SESの集客マーケティング施策7つ|費用の小さい順の始め方とメール配信・インサイドセールスの役割分担例

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

SESの集客マーケティングとは?アウトバウンドとインバウンドの違い

SESの集客マーケティングとは、取引先になりそうな会社から「話を聞きたい」と連絡が来る状態をつくる活動のことです。
営業が1社ずつ電話やメールをする方法だけに頼らず、相手から声がかかる入口を増やします。

営業のやり方は、大きく2つに分かれます。
アウトバウンドとは、自分から相手に連絡する営業のことです。インバウンドとは、相手から問い合わせをもらう営業のことです。

種類主な方法良いところ弱いところ
アウトバウンドテレアポ、フォーム営業、メール営業今日から動ける。数を自分で決められる営業が止まると問い合わせも止まる
インバウンド募集ページ、メール配信、SNS、交流会の主催相手に興味がある状態で話せる形になるまで時間がかかる(目安は数か月)

少人数のSES企業では、テレアポやメール営業などのアウトバウンドが中心になりがちです。
ただ、アウトバウンドだけだと、営業担当が忙しい月に新規の接点がゼロになります。インバウンドの入口を少しずつ足すと、営業の波をならせます。

SESの集客は「BP向け」と「エンド向け」で入口が違う

SESの集客相手は、BPとエンドの2種類です。
BP(ビジネスパートナー)とは、案件や人材を紹介し合う同業の会社のことです。エンドとは、システムを実際に使う発注元の会社のことです。

  • BP向け:パートナー募集ページ、メール配信、交流会、BP開拓ツールが効きやすい

  • エンド向け:導入事例、得意分野の記事、紹介が効きやすい

少人数の会社は、成果が早いBP向けから始めるのがおすすめです。
エンド向けは時間がかかるため、BP向けが回り始めてから並行して足します。

SESの集客マーケティング施策7つ【費用と手間の小さい順】

SESの集客施策は、費用と手間が小さい順に次の7つです。上から順に1つずつ足していくと、無理なく続けられます。

施策外部の費用社内の手間主な相手
1. パートナー募集ページほぼ0円(自社サイトがあれば)小(最初に数時間)BP
2. BP開拓ツール無料で始められるものがある小BP
3. メール配信0円〜(ツールによる)中(毎週の更新)BP
4. 紹介の仕組み0円小BP・エンド
5. SNS(X・LinkedIn)0円中(毎日の投稿)BP
6. 交流会・勉強会の主催会場費など(オンラインなら小さい)大(企画と集客)BP・エンド
7. 記事・事例の発信0円〜(外注すれば費用)大(毎月の執筆)エンド・BP

※ 費用は自社の人件費を除いた目安です。ツールや会場の料金は、各サービスで確認してください。

1. 自社サイトにパートナー募集ページを作る

パートナー募集ページとは、「こんな会社と取引したい」と自社サイトで公開するページのことです。
BPを探している営業は、「SES パートナー募集 東京」などで検索します。募集ページがあれば、その検索から問い合わせが届きます。

費用は、自社サイトがあればほぼかかりません。集客の観点での注意点は、後半の「パートナー募集ページは集客の入口として最初に用意する」の章で説明します。

2. BP開拓ツール・マッチングサービスに登録する

BP開拓ツールとは、SES企業どうしが出会い、取引を始めるためのサービスのことです。
自社の情報を登録しておけば、相手から見つけてもらえる入口になります。無料で始められるものもあり、手間は小さめです。

登録したら、自社の強み(得意な言語・業界・エリア)を具体的に書きます。
サービスの種類はSESのBP開拓サービス比較|5種類の特徴と選び方のポイント5つにまとめています。Slackなどの営業コミュニティも、相手から声がかかる入口になります。使い方はSES営業コミュニティの活用法|Slack等で案件・人材を回すコツで紹介しています。

3. つながった会社へメールを定期配信する

メール配信とは、名刺交換や取引で知り合った会社へ、空き人材や案件の情報を決まった頻度で送ることです。
SESでは「ちょうど探していた」という時に届いたメールから、問い合わせが生まれます。

大切なのは頻度をそろえることです。たとえば「毎週火曜の朝」と決めると、相手も待って読むようになります。
送り方の注意は、後半の「メール配信で問い合わせを待てる仕組みにする」の章で説明します。

4. 既存の顧客・BPから紹介をもらう仕組みを作る

紹介とは、今の取引先から、別の会社を引き合わせてもらうことです。
最初から信頼がある状態で話せるため、決まりやすいのが強みです。

「紹介してください」と待つだけでは、紹介は増えません。
契約更新や案件が決まった直後など、相手の満足度が高いときに頼むのがコツです。頼み方の例文はSESで既存顧客から紹介をもらう方法|頼み方の例文とタイミングで紹介しています。

5. SNS(X・LinkedIn)で発信する

SNSでの発信とは、会社や担当者のアカウントから、案件・人材・自社の得意分野を投稿することです。
担当者どうしが直接つながれるので、話が早く進むことがあります。

費用はかかりませんが、毎日少しずつ投稿を続ける手間がかかります。
個人情報の出しすぎなど、SNSならではの注意点もあります。投稿例とリスクはSES営業のX活用法|パートナー開拓のコツと注意すべきリスク5つにまとめました。

6. 交流会・勉強会を主催する

交流会の主催とは、自社が呼びかけ役になって、SES企業の営業が集まる場を開くことです。
参加者として行くより手間はかかりますが、「集めた会社」として名前を覚えてもらえます。

オンラインなら、会場費をかけずに始められます。
最初は10社前後の小さな会から始めると、準備の負担が小さく済みます。手順はSES交流会をオンラインで開催する方法|主催の手順と集客のコツで解説しています。

7. 記事・導入事例を発信する(エンド向け)

記事・事例の発信とは、自社の得意分野や支援した実績を、自社サイトに文章でまとめて載せることです。
エンドの担当者が「〇〇の開発 外部 支援」などで調べたときに、見つけてもらう入口になります。

成果が出るまで数か月かかり、毎月書き続ける手間がかかります。
そのため、施策1〜5が回り始めてから取り組むのがおすすめです。事例を載せるときは、客先の社名を出してよいか必ず確認します。

パートナー募集ページは「集客の入口」として最初に用意する

パートナー募集ページは、BPからの問い合わせを受ける入口です。集客施策の中で最初に用意します。載せる項目・文例・フォームの作り方は、SESのパートナー募集ページの作り方|載せる12項目とフォーム例で解説しています。

集客の観点で押さえることは、次の3つです。

  • 得意分野・エリア・商流の考え方・支払い条件をはっきり書く。合わない会社からの問い合わせが減り、合う会社の割合が上がります。

  • 問い合わせフォームは、エンド向けの「開発のご相談」と、BP向けの「パートナー募集」で分ける。担当者にすぐ回せます。

  • ページを作ったら、配信メールの署名・SNS・交流会の資料からページへリンクする。入口に人を連れてくるのが集客施策の役目です。

メール配信で問い合わせを待てる仕組みにする

メール配信は、知り合った会社に自社を思い出してもらうための、いちばん手軽な施策です。空き人材や急ぎの案件を毎週送ると、「ちょうど探していた」会社から返信が来ます。

配信メールの例文

例文・テンプレート
件名:【10/6(火)配信】即日稼働可の人材3名・急募案件2件|株式会社△△

株式会社〇〇
□□様

いつもお世話になっております。株式会社△△の■■です。
今週ご紹介できる人材・案件をお送りします。

■人材(自社社員)
1. Java 5年/Spring Boot/10月中旬〜/東京・リモート可
2. AWS構築 3年/Terraform/11月1日〜/東京
3. テスト 2年/自動テスト経験あり/即日〜/神奈川

■案件
1. 金融系Web開発(Java)/11月〜/東京
2. インフラ運用(AWS)/即日〜/リモート中心

気になるものがあれば、このメールにご返信ください。
スキルシートをお送りします。

※配信の停止をご希望の場合は、このメールに「停止」とご返信ください。
―――
株式会社△△ ■■
東京都〇〇区…/03-xxxx-xxxx

人材の情報は、氏名を出さず、スキルと稼働時期だけにします。
スキルシートは、返信をもらってから、本人の同意の範囲で送ります。

特定電子メール法に気をつける

特定電子メール法とは、広告・宣伝のメールの送り方を決めた法律のことです。
総務省の説明では、広告・宣伝のメールは原則として、受け取る人の事前の同意が必要とされています。

例外として、名刺交換などで書面によりアドレスをもらった相手や、すでに取引がある相手には、同意がなくても送れます。仕事用のアドレスを公表している会社への送信も例外の1つです。ただし、公表アドレスの近くに「広告メールお断り」などと書かれている会社は例外になりません。
どの場合も、送信者の名前・住所、配信を止める連絡先などの表示が必要です。停止の連絡を受けた相手には、それ以降送ってはいけません。くわしくは総務省のガイドラインを確認してください(2026年9月30日確認)。

一斉送信の「BCC」は事故のもと

一斉送信をBCC(ほかの宛先が見えない送り方)で手作業で行うと、宛先の入れ間違いが起きやすくなります。
取引先のアドレスがほかの会社に見えてしまうと、信用を失います。配信先が50社を超えたら、配信用のツールを使うのが安全です。

ツールの選び方はSESのメール一斉配信ツール比較|BP向け配信で選ぶポイント7つをご覧ください。

インサイドセールスの役割分担例

インサイドセールスとは、電話・メール・オンライン会議など、会社の中から見込みのある相手とやりとりを続ける営業のことです。
問い合わせを受けて商談の準備を整え、外で会う営業(フィールドセールス)へ引き継ぎます。

問い合わせが増えても、誰が返すか決まっていないと、返信が遅れて相手が離れていきます。
少人数の会社でも、「集める」「育てる・つなぐ」「決める」の3つに役割を分けると回ります。

3人体制の役割分担の例

役割担当の例主な仕事追う数字の例
集める経営者・営業責任者募集ページ・SNS・交流会の主催問い合わせ数
育てる・つなぐインサイドセールス(営業事務と兼務も可)問い合わせへの返信、毎週の配信、情報交換の日程調整返信までの時間、情報交換の件数
決める営業担当情報交換、案件・人材の提案、契約提案数、成約数

営業が1人だけの会社は、1人で3役を担当してかまいません。
その場合も、曜日で役割を分ける(月曜は配信、水曜は情報交換など)と、どれかが止まるのを防げます。

問い合わせが来てからの流れ

  1. 問い合わせを受けたら、その日のうちにお礼と日程候補を返す

  2. 相手の会社を法人番号公表サイトで確認する

  3. 30分ほどのオンライン情報交換で、得意分野・商流・支払い条件を聞く

  4. 取引できそうなら、営業担当に引き継ぎ、基本契約とNDAの準備をする

  5. すぐ取引にならない相手は、毎週の配信リストに入れて関係を続ける

5の「すぐ取引にならない相手」を捨てずに配信を続けることが、次の問い合わせにつながります。

最初の90日の進め方(計画例)

集客マーケティングは、90日で施策を3つまで立ち上げるくらいの速さがちょうどよいです。一度に全部始めると、どれも続きません。

期間やることできあがる状態
1〜30日目パートナー募集ページとフォームを作る。BP開拓ツールに登録する相手から見つけてもらえる入口がある
31〜60日目名刺・取引先のアドレスを整理し、週1回の配信を始める知り合った会社に毎週思い出してもらえる
61〜90日目紹介のお願いを始める。SNSか交流会の主催のどちらかを選んで試す入口が3〜4つあり、経路別の問い合わせ数がわかる

90日たったら、施策ごとの問い合わせ数と、そこから決まった件数を見比べます。
効果が小さい施策はやめ、効果が大きい施策に時間を回します。

問い合わせの経路を必ず記録する

問い合わせが来たら、「どこで自社を知ったか」を1行で記録します。記録がないと、どの施策が効いているのか判断できません。

  • 問い合わせフォームに「弊社を知ったきっかけ」の選択肢を入れる

  • 電話やメールで来たときは、最初の返信で「どちらでお知りになりましたか」と聞く

  • 月末に経路別の件数を数え、営業会議で共有する

チョータツで集客の手間を減らす方法

ここまでの施策は、どれも自社だけで始められます。ただ、BPの入口づくりと、つながった後の情報のやりとりには手間がかかります。チョータツとチョータツブーストを使うと、この2つをまとめて楽にできます。

やりたいこと自分でやる場合チョータツを使う場合
新しいBPとの接点を増やす募集ページを作り、検索や交流会で探すチョータツブーストで新しいパートナー企業を開拓
つながった会社へ情報を届けるBCCで一斉送信(宛先ミスの心配)チョータツのメール配信機能でパートナーに配信
相手の案件・人材を把握する届いたメールを読み、Excelに転記他社と連携すると、相手の営業中案件・営業中人材をデータベース化
自社の案件・人材を管理する営業ごとのExcelやメールに散らばる案件・人材の情報を管理・共有。AIが入力を手伝う

チョータツブーストとは、チョータツの中で新しいパートナー企業を開拓できる機能のことです。
チョータツは3,000社以上が使っているSES営業向けのツールで、無料で始められます。募集ページを作って問い合わせを待つ施策と、あわせて使えます。

使い始める流れ

  1. チョータツに無料で登録する

  2. 自社の案件・人材の情報を登録する(AIが入力を手伝う)

  3. チョータツブーストで、新しいパートナー企業を開拓する

  4. つながった会社と連携し、お互いの営業中案件・営業中人材を共有する

  5. メール配信機能で、自社の空き人材や案件を定期的に届ける

やってはいけない集客の始め方

集客で失敗しやすいのは、一度に全部始めることと、問い合わせへの返信が遅いことの2つです。

  • 施策を同時に4つ以上始める:どれも中途半端になり、3か月後に全部止まる

  • 返信が翌日以降になる:相手はほかの会社にも連絡しているため、先に返した会社と話が進む

  • 配信メールに人材の氏名や住所を載せる:エンジニアの個人情報を、本人の同意なく広く配ることになる

  • 客先の社名を無断で事例に出す:契約の秘密保持の決まりに反するおそれがある

  • 「営業お断り」の会社に配信する:会社の評判を落とす

よくある質問

Q. SESの集客で、最初に1つだけやるなら何ですか?
自社サイトにパートナー募集ページを作ることです。費用がほぼかからず、BPを探している会社の検索から問い合わせが届く入口になります。
Q. インサイドセールスの担当者を新しく雇う必要はありますか?
最初は不要です。営業事務や営業担当が曜日を決めて兼務すれば回ります。問い合わせへの返信が遅れ始めたら、専任を考えましょう。
Q. Web広告は使ったほうがいいですか?
施策1〜5が回ってから検討するのがおすすめです。広告は止めると問い合わせも止まるため、先に費用のかからない入口を作っておきます。
Q. 問い合わせが来ても、取引につながらない会社ばかりです。
募集ページに、得意分野・エリア・商流の考え方を具体的に書きましょう。合わない会社からの問い合わせが減り、合う会社の割合が上がります。
Q. 集客の効果はどうやって測りますか?
問い合わせごとに「どこで知ったか」を記録し、月末に経路別の件数と成約数を数えます。90日ごとに見直し、効果の小さい施策はやめます。
Q. テレアポやフォーム営業はやめたほうがいいですか?
やめる必要はありません。自分から動く営業と、問い合わせを待つ仕組みを組み合わせると、営業が忙しい月でも接点が途切れません。

まとめ

  • SESの集客は、自分から動く営業に、問い合わせを待てる仕組みを足すと安定する

  • 施策は7つ。費用と手間が小さい順に、募集ページ→BP開拓ツール→メール配信→紹介→SNS→交流会の主催→記事・事例

  • パートナー募集ページを集客の入口として最初に作り、配信メールやSNSからリンクする

  • メール配信は頻度をそろえ、特定電子メール法の表示を守り、人材の氏名は載せない

  • インサイドセールスは「集める」「育てる・つなぐ」「決める」の3役に分け、問い合わせには当日中に返す

  • 90日で施策を3つまで立ち上げ、問い合わせの経路を記録して見直す

  • BPの入口づくりと配信は、チョータツブーストとチョータツのメール配信で楽にできる

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

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