ITのBPとは?「BPさん」の意味と、SES営業が案件メール・提案で使うときの注意点

公開日:2026年10月1日更新日:2026年10月1日

IT業界のBPとは?意味と呼び方

BPとは、「Business Partner(ビジネスパートナー)」の略です。IT業界、とくにSESでは、案件や人材を紹介し合う取引先の会社を指します。

SESとは、エンジニアの技術力を、客先での作業という形で提供するサービスのことです。1社だけで全部の案件に人を出すのは難しいため、多くの会社がBPと協力しています。

同じ意味で使われる言葉

BPは、会社や人によって呼び方が変わります。意味はほぼ同じです。

呼び方よく使う場面ニュアンス
BP案件メール・社内の会話一番よく使う略語
ビジネスパートナー会社のWebサイト・契約書正式な言い方
協力会社大手SIerの現場・書類発注する側から見た呼び方
パートナー企業募集ページ・交流会対等な関係を強調する言い方

SIerとは、システムの開発をまとめて請け負う会社のことです。大手SIerの現場では「協力会社さん」と呼ぶことが多いです。

BPは「会社」も「人」も指す

SES営業の会話では、BPが会社を指す場合と、人を指す場合があります。前後の言葉で見分けます。

言い方の例指しているもの
「BPさんから案件が来ました」取引先の会社
「BPさんの要員で決まりました」取引先に所属するエンジニア
「この方はBPです」自社社員ではないエンジニア
「BP開拓をしている」新しい取引先の会社を探すこと

BP要員とは、BPに所属するエンジニアのことです。「BPエンジニア」「BP社員」とも呼ばれます。反対に、自社で雇っている社員はプロパーと呼びます。

SES営業が「BPさん」と呼ぶ場面

SES営業は、毎日の案件メール・人材メール・電話の中で「BPさん」という言葉を使います。代表的な場面は次の4つです。

1. 案件メール・人材メールのやりとり

SES営業は、BPと案件情報や人材情報をメールで送り合います。このとき、条件の欄に「BP可」「BP不可」と書かれていることがあります。

  • BP可:他社所属のエンジニアを提案してもよい

  • BP不可(プロパーのみ):提案する会社の自社社員だけ受け付ける

  • 1社先まで:提案する会社の1つ先のBPの要員まで受け付ける

「1社先まで」のような条件は、商流制限と呼ばれます。商流制限とは、間に入れる会社の数を案件の出し元が決めたルールのことです。表記の読み方は「SESの商流制限の書き方|案件メールの表記例と意味」でくわしく解説しています。

2. 電話・チャットでの確認

電話では「BPさんの方ですか?」と聞かれることがあります。質問の意味は「そのエンジニアは御社の社員ですか、他社の方ですか」という確認です。

この質問には、正直に答えます。たとえば次のように返します。

「弊社のBPである株式会社〇〇様に所属している方です。弊社から見て1社先になります。」

3. 社内での呼び方

社内では「BPさんの稼働報告がまだ届いていない」「BPさんへの支払いは月末」のように使います。この場合は、取引先の会社を指しています。

4. 交流会や挨拶の場面

交流会では「BPを増やしたくて参加しました」と自己紹介することがあります。この場合のBPは、これから取引を始めたい会社のことです。

プロパーとBP要員の扱いの差

プロパーとBP要員では、提案できる案件、粗利、管理の手間が変わります。営業は、この差を知ったうえで提案先を選びます。

比べる点プロパー(自社社員)BP要員(他社所属)
提案できる案件「プロパーのみ」の案件にも出せる商流制限で出せない案件がある
粗利自社が決める給与との差BPへの支払いとの差(小さくなりやすい)
連絡の経路本人に直接連絡できるBPの営業を通して連絡する
待機のリスク案件がなくても給与が発生する契約が終われば支払いも止まる

粗利とは、客先から受け取る金額から、エンジニアに払う費用を引いた残りのことです。BP要員の場合、BPへの支払いが原価になるため、粗利は小さくなりやすいです。

プロパーとBPの違いは「SESのプロパーとBPの違い|営業が使い分ける意味と提案時の注意点」でも整理しています。

BPを「下」に見ないことが大切

「BPさん」という言葉を、下請けのような意味で使う人もいます。しかし、今日の取引先は明日の案件の出し元になることがあります。

案件をもらう側にも、人材をもらう側にもなるのがBPです。呼び方や態度は、どちらの立場でも同じにしておくと、関係が長く続きます。

BP要員を提案するときに伝えるべきこと

BP要員を提案するときは、所属・商流・契約の形の3つを、最初のメールで正直に伝えます。後から伝えると、面談の直前で断られたり、信用をなくしたりします。

伝える項目のチェックリスト

提案メールを送る前に、次の7項目を確認します。

  1. 所属:エンジニアがどの会社に所属しているか(「弊社BP所属」「弊社個人事業主」など)

  2. 商流:自社から見て何社先の要員か(「弊社1社先」など)

  3. 雇用・契約の形:BPの正社員か、契約社員か、フリーランスか

  4. 稼働開始できる日:いつから入れるか

  5. 希望単価:自社が提示する単価

  6. 他社で進んでいる選考の有無:面談の予定が重なっていないか

  7. スキルシートを渡す同意:本人とBPから、提案先へ渡す同意をもらっているか

スキルシートとは、エンジニアの経歴やスキルをまとめた書類のことです。渡す前の同意の取り方は「スキルシートの個人情報と第三者提供の同意|SES提案で守る手順と文例」で解説しています。

提案メールの書き方例

BP要員を提案するメールの例です。所属と商流を、名前のすぐ下に書きます。

件名:【要員ご提案】Java開発/T.Y(Java 6年)/11月1日〜

株式会社〇〇 営業部 △△様

いつもお世話になっております。株式会社□□の◇◇です。
10月5日に頂いたJava開発の案件に、1名ご提案いたします。

■氏名:T.Y
■所属:弊社BP(株式会社××)の正社員
■商流:弊社1社先
■スキル:Java 6年、Spring Boot 4年
■稼働開始:2026年11月1日から
■単価:65万円(140〜180時間)
■面談:10月8日(木)・9日(金)の午後が可能です

スキルシートは、ご本人と所属会社の同意を得て添付しております。
ご検討のほど、よろしくお願いいたします。

所属を偽ると何が起きるか

BP要員を「自社の社員です」と伝えるのは避けます。商流制限のある案件に通そうとして、所属を偽るケースがあるためです。

所属を偽ると、次のような問題が起きます。

  • 客先や元請けとの信用をなくし、取引が止まる

  • 契約書に書かれた再委託のルールに違反するおそれがある

  • 実際の指揮命令の流れによっては、二重派遣や労働者供給の問題になるおそれがある

職業安定法の第44条は、労働者供給事業を行うことや、供給された労働者を自らの指揮命令の下で働かせることを禁じています。細かい判断は契約の中身や現場の実態で変わるため、迷ったら専門家に確認してください。

名刺や自己紹介での扱いは「SESで所属を偽る名刺はNG?BPを自社社員扱いするリスク」で解説しています。BP要員の掛け持ちが分かったときは「SESのBP要員の案件掛け持ちが発覚したら|契約違反の判断と対応」を参考にしてください。

BPの商流を確認する方法

BPから届いた案件や人材は、何社を通ってきたか(商流)を必ず確認します。商流が深いほど、単価が下がり、商流制限で提案できない案件が増えるからです。

商流とは、SESの仕事がエンド(発注の出発点の会社)から、いくつもの会社を通って流れてくる経路のことです。

確認の手順

  1. 案件メールの「商流」「エンド」「元請け」の欄を読む

  2. 書かれていなければ、BPの営業に「御社は元請けから何社目ですか」と聞く

  3. 人材の場合は「この方は御社の社員ですか、BPさんですか」と聞く

  4. 聞いた内容を、案件・人材の記録に残す

  5. 自社の提案先の商流制限と合うかを見てから提案する

聞き方の例文は「SESの商流の確認方法|何次請けかの見分け方と質問例文」にまとめています。

BPを増やす方法

BPを増やすには、募集している会社を見つけて、取引してよいか見極めるという2段階で進めます。自分で探す方法と、ツールで楽にする方法があります。

自分で探す方法

方法やること向いている人
募集ページ会社のWebサイトの「パートナー募集」から連絡すぐに始めたい人
交流会SES企業が集まる会に参加して名刺交換対面で関係を作りたい人
紹介今のBPに別の会社を紹介してもらう信頼できるBPがいる人
問い合わせ対応届いた営業メールから取引を始める受け身でも数を増やしたい人

取引を始める前には、会社の実在や支払い条件を確認します。確認項目は「SESパートナーの選び方と注意点|取引前に見る10項目チェック表」を使ってください。

BPが無断で商流を増やしていたときは「SESでBPが無断で商流を増やしていたら|発覚時の対応と再発防止」にまとめています。

チョータツブーストとチョータツでBPとの取引を楽にする

自分で1社ずつ探すと、リスト作りと連絡に時間がかかります。もっと楽にするなら、チョータツのチョータツブーストを使う方法があります。

チョータツブーストとは、チョータツの中で新しいパートナー企業を開拓できる機能のことです。チョータツは3,000社以上が使っているため、その中で新しい取引先を見つけられます。

さらに、チョータツで他社と連携すると、連携先の営業中案件・営業中人材をデータベース化できます。BPから届く情報をメールの中から探し直す手間が減ります。

場面自分でやる場合DrivenXのツールを使う場合
新しいBPを探す募集ページ・交流会で1社ずつチョータツブーストで新しいパートナーを開拓
BPの要員・案件を知る届いたメールを読んで転記チョータツで連携すると、営業中案件・人材がデータベースになる
自社の案件をBPへ届けるBCCで一斉送信チョータツのメール配信機能でパートナーに配信

よくある質問

Q. ITのBPとは何の略ですか?
「Business Partner(ビジネスパートナー)」の略です。SESでは、案件や人材を紹介し合う取引先の会社を指します。
Q. 「BPさん」とは誰のことですか?
取引先の会社か、取引先に所属するエンジニアのどちらかです。「BPさんから案件が来た」なら会社、「BPさんの要員」なら人を指します。
Q. BPと協力会社は違うものですか?
ほぼ同じ意味です。大手SIerの現場では「協力会社」、SES営業どうしのやりとりでは「BP」と呼ぶことが多いです。
Q. 「BP不可」の案件にBP要員を出してもよいですか?
出してはいけません。案件の出し元が決めた条件です。所属を偽って出すと、信用をなくし、契約違反になるおそれもあります。
Q. BP要員とプロパーでは、どちらを先に提案すべきですか?
条件が合うなら、まずプロパーを提案します。待機中のプロパーは給与が発生し続けるからです。プロパーで合わないときにBP要員を探します。
Q. BPを増やすには何から始めればよいですか?
会社のWebサイトにある「パートナー募集」ページから連絡するのが、一番早く始められます。手間を減らすなら、チョータツブーストで開拓する方法もあります。

まとめ

  • BPとは「ビジネスパートナー」の略で、案件や人材を紹介し合う取引先の会社のこと

  • 「BPさん」は、取引先の会社か、そこに所属するエンジニアを指す

  • 案件メールの「BP可」「BP不可」「1社先まで」は、提案できる所属と商流のルール

  • プロパーとBP要員では、提案できる案件・粗利・連絡の経路が変わる

  • BP要員を提案するときは、所属・商流・契約の形を最初のメールで正直に伝える

  • BPは、募集ページ・交流会・紹介で増やせる。チョータツブーストを使うと開拓の手間を減らせる

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年10月1日|更新日:2026年10月1日

参考資料(2026年9月30日確認)

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