インサイドセールス代行とは|SESの新規開拓で「任せる範囲」と「自社に残す範囲」の分け方、費用の比べ方

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

インサイドセールス代行とは?

インサイドセールス代行とは、電話・メール・オンライン会議などで行う営業を、外部の会社に任せるサービスのことです。会社の外に出ずにできる営業なので「内勤営業」とも呼ばれます。

インサイドセールスとは、お客様を訪問せずに、社内から見込み客と連絡を取る営業のことです。反対に、訪問や対面で商談を進める営業をフィールドセールスと呼びます。

種類主な手段主な役割
インサイドセールス(内勤営業)電話・メール・オンライン会議見込み客を見つけ、面談の約束を取る
フィールドセールス訪問・対面・オンライン商談提案し、契約を決める
テレアポ電話面談の約束(アポ)を取る

テレアポは、インサイドセールスの手段の1つです。インサイドセールス代行は、電話に加えてメールやフォーム送信、面談後のフォローまで含むことが多い点が違います。

電話だけを外注したい場合は、テレアポ代行の費用と選び方をご覧ください。営業を丸ごと外に任せる全体像は、営業代行とはで解説しています。

SES営業の流れは5段階に分けて考える

SES営業の新規開拓は、「リスト→初回接触→情報交換→継続配信→商談」の5段階に分けます。すると、代行に任せる範囲を決めやすくなります。段階ごとに、必要な知識と相手との関係の深さが違うからです。

段階やることSES営業での具体例
1. リスト連絡する相手を集めるBP候補・エンド候補の会社名と窓口を一覧にする
2. 初回接触最初の連絡をする電話・メール・問い合わせフォームで挨拶する
3. 情報交換お互いの状況を話す面談得意分野、案件・人材の傾向、商流を確認する
4. 継続配信案件・人材の情報を送り続ける営業中の案件・人材をメールで定期的に送る
5. 商談具体的な案件・人材で話を進める要員提案、面談調整、条件のすり合わせ

情報交換とは、SES企業どうしが、お互いの案件・人材の状況や得意分野を話し合う面談のことです。SESでは、情報交換がBP取引の入り口になります。

BP(ビジネスパートナー)とは、案件や人材を紹介し合う同業の取引先のことです。エンドとは、システムを使う発注元の会社のことです。

SESの新規開拓では、「情報交換をした」だけでは売上になりません。情報交換のあとに案件・人材の情報を送り続け、商談が生まれたときに初めて取引が始まります。

代行に任せやすいのは「初回接触〜情報交換の設定」まで

インサイドセールス代行に任せやすいのは、段階2の初回接触と、段階3の情報交換の日程設定までです。ここは「同じ作業を数多くこなす」仕事なので、外部の人でも品質をそろえやすいからです。

段階代行に任せるか理由
1. リスト自社で作って渡す既存取引先や連絡NGの会社を外せるのは自社だけ
2. 初回接触任せやすい件数が必要で、話す内容を台本にしやすい
3. 情報交換の日程設定任せやすい日程調整と条件の確認だけで済む
3. 情報交換の面談自社で行う自社の強みや商流を答えられる人が必要
4. 継続配信自社で行う毎日変わる営業中の案件・人材を扱う
5. 商談自社で行う単価・契約条件の判断が必要

情報交換の面談は自社で出る

情報交換の面談は、自社の営業担当が出るのがおすすめです。相手からは「どんな商流が多いですか」「何名稼働していますか」と聞かれます。代行会社の担当者では答えきれません。

面談で最初の信頼が決まるため、ここを外部に任せると、取引につながりにくくなります。面談で聞く質問はSESの情報交換のやり方にまとめています。

継続配信と商談も自社に残す

継続配信と商談は、必ず自社に残します。営業中の案件・人材の情報は毎日変わり、送る相手を選ぶ判断も必要だからです。

また、単価や商流の条件を外部の会社に伝えると、情報の管理が難しくなります。案件・人材の情報は、自社の中で管理する方が安全です。

「商談代行」はSESで使える?

商談代行とは、面談や提案の場に、外部の営業担当が自社の代わりに出るサービスのことです。SESでは、商談代行は向かない場面が多いと考えます。

理由は3つあります。

  1. 要員提案では、エンジニアのスキルや経歴を細かく説明する必要がある

  2. 単価・精算幅・支払いサイトなど、その場で判断する条件が多い

  3. 商流やエンドの情報は取引先との約束で外に出せないことがある

商談の前までを代行に任せ、商談からは自社の担当者に引き継ぐ形が、SESでは現実的です。この引き継ぎのことをトスアップと呼びます。トスアップとは、インサイドセールスが見込み客を、商談を担当する営業へ引き渡すことです。

代行に頼むときに決める5つのこと

代行会社に頼む前に、次の5つを文章で決めておくと、質の低いアポが減ります。決めないまま始めると、「件数は多いのに取引が始まらない」状態になりがちです。

  1. 相手の種類:BP開拓かエンド開拓かを分ける。両方なら話す台本も分ける

  2. 成果の定義:「情報交換の日程が決まり、相手の営業責任者が出る」など、成果と数える条件を決める

  3. 除外リスト:既存取引先、過去に断られた会社、連絡NGの会社を渡す

  4. トスアップで受け取る情報:面談前に知りたい項目を決める(次の表)

  5. 報告の形:週1回、同じ形式の表でコール・メールの結果を受け取る

トスアップで受け取る8項目

情報交換の日程が決まったら、代行会社から次の8項目を受け取ります。面談の前に目を通せば、初回から話が進みます。

項目例使いみち
会社名・担当者名・役職株式会社〇〇 営業部長決裁できる人かを確認
相手の種類BP(SES企業)話す内容を決める
得意分野インフラ、Java開発自社の案件・人材と合うか見る
主な商流元請けから直接が多い案件の条件を予想する
今困っていること若手の人材が足りない面談で最初に聞く
情報交換の日時・方法10月14日(水)15時、オンライン予定に入れる
連絡のきっかけ電話で営業部長に直接面談の冒頭で触れる
次の連絡のルール案件メールの配信は可継続配信のリストに入れる

商流の意味や確認の仕方は、SESの商流の確認方法と聞き方で解説しています。

代行会社に渡す初回接触の台本(例)

BP開拓で、代行会社に使ってもらう電話の最初の一言の例です。自社名と目的を最初に言い、情報交換の依頼に絞るのがポイントです。

お世話になっております。株式会社〇〇(SES事業)の営業窓口を担当しております、△△と申します。
御社のSES事業のご担当者様に、案件・人材の情報交換のお願いでご連絡しました。
弊社はインフラ系の案件が多く、パートナー企業様との協業を広げております。
30分ほど、オンラインでお互いの状況をお話しする時間をいただけないでしょうか。

インサイドセールス代行の料金体系は3つ

インサイドセールス代行の料金は、成果報酬型・月額固定型・組み合わせ型の3つに分かれます。公的な相場の統計はないため、同じ条件で3社以上に見積もりを取って比べます。

料金体系お金を払う対象向いているケースSESでの注意点
成果報酬型情報交換などの成果の件数成果が出た分だけ払いたい成果の定義があいまいだと質が下がる
月額固定型稼働する時間・人数長く続けて改善したい成果が少ない月も同じ額
組み合わせ型固定の基本料+成果の件数両方のよさを取りたい基本料と成果単価の両方を確認

成果報酬型とは、決めた成果(アポや面談の設定)が出た件数に応じて払う料金体系のことです。月額固定型とは、成果の数にかかわらず、毎月決まった額を払う料金体系のことです。

見積もりでは、料金のほかに初期費用、最低契約期間、リスト作成費、報告の頻度も確認します。成果の決め方と契約書の条項例はSESの営業代行の費用相場|成果報酬・月額の料金と上限の出し方をご覧ください。

代行と自社ツール運用の費用は「1件あたり」で比べる

代行に頼むか自社で回すかは、情報交換1件あたりの費用と、取引開始1社あたりの費用で比べます。月の支払い額だけで比べると、成果の数の違いが見えないからです。

比べ方の4ステップ

  1. 代行の3か月の費用を出す(見積もりの合計)

  2. 自社で回す3か月の費用を出す(担当者の時間×時給換算+ツール費用)

  3. それぞれの「情報交換の件数」と「取引開始の社数」を見込む

  4. 費用を件数で割り、1件あたり・1社あたりで並べる

計算例(数字はすべて例)

代行に頼む場合

  • 代行費:月額固定型で月30万円(例)×3か月=90万円

  • 情報交換の設定:月8件(例)×3か月=24件

  • 取引開始:情報交換の4件に1件(例)=6社

  • 情報交換1件あたり:90万円÷24件=3.75万円

  • 取引開始1社あたり:90万円÷6社=15万円

自社でツールを使って回す場合

  • 担当者の時間:1日2時間×月20日=月40時間

  • 時給換算3,000円(例)×40時間=月12万円、3か月で36万円

  • ツール費用:月3万円(例)×3か月=9万円。無料で使えるツールなら0円

  • 合計:36万円+9万円=45万円

  • 情報交換:月5件(例)×3か月=15件、取引開始は4件に1件で約4社

  • 情報交換1件あたり:45万円÷15件=3万円

  • 取引開始1社あたり:45万円÷4社=11.25万円

比べる点代行(例)自社+ツール(例)
3か月の費用90万円45万円
情報交換の件数24件15件
情報交換1件あたり3.75万円3万円
取引開始1社あたり15万円11.25万円

この例では、1件あたりは自社の方が安く、件数は代行の方が多い結果です。「早く数を増やしたい」なら代行、「費用を抑えて続けたい」なら自社、という判断になります。

時間だけでなく「残るもの」も比べる

自社で回すと、やりとりの記録と相手とのつながりが自社に残ります。代行をやめても、連絡先・面談メモ・配信リストは手元に残ります。

代行を使う場合も、コール結果や面談メモを自社の顧客リストに必ず入れるようにします。管理の項目はSESの顧客リスト管理方法を参考にしてください。

インサイドセールスを自社で回す始め方

自社で回す場合は、「担当者を決める→台本を作る→数字を見る」の順で始めます。専任の担当者がいなくても、1日1〜2時間の枠から始められます。

  1. 担当者と時間を決める:営業担当か営業事務が、毎日決まった時間に初回接触をする

  2. リストを作る:BP候補・エンド候補を分けて一覧にする

  3. 台本とメール文を作る:電話の最初の一言と、フォーム・メールの文面を用意する

  4. 情報交換を自社で行う:面談メモを残し、次に送る情報を決める

  5. 継続配信を始める:情報交換した会社に、営業中の案件・人材を定期的に送る

  6. 週1回、数字を見る:接触数→情報交換の件数→商談の件数を記録する

KPIの置き方はSES新規開拓のアウトバウンド営業|エンド・BP別の配分とKPIで解説しています。初回接触を1人の役割として切り出すなら、SES営業の分業体制の作り方|案件・人材・事務の担当分けの型が使えます。

やってはいけないこと

  • 除外リストを作らずに連絡する:既存取引先に初回の営業電話がかかり、信頼を失う

  • 情報交換をして終わる:継続配信をしないと、相手の記憶に残らない

  • 同じ文面の一斉メールだけで済ませる:相手の得意分野に合わない情報は読まれない

代行会社に連絡先リストを渡すときは、個人情報保護法第25条の「委託先の監督」のルールを守ります。委託先の監督とは、個人データの扱いを外部に任せるとき、任せた側が安全に扱われるよう監督する義務のことです。

代行会社が営業メールを送る場合は、特定電子メール法にも注意します。同法の第3条は、原則として同意を得た相手などにだけ広告・宣伝のメールを送れると定めています。第4条は、送信者の名前や配信停止の連絡先などをメールに表示する義務を定めています。

代行会社にリストを渡すときの確認事項は次のとおりです。

  • 契約書に、個人データの目的外利用の禁止と、契約終了時の返却・削除を入れたか

  • 代行会社が送るメールの送信者名と配信停止の連絡先を、事前に文面で確認したか

  • 「今後の連絡は不要」と言われた会社を、週次の報告で除外リストに戻してもらう約束をしたか

BP開拓はチョータツブーストとチョータツで楽にできる

BP開拓の初回接触を減らしたいなら、代行に頼む前にチョータツブーストを試す方法があります。チョータツブーストは、チョータツの中で新しいパートナー企業を開拓できる機能です。

チョータツは、SES営業の案件・人材を管理・共有するツールで、3,000社以上が利用しています。無料で始められます。

段階自分でやる方法チョータツでできること
1〜3. リスト・初回接触・情報交換検索・電話・フォームで1社ずつ連絡チョータツブーストで新しいパートナー企業を開拓
4. 継続配信メールソフトで宛先を選んで送る案件・人材を管理し、パートナーへメール配信
4〜5. 商談の準備届いたメールから案件・人材を探す他社と連携すると、他社の営業中案件・人材をデータベース化

インサイドセールス代行で「初回接触」を外注しても、継続配信と情報の管理は自社で必要です。チョータツは、この自社に残す部分を楽にします。

エンジニアを直接探したい場合は、ITフリーランスに直接スカウトできるxhoursも使えます。

よくある質問

Q. インサイドセールス代行とテレアポ代行の違いは何ですか?
テレアポ代行は電話でアポを取ることに絞ったサービスです。インサイドセールス代行は、電話に加えてメール・フォーム送信・面談後のフォローまで含むことが多いです。
Q. インサイドセールスと内勤営業は同じ意味ですか?
ほぼ同じ意味です。どちらも、訪問せずに社内から電話・メール・オンライン会議で営業することを指します。自社に内勤を置く場合の役割と仕事は、インサイドセールスとは|SESの内勤営業の役割と仕事5つで解説しています。
Q. SESで情報交換の面談まで代行に任せてもいいですか?
おすすめしません。相手から商流や稼働人数を聞かれるため、自社の営業担当が出る方が取引につながります。代行には日程設定までを任せましょう。
Q. 代行の費用が見合うかは、どう判断しますか?
「取引開始1社あたりの費用」と「1社から得られる粗利」を比べます。1社あたりの費用が、数か月分の粗利を大きく下回るなら見合うと考えます。
Q. 商談代行はSESで使えますか?
向かない場面が多いです。要員提案や単価の判断が必要なため、商談からは自社の担当者に引き継ぐ形が現実的です。
Q. 代行をやめたあと、何が手元に残りますか?
契約で決めない限り、連絡先や面談メモが残らないことがあります。コール結果は毎週受け取り、自社の顧客リストに入れておきましょう。

まとめ

  • インサイドセールス代行は、電話・メールなど社内からできる営業を外部に任せるサービス

  • SES営業は「リスト→初回接触→情報交換→継続配信→商談」の5段階で考える

  • 代行に任せやすいのは初回接触〜情報交換の日程設定まで。面談・継続配信・商談は自社に残す

  • 頼む前に「相手の種類・成果の定義・除外リスト・トスアップ項目・報告の形」の5つを決める

  • 費用は情報交換1件あたり・取引開始1社あたりで、代行と自社運用を同じものさしで比べる

  • BP開拓はチョータツブースト、継続配信と情報の管理はチョータツで楽にできる

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

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