フリーランスエンジニアの採用方法|SES営業が使える探し方5つを費用と速さで比較し、契約前の確認点を整理

公開日:2026年10月1日更新日:2026年10月1日

フリーランスエンジニアの「採用」とは?SES企業での意味

SES企業がフリーランスを「採用する」とは、雇うことではなく、業務委託で案件に入ってもらうことです。正社員の採用とは、契約の種類も会社の責任も違います。

フリーランスエンジニアとは、会社に雇われず、個人事業主などとして仕事を受けるエンジニアのことです。SESでは、エンドや元請けから受けた案件に、フリーランスを準委任契約で参画させるのが一般的です。準委任契約とは、決まった作業をすることを約束し、完成までは約束しない契約のことです。

正社員とフリーランスの違いを、SES営業の目線で整理します。

比べる点正社員フリーランス(業務委託)
契約雇用契約準委任・請負などの業務委託
待機中の費用給与がかかる案件がなければ費用なし
社会保険会社が加入させる会社の加入義務なし
かかる法律労働基準法などフリーランス法・取適法など

案件ごとに人をそろえたいSES企業にとって、フリーランスは待機の費用がかからない人材です。そのぶん、案件が終われば別の会社へ移ることも多く、関係づくりが大切です。

フリーランスエンジニアの探し方5つを比較

5つの探し方は、速さ・費用・手間のどれを重視するかで選びます。急ぎならエージェント、粗利を残すなら直接スカウトかBP経由が基本です。

探し方速さ自社に残る粗利自社の手間
① フリーランスエージェント速い少ない少ない
② 直接スカウト(例:xhours)ふつう多い多い
③ BP経由速いふつうふつう
④ リファラル(紹介)読めない多い少ない
⑤ SNS・技術コミュニティ遅い多い多い

表の「速さ」「粗利」は、一般的な傾向です。案件のスキルや単価によって変わります。ここからは、それぞれの使い方を説明します。

① フリーランスエージェント

フリーランスエージェントとは、フリーランスと企業の間に入り、案件を紹介して契約を仲立ちする会社のことです。登録者が多く、条件に合う人を早く出してもらえます。

エージェントを使うと、自社 → エージェント → フリーランスという商流になります。自社はエージェントに月額の単価を払い、エージェントがそこから手数料を引いて本人に払います。つまり、自社から見ると商流が1段深くなるということです。

② 直接スカウト

直接スカウトとは、企業がエージェントを通さず、フリーランス本人に案件を持ちかける方法のことです。間に入る会社がないので、同じ単価でも自社に残る粗利が多くなります。

そのかわり、候補探し・連絡・条件のすり合わせ・契約書・請求の確認は、すべて自社で行います。文面の作り方はSESエンジニアへのスカウト文面|返信率を上げる例文8つとコツで解説しています。

③ BP経由

BP(ビジネスパートナー)とは、案件や人材を紹介し合う取引先の会社のことです。BPが抱えるフリーランスを、自社の案件に提案してもらいます。

普段からやりとりのあるBPなら、スキルシートがすぐ届きます。一方で、BPの下にさらに会社がいると、案件側の商流制限に当たることがあります。人材の所属と商流を、提案の前に必ず聞きましょう。

④ リファラル(紹介)

リファラルとは、今つきあいのあるフリーランスや社員から、知り合いを紹介してもらう方法のことです。人柄や働き方を知る人の紹介なので、参画後のミスマッチが少ないのが強みです。

ただし、いつ紹介が来るかは読めません。急ぎの案件の主な手段にはせず、日頃から「こんな人を探しています」と伝えておく使い方が向いています。

⑤ SNS・技術コミュニティ

X(旧Twitter)や技術ブログ、勉強会などで、発信しているエンジニアに声をかける方法です。スキルが発信内容から見えるので、得意分野をつかみやすいです。

反面、返信までに時間がかかり、1人ずつの手間も大きくなります。長く付き合える人を探す、中長期の母集団づくりに向いています。

フリーランスエージェントの手数料は企業にどう影響するか

エージェントの手数料は、企業が別に払うのではなく、企業が払う単価の中に含まれるのが一般的です。そのため、手数料の分だけ自社の仕入れ値が上がり、粗利が減ります。

手数料の割合は、会社ごとに違います。公開していない会社もあるので、契約前に自社が払う単価と本人に届く額の考え方を確認しましょう。仕入れ値の目安はフリーランスエンジニアの単価相場|SES営業の仕入れ値の目安で確認できます。

計算例(数字は説明用)
エンドからの受注単価が月80万円の案件で考えます。

  1. 直接スカウトで、本人と月68万円で契約した場合:自社の粗利は月12万円

  2. エージェント経由で、エージェントに月75万円を払う場合:自社の粗利は月5万円

  3. 差は月7万円。6か月続けば42万円の差になります

エージェントは「早く・確実に」人を出してくれる対価として手数料がかかります。急ぎの案件はエージェント、時間に余裕がある案件は直接スカウトと分けると、粗利を残しやすくなります。

業務委託のフリーランスに社会保険をかける義務はあるか

業務委託のフリーランスは会社の従業員ではないため、会社が健康保険・厚生年金・雇用保険に加入させる義務はありません。本人が国民健康保険・国民年金などに自分で入ります。

ここで注意したいのは、契約の名前ではなく働き方の実態で判断されることです。実態が「会社の指示で働く労働者」なら、雇用として扱われます。その場合、社会保険や労働時間のルールなど、雇用の義務がかかる可能性があります。

正社員と比べたときの費用の差も、知っておくと社内説明に使えます。

  • 厚生年金の保険料率は18.3%で、会社と本人が半分ずつ負担します(会社負担は9.15%)

  • 標準報酬月額が41万円の社員なら、厚生年金だけで会社負担は月37,515円です

  • フリーランスとの業務委託では、この会社負担はかかりません

「社会保険料がかからないから」という理由だけで、社員と同じ働き方のまま業務委託にするのは危険です。次の章で説明する偽装フリーランスにあたるおそれがあります。

偽装フリーランスとは?SES営業が避けたい3つの形

偽装フリーランスとは、契約は業務委託なのに、実態は会社に雇われた労働者と同じ働き方をしている状態のことです。労働者性(労働者として扱われるかどうか)は、厚生労働省が示す基準で判断されます。

SESの現場で、とくに労働者寄りと見られやすいのは次の3つです。

  1. 細かい作業指示:客先や自社が、作業の順番や方法を1つずつ指示する

  2. 時間の強い拘束:始業・終業時刻を決め、遅刻や早退を注意する

  3. 断る自由がない:追加の作業を頼まれても断れない

SESの準委任契約では、もともと客先が本人に直接指示を出すことは認められていません。フリーランスの場合は、偽装請負と偽装フリーランスの両方のリスクがあると考えましょう。判断の詳しい基準は業務委託の労働者性の判断基準|偽装フリーランスを防ぐ8項目にまとめています。

フリーランス法で企業がやるべき対応

フリーランス法とは、フリーランスが安心して働けるよう、発注する会社が守ることを定めた法律のことです。2024年11月1日に施行されました。従業員のいない個人事業主や、役員が代表者1人だけで従業員もいない会社に発注すると対象になります。

取引条件の明示(第3条)は、発注するすべての会社の義務です。60日以内の支払いなどの重い義務は、従業員を使う会社か、役員が2人以上いる会社にかかります。SES企業の多くはこちらに当たります。

採用の場面で、SES営業がまず押さえたい対応は次の5つです。

対応中身かかる条件
取引条件の明示業務内容・報酬・支払期日などを書面かメールで伝えるすべての業務委託
60日以内の支払い役務の提供を受けた日から60日以内に払うすべての業務委託
募集情報の的確な表示うそや誤解を招く募集をしない広告などで募集するとき
ハラスメント対策相談に応じる体制を整えるすべての業務委託
中途解除・不更新の30日前予告途中で切るときや更新しないときは30日前までに伝える6か月以上の業務委託

3条通知とは、発注したら直ちに取引条件を伝える通知のことで、フリーランス法の第3条から呼ばれています。SESでは、業務内容に作業内容と精算幅を、期間に契約期間を書くのが一般的です。ひな形はフリーランス法の3条通知ひな形|SESの発注書・メール記載例で確認できます。

なお、エージェントやBPを通してフリーランスが参画する場合、義務を負うのは本人と直接契約している会社です。7つの義務の全体と支払期日の数え方はフリーランス法のSES対応|発注者の義務7つと実務チェック表で解説しています。

契約前に確認したいこと10項目

契約前の確認は、案件側の条件・本人の状況・契約の中身の3つに分けると漏れが減ります。とくに商流と二重契約は、あとから直すのが難しい項目です。

案件側の条件

  1. 案件側が個人事業主の参画を受け入れるか(「個人不可」「貴社社員まで」などの制限)

  2. 案件の商流と、自社の位置

  3. 作業内容・場所・リモートの可否

本人の状況
4. ほかの会社と同じ期間で契約していないか(二重契約)
5. 以前の契約で、客先との直接契約を禁止する約束をしていないか
6. インボイスの登録があるか(請求書の扱いが変わるため)
7. 従業員や、代表者以外の役員がいるか(フリーランス法の対象かどうかが変わるため)

契約の中身
8. 単価・精算幅・支払期日(60日以内になっているか)
9. 途中で契約を終えるときの予告の期間
10. 指示を出す窓口を誰にするか(客先から本人へ直接指示させない)

4の二重契約は、参画後に発覚すると客先の信用を大きく損ないます。面談では「同じ期間に、ほかの案件と契約していませんか」とはっきり聞き、答えを記録します。発覚したときの対応はSESのBP要員の案件掛け持ちが発覚したら|契約違反の判断と対応で解説しています。

直接スカウトで採用する手順5ステップ

直接スカウトは、案件の条件を固めてから声をかけるのが成功のコツです。条件があいまいなまま連絡すると、返信があっても面談で止まります。

  1. 案件の条件をまとめる:スキル・単価・期間・場所・開始日を1枚にする

  2. 候補を探して声をかける:スカウトには、業務内容・場所・報酬・期間・声をかけた理由の5つを入れる

  3. 面談で確認する:スキルに加え、契約前の10項目の「本人の状況」を聞く

  4. 条件を明示して発注する:3条通知にあたる内容を、注文書かメールで送る

  5. 参画後の窓口を決める:勤怠・稼働報告・相談の連絡先を本人に伝える

スカウト文面の例

件名:【11/2(月)開始】Java・Spring Bootの開発案件のご相談

〇〇様
株式会社△△の□□と申します。公開されているご経歴を拝見し、ご連絡しました。
・業務内容:金融系Webシステムの追加開発(Java・Spring Boot)
・場所:東京都港区(週3日リモート可)
・報酬:月額〇〇万円(精算幅140〜180時間)
・期間:2026年11月2日(月)〜12月31日(木)、以降は更新予定
Spring Bootでの設計経験を拝見し、ぜひご相談したいと考えました。
10月16日(金)までに、オンラインで30分ほどお話しできませんか。

報酬の金額は、実際の案件に合わせて具体的に書きます。金額や期間があいまいな募集は、フリーランス法の「募集情報の的確な表示」の点でも避けましょう。注意点はフリーランス法の募集情報の的確表示とは|SES案件募集の注意点5つにまとめています。

xhoursとチョータツで、探す・つなぐ手間を減らす

自分で探す方法でも、フリーランスは見つかります。ただ、候補探しと、BPとの人材情報のやりとりには時間がかかります。探すならxhours、BPの人材を見落とさないならチョータツが役に立ちます。

xhoursでフリーランスに直接スカウトする

xhoursは、DrivenXが提供するITフリーランスへのダイレクトスカウトサービスです。数千名のフリーランスのデータベースから探し、企業が直接スカウトできます。

エージェントを通さないので、自社で条件を本人と決められます。直接スカウトの粗利の強みを活かしながら、候補探しの手間を減らせるのがポイントです。

→ xhoursの詳細を見る

チョータツでBPの営業中人材を集める

BP経由で探すなら、チョータツが使えます。チョータツは、SES営業のための案件・人材の管理・共有ツールで、3,000社以上が利用しています。

他社と連携すると、他社の営業中人材をデータベース化できます。BPから届くフリーランスの情報を、メールの山から探し直す必要がなくなります。自社の案件情報も管理できるので、提案前に条件を確認しやすくなります。無料で始められます。

→ チョータツに無料登録して、BPの人材を一か所で見る

よくある質問

Q. フリーランスエンジニアを採用するとき、雇用契約を結ぶ必要はありますか?
必要ありません。フリーランスとは準委任などの業務委託契約を結びます。雇用契約を結ぶと、その人は社員になります。
Q. フリーランスエージェントの手数料は、企業が別に払うのですか?
一般的には、企業が払う月額の単価に含まれています。手数料の割合は会社ごとに違うため、契約前に確認しましょう。
Q. 業務委託のフリーランスを社会保険に加入させる義務はありますか?
会社に加入させる義務はありません。ただし、働き方の実態が労働者と同じなら、雇用として扱われる可能性があります。
Q. フリーランス新法(フリーランス法)で、企業は何をすればいいですか?
まずは、発注時の取引条件の明示と、60日以内の支払いです。6か月以上の契約なら、途中で終えるときや更新しないときの30日前予告も必要です。
Q. エージェント経由の人材に、あとから直接契約を持ちかけてもいいですか?
エージェントとの契約で直接契約を禁止していることが多く、違約金の定めがある場合もあります。契約書を先に確認しましょう。条項の考え方はフリーランスの直接契約禁止は有効?SESでの条項の書き方と違約金で解説しています。
Q. 正社員の採用とフリーランス、どちらを優先すべきですか?
長く自社に残る戦力なら正社員、案件ごとに人をそろえるならフリーランスです。両方を組み合わせると、待機を増やさずに案件を受けられます。

まとめ

  • フリーランスの「採用」は、雇用ではなく業務委託で案件に入ってもらうこと

  • 探し方は、エージェント・直接スカウト・BP経由・リファラル・SNSの5つ

  • 急ぎはエージェント、粗利を残すなら直接スカウトやBP経由と使い分ける

  • 業務委託なら社会保険の加入義務はないが、実態が労働者なら雇用として扱われる

  • 個人に直接発注するなら、フリーランス法の取引条件の明示と60日以内の支払いを守る

  • 契約前は、商流の制限・二重契約・指示の窓口を必ず確認する

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年10月1日|更新日:2026年10月1日

参考資料(2026年9月30日確認)

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