営業管理エクセルの作り方|SES営業の成績表・管理シートの列設計と関数例、人数が増えたときの乗り換え目安

公開日:2026年10月1日更新日:2026年10月1日

SESの営業管理エクセルとは?案件管理表との違い

SESの営業管理エクセルとは、営業担当ごとの活動量と成果を、同じものさしで並べて見るための表のことです。「だれが・いつ・どの案件に・何件提案し、何件決めたか」を記録し、月ごとに集計します。

よく似た表に「案件管理表」があります。案件管理表は、案件と人材の条件(単価・スキル・開始日など)を一覧にして、組み合わせを探すための表です。営業管理エクセルは、その組み合わせを提案した結果を数える表です。

表の種類何を管理するか主な使い道
案件管理表・人材表案件と人材の条件提案する組み合わせを探す
顧客リスト取引先の会社と担当者追客・関係づくり
営業管理エクセル(成績表)担当者ごとの提案・面談・決定・粗利活動量と成果を比べ、詰まりを直す

案件表・人材表の作り方はSESの案件・人材管理をExcelで無料で行う方法|テンプレ付きで解説しています。取引先の管理はSESの顧客リスト管理方法|必要な項目20と見込み客の育て方で解説しています。この記事では、成績表と、その元になる活動ログに絞ります。

営業管理エクセルは3つのシートで作る

営業管理エクセルは、「活動ログ」「成績表」「選択肢リスト」の3シートに分けて作ります。入力する場所と集計する場所を分けると、数字が壊れにくくなります。

シート名役割だれが触るか
活動ログ提案・面談・決定を1行ずつ記録する営業担当(毎日)
成績表活動ログを関数で担当者別に集計するだれも手で入力しない
選択肢リスト担当者名・種別・所属などの選択肢管理者だけ

一番多い失敗は、成績表に担当者が自分で数字を打ち込むやり方です。数え方が人によってばらばらになり、月末に「合わない」が起きます。

活動ログとは、営業の行動を起きた順に1行ずつ書きためる記録のことです。営業データ管理の土台になるのは、成績表ではなく活動ログです。営業日報を書いている会社は、日報の提案・面談の欄を活動ログの列にそろえると二重入力を減らせます。日報の項目は営業日報の書き方|SES営業で提案・面談数が見える項目と例文で紹介しています。

シート1:活動ログの列設計(営業データ管理の土台)

活動ログは、1件の行動を1行で記録し、次の12列を持ちます。この列があれば、担当者別・月別・顧客別のどの集計も後から出せます。

列項目入れ方例
A日付日付で入力2026/10/05
B担当者選択肢から選ぶ佐藤
C種別提案/面談/決定/見送り から選ぶ提案
D顧客名選択肢から選ぶ(顧客リストと同じ表記)〇〇システム
E案件名短く入力物流系Java開発
F人材(イニシャル)イニシャルだけT.K
G所属自社/BP/フリーランス から選ぶBP
H単価(月額・万円)数字だけ70
I原価(月額・万円)数字だけ62
J粗利(月額・万円)式 =H2-I28
K稼働開始日決定の行だけ入力2026/11/01
L提案ID同じ提案の面談・決定に同じ番号P-0123

各列を入れる理由

種別(C列)は、成績表の数字を分ける一番大事な列です。「提案」とは、案件に人材のスキルシートを送った1回を指します。「面談」はお客さんとの顔合わせを実施した1回、「決定」は参画が決まった1件です。

単価と原価(H・I列)は、粗利を出すために入れます。粗利とは、売上から、その売上を得るためにかかった直接の費用を引いた利益のことです。SESでは、月額の単価から原価(BPなら仕入れ単価、自社社員なら給与などの人件費)を引いて出します。

提案ID(L列)は、同じ提案が面談・決定へ進んだことを後で追うための番号です。提案の行を作るときに番号を振り、面談・決定の行にも同じ番号を書きます。

人材はイニシャルにします。成績表は社内の多くの人が見るため、氏名などの個人情報を広げないためです。

シート2:営業成績表の列設計と関数例

営業成績表は、担当者を縦に、提案数・面談数・決定数・粗利合計・書類通過率・面談決定率を横に並べます。すべて活動ログからの関数で出すので、手で打つのは集計期間の2つのセルだけです。

列項目中身
A担当者選択肢リストと同じ名前
B提案数期間内の「提案」の行数
C面談数期間内の「面談」の行数
D決定数期間内の「決定」の行数
E粗利合計(万円)期間内の「決定」の行の粗利の合計
F書類通過率面談数 ÷ 提案数
G面談決定率決定数 ÷ 面談数

書類通過率とは、提案した件数のうち、面談まで進んだ割合のことです。面談決定率とは、面談した件数のうち、参画が決まった割合のことです。

関数の例(そのままコピーして使える)

成績表のセル B1 に集計開始日(例:2026/10/01)、C1 に集計終了日の翌日(例:2026/11/01)を入れます。担当者名は4行目から下に並べます。4行目の式は次のとおりです。

例文・テンプレート
B4(提案数)
=COUNTIFS(活動ログ!$B:$B,$A4,活動ログ!$C:$C,"提案",活動ログ!$A:$A,">="&$B$1,活動ログ!$A:$A,"<"&$C$1)

C4(面談数)
=COUNTIFS(活動ログ!$B:$B,$A4,活動ログ!$C:$C,"面談",活動ログ!$A:$A,">="&$B$1,活動ログ!$A:$A,"<"&$C$1)

D4(決定数)
=COUNTIFS(活動ログ!$B:$B,$A4,活動ログ!$C:$C,"決定",活動ログ!$A:$A,">="&$B$1,活動ログ!$A:$A,"<"&$C$1)

E4(粗利合計)
=SUMIFS(活動ログ!$J:$J,活動ログ!$B:$B,$A4,活動ログ!$C:$C,"決定",活動ログ!$A:$A,">="&$B$1,活動ログ!$A:$A,"<"&$C$1)

F4(書類通過率)
=IFERROR(C4/B4,"-")

G4(面談決定率)
=IFERROR(D4/C4,"-")

4行目を下の行へコピーすれば、全員分が埋まります。F列とG列は、セルの書式を「パーセント」にしてください。

使っている関数の役割は次の3つです。

関数役割この表での使い方
COUNTIFS複数の条件に合う行を数える担当者・種別・期間で行数を数える
SUMIFS複数の条件に合う行の数字を足す担当者・「決定」・期間で粗利を足す
IFERRORエラーのときに別の表示にする提案0件のときの割り算エラーを「-」にする

COUNTIFS と SUMIFS は、条件を最大127組まで指定できます。顧客名や所属で絞りたいときは、同じ形で条件を足せば大丈夫です。Googleスプレッドシートにも同じ名前の関数があります。

期間を「翌日より前」で指定する理由

終了日を「10月31日以下」ではなく「11月1日より前」で指定しているのには理由があります。日付に時刻が入っていても、31日の分をもらさず数えられるからです。月を変えるときは B1 と C1 の2セルを書き換えるだけです。

率は「同じ期間の件数」で割った目安と考える

成績表の書類通過率は、10月の面談数を10月の提案数で割った値です。9月末に提案して10月に面談した分も入るため、月をまたぐと実際の率と少しずれます。正確に追いたいときは、提案ID(L列)で提案ごとに面談・決定まで進んだかを数えてください。月1回の営業会議で傾向を見るだけなら、同じ期間の件数で割る方法で十分です。

計算例:営業3人の2026年10月の成績表

営業3人の10月分を集計した例です(数字は説明用の架空の例です)。

担当提案→面談→決定書類通過率/面談決定率粗利合計(月額)
佐藤40 → 10 → 325% / 30%24万円
鈴木15 → 6 → 240% / 33%18万円
田中30 → 4 → 113% / 25%6万円

率の出し方は、たとえば佐藤さんなら書類通過率が10÷40=25%、面談決定率が3÷10=30%です。粗利合計は、決定3件の月額粗利(例:8万円×3件)を足したものです。

この表から読み取れることは、担当者ごとに違います。

  • 佐藤さん:提案が多く、率も平均的。量で成果を出している

  • 鈴木さん:率は高いが、提案が少ない。提案数を増やせば決定が増える見込みがある

  • 田中さん:提案は多いが、書類通過率が低い。案件の条件と人材が合っていない可能性がある

段階ごとの目安と打ち手は、SES営業のKPIの目安|1日の提案数・面談数と1人あたり売上目標にあります。

営業管理エクセルを作る7ステップ

営業管理エクセルは、次の7ステップで作れます。最初の1か月は「入力が続くか」を確かめる期間と考えてください。

  1. 数える言葉を決める:「提案」「面談」「決定」を数える時点を、チームで1文ずつ決める(ひな形はこの章の最後)

  2. 選択肢リストのシートを作る:担当者名・種別・所属・顧客名の一覧を作る

  3. 活動ログのシートを作る:12列の見出しを1行目に並べ、B・C・D・G列をドロップダウン リストにする

  4. 粗利の式を入れる:J列に =H2-I2 を入れ、下までコピーする

  5. 成績表のシートを作る:担当者名と集計期間を入れ、関数を4行目に入れて下へコピーする

  6. 成績表を保護する:成績表のシートは手で書き換えられないよう、シートの保護をかける

  7. 更新のルールを決める:「その日の行動は、その日の終業前に入力」「月初の1営業日目に成績表を確認」と決めて共有する

「数える言葉」の定義のひな形

ステップ1の定義は、次の文をそのまま社内ルールに使えます。自社の流れに合わせて直してください。

種別数える時点(定義文の例)
提案上位の会社にスキルシートを送った時点で1件。同じ人を同じ案件に再送しても数えない
面談お客さんとの面談を実施した時点で1件。日程調整中や中止は数えない
決定上位の会社から参画の確定連絡を受けた時点で1件。条件交渉中は数えない
見送り書類または面談で不採用の連絡を受けた時点で1件

定義があいまいだと、「面談を設定した時点」で数える人と「実施した時点」で数える人が混ざります。すると、書類通過率が人によって高く見えたり低く見えたりします。

顧客別・月別に見たいときはピボットテーブル

担当者別ではなく顧客別に見たいときは、ピボットテーブルを使います。ピボットテーブルとは、表のデータを行・列・値に置き直して、集計し直せるエクセルの機能のことです。

活動ログを選んで「挿入」→「ピボットテーブル」を選び、行に「顧客名」、列に「種別」、値に「種別の個数」を置きます。これで、顧客ごとの提案・面談・決定の数が一覧になります。どの顧客で決まりやすいかがわかり、営業先の優先順位を決める材料になります。

ピボットテーブルは、見出しが1行で、結合セルがない表でないとうまく動きません。活動ログを1行1件で作っておく理由の1つがここです。

成績表を営業会議で使う3つの見方

成績表は、「どの段階で詰まっているか」を見つけて、次の1か月の行動を決めるために使います。順位を発表するだけでは、数字はよくなりません。

1. まず率を見て、詰まっている段階を決める
書類通過率が低ければ、提案の中身(条件の合わせ方・スキルシート)の問題です。面談決定率が低ければ、面談の準備や人材の見極めの問題です。

2. 次に量を見て、足りない行動を決める
率が平均並みなのに決定が少ない人は、提案数そのものが足りません。案件・人材の情報を集める時間を増やす必要があります。

3. 最後に粗利を見て、決まり方の質を確かめる
決定数が多くても、粗利が薄い決定ばかりだと会社の利益は増えません。成績表の粗利を報酬に結びつける計算式は、SES営業のインセンティブ設計|粗利連動の計算式と失敗例で紹介しています。

面談決定率を上げる準備は、SESの面談通過率を上げる方法|平均の目安と営業ができる事前準備8つで紹介しています。成績表を使った会議の進め方は営業会議の進め方|SESで案件・要員を30分で回すアジェンダ例が参考になります。半期の評価に使うなら、SES営業の評価シートの作り方|数字と行動の評価項目と記入例と組み合わせます。

営業管理エクセルでやってはいけないこと5つ

営業管理エクセルは、次の5つをやると数字が信用されなくなります。作る前にチームで確認しておきましょう。

やってはいけないこと起きる問題代わりにやること
成績表に手で数字を打つ数え方がばらばらになる活動ログから関数で出す
1つのセルに複数の提案を書く件数を数えられない1行1件にする
顧客名を自由入力にする「〇〇システム」「〇〇シス」が別の会社になる選択肢から選ばせる
担当者ごとに別ファイルを作る集計のたびに貼り合わせが必要1つのファイル・1つのシートに集める
人材のフルネームを入れる個人情報が社内に広がるイニシャルか社内の管理番号にする

特に顧客名の表記ゆれは、ピボットテーブルでも COUNTIFS でも別の会社として数えられてしまいます。選択肢リストは必ず作ってください。

人数が増えたときのエクセルの限界と乗り換えの目安

営業管理エクセルは、営業が2人くらいまでなら十分に回ります。人数と情報量が増えると、入力と集計の手間が成果を上回り始めます。

エクセルで起きやすい5つの限界

  1. 同時に編集できない:共有フォルダに置いたファイルは、だれかが開くと他の人が保存できないことがある

  2. 入力が後回しになる:案件メールを読み、表に転記する作業が毎日積み上がる

  3. 数字の元が追えない:成績表の「決定3件」が、どの案件のどの人材かをすぐ確かめられない

  4. ファイルが重くなる:行が増え、列全体を参照する式が多いと、開くのも計算も遅くなる

  5. 担当者が辞めると止まる:式やルールを作った人しか直せない

同時に編集したい場合、エクセルにも共同編集の機能があります。条件は、Microsoft 365 を契約し、ファイルを OneDrive か SharePoint Online に置くことです。社内サーバーの共有フォルダでは使えません。ファイル形式は .xlsx・.xlsm・.xlsb のどれかが必要です(Microsoft サポートで2026年9月30日に確認)。

乗り換えを考え始める目安

次のどれかに当てはまったら、ツールへの乗り換えを考え始める目安です(編集部の目安)。

目安起きていること
営業が3人以上で、同じファイルを毎日更新する上書きや入力もれが増える
案件・人材メールが1日100通以上届く活動ログに書く前の「情報集め」で時間が消える
月初の集計・確認に半日以上かかる成績表を作ること自体が仕事になっている
入力が1週間以上たまる人が出る成績表の数字が実態とずれる

乗り換えるときも、活動ログの列設計はそのまま役に立ちます。「何を1件と数えるか」が決まっていれば、どのツールに移っても同じ数字で比べられます。ツールを選ぶときは、活動ログの4つの種別をそのまま登録できるかを最初に確かめましょう。

チョータツで「提案の元になる情報集め」を楽にする

成績表の数字を上げるには、提案数を増やすことが近道です。そして提案数を左右するのは、案件と人材の情報をどれだけ早く集めて探せるかです。この部分は、DrivenXのツールで楽にできます。

場面エクセルでやる場合DrivenXのツールを使う場合
届いたメールを整理する案件か人材か、1通ずつ読んで仕分けるチョータツメールAIが案件メールと人材メールに自動で切り分ける
案件・人材の情報をためるメールを読んで表に転記するチョータツで案件・人材を管理・共有する。AIが入力を手伝う
他社の情報を探す過去のメールを検索し直すチョータツで他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材をデータベース化できる
自社の情報を届けるBCCでメールを一斉送信チョータツのメール配信機能でパートナーに配信する

チョータツとは、SES営業の案件・人材の情報を管理・共有するためのツールのことです。3,000社以上が利用し、無料で始められます。

チョータツメールAIとは、届いたメールをAIが処理し、案件メールと人材メールに切り分けるメールインポート機能のことです。メールに書かれた単価や商流などの条件も読み取ります。転送設定で取り込め、案件・人材以外のメールはデータに残りません。

おすすめの使い方は、成績表はこの記事のエクセルで続け、提案の元になる情報集めをチョータツに任せる形です。情報集めと転記の時間が減った分を、提案の件数に回せます。

よくある質問

Q. 営業成績表の項目は、最低限どれがあればいいですか?
担当者・提案数・面談数・決定数・粗利の5つです。この5つがあれば、書類通過率と面談決定率も関数で出せます。
Q. 営業管理シートのテンプレートは、無料で作れますか?
作れます。この記事の活動ログ12列と成績表の関数を、エクセルかGoogleスプレッドシートにそのまま入れてください。無料で使える管理シートになります。
Q. 営業の顧客管理もエクセルでまとめていいですか?
顧客リストは別のシートかファイルに分けるのがおすすめです。活動ログの「顧客名」は、顧客リストと同じ表記の選択肢から選びます。顧客リストの項目は、法人番号を共通のキーにするとつなげやすくなります。
Q. 売上ではなく粗利で成績を見るのはなぜですか?
SESでは、単価が高くても原価が高ければ会社に残る利益は少ないからです。売上と粗利の両方を見ると、利益の出る決まり方をしているかがわかります。
Q. 活動ログの入力が続きません。どうすればいいですか?
入力する列を減らし、選択肢から選ぶだけの列を増やしてください。メールの整理に時間を取られているなら、チョータツメールAIで入力前の仕分けを減らすのも手です。
Q. 営業の人数が増えたら、エクセルはやめるべきですか?
すぐにやめる必要はありません。営業3人以上で同時に更新する、メールが1日100通以上届く、などが目安です(編集部の目安)。当てはまったら、ツールとの組み合わせを考え始めましょう。

まとめ

  • SESの営業管理エクセルは、「活動ログ」「成績表」「選択肢リスト」の3シートで作る

  • 活動ログは1行1件・12列。成績表は COUNTIFS・SUMIFS・IFERROR で自動で出す

  • 成績表には提案数・面談数・決定数・粗利と、書類通過率・面談決定率を並べる

  • 成績表は順位づけではなく、どの段階で詰まっているかを見つけるために使う

  • 営業3人以上・メール1日100通以上が、乗り換えを考え始める目安(編集部の目安)

  • 提案の元になる情報集めは、チョータツとチョータツメールAIで楽にできる

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年10月1日|更新日:2026年10月1日

参考資料(2026年9月30日確認)

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