AI開発企業ランキング|日本の主要AI企業と、SES営業がAI案件の商流に入る5つの手順
公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日
AI開発企業とは
AI開発企業とは、AI(人工知能)の仕組みを作ったり、AIを使ったシステムやサービスを企業に届けたりする会社のことです。「AI企業」に決まった定義はありません。
ここでは、SES営業の営業先として見やすいように、AI開発企業を3種類に分けました。
| 種類 | どんな会社か | 例 |
|---|---|---|
| AI専業の上場企業 | AIの開発・導入支援が売上の中心 | PKSHA Technology、エクサウィザーズ、ABEJA |
| 大手IT・通信企業 | 自社で大規模言語モデルを開発し、法人に売る | NTT、NEC、ソフトバンク、KDDIグループ |
| 非上場のAI企業 | 研究力の高いスタートアップなど | Preferred Networks、ELYZA |
大規模言語モデル(LLM)とは、大量の文章を学んで、人と同じように文章を読んだり書いたりできるAIのことです。ChatGPTの中身もこの仕組みです。
AIベンダーとは、AIのシステムやサービスを作って企業に売る会社のことです。本記事では、AI専業の会社をまとめてAIベンダーと呼びます。
AI開発企業ランキング(上場AI企業の売上高)
AIの個別開発・導入支援を主な事業とする上場企業では、PKSHA Technologyの売上が最も大きいです。 各社が公表した決算短信の数字で並べました(2026年9月30日確認)。
このランキングは、SES企業が関われる「お客さんごとの開発・導入支援」の仕事を持つ会社に絞っています。売上がこの3社より大きい上場AI企業に、Appier Groupがあります。2025年12月期の売上収益は437億37百万円です。Appier GroupはAIを使った広告・マーケティングのSaaS(ネットで使うソフト)が中心です。個別開発の案件が出にくいため、表には入れていません。
HEROZ(2026年4月期の売上高64億24百万円)も表に入れていません。売上の約4割がネットのセキュリティ事業のためです。
| 順位 | 会社名 | 売上高(直近の通期) | 主な事業 |
|---|---|---|---|
| 1 | PKSHA Technology | 217億71百万円(2025年9月期) | 個別開発のAIソリューションとAI SaaS |
| 2 | エクサウィザーズ | 119億96百万円(2026年3月期) | 生成AI・AIエージェントのサービスと導入支援 |
| 3 | ABEJA | 35億85百万円(2025年8月期) | 「ABEJA Platform」を使ったAI・DXの導入支援 |
※ 決算の時期は会社ごとにちがうため、同じ年どうしの比較ではありません。
※ 前の期からの売上の伸び:PKSHA Technology 28.9%、エクサウィザーズ 22.3%、ABEJA 29.6%。
3社の特徴と、SES営業から見たポイント
PKSHA Technologyの事業は2つです。お客さんごとにAIを作る「AI Solution」と、パッケージで売る「AI SaaS」です。公式サイトでは、導入企業は4,400社以上としています。
エクサウィザーズは、生成AIとAIエージェントを中心に、業務の効率化を支援する会社です。「exaBase」というサービス群を、金融・通信・小売などの大手企業に提供しています。
ABEJAは、自社の「ABEJA Platform」を使って、企業のAI・DXの仕組みづくりを支援する会社です。2025年8月期の売上の約77%が、この導入支援とその周辺のサービスでした。
ブレインパッドは、データ分析・AI活用支援の大手でした。2025年に富士通の公開買付け(株を買い集める手続き)で子会社になり、2026年3月17日に上場廃止となりました。今後は富士通グループの一社として見る必要があります。
3社とも、「お客さん向けに個別で作る仕事」を持っています。個別開発の仕事は、データ整備や画面・連携の開発など、周りの作業が多いのが特徴です。SES企業が関われる余地は、この周りの作業にあります。
AI受託開発の市場規模や、AIベンチャーの種類はAI受託開発の市場と企業ランキングで詳しく解説しています。
大手IT・通信企業のAI開発
日本の大手IT・通信企業は、自社で国産の大規模言語モデルを開発しています。 売上の規模ではAI専業の会社よりずっと大きく、AI案件の出どころとしても重要です。
| 会社 | 開発しているAI | 特徴 |
|---|---|---|
| NTT | tsuzumi(つづみ) | 軽いので少ない計算機で動かせる日本語AI |
| NEC | cotomi(コトミ) | 業務システムとつなぎやすい高速な日本語AI |
| ソフトバンク | SB Intuitions社が日本語特化のAIを開発 | グループ会社で研究開発 |
| KDDIグループ | ELYZA社が企業向けにAIを開発 | 大手企業向けのAI導入・独自AIの開発支援 |
※ 各社の公式サイトの説明をもとに、編集部がまとめました(2026年9月30日確認)。
NTTのtsuzumiは、パラメーター(AIの大きさを表す数)を小さくし、1台の計算機でも動くようにしたAIです。病院や保険会社での試験導入が公開されています。
NECのcotomiは、素早い応答と日本語の正確さをうたうAIです。専用の機械、データセンター、APIなど、使い方を選べます。
APIとは、ほかのシステムからその機能を呼び出して使うための窓口のことです。AIを業務システムに組み込むときは、このAPIでつなぐ作業が発生します。
売上の規模で見た日本のIT企業全体の順位は、日本のIT企業ランキング|売上上位の大手と商流での位置づけにまとめています。
非上場のAI企業
非上場にも、研究力の高いAI企業があります。 代表例がPreferred Networksです。2014年設立で、ゼロから開発した日本語の大規模言語モデル「PLaMo」を持っています。株主にはNTT・トヨタ自動車・日立製作所などが名を連ねます。
ELYZAは2018年設立の会社で、大手企業向けのAI導入や、企業ごとの言語モデル開発の支援をしています。
非上場の会社は決算の公開が少なく、売上で順位を付けにくいです。そのため、ランキングの表には入れていません。
AI案件はどこから出て、SES企業はどこから入れるか
AI案件は、大手IT・通信、AIベンダー、大手SIerの3か所から出てきます。 SES企業は、そのどれとも直接契約するより、間に1社入る形で関わることが多いです。
商流とは、システムの仕事がエンド(発注元)から、いくつもの会社を通って流れてくる経路のことです。元請けとはエンドから直接仕事を受ける会社、一次請けとは元請けから仕事を受ける会社のことです。
| 入口 | 案件が届く経路 | 入りやすさ |
|---|---|---|
| 元請けSIerの下 | エンド → 大手SIer → 一次請け → SES企業 | 入りやすい(既存の商流と同じ) |
| AIベンダーの二次 | エンド → AIベンダー → 協力会社 → SES企業 | 実績があれば入りやすい |
| 大手IT・通信のグループ | 大手 → グループのSIer子会社 → 一次請け → SES企業 | 協力会社の登録が必要なことが多い |
| AIベンダーと直接 | AIベンダー → SES企業 | スキルの高い人材が必要 |
この表は、公開情報と一般的な取引の形をもとに編集部が整理したものです。実際の商流は、案件ごとに変わります。
入口1:元請けSIerの下
一番入りやすいのは、いつもの商流の中でAI案件を拾う方法です。 大手SIerは、既存の業務システムにAIを組み込む案件を増やしています。案件の中身は「AIの研究」より「システムの一部としてのAI」が多いです。
すでに取引のある一次請けに、「AI関連の案件はありますか」と聞くところから始められます。大手SIerの顔ぶれは大手SIer一覧と売上ランキングで確認できます。
一次請けの担当者には、次のようなメールで聞くと返事をもらいやすくなります。
件名:生成AI・データ整備まわりの案件のご相談
いつもお世話になっております。〇〇社の△△です。
弊社に、Pythonとクラウド(AWS)でデータ基盤を作った経験のあるエンジニアが2名おります。
生成AIの組み込みやデータ整備など、AIの周辺の案件がございましたら、ぜひご紹介ください。
スキルシートは本メールに添付しています。商流と契約形態(準委任か請負か)もあわせて教えていただけると助かります。
入口2:AIベンダーの二次
AIベンダーは、AIの中身は自社で作り、周りの開発を外に頼むことがあります。 画面の開発、データの取り込み、クラウドの環境づくりなどです。
AIベンダーの協力会社になるには、「AI周辺の開発ができる人材がいる」ことを具体的に示す必要があります。スキルシートに、PythonやクラウドのAIサービスの経験を書いておきましょう。
大手IT・通信のグループ会社やAIベンダーは、取引の前に協力会社の登録審査を行うことが多いです。審査で見られる項目と準備書類はSIerの協力会社登録の条件と流れ|審査で見られる7項目にまとめています。
AI案件で求められる人材像
AI案件で求められるのは、AI研究者より「AIの周りを作れる人」です。 SES企業が出しやすいのは、データ整備・PoC支援・生成AI導入の3種類の案件です。
PoC(ピーオーシー)とは、本格的に作る前に、小さく試して効果を確かめる検証のことです。AI案件はPoCから始まることが多いです。契約形態や受けるときの注意点はPoC案件とは?SES営業が受ける時の注意点で解説しています。
| 案件の種類 | 主な作業 | 求められるスキルの例 |
|---|---|---|
| データ整備 | データの収集・加工、データ基盤づくり | SQL、Python、クラウドのデータ基盤 |
| PoC支援 | 試作品づくり、検証環境の構築 | Python、機械学習の基礎、画面の試作 |
| 生成AI導入 | 社内チャットボット、既存システムへの組み込み | API連携、Web開発、クラウド |
| 運用・保守 | 動いているAIシステムの監視と改善 | クラウド運用、ログ監視、障害対応 |
人の足りなさは、公的な調査にも出ています。IPA(情報処理推進機構)の調査では、DXを進める人材が「やや不足」「大幅に不足」と答えた企業が85.5%でした。
IPAとは、経済産業省が所管する、ITの人材や安全を扱う公的な機関のことです。
自社のエンジニアを提案するときは、次の3点をスキルシートに書くと伝わりやすくなります。
使った言語とツール:Python、SQL、クラウドのAIサービスなど
扱ったデータの種類と量:「売上データ約100万件を整形」など
AIとどう関わったか:「AIの出力を業務画面に表示する部分を担当」など
スキルシートの項目はSESスキルシートのフォーマットと書き方を参考にしてください。
AI案件の営業先リストを作る5つの手順(自分でやる方法)
AI案件の営業先リストは、「AIを出す会社」と「その間に入る会社」を並べると作れます。 次の5つの手順で進めます。
狙う入口を決める:まず「元請けSIerの下」か「AIベンダーの二次」かを決めます。自社の人材がWeb開発寄りなら、生成AI導入の案件が合います。
AIを出す会社を書き出す:この記事のランキングの会社や、大手SIer、大手IT・通信企業を並べます。
間に入る会社を探す:各社の「パートナー募集」「協力会社募集」のページを探します。有価証券報告書の「主要な顧客」欄も手がかりになります。
自社の強みを一文にまとめる:「Pythonとクラウドでデータ基盤を作れる人材が3名」のように、数字で書きます。
1社ずつ連絡し、結果を記録する:連絡日、返事、次の予定を必ず残します。
リストの列は、次の4つがあれば十分です。
| 列 | 書く内容 | 例 |
|---|---|---|
| AIを出す会社 | エンド・元請け・AIベンダー | AIベンダーA社 |
| 間に入る会社 | 一次請け・協力会社 | 中堅SIer B社 |
| 自社との関係 | 取引中/候補/未接触 | 候補 |
| 次にやること | 連絡・面談・提案の予定 | 10月第2週に問い合わせ |
有価証券報告書とは、上場企業が年に1回、事業や主要な取引先を国に届け出る書類のことです。金融庁のEDINETで、誰でも無料で読めます。
編集部としては、手順3を飛ばさないことをおすすめします。大手やAIベンダーの本体に直接連絡しても、実績のない会社は取引の審査が通りにくいためです。
リスト作りの検索のコツはSESの開拓リストの作り方|検索コマンドと優良企業の見分け方7点にまとめています。
AI案件で最初に確認すること
AI案件に入るときは、「契約の形」と「成果の約束」を先に確認します。 AI案件は、作ってみないと結果がわからない仕事が多いためです。
請負とは、完成した成果物に対してお金を払う契約のことです。準委任とは、決まった作業をすることに対してお金を払う契約のことです。
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| 契約の形 | 準委任か請負か |
| 成果の約束 | 「精度◯%」など結果の保証を求められていないか |
| 商流の深さ | エンドから数えて自社が何社目か |
| 指揮命令 | 誰がエンジニアに作業の指示を出すか |
準委任の契約なのに「AIの精度を必ず◯%にする」と約束すると、請負に近い責任を負うおそれがあります。また、客先の社員が自社のエンジニアに直接指示を出すと、偽装請負になるおそれがあります。判断の目安は偽装請負の判断基準|SES営業が避けたいNG行為10選で確認できます。
※ この章は一般的な情報であり、法的助言ではありません。個別の契約は弁護士などの専門家に確認してください。
チョータツでAI案件の情報を整理する
営業先リストの更新が大変になってきたら、チョータツで案件情報をまとめると楽になります。 チョータツとは、SES営業の案件・人材の情報を管理・共有できるツールのことです。
AI案件は、1つの大元の案件が、複数の取引先から少しずつ条件を変えて届くことがあります。取引先ごとに案件を並べて見られると、重複や商流の深さのちがいに気づきやすくなります。
| 場面 | 自分でやる場合 | チョータツを使う場合 |
|---|---|---|
| 届く案件を管理する | メールを読んでExcelに転記 | 案件・人材の情報を1か所で管理・共有 |
| 取引先の案件を集める | 1社ずつメールを確認 | 他社と連携すると、営業中案件・営業中人材をデータベース化 |
| 自社の人材を届ける | BCCで一斉送信 | パートナーへのメール配信機能で送る |
| 入力の手間 | すべて手入力 | AIが入力を手伝う |
チョータツは3,000社以上が使うSES営業向けのツールで、無料で始められます。
よくある質問
- Q. 日本のAI開発企業で売上1位はどこですか?
- AIの個別開発・導入支援を主な事業とする上場企業では、PKSHA Technologyです。2025年9月期の売上収益は217億71百万円でした。2位はエクサウィザーズ、3位はABEJAです。AIのSaaSが中心のAppier Groupや、AI以外の売上も大きいNTT・NECなどの大手は、別に考えます。
- Q. 日本で大規模言語モデルを作っている企業はどこですか?
- NTT(tsuzumi)、NEC(cotomi)、Preferred Networks(PLaMo)などです。ソフトバンクはSB Intuitions社、KDDIグループはELYZA社が開発しています。
- Q. SES企業でもAI案件に入れますか?
- 入れます。多いのはデータ整備・PoC支援・生成AI導入の周辺の作業です。AI研究の経験がなくても、Python・クラウド・Web開発の経験があれば提案しやすくなります。
- Q. AI企業に直接営業してもいいですか?
- できますが、最初は実績を求められやすいです。まず大手SIerの一次請けや、AIベンダーの協力会社の下で実績を積むのが近道です。
- Q. AI開発企業のランキングはどこで確かめればいいですか?
- 上場企業なら、各社の決算短信の売上高を見ます。日本取引所グループのTDnetや、金融庁のEDINETで誰でも読めます。
- Q. AI案件の単価は高いですか?
- スキルや商流で大きく変わるため、一律には言えません。提案前に、同じスキルの営業中案件の単価と、自社が何次請けかを確かめてから単価を決めましょう。
まとめ
AIの個別開発・導入支援が中心の上場企業では、売上はPKSHA Technology・エクサウィザーズ・ABEJAの順
ブレインパッドは富士通の子会社になり、2026年3月に上場廃止
NTT・NEC・ソフトバンク・KDDIグループなどの大手も、国産の大規模言語モデルを開発している
SES企業の入口は「元請けSIerの下」と「AIベンダーの二次」の2つが中心
求められるのは、データ整備・クラウド・Web開発・API連携ができる人材
営業先リストは「AIを出す会社」「間に入る会社」「自社との関係」「次にやること」の4列で作る
契約では、準委任なのに結果を保証する約束をしないよう注意する
本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。
運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日
参考資料(2026年9月30日確認)
株式会社PKSHA Technology「2025年9月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」(2025年11月13日)
株式会社PKSHA Technology「公式サイト」
株式会社エクサウィザーズ「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年5月12日)
株式会社エクサウィザーズ「公式サイト」
株式会社ABEJA「2025年8月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」(2025年10月15日)
Appier Group株式会社「2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年2月13日)
HEROZ株式会社「2026年4月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年6月12日)
株式会社ブレインパッド「富士通株式会社による当社株式に対する公開買付けの結果…に関するお知らせ」(2025年12月16日)
株式会社ブレインパッド「当社株式の上場廃止に関するお知らせ」(2026年3月16日)
NEC「NECの生成AI」
SB Intuitions株式会社「公式サイト」
株式会社ELYZA「会社概要」
株式会社Preferred Networks「会社概要」
IPA(情報処理推進機構)「国内企業のDX動向・AI活用動向のポイントを公開」(2026年7月16日)
金融庁「EDINET」
日本取引所グループ「適時開示情報閲覧サービス(TDnet)」