役割が、本人の話と合っているかを確かめる

4つ目の確認を省くと、面談で話が合わず、信頼を失う原因になります。「経験を足して」と頼まれたときの断り方は、SESで経歴を盛る指示の断り方|例文と営業が負う法的リスクにまとめています。

スキルシートはどこに回る?商流と一緒に流れる仕組み

スキルシートは、エンジニアの所属会社から商流をさかのぼって、エンドの担当者まで回ります。商流とは、仕事がエンド(発注元)から、いくつもの会社を通って流れてくる経路のことです。

案件は上から下へ、スキルシートは下から上へ流れます。

  1. エンジニア本人が経歴を書き、所属会社の営業に渡す

  2. 所属会社の営業が提案用に整え、案件を持つ会社(BPや元請け)に送る

  3. BPの営業が、自社の形式に写したり、所属を書き換えたりして、さらに上の会社に送る

  4. 元請け(一次請け)の営業が、エンドに提案する

  5. エンドの担当者が見て、業務のすり合わせ(面談)を行う

元請けとは、エンドから直接仕事を受ける会社のことです。

商流が深いほど、スキルシートは遅れて届く

間に入る会社が増えるほど、スキルシートがエンドに届くまで時間がかかります。各社で形式を写し直すため、書き写しの間違いも起きやすくなります。

案件は、早く提案した人から面談が決まっていくことが多いです。すぐ出せるスキルシートを手元に用意しておくことが、営業のスピードに直結します。

同じ人が2つの経路で提案される「二重提案」に注意

二重提案とは、同じエンジニアのスキルシートが、別々の会社から同じ案件に届いてしまうことです。BPが複数の会社に同じ人材を紹介していると起こります。

二重提案が起きると、客先から「管理ができていない」と見られます。防ぐには、BPから人材をもらうときに「この案件に、ほかの経路で出していないか」を必ず確かめます。

BPに確かめるときは、次の一文をメールに入れておくと記録に残ります。

例文・テンプレート
ご紹介いただいたT.K様について、弊社から〇〇案件(エンド:金融系)へ
ご提案予定です。同じ案件へ、ほかの経路でご提案済みでないか
ご確認いただけますでしょうか。

発覚してしまったときの対応は、SESの二重提案が発覚したら|どちらを残すかの判断と謝罪例文で解説しています。

スキルシートと職務経歴書・履歴書の違い

スキルシートは「案件に参加できるか」を判断する資料で、職務経歴書と履歴書は「社員として採用するか」を判断する書類です。

書類ひとことで主な場面
スキルシート技術と工程の一覧表SES・フリーランスの案件提案
職務経歴書仕事の経歴と実績の説明書転職・社員の採用
履歴書本人の基本情報転職・社員の採用

SESの提案では、原則としてスキルシートを出します。職務経歴書を求められたときの考え方は、スキルシートと職務経歴書の違い|SES提案で使い分ける3つの基準で解説しています。

派遣の案件では、スキルシートの扱いが違う

派遣の案件では、派遣先は派遣される人を特定する行為をしないよう努める必要があります(労働者派遣法26条6項。紹介予定派遣は除く)。厚生労働省の派遣先指針は、事前の面接や履歴書を送らせることなどを「行わないこと」としています。

準委任(SES)と派遣では、同じスキルシートでも扱いが変わります。派遣でどこまで出せるかは派遣のスキルシートはどこまで出せる?事前面接のルールとSESの違いで解説しています。

スキルシートを扱うときに営業が守ること

スキルシートを扱うときは、「本人の同意」「最新の情報」「出す相手の確認」の3つを守るのが基本です。

スキルシートは、イニシャルにしても、ほかの情報と組み合わせると個人がわかることがあります。その場合は個人データにあたります。他社に渡すには、原則として本人の同意が必要です(個人情報保護法27条)。

守ることやること
本人の同意どの会社・どの案件に出すかを伝えて、同意を取る
最新の情報稼働開始日と直近の案件を、出す日に更新する
出す相手の確認送る前に、宛先と案件名をもう一度見る
見送り後の扱い見送りになったシートは、社内ルールに沿って管理・削除する

同意の取り方と文例は、スキルシートの個人情報と第三者提供の同意|SES提案で守る手順と文例にまとめています。

社内・BPのスキルシートを「探せる形」で管理する方法

スキルシートは、人・スキル・稼働開始日の3つで探せる台帳を作って管理するのが基本です。ファイルをフォルダに入れるだけでは、急な案件にすぐ出せません。

自分でやる場合:Excel台帳を作る5ステップ

  1. 台帳を1つ作る:Excelやスプレッドシートに、人材を1行ずつ入れる表を作る

  2. 列を決める:イニシャル・所属(自社/BP名)・主なスキル・経験年数・稼働開始日・希望単価・ファイル名を入れる

  3. ファイル名をそろえる:更新月・イニシャル・スキル・所属を入れる(例:2026-10_TK_Java5年_自社.xlsx)

  4. 届いたらすぐ台帳に入れる:BPから人材メールが届いたら、その日のうちに1行足す

  5. 週に1回、古い行を見直す:稼働開始日が過ぎた人や、決まった人に印を付ける

保管ルールや更新の手順はSESのスキルシート管理方法|探せる保管ルールと更新・同意の手順で詳しく解説しています。

自分でやる場合の限界

BPから届く人材メールが1日に何十通もあると、台帳への転記だけで時間がなくなります。転記が追いつかないと、台帳が古くなり、結局メールを探し直すことになります。

また、スキルシートを自社のフォルダに置くだけでは、チームのほかの営業が探せません。担当者が休むと、誰も出せなくなります。

スキルシートの管理と提案をチョータツで楽にする

台帳への転記と共有の手間は、チョータツで人材情報をまとめて管理すると減らせます。BPから届く人材メールは、チョータツメールAIで切り分けられます。

場面自分でやる場合DrivenXのツールを使う場合
人材の情報を残すExcel台帳に手で転記チョータツで管理・共有。入力はAIが手伝う
BPの人材メールを探す受信箱で1通ずつ検索チョータツメールAIが案件メールと人材メールに切り分け
他社の営業中の人材を知る届いたメールを読んで転記チョータツで他社と連携すると、営業中人材をデータベース化
自社の人材を届けるBCCでメールを一斉送信チョータツのメール配信機能でパートナーに配信

チョータツでできること

  • 人材の管理・共有:人材の情報をまとめて管理し、チームで共有できます。入力はAIが手伝います

  • 他社との連携:連携した会社の営業中人材を、自社のデータベースとして見られます

  • メール配信:自社の人材情報を、パートナーへまとめて配信できます

  • チョータツメールAI:転送設定で届いたメールを取り込み、AIが案件メールと人材メールに切り分けます。案件・人材以外のメールはデータに残りません

チョータツは3,000社以上が使っているSES営業のツールです。無料で始められます。

社内にもBPにも合う人がいないときは、xhours

社内とBPを探しても合う人がいないときは、フリーランスのエンジニアに直接声をかける方法もあります。xhoursは、企業がITフリーランスに直接スカウトできるサービスです。数千名のフリーランスのデータベースから探せます。

よくある質問

Q. スキルシートとは、簡単に言うと何ですか?
エンジニアの経験を、技術・工程・役割ごとに表にまとめた資料です。SESでは、客先に人材を提案するときの判断材料として使います。
Q. ITスキルシート・SEスキルシートは、普通のスキルシートと違うものですか?
同じものです。ITエンジニアやSEの経歴をまとめた資料なので、そう呼ばれることがあります。技術経歴書と呼ぶ会社もあります。
Q. スキルシートは誰が作るのですか?
元の情報はエンジニア本人が書きます。提案用の形式にそろえ、案件に合わせて整えるのは、所属会社の営業です。
Q. BPから届いたスキルシートは、そのまま客先に出してもいいですか?
そのまま出すのはおすすめしません。自社の形式にそろえ、氏名や連絡先が出すぎていないか確かめます。出す前に、BPを通して本人の同意と、ほかの経路で出していないかを確認します。
Q. スキルシートの決まった様式はありますか?
法律で決まった様式はありません。会社ごとにExcelやWordで作ります。自社で1つ形式を決めておくと、BPから届いたシートも整えやすくなります。
Q. スキルシートはどのくらいの頻度で更新しますか?
提案するたびに、稼働開始日と直近の案件を最新にします。今の案件が終わったときは、その案件の経歴を必ず書き足しましょう。

まとめ

  • スキルシートとは、エンジニアの経験を技術・工程・役割ごとに表にした資料

  • SESで使う目的は、案件に合うかの判断・面談の準備・単価の根拠の3つ。人選は自社で行う

  • 元の情報はエンジニア本人が書き、提案用には所属会社の営業が整える

  • スキルシートは商流をさかのぼってエンドまで回り、途中で形式や所属が書き換わる

  • 二重提案を防ぐため、BPの人材は「ほかの経路で出していないか」を確かめる

  • 本人の同意・最新の情報・出す相手の確認の3つを守る

  • 人・スキル・稼働開始日で探せる台帳を作り、チョータツで共有すると提案が早くなる

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年10月1日|更新日:2026年10月1日

参考資料(2026年9月30日確認)