中堅SIer一覧と売上ランキング【上場22社】|SES営業が狙いやすい理由と、売上帯別の攻め方・取引開始の6ステップ

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

中堅SIerとは

中堅SIerとは、大手SIerより規模は小さいものの、自社で元請けや一次請けの仕事を持つSIerのことです。本記事では、上場しているSIerのうち、連結売上高が100億〜1,500億円の会社を中堅として扱います。

SIer(エスアイヤー)とは、お客さんのシステムを企画から開発・運用までまとめて請け負う会社のことです。

連結売上高とは、親会社と子会社を1つのグループとして合計した売上のことです。会社の規模を比べるときの、いちばん基本的な物差しです。

大手・中堅・中小SIerの違い

「大手」「中堅」「中小」は、業界で慣習的に使われる呼び方です。売上の線引きは記事や会社によって違います。本記事では、次の目安で分けました。

区分売上の目安例SES営業から見た特徴
大手SIer1,500億円以上NTTデータ、野村総合研究所案件は多いが、協力会社の枠が固まっている
中堅SIer100億〜1,500億円DTS、TDCソフト、クロスキャット一次請けの案件を持ち、BPを案件ごとに探す
中小SIer100億円未満非上場の会社が多い大手・中堅の下で受ける案件が中心

大手の顔ぶれは大手SIer一覧と売上ランキング|上場企業20社を比較【2026年】にまとめています。大手SIer一覧は「売上上位20社」で区切っています。そのためDTS・NSD・システナは両方に出てきます。本記事では、この3社を「準大手」として中堅側に入れています。

中小SIerとは

中小SIerとは、売上がおおむね100億円未満で、大手や中堅の下で仕事を受けることが多いSIerのことです。非上場の会社が多く、公開情報だけで一覧にするのは難しいのが実情です。

公正取引委員会は2022年、資本金3億円以下のソフトウェア業の会社2万1,000社にアンケートを行いました。取引上の立場を答えた4,589社の内訳は、元請40.4%・中間下請38.2%・最終下請21.3%でした。中小の会社の約6割が、誰かの下で仕事を受けていることになります。

SES企業にとって中小SIerは、案件をもらう相手というより、人材を融通し合う横のBPになりやすい相手です。

中堅SIer一覧と売上ランキング【上場22社】

上場している中堅SIer22社を、直近の通期決算の連結売上高で並べました。売上帯ごとに表を分けています(2026年9月30日確認)。

1,000億円以上(準大手)

順位企業名連結売上高(決算期)強い分野
1DTS1,352億円(2026年3月期)金融・通信向けのソフト開発
2NSD1,178億円(2026年3月期)金融機関・社会インフラ

500億〜999億円

順位企業名連結売上高(決算期)強い分野
3システナ944億円(2026年3月期)自動運転・モバイル向けソフト
4JBCCホールディングス760億円(2026年3月期)クラウドとシステム開発
5フューチャー759億円(2025年12月期)ITコンサルティング
6テクマトリックス717億円(2026年3月期)ネットワーク・セキュリティ、医療
7クレスコ646億円(2026年3月期)業務システム、組込みソフト
8JFEシステムズ574億円(2026年3月期)鉄鋼など製造業(ユーザー系)
9NSW524億円(2026年3月期)組込み・制御システム

300億〜499億円

順位企業名連結売上高(決算期)強い分野
10TDCソフト483億円(2026年3月期)金融・流通のソフト開発
11アルファシステムズ407億円(2026年3月期)通信基地局のシステム
12IDホールディングス393億円(2026年3月期)運用管理、金融向けサービス
13コムチュア381億円(2026年3月期)グループウエア、クラウド
14アイ・エス・ビー370億円(2025年12月期)通信制御ソフト
15日本システム技術324億円(2026年3月期)受託開発、医療ビッグデータ

100億〜299億円

順位企業名連結売上高(決算期)強い分野
16システムリサーチ290億円(2026年3月期)自動車・機械・鉄鋼向け
17コア265億円(2026年3月期)組込みソフト、位置情報
18アイティフォー231億円(2026年3月期)金融機関向け債権管理
19セゾンテクノロジー219億円(2026年3月期)データ連携ソフト、クレジット(ユーザー系)
20キューブシステム184億円(2026年3月期)金融・通信・流通
21クロスキャット173億円(2026年3月期)クレジット・金融
22SYSホールディングス156億円(2026年7月期)ソフト開発

※ 売上高は各社の決算短信の数値です。百万円単位を億円にし、1億円未満は切り捨てています(2026年9月30日確認)。

※ 強い分野は、各社の公式サイトの会社概要などをもとに編集部がまとめたものです。

※ 自社パッケージ(ソフト製品)が中心のオービックと、テスト専業のSHIFTは除いています。協力会社の探し方が受託開発の会社と異なるためです。

※ 富士ソフトは中堅〜大手の独立系として知られますが、2025年5月16日に上場廃止したため表に入れていません。

大手SIerと直接取引している会社は、一次請け・二次請けSIer一覧|商流を上げる営業先の探し方で紹介しています。親会社を持たない会社にしぼった一覧は独立系SIer一覧とランキング|BPを多く使う営業先の見つけ方を見てください。

SES営業が中堅SIerを狙いやすい3つの理由

SES営業にとって中堅SIerは、商流が浅く、BPを探していて、窓口に届きやすい営業先です。ここは編集部の現場の見方で、会社によって違いがあります。

理由1:大手より商流が浅い

中堅SIerは、エンドや大手SIerから直接仕事を受ける一次請けの位置にいることが多い会社です。その協力会社になれば、元請けから数えて2社目に入れる可能性があります。

商流とは、仕事がエンド(発注元)から、いくつもの会社を通って流れてくる経路のことです。間に入る会社が1社減るごとに、その会社の取り分がなくなります。

たとえば、エンドの支払いが月100万円で、間の会社が1社あたり5万円ずつ取るとします。間の会社が3社なら自社に届くのは85万円、2社なら90万円です。1段上がるだけで、月5万円の差になります。数字は説明のための例です。

商流の仕組みはSESの一次請け・二次請けの違い|単価差と商流を上げる方法でくわしく解説しています。

理由2:協力会社(BP)を案件ごとに探している

中堅SIerは、社員だけでは大きな案件の人数をまかなえません。そのため、案件が決まるたびに協力会社から人を集めるのが一般的です。

大手SIerは、長く付き合う協力会社の枠がすでに固まっていることが多くあります。中堅は枠がまだ動いていて、新しい会社が入りこむすき間があるのが強みです。

理由3:窓口に声が届きやすい

中堅SIerは、協力会社の担当者や現場のリーダーと直接話せることが多い会社です。提案から面談までの時間が短く、判断も早い傾向があります。

大手では購買部門の審査を通るまでに時間がかかります。中堅なら、1名目の提案が通れば、そのまま関係を深めやすくなります。

売上帯別の攻め方

中堅SIerの攻め方は、売上帯によって窓口と提案の中身を変えるのが基本です。会社が大きいほど手続きが増え、小さいほど人のつながりが効きます。

売上帯主な窓口通りやすい提案注意点
1,000億円以上協力会社募集ページ・購買部門実績のある中堅〜上級の人材審査が厳しく、口座開設に時間がかかる
500億〜999億円事業部の協力会社担当得意分野に合う専門スキル事業部ごとに窓口が分かれる
300億〜499億円現場リーダー・営業担当すぐ稼働できる人材急ぎの案件が多く、返信の早さが勝負
100億〜299億円役員・部長クラス複数名のチーム提案1社への依存度が上がりやすい

1,000億円前後の会社は「窓口から」

準大手の会社は、協力会社の登録手続きが決まっています。公式サイトの「パートナー募集」「協力会社募集」から申し込むのが近道です。

300億円未満の会社は「人から」

売上が小さめの会社は、交流会や紹介で知り合った担当者から話が進むことが多くあります。会社の窓口に送るより、現場で困っている人に直接届けた方が早い場面が多いです。

300億円未満の会社の担当者へ、交流会のあとに送る一言の例です。

先日の交流会ではありがとうございました。〇〇の□□です。
お話しにあった組込みの案件、弊社に11月から動けるC言語経験5年の者がおります。
スキルシートをお送りしますので、合いそうでしたら15分だけお時間をください。

狙う中堅SIerを選ぶ優先度チェック表

中堅SIerは数が多いので、自社と相性のよい会社から順に当たるのが効率的です。次の5項目で、1項目1点として点数をつけます。

#チェック項目調べ方
1相手の強い分野と、自社エンジニアの経験が合う会社概要・事業紹介ページ
2協力会社・パートナー募集ページがある公式サイトで「パートナー募集」を探す
3大手SIerやエンドと直接取引している有価証券報告書の「主要な顧客」
4エンジニア採用を通年で続けている採用ページ・求人サイト
5自社の拠点から通える場所に案件がある本社・事業所の所在地

4点以上の会社から先に連絡しましょう。3点以下の会社は、リストに残して半年後に見直します。

有価証券報告書は、金融庁のEDINETで無料で読めます。「主要な顧客」は、売上高の10%以上を占める取引先の名前が載る欄です。

リストの作り方はSESの開拓リストの作り方|検索コマンドと優良企業の見分け方7点でも解説しています。

中堅SIerと取引を始める6ステップ

中堅SIerと取引を始めるには、協力会社として取引口座を開き、最初の1名を決める必要があります。取引口座とは、相手の会社に取引先として登録され、発注を受けられる状態のことです。

  1. 候補を10社にしぼる:一覧と優先度チェック表で、4点以上の会社を選ぶ

  2. 窓口を探す:パートナー募集ページ、問い合わせフォーム、交流会で知った担当者の順に当たる

  3. 最初の連絡をする:自社の強みと、すぐ出せる人材を1通にまとめて送る

  4. 会社の資料をそろえる:会社案内、登記事項証明書、決算書、エンジニアの人数とスキルを用意する

  5. 審査を受ける:反社会的勢力でないことの確認や、秘密保持契約(NDA)の締結を求められる

  6. 最初の1名を決める:口座が開いたら、条件が合う案件に早く提案する

審査で見られる項目はSIerの協力会社登録の条件と流れ|審査で見られる7項目にまとめています。書類はSESの取引開始の審査と必要書類|口座開設で求められる8点一覧で確認できます。

最初の連絡で使えるメール例文

例文・テンプレート
件名:協力会社としてのお取引のご相談(株式会社△△)

株式会社〇〇
パートナー採用ご担当者様

はじめまして。株式会社△△の□□と申します。
貴社の協力会社募集ページを拝見し、ご連絡いたしました。

弊社は東京を中心に、SES事業を行っております。
・自社エンジニア:〇名(Java、組込み、インフラ)
・直近の実績:車載ソフトのテスト・開発(2026年4月〜)

貴社の組込み・制御の案件で、開発要員をご提案できればと存じます。
2026年11月から稼働できる者が〇名おります。
スキルシートをお送りしてもよろしいでしょうか。

よろしくお願いいたします。

相手の強い分野と、自社のすぐ出せる人材を1通の中で結びつけるのがコツです。

中堅SIerとの取引で気をつけること

中堅SIerとの取引では、商流の確認・再委託の可否・支払い条件の3つを最初に確かめます。相手が一次請けとは限らないためです。

確認すること理由
その案件での相手の位置(元請けか一次請けか)同じ会社でも案件ごとに位置が変わる
再委託してよいか、何社目までかBPの人材を出せるかが決まる
支払いサイトと精算幅資金繰りと月々の請求額が変わる
契約形態と指揮命令の相手偽装請負を防ぐ

商流の聞き方はSESの商流の確認方法|何次請けかの見分け方と質問例文で紹介しています。

やってはいけないこと

  • 1社に頼りすぎる:売上の大半を1社に頼ると、相手の業績しだいで待機が一気に増えます

  • 合わない人材を数で送る:中堅は判断が早いぶん、ずれた提案が続くと声がかからなくなります

  • 商流を確かめずに受ける:相手がさらに上の会社の下請けで、実は商流が深いこともあります

チョータツで中堅SIerへの提案を速くする

中堅SIerとの取引では、急ぎの案件が来たときに、合う人材をその日のうちに出せるかが決め手になります。自社の人材だけでなく、BPの人材情報も整理しておく必要があります。

自分でやる方法

Excelで「人材一覧」と「案件一覧」を作り、スキル・単価・稼働開始日で並べかえられるようにします。BPから届いた人材メールも、同じ表に写しておきます。

もっと楽にするなら:チョータツ

チョータツは、SES営業の案件・人材の情報を管理・共有できるツールです。3,000社以上が利用していて、無料で始められます。

  • 自社とBPの人材情報、取引先から届く案件を1か所で管理・共有できる

  • パートナーへのメール配信機能で、提案したい人材をまとめて案内できる

  • 他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材をデータベース化できる

  • 入力はAIが手伝う

中堅SIerから急ぎの依頼が来たとき、手元のデータベースから合う人材をすぐ探せます。

よくある質問

Q. 中堅SIerとはどんな会社ですか?
大手SIerより規模は小さいものの、一次請けなどの仕事を自社で持つSIerです。売上はおおむね100億〜1,500億円が目安ですが、決まった定義はありません。
Q. 中堅SIerのランキング上位はどこですか?
上場企業の連結売上高では、DTS・NSD・システナが上位です(2026年9月30日確認)。
Q. 中堅SIerと中小SIerの違いは何ですか?
規模と商流の位置です。中堅は一次請けの仕事を持つことが多く、中小は大手や中堅の下で受ける仕事が中心です。
Q. 小さなSES企業でも中堅SIerと取引できますか?
できます。得意分野が合う会社をしぼり、すぐ出せる人材と一緒に連絡するのが近道です。
Q. 中堅SIerの一覧は、ほかにどこで調べられますか?
日本取引所グループの上場会社検索で、業種「情報・通信業」の会社を調べられます。売上は各社の決算短信で確認しましょう。
Q. 中堅SIerに連絡するのはいつがよいですか?
編集部の見方では、案件が切り替わりやすい月(4月・10月など)の1〜2か月前がねらい目です。たとえば2027年4月開始の案件なら、2〜3月に人を探し始める会社が多くなります。会社によって時期は違うため、最初の連絡で「次に人が必要になる時期」を聞いておきましょう。

まとめ

  • 中堅SIerとは、売上がおおむね100億〜1,500億円で、一次請けの仕事を持つSIer

  • 上場の売上上位は、DTS・NSD・システナ

  • SES営業が狙いやすい理由は、商流が浅い・BPを案件ごとに探す・窓口に届きやすい、の3つ

  • 売上帯で攻め方を変える。1,000億円前後は窓口から、300億円未満は人から

  • 優先度チェック表で4点以上の会社から連絡し、6ステップで最初の1名を決める

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

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