営業代行とは?SES企業の選び方・比較ポイント7つと任せる業務・自社に残す業務

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

営業代行とは?意味をひとことで

営業代行とは、自社の営業活動の一部またはすべてを、外部の専門会社や個人に任せるサービスのことです。 「営業アウトソーシング」「営業の外注」と呼ばれることもあります。

一般的な営業代行が引き受ける業務は、次の5つに分かれます。

業務中身例
戦略・リスト作り狙う相手を決め、一覧にする業種・地域で会社を抽出
アプローチ相手に最初の連絡をする電話・問い合わせフォーム・メール
商談相手と会って話すオンライン面談、訪問
クロージング契約を決める条件のすり合わせ
フォロー取引後の関係を保つ定期連絡、追加提案

どこまで任せるかは、代行会社と契約で決めます。多くの会社は、リスト作りとアプローチだけを任せる形から始めます。

営業代行・営業派遣・営業コンサルの違い

営業代行と似た言葉に「営業派遣」「営業コンサル」があります。違いは、だれが担当者に指示を出すかと、どこまで実行するかです。

形態指示を出す人実行するかSES企業での使いどころ
営業代行代行会社するアポイント獲得など、成果物で頼める業務
営業派遣自社する自社の営業チームに人を足したいとき
営業コンサル―しない(助言のみ)営業の仕組みや戦略を見直したいとき

営業代行は、業務を「まるごと任せる」契約です。そのため、自社が代行会社の担当者に直接細かく指示を出す使い方には向きません。細かく指示しながら人を借りる形は、派遣のルールに近くなります。派遣と請負の区分は、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(昭和61年労働省告示第37号。通称「37号告示」)で示されています。詳しくは偽装請負の37号告示をやさしく解説を読んでください。

SES営業の業務のうち、営業代行に任せられるもの・自社に残すもの

SES企業が営業代行に任せてよいのは「相手を見つけて、会う約束を取るまで」です。 商流・面談・単価など、利益と信頼に直結する判断は自社に残します。

SES営業の仕事は、大きく3つあります。

  1. BP開拓:案件や人材を紹介し合う取引先(BP)を増やす

  2. エンド開拓:システムを使う発注元(エンド)や元請けから、直接案件をもらう

  3. 案件・人材のマッチング:届いた案件に、合うエンジニアを提案して決める

BP(ビジネスパートナー)とは、案件や人材を紹介し合う取引先の会社のことです。エンドとは、システムを使う発注元の会社のことです。

業務ごとの切り分け表

業務仕事の分類任せやすさ理由
開拓リスト作りBP・エンド開拓◎ 任せてよい条件を渡せば、だれがやっても質がそろう
最初の連絡(電話・フォーム・メール)BP・エンド開拓◎ 任せてよい数をこなすほど成果が出る作業
情報交換の日程調整BP・エンド開拓○ 任せてよい日程を決めるだけなら判断はいらない
初回の情報交換(面談)BP・エンド開拓△ 自社が同席取引先は「だれと取引するか」を見ている
取引口座の開設・契約書BP・エンド開拓× 自社に残す契約の当事者は自社だから
商流の確認マッチング× 自社に残す何次請けかで利益とリスクが変わる
案件と人材の組み合わせマッチング△ 候補出しまで最後の判断にはエンジニアの事情が要る
面談の調整マッチング× 自社に残すエンジニア本人との約束が絡む
単価・精算幅の交渉マッチング× 自社に残す粗利を決める一番大事な判断
稼働後のフォローマッチング× 自社に残す継続と次の案件はここから生まれる

精算幅とは、1か月の稼働時間の上限と下限(例:140〜180時間)のことです。単価と合わせて利益を左右します。

表の「◎」「○」だけ、つまり電話・メールでの初回接触と日程調整だけを任せる形は、インサイドセールス代行と呼ばれます。頼む範囲と費用感は、記事末尾の「次に読む・使う」にあるインサイドセールス代行の記事で解説しています。

商流の確認を自社に残す理由

商流とは、仕事がエンドからいくつもの会社を通って流れてくる経路のことです。自社が何次請けになるかで、1人あたりの粗利が変わります。

代行会社が「案件をもらえるBP」を連れてきても、商流が深すぎると利益が出ません。再委託の制限に引っかかり、提案できないこともあります。商流の聞き方は、下の比較ポイント1で紹介する記事にまとめています。

面談の調整を自社に残す理由

SESの面談は、エンジニア本人・取引先・自社の3者の予定を合わせる仕事です。エンジニアの希望や並行している案件の状況は、自社の営業しか知りません。

外部の人が調整すると、並行営業の管理がくずれやすくなります。

単価の交渉を自社に残す理由

単価は、自社の粗利を直接決めます。代行会社は「決まること」を優先しがちなので、単価を下げてでも決めようとする動きになりやすいです。

成果報酬の代行では特に注意が必要です。決まった件数で報酬が出るなら、単価を下げる動きが代行会社の得になるからです。

営業代行のメリット・デメリット

営業代行のメリットは開拓の手数をすぐ増やせること、デメリットは関係とノウハウが自社に残りにくいことです。 SES企業では、取引先との関係が売上そのものなので、デメリットの影響が大きくなります。

観点メリットデメリット
人採用・教育をせずに手数を増やせる社内の営業が育ちにくい
時間営業が案件対応に集中できる立ち上げの説明に時間がかかる
取引先自社では届かない会社と接点ができる関係が代行会社の担当者に付きやすい
情報開拓の結果を報告してもらえるリストや履歴が自社に残らないことがある
費用固定費の営業を1人雇うより小さく始められる成果の決め方があいまいだと費用がふくらむ

SES企業ならではのメリット

SES営業は、日々の案件対応とエンジニアの面談調整で手いっぱいになりがちです。新規開拓は「時間があるときにやる仕事」になり、後回しになります。

営業代行に最初の連絡を任せると、開拓が止まる月をなくせます。自社の営業は、今動いている案件の提案と面談に集中できます。

SES企業ならではのデメリット

SESの取引先は、「会社」より「担当者」でつながる面が強い業界です。代行会社の担当者が窓口になると、取引先は代行会社を相手だと思いやすくなります。

契約が終わると、連絡先や過去のやりとりが残らないこともあります。こうした失敗例と防ぎ方は、下の「任せきりで取引先との関係が自社に残らない失敗例3つ」で紹介します。

営業代行の効果はどう測る?

営業代行の効果は、アポイント数ではなく「取引が始まった会社の数」と「そこから決まった案件数」で測ります。 アポイントは入口にすぎず、SESでは取引口座の開設と初成約までが開拓です。

見る指標と順番

  1. 連絡した会社の数:代行会社が実際に動いた量

  2. 情報交換(面談)の数:アポイントの数

  3. 取引口座を開いた会社の数:本当の意味での「開拓できた数」

  4. 最初の案件・人材が決まった数:売上につながった数

  5. 3か月後もやりとりが続いている数:関係が自社に残ったか

代行会社の報告は、1と2が中心になりがちです。3〜5は自社で数えると、効果を正しく判断できます。

効果を判断する時期

SESの取引は、情報交換から最初の成約まで時間がかかることがよくあります。そのため、1か月目のアポイント数だけで続けるかどうかを決めないことが大切です。最低でも3か月は、指標3〜5の動きを見てから判断しましょう。

「払ってよい金額」の計算例は、SESの営業代行の費用相場|成果報酬・月額の料金と上限の出し方にあります。

営業代行を頼む前に決めておく5つのこと

営業代行は、頼む前に「何を・だれに・どこまで」を自社で決めておくほど成果が出ます。 決めないまま頼むと、アポイントは取れても取引につながりません。

  1. 狙う相手:BPかエンドか。エリア、得意スキル、商流の位置

  2. 自社の売り:得意な技術、出せるエンジニアの人数、持っている案件の種類

  3. 任せる範囲:切り分け表の「◎」「○」だけにする

  4. 成果の決め方:何をもって成果とするか(例:条件に合う会社との情報交換1件)

  5. 情報の持ち主:リスト・やりとりの記録・連絡先は、自社のものとして毎週受け取る

代行会社に渡す依頼シートの例

依頼の中身は、口頭ではなく文書で渡します。次の項目を埋めて渡すと、ねらいがずれにくくなります。

例文・テンプレート
【営業代行 依頼シート(株式会社△△)】

1. 開拓の目的:BP開拓(人材を出してくれる会社を増やす)
2. 狙う会社:東京都内のSES企業・SIer、社員30〜300名
3. 得意分野:Java・AWSの開発案件
4. 自社の売り:金融系の開発案件を常時保有、元請けから直接の案件あり
5. 任せる範囲:リスト作り/最初の連絡/情報交換の日程調整まで
6. 自社がやること:情報交換への同席、商流確認、条件の話
7. 成果の定義:条件2に合う会社との情報交換1件
8. 報告:毎週金曜に、連絡先・連絡日・結果を一覧で共有
9. 名乗り方:「株式会社△△の営業担当」として連絡する

9の名乗り方は大切です。代行会社の社名で連絡すると、取引先は代行会社を窓口だと思います。

代行が取ったアポイントのあとに送るメール例文

情報交換が決まったら、自社から直接あいさつを送ります。窓口が自社であることを、最初に伝えるためです。

例文・テンプレート
件名:情報交換のお礼とご挨拶(株式会社△△)

株式会社〇〇
□□様

このたびは情報交換のお時間をいただき、ありがとうございます。
株式会社△△で営業を担当しております、◇◇と申します。

10月8日(木)15時のお打ち合わせでは、弊社から私が参加いたします。
当日は、弊社の保有案件と、貴社の得意分野を伺えれば幸いです。

今後の案件・人材のご連絡は、私(◇◇)宛てにいただけますと助かります。
どうぞよろしくお願いいたします。

SESの営業代行を比較する7つのポイント

営業代行を比べるときは、次の7つをチェック表で確認します。特に1(商流の理解)と3(情報が自社に残るか)が「いいえ」なら、ほかが良くても候補から外すことをおすすめします。

#比較ポイント確認する質問判定
1SES業界の商流を理解しているか「元請け・一次請け・二次請けの違いと、商流制限の意味を説明してください」はい/いいえ
2条件面を正しく扱えるか「精算幅140〜180時間の案件で、下限を割ったらどうなりますか」はい/いいえ
3獲得した取引先の情報が自社に残るか「リスト・連絡履歴・名刺情報は、契約終了後にすべて渡してもらえますか」はい/いいえ
4どの会社の名前で動くか「取引先には、どこの会社の誰として名乗りますか」はい/いいえ
5料金と「成果」の決め方が明確か「成果はアポイント1件ですか、取引開始ですか、成約ですか」はい/いいえ
6法令への対応ができているか「エンジニアの採用あっせんもしますか。その場合、許可はありますか」はい/いいえ
7報告・担当・解約の条件が明確か「週次の報告の中身と、解約の予告期間を教えてください」はい/いいえ

ここからは、7つのポイントを1つずつ解説します。

1. SES業界の商流を理解しているか

商流とは、SESの仕事がエンドから元請け、一次請け、二次請けと、いくつもの会社を通って流れる経路のことです。商流をわかっていない代行会社は、自社より商流の深い会社ばかりにアポイントを取ってしまいます。

公正取引委員会は2022年に、ソフトウェア業の下請取引に関する実態調査の結果を公表しています。この調査では、会社を元請・中間下請・最終下請の立場に分けて、多重下請けの取引の実態を調べています。SESの取引先も、この立場のどこにいるかで取れる単価が大きく変わります。

商流の確認方法はSESの商流の確認方法と聞き方で解説しています。代行会社には、「貴社が過去に開拓した取引先は、商流のどの位置の会社が多いですか」と聞いてみてください。

2. 精算幅・単価・支払いサイトを正しく扱えるか

精算幅とは、月の稼働時間の下限と上限のことです。たとえば「140〜180時間」なら、140時間を下回ると減額、180時間を超えると増額になります。

代行会社が条件の話まで進めることもあります。精算幅・単価・支払いサイト(締め日から入金までの日数)を誤って伝えると、あとで揉めます。条件面の説明は自社がすると決めておくのが安全です。

3. 獲得した取引先の情報が自社に残るか

営業代行を使うときに一番大切なのが、このポイントです。代行会社が開拓した取引先のリスト、連絡履歴、面談の記録が、契約終了後に自社の手元に残るかを確認します。

取引先の担当者の氏名やメールアドレスは、個人情報保護法の個人情報に当たります。代行会社に渡すときも、受け取るときも、扱い方を契約で決めておきます。自社が個人データの取り扱いを外に任せる場合、法律上、任せた先を監督する義務があります(個人情報保護法第25条)。

情報の持ち主があいまいなまま始めると、契約が終わった後に「そのリストは当社のノウハウです」と言われることがあります。成果物の中に「取引先リストと連絡履歴」を入れると契約書に書いておきましょう。

4. どの会社の名前で動くか(名乗り方)

代行会社の担当者が、取引先にどこの会社の誰として名乗るかを決めます。多いのは「自社の営業担当として名乗る」形と、「代行会社の社名で、〇〇社の案内として名乗る」形です。

自社の社員ではない人が、自社の社員だと偽って名乗るのは避けてください。取引先が後で知ると信頼を失います。名刺やメール署名の扱いはSESで所属を偽る名刺はNG?で詳しく解説しています。おすすめは、「〇〇社の営業パートナーとしてご連絡しています」とはっきり書く形です。

5. 料金体系と「成果」の決め方が明確か

営業代行の料金は、主に固定報酬型と成果報酬型に分かれます。固定報酬型とは、成果に関係なく毎月決まった金額を払う形のことです。成果報酬型とは、アポイントや取引開始などの成果1件ごとに払う形のことです。

比べるときは金額より先に、「成果」が何を指すかを確認します。

成果の定義代行会社の達成しやすさ自社にとっての価値
アポイント1件高い低め(会うだけで終わることも多い)
情報交換の実施中くらい中くらい
取引開始(口座開設)低い高い
初回の成約低いとても高い

「アポイント1件」を成果にする場合は、狙う会社の条件(商流の位置・得意分野・所在地)を渡します。条件に合わないアポイントは成果に数えないと決めておきます。そうしないと、数だけのアポイントに費用を払うことになります。

6. 法令への対応ができているか

営業代行がエンジニアの採用のあっせんまで行う場合は、注意が必要です。職業安定法では、求人者と求職者の間で雇用関係の成立をあっせんすることを「職業紹介」と定めています。有料で職業紹介の事業を行うには、厚生労働大臣の許可が必要です。

SESの取引先開拓(会社どうしの取引の仲立ち)だけなら、この許可の話にはなりません。ただし、「フリーランスや求職者を集めて御社に入社させます」という提案があれば、許可番号を確認してください。許可の考え方はSESに有料職業紹介の許可は必要?で解説しています。

メールでの営業を任せる場合は、特定電子メール法(広告メールの送り方を決めた法律)への対応も確認します。送信者の表示や、受信を拒否された相手に送らない仕組みがあるかを聞きましょう。

7. 報告の中身・担当者・解約の条件が明確か

最後に、週に1回の報告で何が出てくるか、誰が担当するか、やめるときの条件を確認します。

  • 報告の中身:連絡した会社数、返信数、アポイント数に加え、断られた理由が入っているか

  • 担当者:SES企業での営業経験があるか。途中で担当が替わるときの引き継ぎ方

  • 契約期間と解約:最低契約期間、解約の予告期間、途中解約の費用

営業代行の契約は、多くが準委任契約です。準委任契約とは、成果物の完成ではなく、決められた業務を行うことを約束する契約のことです(民法第656条)。民法では、委任はいつでも解除できます。ただし、相手に不利な時期の解除などでは損害賠償が必要になる場合があります(民法第651条)。解約の条件は契約書で具体的に決めておきましょう。

任せきりで取引先との関係が自社に残らない失敗例3つ

営業代行で最も多い失敗は、代行会社に任せきりにした結果、取引先との関係が自社に残らないことです。現場でよくある3つの例と、それぞれの防ぎ方を紹介します。

失敗例1:契約が終わったら、取引先の連絡先がわからない

半年間、営業代行に新規開拓を任せたA社の例です。毎月のアポイント数は報告されていましたが、取引先の担当者名とメールアドレスは代行会社の管理画面にしかありませんでした。契約を終えた翌月、取引先から届く案件メールがほとんど止まりました。

防ぎ方:契約書に「取引先リスト・連絡履歴・名刺情報は自社の成果物とし、毎週自社の管理ツールに入れる」と書きます。契約が終わってから渡してもらうのではなく、毎週入れてもらうのがポイントです。

失敗例2:取引先が「代行会社の担当者」を窓口だと思っている

B社では、商談も条件の調整も代行会社の担当者が行っていました。取引先から見ると、B社の窓口はその担当者です。担当者が別の案件に移ると、取引先との連絡が途切れました。

防ぎ方:最初の商談から自社の社員が同席し、取引先に「今後の窓口は当社の〇〇です」と伝えます。アポイントを取るまでが代行、会ってからは自社、と役割を分けます。

失敗例3:アポイントは多いのに、取引が1件も始まらない

C社は成果報酬型で、アポイント1件ごとに費用を払っていました。月に10件以上のアポイントがあっても、商流の深い会社や得意分野が合わない会社ばかりで、取引は始まりませんでした。

防ぎ方:狙う会社の条件を文書で渡し、条件に合わないアポイントは成果に数えないと決めます。報告には「なぜその会社を選んだか」を1行入れてもらいます。

営業代行を使う前に、契約で決めておく条項

営業代行の失敗の多くは、契約書で決めておけば防げるものです。依頼する前に、次の条項が入っているかを確認します。

条項決めること決めないとどうなるか
業務の範囲リスト作成・アポイント・商談同席のどこまでか頼んでいない業務の費用を請求される
成果の定義何を1件と数えるか。対象外の条件合わないアポイントにも費用がかかる
成果物と情報の帰属取引先リスト・連絡履歴・名刺情報は自社のもの契約終了後に情報が手元に残らない
名乗り方どの会社の名前で、どう名乗るか所属を偽る名乗り方で信頼を失う
秘密保持・個人情報渡した案件・人材の情報の扱い、返却・削除自社の情報が他社の営業に使われる
報告頻度、項目、形式活動の中身が見えない
期間と解約最低期間、予告期間、途中解約の費用やめたくてもやめられない

情報の扱いでは、営業秘密という考え方も知っておくと役立ちます。営業秘密とは、秘密として管理され、事業に役立ち、世間に知られていない情報のことです(不正競争防止法第2条第6項)。取引先リストを営業秘密として守るには、自社でも秘密として管理していることが前提になります。

成果報酬型の成果の定義と条項例は、SESの営業代行の費用相場|成果報酬・月額の料金と上限の出し方にまとめています。

営業代行を選ぶ5つの手順

営業代行は、次の5つの手順で選びます。自社の狙いを先に決め、候補は3社以上を同じ質問で比べるのがコツです。

  1. 任せたい業務と狙う取引先を決める:エンドかBPか、商流の位置、得意分野、地域を1枚にまとめる(上の依頼シートの例を使う)

  2. 候補を3社以上集める:SES業界の実績がある会社を中心に選ぶ

  3. 7つの比較ポイントで面談する:チェック表の質問を全社に同じように聞く

  4. 1〜3か月の短い期間で試す:最低期間が長い会社は、試す前に条件を交渉する

  5. 月に1回、続けるかを判断する:取引開始の数と、自社に残った取引先の数で評価する

手順5で見るのは、アポイントの数ではありません。「自社の社員が直接やりとりできる取引先が何社増えたか」を数えます。この数が増えていなければ、代行を続けても自社の力になりません。

代行会社との初回面談で使える質問メール例文

候補の会社に、比較ポイントをまとめて聞くときのメール例です。

例文・テンプレート
件名:営業代行のご相談と事前確認のお願い(株式会社△△)

株式会社〇〇
ご担当者様

株式会社△△ 営業部の□□です。
SES事業のBP開拓について、営業代行をご相談したくご連絡しました。

10月8日(木)のお打ち合わせの前に、次の点を伺えますでしょうか。
1. SES企業の開拓実績(取引先の商流の位置の傾向)
2. 成果の定義(アポイント・取引開始・成約のどれか)
3. 取引先リストと連絡履歴の受け渡し方法と頻度
4. 取引先への名乗り方(社名・肩書き)
5. 週次の報告項目と、最低契約期間・解約の予告期間

お手数ですが、10月6日(火)までにご回答いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。

営業代行を使わずに自社で開拓する方法

BP開拓とエンド開拓は、自社でも少ない手間で始められます。 営業代行を頼む前に、まず自社でできる方法と比べると、何を任せるべきかがはっきりします。取引先を自社に残したいなら、代行より自社開拓の仕組みを先に作るほうが確実です。

方法手間取引先が自社に残るか向いている会社
営業代行少ない(ただし管理が必要)契約しだい手数だけが足りない会社
自社でテレアポ・フォーム営業多い残る営業の人数に余裕がある会社
交流会・紹介中くらい残る顔の見える関係を作りたい会社
チョータツブースト少ない残る(自社の社員が直接やりとりする)少人数で開拓を続けたい会社

方法ごとの優先順位はSESの新規開拓の営業方法10選|エンドとBPの取り方と優先順位で解説しています。

自社で開拓すると、取引先とのやりとりの記録が最初から自社に残ります。担当者が辞めても困らないよう、記録を社内で共有する仕組みも合わせて作りましょう。

BP開拓を自社でもっと楽にするなら:チョータツブースト

BP開拓が目的なら、営業代行の代わりにチョータツブーストを使う方法があります。 自社の名前で、自社の担当者が取引先とつながれるので、関係が外に流れません。

チョータツブーストとは、SES営業向けツール「チョータツ」の中で、新しいパートナー企業を開拓できる機能のことです。チョータツは3,000社以上が使っており、無料で始められます。

場面営業代行に頼む場合チョータツを使う場合
新しいBPを探す代行会社がリストを作り連絡するチョータツブーストで自社が開拓する
取引先との窓口代行会社の担当者になりやすい最初から自社の担当者
BPの案件・人材を知る届いたメールを読んで転記するチョータツで連携すると、相手の営業中案件・人材がデータベースになる
自社の案件・人材を届ける個別メールやBCCでの一斉送信チョータツのメール配信機能で届ける

使い始める流れ

  1. チョータツに無料で登録する

  2. 自社の案件・人材の情報を登録する(AIが入力を手伝う)

  3. チョータツブーストで、新しいパートナーを開拓する

  4. つながったパートナーと連携し、お互いの営業中案件・人材を共有する

  5. 商流の確認・面談の調整・単価の交渉は、これまでどおり自社で進める

代行を使う場合も、獲得した取引先の情報はチョータツに入れてもらうと、契約が終わっても手元に残ります。エンド開拓やテレアポなど、人手がどうしても足りない部分だけを営業代行に任せる使い分けもできます。

なお、開拓ではなくエンジニアの確保が目的なら、BPから人材を出してもらうか、フリーランスに直接声をかける方法があります。DrivenXのxhoursでは、ITフリーランスに直接スカウトを送れます。

営業代行を使うときの法律の注意点

SES企業どうしの取引先を開拓するだけなら、一般に、営業代行を頼むこと自体に特別な許可は要りません。 ただし、エンジニアの採用や、個人への委託が絡むときは法律の確認が必要です。

場面関係する法律確認すること
代行会社が求職者を集めて入社させる職業安定法有料職業紹介の許可番号
代行会社がメールで営業する特定電子メール法原則として相手の同意、送信者の表示、受信拒否への対応
従業員のいない個人に代行を頼むフリーランス法業務内容・報酬・支払期日を書面やメールで示す
代行会社の担当者に細かく指示を出す労働者派遣法(37号告示)指示のしかたが請負の範囲におさまるか

職業安定法第4条は、求人者と求職者の間で雇用関係の成立をあっせんすることを「職業紹介」と定めています。同法第30条により、有料で行うには厚生労働大臣の許可が要ります。許可の考え方は、比較ポイント6で紹介した記事で解説しています。

個人の営業担当に成果報酬だけで頼む場合は、フリーランス法の取引条件の明示(第3条)がすべての発注者に必要です。契約書の項目は完全歩合の営業業務委託契約書|SESの記載項目とひな形で確認できます。

よくある質問

Q. SES企業が営業代行に任せてよい業務はどこまでですか?
開拓リスト作り、最初の連絡、情報交換の日程調整までがおすすめです。商流の確認・面談の調整・単価の交渉は自社に残しましょう。
Q. SESの営業代行のおすすめはどう選べばよいですか?
知名度より、SES業界の商流と精算幅を理解しているか、獲得した取引先の情報が自社に残るかで選びます。7つの比較ポイントを候補3社以上に同じように聞いて比べましょう。
Q. SESで営業代行を使うデメリットは何ですか?
取引先との関係が代行会社側に付きやすく、社内に営業のノウハウがたまりにくい点です。最初の商談から自社の社員が同席し、取引先リストを毎週受け取ることで防げます。
Q. 成果報酬型と固定報酬型はどちらがよいですか?
狙う取引先がはっきりしていれば成果報酬型、試しながら狙いを決めたいなら固定報酬型が合います。どちらも、何を「成果」と数えるかを契約で決めることが大切です。
Q. BP開拓だけなら、営業代行を使わなくてもできますか?
できます。チョータツブーストを使うと、チョータツの中で新しいパートナー企業を自社で開拓できます。取引先との関係も最初から自社に残ります。

まとめ

  • 営業代行とは、自社の営業活動の一部を外部の会社や個人に任せるサービスのこと

  • SES企業が任せてよいのは、開拓リスト作り・最初の連絡・日程調整まで。商流の確認・面談の調整・単価の交渉は自社に残す

  • 比較ポイントは、商流・条件面・情報の引き継ぎ・名乗り方・成果の定義・法令・報告と解約の7つ

  • 失敗の多くは任せきりから起きる。最初の商談から自社が同席し、情報は毎週自社のツールに入れてもらう

  • 業務範囲、成果の定義、情報の帰属、名乗り方、解約条件は契約書で決める

  • 効果は、取引口座を開いた数と、自社が直接やりとりできる取引先の数で、3か月以上かけて判断する

  • BP開拓の土台はチョータツブーストで自社の手で作り、手が回らない部分だけを代行に任せる

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

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