SE単価の相場表|PM・SE・PG別と工程別の人月単価の目安、見積もりで提案単価を説明する方法

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

SE単価とは?人月単価との関係

SE単価とは、システムエンジニア(SE)1人が1か月働いたときに、発注側が払う料金のことです。多くの場合は「人月単価」と同じ意味で使われます。人月とは、1人が1か月働く仕事の量を表す単位です。

SESの見積もりでは、「人月単価×人数×月数」で金額を出します。たとえば月80万円のSEが3人で6か月なら、80万円×3人×6か月=1,440万円です。人月単価の基本と精算の計算は、人月単価とは?計算方法と工数単価との違い|SES見積もりの例つきで解説しています。

この記事では、SE単価を「役割(PM・SE・PG)」と「工程(要件定義〜運用)」の2つの軸で整理します。職種(インフラ・開発・AIなど)別の相場、経済産業省・総務省などの公的データの読み方、相場の調べ方はSESの単価相場|職種別の月額目安と公的データの使い方で解説しています。

PM・SE・PGの役割の違い

PM・SE・PGは、同じ開発チームの中で受け持つ仕事が違います。単価の差は、この仕事の違いから生まれます。

役割主な仕事主に担当する工程
PM(プロジェクトマネージャー)計画・予算・要員・進み具合の管理全工程(特に計画と要件定義)
SE(システムエンジニア)お客さんの要望を整理し、システムを設計する要件定義・設計・テスト
PG(プログラマー)設計書をもとにプログラムを書き、動作を確かめる製造(プログラミング)・単体テスト
運用・保守SE動いているシステムを監視し、障害に対応する運用・保守

PMとは、プロジェクトの責任者として、計画・予算・人の配置・進み具合を管理する人のことです。厚生労働省の職業情報サイト「job tag(ジョブタグ)」でも、このように説明されています。PMOの単価は、SESのPMO単価相場|経験別の目安と提案単価の決め方5手順で型ごとに解説しています。

役割別(PM・SE・PG)のSE単価の相場表

役割別に見ると、公的データではPMが最も高いのがはっきりした傾向です。ただし、国の統計はSEとPGを同じ区分で集計しているため、SE・PG・運用の間の差は大きくは出ません。

公的データで見る役割別の賃金

job tagは、厚生労働省が運営する職業ごとの仕事内容や賃金をまとめたサイトです。年収は「令和7年賃金構造基本統計調査」がもとになっています。

役割(job tagの職業名)年収(全国平均)
PM(プロジェクトマネージャ(IT))889万円
SE(システムエンジニア(受託開発))578.5万円
PG(プログラマー)578.5万円
運用SE(運用・管理(IT))609.8万円

表を読むときは、年収は統計の区分ごとの数字だという点に注意してください。SEとPGは同じ区分なので、どちらも578.5万円です。役割の違いがそのまま年収の差になっているわけではありません。

PMのページでは、求人の月給が40.4万円、平均年齢が38.3歳と示されています。運用SEの年収がSE・PGより高く出るのも、統計の区分の違いによるものです。運用の仕事そのものが開発より高いという意味ではありません。

年収から試算した役割別の人月単価

年収から単価を出すには、「賃金の何倍が料金になるか」を知る必要があります。厚生労働省の派遣のデータでは、IT技術者の料金は賃金の約1.49倍です。

区分1日8時間あたりの金額出典
情報処理・通信技術者の派遣料金34,382円(税込)/約31,256円(税抜)厚生労働省(2024年度)
情報処理・通信技術者の派遣労働者の賃金21,032円厚生労働省(2024年度)
料金÷賃金約1.49倍31,256円÷21,032円

この1.49倍を、年収を12で割った月の給与にかけると、単価の目安が出ます。実際の取引を集めた数字ではなく、説明のための参考値です。

役割月の給与に換算試算した人月単価の目安使いどころ
PM約74万円約110万円要件定義・全体管理
SE・組込みSE・PG約48万円約72万円設計・製造・テスト
運用・保守SE約51万円約76万円運用・保守

運用・保守の試算がSE・PGより少し高いのは、統計の区分が違うためです。実際の運用の単価は、監視や問い合わせ対応が中心か、設計・改善まで担うかで大きく変わります。見積もりでは、仕事の中身を書いたうえで、案件の単価と比べて決めましょう。

工程別(要件定義〜運用)のSE単価の相場表

工程別に見ると、上流の要件定義ほど単価が高く、製造・テストに向かって下がるのが基本です。上流ほど、経験の長いPMや上級SEが担当するからです。

工程とは、システムを作る作業の段階のことです。一般的には「要件定義→設計→製造→テスト→運用・保守」の順に進みます。

工程ごとの担当と単価の目安

工程主な担当試算した単価の目安工数の割合(目安)
要件定義PM・上級SE約110万円約15%
設計〜結合テストSE・PG約72万円約60%
総合テストSE・PG約72万円約25%
運用・保守運用・保守SE約76万円(試算。仕事の中身で上下)開発とは別に見積もる

工数の割合は、JUAS(日本情報システム・ユーザー協会)の「ソフトウェア・メトリクス調査2025」にある目安です。JUASとは、システムを使う側の企業が集まる団体のことです。調査では、工数の比率を要件定義15:設計〜結合テスト60:総合テスト25としています。

同じ調査の実績では、要件定義13%・設計〜結合テスト61%・総合テスト26%でした。つまり、開発の工数の約6割は設計〜結合テストです。見積もり全体の金額は、この工程の単価で大きく決まります。

発注側が実際に払っている人月単価

JUASの同じ調査では、発注側が外部の会社に払った費用を工数で割った「加重平均単価」も出ています。加重平均単価とは、工数の多いプロジェクトほど重く数えて出した平均の単価のことです。

開発の種類加重平均単価(人月)件数
スクラッチ開発(ゼロから作る)96万円99件
パッケージ利用開発144万円39件
SaaS利用開発(参考値)144万円15件

スクラッチ開発の96万円は、発注側が外部の会社(主に元請け)に払う金額です。元請けの経費や利益も含まれるため、SESで二次請け・三次請けに届く単価は、これより低くなるのがふつうです。

パッケージ利用開発は、スクラッチより約5割高い結果でした。JUASは、パッケージを使うスキル・ノウハウが必要なことや、パッケージ開発の技術者が需要に対して足りていないことを理由に挙げています。SAPなどのパッケージ案件で単価が高くなりやすいのは、このためです。

月単価と作業単価(時間単価)の換算

SEの月単価は、精算幅の上限と下限で割ると、時間あたりの単価(作業単価)に直せます。発注側から「1時間いくら?」と聞かれたときに使います。

精算幅とは、「月140〜180時間」のように、月額どおりに払う稼働時間の範囲のことです。範囲を超えた分は超過として加算し、足りない分は控除として差し引きます。

月単価160時間で割った時間単価超過単価(180時間で割る)控除単価(140時間で割る)
60万円3,750円約3,333円約4,286円
72万円4,500円4,000円約5,143円
90万円5,625円5,000円約6,429円
110万円6,875円約6,111円約7,857円

これは「上下割」と呼ばれる計算方法の例です。超過や控除の細かい計算はSESの精算幅を下回ったら?控除の計算方法と有給・固定の扱いを参照してください。

見積もりで役割別・工程別の単価を使う5つの手順

発注側は、複数社の見積もりを並べて単価を比べます。SES営業は、役割と工程を分けて書き、公的な物差しと比べた理由を添えると、単価の説明が通りやすくなります。

  1. 要員ごとに「役割」と「担当工程」を書く
    スキルシートの名前の横に、「SE/詳細設計〜結合テスト」のように書きます。役割があいまいだと、発注側は一番安い区分で比べてしまいます。

  2. 公的な物差しに当てる
    役割・工程ごとに、この記事の試算(PM約110万円、SE・PG約72万円)を当てます。自社の提案単価との差を、プラスかマイナスで書き出します。

  3. 加重平均の単価を出す
    チーム全体の平均単価を、「単価×工数」の合計÷工数の合計で出します。計算例は次の節で紹介します。

  4. 差の理由を1行で書く
    物差しより高い理由を、「業務知識」「使う技術」「商流」「稼働の条件」などから1つ選んで書きます。理由のない高さは、値下げを求められる原因になります。

  5. 発注側の見積もり比較の軸にそろえる
    発注側が「工程ごと」に比べているなら工程別に、「人ごと」なら役割別に並べ直します。相手の比べ方に合わせるだけで、質問の数が減ります。

提案単価そのものの決め方はSESの提案単価の決め方|仕入れ単価から逆算する計算式と5つの要素で解説しています。

計算例:4人チームの加重平均単価

4人のチームで、6か月・合計24人月の開発を提案する例です。単価はこの記事の試算に近い数字で置いています。

役割提案単価工数金額
PM(全期間)110万円6人月660万円
SE(設計〜テスト)80万円6人月480万円
PG(製造〜テスト)×2人65万円12人月780万円
合計―24人月1,920万円

加重平均の単価は、1,920万円÷24人月=80万円です。JUASのスクラッチ開発の96万円より低く、公的データの試算とも近い水準だと説明できます。

発注側が「PMの110万円は高い」と言ってきた場合でも、チーム全体では80万円に収まっていると示せます。1人ずつの単価だけで比べられないよう、合計と加重平均を必ず見積もりに書くのがコツです。複数名の体制の組み方は、SESのチーム提案のやり方|複数名の体制の組み方と単価の出し方で解説しています。

発注側への説明の例文

見積もりを出したあとに、単価の根拠を聞かれたときのメール例文です。

株式会社〇〇
情報システム部 △△様

いつもお世話になっております。株式会社□□の××です。
2026年9月28日(月)にお送りした見積もりの単価について、ご説明いたします。

今回のチーム4名の加重平均単価は、1人月あたり80万円です。
厚生労働省の公表データから試算した開発SE・PGの目安(約72万円)に対し、
金融業務の設計経験者を入れているため、SEのみ80万円としています。
PMは要件定義から全期間を担当するため、上流工程の目安(約110万円)で算定しました。

工程別の内訳もご用意できますので、お気軽にお申し付けください。
引き続きよろしくお願いいたします。

根拠を聞かれたら、数字の出どころと、目安との差の理由の2つを答えます。公的な数字を1つ入れるだけで、「感覚で決めた単価」ではないと伝わります。

SE単価が相場より上下する主な理由

同じ役割・工程でも、SE単価は次の5つの理由で上下します。見積もりで差の理由を書くときの候補にしてください。

理由単価が上がる例単価が下がる例
商流エンドや元請けから直接受ける三次請け以下で受ける
業務知識金融・医療など業界の経験がある業界の経験がない
技術パッケージ(SAPなど)・クラウド・AI古い言語の保守だけ
稼働の条件精算幅が狭い・短期・急ぎ長期で条件がゆるい
経験の長さリーダー経験がある経験1〜2年

とくに影響が大きいのは商流です。同じSEでも、間に入る会社が1社増えるたびに、手元に届く単価は下がります。高い単価の案件を狙う方法はSESの高単価案件を獲得する方法|商流・工程・希少性の3軸で狙う手順を参照してください。

表の数字は毎年差し替える

この記事の表は、国の統計からの試算です。国の統計は毎年更新されるので、提案資料に使う数字は最新の年度の数字に毎年差し替えるようにしましょう。単価が年ごとにどう動いてきたかはIT人材の単価推移|5年で約9%上昇、SES営業の交渉での使い方で解説しています。

見積もり前のチェックリスト

見積もりを出す前に、次の8項目を確認しましょう。1つでも欠けていると、単価の説明で詰まりやすくなります。

  • 要員ごとに役割(PM・SE・PG・運用)を書いた

  • 要員ごとに担当する工程を書いた

  • 役割ごとの単価を、公的な物差しと比べた

  • チーム全体の合計金額と加重平均単価を出した

  • 物差しとの差の理由を1行で書いた

  • 精算幅と、超過・控除の計算方法を書いた

  • 時間単価を聞かれたときの答えを用意した

  • 使った統計の年度と出典を控えた

チョータツで役割・工程別の「今の単価」を集める

公的データは大まかな物差しにはなりますが、今月の相場までは教えてくれません。今の相場を知るには、実際に動いている案件・人材の単価を集めて並べるのが確実です。

自分で集める場合は、BPから届く案件メール・人材メールをExcelに書き写します。役割・工程・単価・商流の列を作り、同じ役割どうしで並べます。ただし、毎日何十通も届くメールを書き写すのは手間がかかります。

もっと楽にするなら、チョータツを使う方法があります。チョータツは、SES営業の案件・人材の情報を管理・共有するツールです。

  • パートナーと連携すると、他社の営業中案件・営業中人材がデータベースになります。同じ役割の案件を並べれば、今の単価の水準が見えます。

  • 案件・人材の情報を社内で共有できます。営業ごとに違う単価の感覚を、チームでそろえられます。

  • AIが入力を手伝うので、登録の手間を減らせます。

  • 3,000社以上が利用しており、無料で始められます。

公的な物差しで「説明の土台」を作り、チョータツに集まる営業中の案件・人材で「今の水準」を確かめる。この2つを組み合わせると、見積もりの単価に自信を持って答えられます。

よくある質問

Q. SE単価の相場はいくらですか?
公的データからの試算では、開発のSE・PGで月約72万円、PMで月約110万円です。発注側が外部に払う平均は、JUASの調査でスクラッチ開発96万円です。
Q. SEとPGの単価はどれくらい違いますか?
国の統計ではSEとPGは同じ区分で、年収は同じ578.5万円です。統計からは差が出ないので、設計など上流を担う分の差は、実際の案件の単価を並べて確かめます。
Q. 組み込みエンジニアの単価の目安は?
組込みも設計・製造を担う開発の仕事なので、この記事では開発のSE・PGの試算(月約72万円)を物差しにします。車載や家電など分野の経験は、単価が上がる理由として説明に使えます。
Q. 運用SEの単価は開発SEより低いですか?
公的データの試算では、運用・保守は約76万円で、開発のSE・PG(約72万円)より少し高く出ます。ただしこれは統計の区分の違いによるものです。監視中心か、設計・改善まで担うかで単価は大きく変わるので、仕事の中身を書いて見積もりましょう。
Q. 社内SEの支援案件は、どの単価で見積もればいいですか?
社内SEの支援(情報システム部門への常駐)は、仕事の中身で区分を選びます。問い合わせ対応や運用が中心なら運用・保守、システムの企画や管理まで担うならSE・PMの区分で考えます。

まとめ

  • SE単価は「役割」と「工程」の2つの軸で整理すると、見積もりで説明しやすい

  • 公的データからの試算は、PMで約110万円、開発のSE・PGで約72万円

  • 発注側が外部に払う平均は、JUASの調査でスクラッチ開発96万円、パッケージ利用開発144万円

  • 開発の工数の約6割は設計〜結合テストで、見積もり全体の金額はこの工程の単価で決まる

  • 見積もりには、要員ごとの役割・工程と、チーム全体の加重平均単価を必ず書く

  • 今の水準は、チョータツに集まる営業中の案件・人材の単価で確かめる

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

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