SES案件の職種一覧|営業が覚えるIT職種6分類と仕事内容・見分けるキーワード・単価目安

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

SES案件の職種とは?営業が覚える理由

SES案件の職種とは、案件で求められるエンジニアの役割の種類のことです。営業が職種を覚えると、案件と人材の組み合わせを外さずに提案できます。

SESの営業は、案件メールと人材メールを毎日たくさん受け取ります。職種を知らないと、「Javaの案件にJavaの人を出したのに落ちた」ということが起きます。理由は、同じJavaでも「設計ができる人」と「作るだけの人」がいるからです。

職種を覚える目的は、エンジニアになることではありません。案件メールを読んで、どんな人が合うかを判断できることがゴールです。

SESで使う用語全体は「SES用語一覧|営業が現場で使う用語60と意味・例文つき」にまとめています。

SES案件の職種は6つに分けると覚えやすい

SES案件の職種は、仕事の中身で6つに分けられます。細かい職種名は会社ごとに違いますが、この6分類に当てはめれば迷いません。

分類何をする人か主な職種名
1. 上流・マネジメント計画を立て、人と進み具合を管理するPM、PMO、ITコンサルタント
2. 開発システムを設計して作るSE、PG、Web系エンジニア、組込みエンジニア
3. インフラサーバーやネットワークを作るサーバー、ネットワーク、クラウド、DBエンジニア
4. 運用保守・サポート動いているシステムを守る運用・監視、保守、ヘルプデスク
5. テスト・品質正しく動くか確かめるテストエンジニア、QAエンジニア
6. データ・AI・セキュリティデータを活用し、安全を守るデータエンジニア、AIエンジニア、セキュリティエンジニア

システム作りの流れで見ると、1が最初(計画)、2と3が真ん中(作る)、5が確認、4が完成後です。上流工程とは、計画や要件定義など、作る前の段階のことです。下流工程とは、プログラムを書く・テストするなど、作る段階のことです。

1. 上流・マネジメント系の職種

上流・マネジメント系は、プロジェクトの計画と管理をする職種です。経験年数が長い人が多く、単価も高めになります。

職種仕事内容案件メールで見分けるキーワード
PMプロジェクトの責任者。計画・予算・人の配置を決める「PM」「全体統括」「ベンダーコントロール」
PMOPMを支える。進み具合や課題を管理する「PMO」「進捗管理」「会議体運営」「資料作成」
ITコンサルタント会社の課題をITでどう解くか提案する「構想策定」「業務改革」「RFP作成」

PMとは、プロジェクト全体の責任者のことです。PMOとは、PMを支えて管理の実務を行う人やチームのことです。どちらも「マネジメント」と書かれるので、混同しやすい職種です。違いは「PMOとPMの違い|SES営業が案件を読み分けるポイントと提案判断表」でくわしく解説しています。

営業が注意したいのは、PMOに2つの型があることです。資料作成や会議の準備が中心の「事務局型」と、課題の解決まで動く「推進型」です。同じPMO案件でも、求める経験がまったく違います。

2. 開発系の職種

開発系は、システムを設計してプログラムを書く職種です。SES案件の中で一番数が多い分類です。

職種仕事内容案件メールで見分けるキーワード
SE(システムエンジニア)何を作るか決め、設計書を書く「基本設計」「詳細設計」「要件定義」
PG(プログラマー)設計書をもとにプログラムを書く「製造」「実装」「コーディング」「単体テスト」
Web系エンジニアWebサービスやアプリを作る「フロントエンド」「バックエンド」「React」「Go」
組込みエンジニア家電や車などの機械を動かすソフトを作る「組込み」「制御」「C言語」「車載」

SEとは、システムの設計を担当するエンジニアのことです。PGとは、設計書にそってプログラムを書く人のことです。実際の現場では、SEがプログラムを書くことも多く、境目ははっきりしません。SE・SIer・SESの違いは「SE・SIer・SESの違い|職種・会社・契約を一覧と例文で整理」で整理しています。

そのため、開発系は職種名より「どの工程を担当するか」で判断します。案件メールに「詳細設計〜テスト」とあれば、設計ができるSEが必要です。「製造・単体テスト」だけなら、PGでも合います。

Web系の「フロントエンド」は、画面など利用者が見る部分のことです。「バックエンド」は、データの処理など裏側の部分のことです。

3. インフラ系の職種

インフラ系は、システムが動く土台(サーバー・ネットワーク)を作る職種です。インフラとは、システムを動かすための機械や通信の仕組みのことです。

職種仕事内容案件メールで見分けるキーワード
サーバーエンジニアサーバーを準備し、設定する「Linux」「Windows Server」「構築」
ネットワークエンジニア社内やサーバー間の通信をつなぐ「Cisco」「ルーター」「スイッチ」「CCNA」
クラウドエンジニアクラウド上に土台を作る「AWS」「Azure」「Google Cloud」「IaC」
DBエンジニアデータをためる仕組みを作る「Oracle」「SQL Server」「DB設計」

クラウドとは、自社で機械を持たず、インターネット経由で借りるサーバーなどのことです。AWSはAmazon、AzureはMicrosoft、Google CloudはGoogleが提供するクラウドです。IaCとは、サーバーの設定をプログラムのように書いて自動で作る方法のことです。CCNAは、Cisco社が認定するネットワークの資格です。

厚生労働省の職業情報サイト「job tag」では、インフラ系は「システムエンジニア(基盤システム)」という職業です。サーバーの設定やネットワークの設定が、同じ職業の仕事として書かれています。

インフラ系も工程で見分けます。「設計・構築」は経験者向けで、「運用・監視」は若手でも入りやすい案件です。「インフラ」と書いてあっても、どちらの工程かで合う人が変わります。

4. 運用保守・サポート系の職種

運用保守・サポート系は、完成したシステムを止めずに動かし続ける職種です。若手や未経験に近い人が参画しやすい分類です。

職種仕事内容案件メールで見分けるキーワード
運用・監視システムの状態を見張り、異常時に連絡する「監視」「24時間」「シフト制」「一次対応」
保守不具合を直し、小さな改修をする「保守」「改修」「障害対応」
ヘルプデスク社員からのITの質問やトラブルに答える「問い合わせ対応」「キッティング」「PCセットアップ」

運用保守とは、システムが止まらないように見張り、不具合を直す仕事のことです。開発系の「保守開発」は、既存のシステムを直す開発の仕事です。運用系の保守とは求めるスキルが違うので、案件メールの前後を読んで判断します。

キッティングとは、社員が使うパソコンの初期設定をまとめて行う作業のことです。「シフト制」「夜勤あり」は、人材側の条件と合わないことが多い項目です。提案前に必ず本人に確認します。

5. テスト・品質系の職種

テスト・品質系は、システムが正しく動くかを確かめる職種です。開発経験が浅い人でも入りやすく、開発系へのステップにもなります。

職種仕事内容案件メールで見分けるキーワード
テストエンジニアテストの手順どおりに動かし、結果を記録する「テスト実施」「結合テスト」「検証」
QAエンジニアテストの計画を立て、品質を管理する「QA」「テスト設計」「品質管理」「自動テスト」

「テスト実施」だけなら経験が浅くても参画できます。「テスト設計」「自動テスト」が入ると、開発の知識が必要です。同じテスト案件でも、実施と設計で難しさが大きく違います。

6. データ・AI・セキュリティ系の職種

データ・AI・セキュリティ系は、データの活用や安全対策を専門にする職種です。専門性が高く、人が少ないため、見つけにくい分類です。

職種仕事内容案件メールで見分けるキーワード
データエンジニアデータを集めて使える形に整える「データ基盤」「BigQuery」「ETL」
AIエンジニアAIの仕組みを作り、業務に組み込む「機械学習」「生成AI」「Python」
セキュリティエンジニア攻撃から守る仕組みを作る「脆弱性診断」「SOC」「セキュリティ設計」

ETLとは、データを取り出し、形を整え、別の場所に入れる処理のことです。BigQueryは、Googleが提供する大量のデータを集計するサービスです。SOCとは、攻撃の兆候を24時間見張るセキュリティの監視チームのことです。「Python」は開発でも使われる言語なので、「機械学習」など前後の言葉と合わせて職種を判断します。

職種別の単価の目安(公的データからの試算)

公的データから試算すると、月額単価の目安は開発系で約72万円、PM・インフラ設計で約110万円です。実際の取引の単価を集めた数字ではなく、比べるときの参考値です。

試算のもとは、厚生労働省の職業情報サイト「job tag(ジョブタグ)」の年収です。job tagとは、厚生労働省が運営する、職業ごとの仕事内容や賃金をまとめたサイトのことです。年収は「令和7年賃金構造基本統計調査」によります。

分類(job tagの職業名)年収月の給与に換算試算した単価の目安
上流(プロジェクトマネージャ(IT))889万円約74万円約110万円
インフラ(システムエンジニア(基盤システム))889万円約74万円約110万円
開発(システムエンジニア(受託開発)、プログラマー)578.5万円約48万円約72万円
運用保守(運用・管理(IT))609.8万円約51万円約76万円
AI(AIエンジニア)609.8万円約51万円約76万円

試算の手順は次のとおりです。

  1. 年収を12で割り、月の給与にします。

  2. 厚生労働省の「労働者派遣事業報告書」(令和6年度)で、「情報処理・通信技術者」の料金と賃金の比を出します。派遣料金は1日8時間あたり34,382円(税込)、賃金は21,032円です。税を除いた料金は約31,256円で、賃金の約1.49倍です。

  3. 月の給与に1.49をかけて、単価の目安にします。

表を読むときは、次の3点に注意してください。

  • 同じ統計の区分に入る職業は、同じ年収になります。運用とAIが同じ609.8万円なのはこのためです。

  • インフラの約110万円は、設計を担う上級者を多く含む数字です。運用・監視が中心の人には当てはまりません。

  • テスト・セキュリティ・データ系は、公的な職種別の数字が見つかりませんでした。今届いている案件の単価で確かめます。

PM・SE・PG別の目安は「SE単価の相場表|PM・SE・PG別の人月目安と見積もりでの使い方」で解説しています。職種ごとの調べ方は「SESの単価相場|職種別の月額目安と公的データの使い方」で解説しています。案件メールに「スキル見合い」とあるときは「スキル見合いとは?SES案件の単価の意味と提示額の決め方」を参考にしてください。

SES営業の現場での使い方

職種の知識は、「案件メールを読む」「人材と合わせる」「面談前に確かめる」の3つの場面で使います。職種名に頼らず、工程と技術まで確認するのがコツです。

案件メールを読むときの手順

案件メールが届いたら、次の順番で読みます。

  1. 工程を探す:「要件定義」「設計」「製造」「テスト」「運用」のどれかを見つけます。

  2. 分類を決める:工程と技術から、6分類のどれに入るかを決めます。

  3. 必須スキルを分ける:「必須」と「尚可(あればよい)」を分けて書き出します。

  4. 役割を確かめる:リーダーか、メンバーかを確かめます。

  5. 条件を確かめる:勤務地、リモートの割合、シフトの有無を見ます。

マッチングを外しやすい組み合わせ

技術がわからない営業が、よく外してしまう組み合わせをまとめました。

案件メールの書き方よくある間違い合う人材
「Java 詳細設計〜」Javaの製造経験だけの人を出す詳細設計の経験がある人
「インフラ 設計構築」監視オペレーター経験の人を出す構築の経験がある人
「PMO 推進」資料作成中心の人を出す課題解決まで動いた人
「テスト設計」テスト実施だけの人を出すテストケースを作った人
「AWS 構築」AWSの資格だけの人を出す実際に構築した人

人材メールを読むときの確認ポイント

人材メールは、職種名より「どの工程を何年やったか」を見ます。スキルシートの工程欄に丸がついているかを確かめます。職種別のスキルシートの見方は「エンジニアのスキルシート書き方例|職種別サンプルと自己PR文例」が参考になります。

そのまま使える確認メールの例文

案件の職種があいまいなときは、提案前に案件元へ確認します。

○○株式会社 △△様

いつもお世話になっております。株式会社□□の××です。
9月24日にいただいた「インフラエンジニア募集」の件で、2点確認させてください。

  1. 担当工程は、設計・構築でしょうか。運用・監視でしょうか。

  2. 必須スキルのAWSは、構築の実務経験が必要でしょうか。

確認でき次第、条件に合う要員をご提案いたします。
よろしくお願いいたします。

やってはいけないこと

  • 職種名だけで提案しない:「SE」と書いてあっても、仕事の中身は案件ごとに違います。

  • スキルを盛って伝えない:経験のない工程を「できる」と書くと、面談で落ちるか参画後に揉めます。上位から頼まれたときの断り方は「SESで経歴を盛る指示の断り方|例文と営業が負う法的リスク」にまとめています。

  • わからない言葉を放置しない:本人に聞くか、案件元に確認してから提案します。

チョータツで職種ごとに案件・人材を管理する

職種の分け方を決めたら、案件と人材を同じ分類で管理すると、組み合わせを早く探せます。まずは自分でできる方法から始めます。

自分でやるなら、Excelなどの表に「分類」「工程」「主な技術」の列を作ります。案件と人材の両方に同じ列を作ると、分類で絞り込んで合う組み合わせを探せます。管理の人数や件数が増えてきたら、ツールに移すのがおすすめです。

もっと楽にするなら、チョータツを使う方法があります。チョータツでできることは次のとおりです。

  • 案件・人材の情報を管理・共有できます。

  • 入力はAIが手伝います。

  • パートナーへのメール配信機能があります。

  • 他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材をデータベース化できます。

  • 3,000社以上が利用しており、無料で始められます。

案件メールの整理そのものに時間がかかっているなら、チョータツメールAIも使えます。届いたメールをAIが処理し、案件メールと人材メールに切り分けます。AIでのマッチングの考え方は、次に読む記事の「SESマッチングのAI活用」で解説しています。

よくある質問

Q. SESで一番多い職種は何ですか?
SES案件の職種別の件数を集めた公的な統計は見当たりません。設計・製造を担う開発系の案件が多く届く会社が多いです。
Q. SEとPGの違いは何ですか?
SEは何を作るかを決めて設計する人、PGは設計書にそってプログラムを書く人です。現場では両方を担当する人も多いため、担当工程で判断します。
Q. インフラエンジニアの単価の目安はいくらですか?
job tagの年収889万円から試算すると、設計を担う上級者で月約110万円です。運用・監視が中心なら、運用系の月約76万円前後から考えます。
Q. 未経験や若手が入りやすい職種はどれですか?
運用・監視、ヘルプデスク、テスト実施が入りやすい職種です。若手の決め方は「SESの若手アサインが難しい理由5つと対策」の記事を参考にしてください。
Q. 技術がわからない営業でも職種を見分けられますか?
見分けられます。職種名ではなく、工程・技術・役割の3つのキーワードを探せば、6分類のどれに入るかがわかります。

まとめ

  • SES案件の職種は、上流・開発・インフラ・運用保守・テスト・データ/AIの6分類で覚えます。

  • 案件メールは、工程・技術・役割の3つのキーワードで職種を見分けます。

  • 公的データからの試算では、開発系で月約72万円、PM・インフラ設計で月約110万円が目安です。

  • マッチングを外す原因は「同じ職種名でも工程が違う」ことです。提案前に工程をそろえます。

  • 案件と人材を同じ分類で管理すると、合う組み合わせを早く探せます。

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

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