フリーランスエンジニアに企業が直接スカウトする方法|文面例3つと契約前の確認12項目

公開日:2026年10月1日更新日:2026年10月1日

フリーランスエンジニアへの直接スカウトとは?

直接スカウトとは、仲介会社(エージェント)を通さず、フリーランス本人へ案件を提案して直接契約を目指すことです。SES企業にとっては、自社の案件に入ってくれる人を、BP(取引先の会社)以外から見つける方法の1つです。

フリーランスエンジニアとは、会社に雇われず、個人事業主や一人社長として仕事を受けるエンジニアのことです。SESの現場では、準委任契約(作業の時間や成果ではなく、業務を行うこと自体に報酬を払う契約)で入ることが多いです。準委任と請負の違いは、業務委託とは?意味と種類|SES営業が押さえる準委任と請負の違いで確認できます。

SES企業が直接スカウトを使うのは、主に次の3つの場面です。

  • 自社社員にもBPにも、案件に合う人がいない

  • 急ぎの案件で、BP経由の提案を待つ時間がない

  • エージェント経由だと、仕入れ単価が高くなり粗利が残らない

エージェント経由と直接スカウトの違い

エージェント経由と直接スカウトのいちばんの違いは、間に入る会社があるかどうかです。間に会社がいない分、直接スカウトは費用とスピードで有利ですが、手間と責任は自社にかかります。

比べる点エージェント経由直接スカウト(例:xhours)
探す手間エージェントが候補を出してくれる自社で探して連絡する
費用エージェントの手数料が単価に上乗せされる手数料はかからない(ツール利用料は別)
契約の相手エージェント(会社)フリーランス本人(個人)
条件の交渉エージェントを通して伝える本人と直接話せる
決まるまでの速さエージェントの確認を待つ本人の返事しだいで早い
契約書・請求エージェントとの間で済む本人と1件ずつ用意する
途中で抜けたときエージェントが代わりを探すことが多い自社で代わりを探す
法律の対応相手は会社。資本金などの条件しだいで取適法(旧・下請法)の対象相手が従業員を使わない個人(または役員1人・従業員なしの法人)ならフリーランス法の対応が必要

おすすめの使い分けは、次のとおりです。

  • 単価に余裕がなく、条件を細かく詰めたい案件は、直接スカウト

  • 契約書づくりや請求を増やしたくない案件は、エージェント経由

  • 長く続く案件は、最初はエージェント経由でも、次の人からは直接スカウトに切りかえる

エージェントを使うときの商流とマージンは、ITフリーランスエージェントとBP取引する方法|SES営業の仕入れ術で解説しています。

直接スカウトの前に確認すること3つ

スカウトを送る前に、案件側がフリーランスを受け入れるかを必ず確認します。受け入れない案件で本人を口説いてしまうと、決まらないうえに信頼を失います。

1. 商流制限に「個人事業主不可」がないか
商流制限とは、案件を出す会社が「何次請けまで」「どんな所属の人まで」と決めている条件のことです。案件メールに「フリーランス不可」「個人不可」「貴社社員まで」とあれば、直接スカウトした人は提案できません。

2. 上位の会社が再委託を認めているか
再委託とは、受けた仕事をさらに別の会社や個人に任せることです。自社がフリーランスと契約して現場に入ってもらうのは、再委託にあたります。上位の会社との契約で、再委託に事前の承諾が必要になっていないかを確認します。

3. 自社が提示できる単価の上限
上位から受ける単価から、自社の粗利を引いた額が、本人に払える上限です。先に上限を決めておかないと、スカウトの時点で条件を書けません。

商流制限の読み方は、SESの商流制限の書き方|案件メールの表記例と意味・守らせ方で詳しく解説しています。

フリーランスエンジニアを直接探す方法5つ

直接スカウトの相手を探す方法は5つあります。早く数を当たりたいならスカウトサービス、信頼を重視するなら過去の取引相手と紹介から始めます。

探し方見つかる数早さ向いている場面
1. スカウトサービス(xhoursなど)多い早い条件に合う人を一気に当たりたい
2. 過去に取引したフリーランス少ない早い人柄とスキルがわかっている人に頼みたい
3. 社員・BPからの紹介少ないふつう信頼できる人を探したい
4. SNS(X・LinkedIn)ふつうふつう発信している人に声をかけたい
5. 自社サイト・求人媒体での募集ふつう遅い急ぎでない案件で広く集めたい

1. スカウトサービス

スカウトサービスとは、フリーランスの登録プロフィールを企業が検索し、直接メッセージを送れるサービスのことです。スキル・稼働できる日数・希望単価などで絞り込めるので、SNSで1人ずつ探すより早く候補が集まります。

2. 過去に取引したフリーランス

以前に自社の案件へ入ってくれた人は、仕事ぶりがわかっているので、最も安心して声をかけられます。契約が終わった人の名前・スキル・終了時期を一覧にしておくと、次の案件ですぐ連絡できます。

3. 社員・BPからの紹介

自社のエンジニアや、付き合いのあるBPに「知り合いのフリーランスはいないか」と聞く方法です。紹介なので最初から信頼があります。ただし、紹介してくれた会社との間で、紹介料や直接契約のルールを先に決めておきましょう。

4. SNS(X・LinkedIn)

X(旧Twitter)やLinkedIn(仕事用のSNS)で、発信しているフリーランスに連絡する方法です。技術の話題や「案件募集中」の投稿が目印になります。本人の考え方が見えるのが利点です。一方で、いきなり長い営業文を送ると嫌がられやすいので、短く丁寧に送ります。

5. 自社サイト・求人媒体での募集

自社サイトや媒体に案件を載せて、応募を待つ方法です。広く募集するときは、フリーランス法の「募集情報の的確表示」を守る必要があります。詳しくはフリーランス法の募集情報の的確表示とは|SES案件募集の注意点5つを読んでください。

返信が来るスカウト文面の書き方

返信が来るスカウトは、「なぜあなたなのか」と「条件」が最初の5行でわかる文面です。フリーランスは毎日たくさんの連絡を受けるので、条件が書かれていない文面は読まれません。

スカウト文面に入れる項目は、次の8つです。

  1. 自社の会社名・担当者名・連絡先

  2. スカウトした理由(プロフィールのどこを見たか)

  3. 業務の内容(工程・使う技術・チームの人数)

  4. 働く場所(常駐・リモートの割合、最寄り駅)

  5. 報酬(月額の単価、精算幅)

  6. 期間(開始日・想定の長さ)

  7. 稼働の日数・時間(週5日、月140〜180時間など)

  8. 次の一歩(15分のオンライン面談など、軽い提案)

1と3〜7の項目は、フリーランス法で広告などの募集時に正確な表示が求められる項目と重なります(施行令第2条)。1人だけへのスカウトでも入れておくと、「聞いていた条件と違う」という誤解を防げます。同じ案件を2人以上に送るなら、的確表示の義務がかかる募集になると考えておきましょう。

文面例1:初めて連絡する人へのスカウト

例文・テンプレート
件名:【Java/週4リモート可】決済システム開発のご相談(株式会社△△)

〇〇様

はじめまして。株式会社△△で営業を担当している□□と申します。
〇〇様のプロフィールで、Spring Bootでの決済系の開発経験を拝見し、
ぜひご相談したい案件があり、ご連絡しました。

■案件の概要
・内容:クレジット決済システムの追加開発(詳細設計〜テスト)
・技術:Java(Spring Boot)、AWS、PostgreSQL
・場所:週1回 港区の客先、ほかはリモート
・報酬:月額〇〇万円(精算幅 140〜180時間)
・期間:2026年11月2日(月)開始、3か月ごと更新の予定
・契約:弊社との準委任契約(業務委託)

ご興味があれば、10月5日(月)〜7日(水)のどこかで、
15分ほどオンラインでお話しできませんか。
条件が合わない場合も、ご返信いただければ今後の参考にいたします。

株式会社△△ 営業部 □□
電話:03-XXXX-XXXX/メール:xxx@example.co.jp

文面例2:以前に取引した人への再提案

例文・テンプレート
件名:お久しぶりです/次のインフラ案件のご相談(株式会社△△ □□)

〇〇様

ご無沙汰しております。株式会社△△の□□です。
2025年の〇〇社の案件では大変お世話になりました。

〇〇様のAWS構築のご経験に合う案件が出たため、ご連絡しました。
・内容:社内システムのAWS移行(設計・構築)
・場所:フルリモート(月1回 品川で打ち合わせ)
・報酬:月額〇〇万円(精算幅 140〜180時間)
・開始:2026年11月2日(月)〜

今のご稼働状況だけでも教えていただけると助かります。
よろしくお願いいたします。

文面例3:返信がない人への1回だけのフォロー

例文・テンプレート
件名:Re:【Java/週4リモート可】決済システム開発のご相談

〇〇様

株式会社△△の□□です。
先日お送りした案件について、10月30日(金)まで候補者を募っております。
お忙しいところ恐縮ですが、ご興味の有無だけでもお知らせいただけると幸いです。
今回は見送りの場合、今後の案件のご案内を止めることもできます。

やってはいけない文面

  • 報酬を「応相談」だけにする(比べられず、返信が来ない)

  • 全員に同じ文面を送る(スカウトした理由がないとすぐわかる)

  • 返信がないのに何度も送る(フォローは1回までにする)

  • 「社員のように」「弊社の指示で」など、雇用と誤解される言葉を使う

社員採用向けのスカウト文面は、SESエンジニアへのスカウト文面|返信率を上げる例文8つとコツにまとめています。

直接契約の前に確認する12項目

フリーランスと直接契約する前に、次の12項目を確認します。とくに1〜3は、あとから気づくと契約そのものができなくなるので、面談の前に確かめます。

#確認すること見るポイント
1他社との直接契約禁止今のエージェントとの約束で、紹介先と直接契約できない期間がないか
2案件側の受け入れ商流制限に「個人不可」がないか、再委託の承諾が要らないか
3今の現場との重なり今の案件の終了日と、自社案件の開始日が重ならないか
4本人確認氏名・住所・屋号。法人なら法人番号
5インボイス登録適格請求書発行事業者の登録番号があるか
6反社会的勢力でないこと契約書の反社条項と、確認の記録
7スキルの裏づけスキルシートと面談で、経験年数と担当した工程を確かめる
8取引条件の明示業務内容・報酬・支払期日などを書面かメールで渡す
9支払期日作業の提供を受けた日から60日以内。再委託で必要な事項を明示すれば、上位からの支払期日から30日以内
10精算幅と稼働報告月の時間の上限・下限、報告のしかた
11秘密保持と個人情報NDA(秘密保持契約)と、スキルシートを客先に出す同意
12契約の終わり方更新の時期、途中で終える・更新しない場合の予告期間

1. 他社との直接契約禁止を確かめる

エージェント経由で案件に入っている人は、エージェントとの契約に直接契約禁止条項があることがあります。直接契約禁止条項とは、エージェントが紹介した先と、本人が一定期間は直接契約しないという約束のことです。

あなたの会社がそのエージェントから紹介を受けた相手でなければ、ふつうは関係ありません。ただし、以前にエージェント経由で自社の案件に入っていた人を直接迎えるときは要注意です。条項の有効性と違約金の考え方は、フリーランスの直接契約禁止は有効?SESでの条項の書き方と違約金で解説しています。

2. フリーランス法の義務を守る

フリーランス法とは、2024年11月1日に施行された「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」のことです。従業員を雇っていないフリーランスに仕事を頼む会社に、取引条件の明示などの義務を定めています。

SES企業がフリーランスに発注するときに、まず押さえる義務は次の3つです。第3条はすべての発注者の義務です。第4条と第16条は、従業員を使う会社、または役員が2人以上いる会社(特定業務委託事業者)の義務です(第2条第6項)。

  • 取引条件の明示(第3条):業務の内容・報酬の額・支払期日などを、書面かメールで伝える

  • 報酬の支払期日(第4条):給付を受け取った日(SESのような作業なら提供を受けた日)から60日以内で、できるだけ短い支払期日を決める

  • 解除・不更新の予告(第16条):6か月以上続く契約を途中で終えるときや更新しないときは、原則30日前までに予告する

明示する内容のひな形はフリーランス法の3条通知ひな形|SESの発注書・メール記載例にまとめています。

3. 雇用と同じ扱いにしない

フリーランスとの業務委託で、労働者性が認められないように注意します。労働者性とは、契約の名前が業務委託でも、働き方の実態が雇われている人と同じだと判断されることです。

たとえば、自社が始業・終業の時間を細かく決めたり、仕事の進め方を逐一指示したりすると、雇用と見られるおそれがあります。判断の目安は業務委託の労働者性の判断基準|偽装フリーランスを防ぐ8項目で確認してください。

直接スカウトから参画までの7ステップ

直接スカウトは、案件の確認→探す→送る→面談→契約→参画→フォローの7ステップで進めます。順番を守ると、契約の直前で話が止まることを防げます。

  1. 案件の条件を確かめる:商流制限・再委託・単価の上限を上位の会社に確認する

  2. 候補を探す:スカウトサービス・過去の取引先・紹介から10人前後を選ぶ

  3. スカウトを送る:文面例をもとに、1人ずつスカウトの理由を書き足す

  4. 15分の面談をする:稼働状況、直接契約禁止の有無、希望単価を聞く

  5. 契約の準備をする:12項目を確認し、業務委託契約書と取引条件の明示を用意する

  6. 客先に提案する:本人の同意を得てから、スキルシートを客先に出す

  7. 参画後にフォローする:月1回は本人と話し、更新の意向を早めに聞く

参画初日までの準備はSESの参画初日までに営業がやる準備|入場チェックリストと案内文が使えます。

xhoursで直接スカウトを楽にする

自分で探す方法は、SNSや過去の名簿を1人ずつ見て、空いているかを確かめるところから始まります。xhoursを使うと、この「探す」と「声をかける」をまとめて進められます。

xhoursとは、株式会社DrivenXが提供する、企業がITフリーランスに直接スカウトできるサービスのことです。数千名のITフリーランスのデータベースから、自社の案件に合う人を探して連絡できます。

場面自分でやる場合xhoursを使う場合
候補を探すSNS・名簿・紹介で1人ずつ数千名のITフリーランスのデータベースから探せる
声をかける連絡先を調べて個別に送る企業から直接スカウトを送れる
間に入る会社紹介ならBPやエージェントが入るエージェントを通さず本人とやりとりできる

使い始める流れ

  1. 案件の条件(技術・場所・単価の上限・開始日)を決める

  2. 案件側の商流制限と再委託の条件を確認する

  3. xhoursのデータベースから、条件に合うフリーランスを探す

  4. 上の文面例1〜3をもとに、スカウトの理由を書き足して送る

  5. 返信が来た人と15分の面談をして、契約前の12項目の確認に進む

こんな会社に向いています

  • BPに聞いても、案件に合う人が見つからない

  • エージェント経由だと、仕入れ単価が高くて粗利が残らない

  • SNSで探す時間を、営業の時間に回したい

自社案件に合う人を探すなら、xhoursで自社案件に合うフリーランスを探すところから始められます。

チョータツでフリーランスの情報を営業中人材として管理する

直接スカウトで出会ったフリーランスは、案件が決まらなくても、次の案件の候補です。名前・スキル・空く時期を残しておかないと、次に同じ人を探し直すことになります。

チョータツとは、株式会社DrivenXが提供する、SES営業のための案件・人材の管理・共有ツールのことです。3,000社以上が使っていて、無料で始められます。

  • 自社の案件と、声をかけた人材の情報を、チームで管理・共有できる

  • AIが入力を手伝うので、スキルや条件を登録する手間が減る

  • パートナー企業へのメール配信機能で、自社の案件情報をまとめて届けられる

  • 他社と連携すると、他社の営業中案件・営業中人材をデータベースにできる

直接スカウトで見つからないときは、連携したBPの営業中人材から候補を探すこともできます。フリーランスはxhoursで直接探し、BPの人材はチョータツで探すと、提案できる人の幅が広がります。

よくある質問

Q. 企業がフリーランスエンジニアに直接スカウトしてもいいのですか?
問題ありません。業務委託の相手を自分で探して連絡するのは、ふつうの営業活動です。ただし、本人がエージェントと直接契約禁止の約束をしていないかは、最初に確認しましょう。
Q. スカウトの文面には、単価を書いたほうがいいですか?
書いたほうが返信は来やすくなります。「月額〇〇万円」と具体的に書き、精算幅も添えましょう。幅を持たせたいときは「〇〇万〜〇〇万円」と書きます。
Q. 直接契約だと、エージェント経由より何が大変ですか?
契約書の用意、取引条件の明示、毎月の請求の確認、途中で抜けたときの代わり探しを、すべて自社で行う点です。1人目の前に、契約書とチェック表の型を作っておくと楽になります。
Q. SESの案件にフリーランスを入れるとき、客先に伝える必要はありますか?
案件によります。商流制限で「個人不可」とされている案件や、再委託に承諾が必要な契約では、提案の前に上位の会社へ確認が必要です。所属を自社社員と偽って提案してはいけません。
Q. フリーランスへの支払いは、いつまでにすればいいですか?
従業員を使う会社などは、作業の提供を受けた日から60日以内で支払期日を決めます。月末締めの場合の数え方は、次に読む記事で紹介しています。
Q. スカウトしたフリーランスを、あとで社員にしてもいいですか?
本人が望むなら可能です。ただし、エージェント経由で出会った人の場合は、紹介料の取り決めがないかを確認しましょう。

まとめ

  • 直接スカウトは、エージェントを通さずフリーランス本人に案件を持ちかけること

  • エージェント経由より手数料がかからず早いが、契約・請求・代わり探しは自社で行う

  • 送る前に、案件の商流制限と再委託の条件、自社が払える単価の上限を確かめる

  • 探し方はスカウトサービス・過去の取引先・紹介・SNS・自社募集の5つ。早く数を当たるならxhours

  • 文面には、スカウトした理由・業務内容・場所・報酬・期間を入れ、フォローは1回まで

  • 契約前は12項目を確認。とくに直接契約禁止、フリーランス法の取引条件の明示と60日以内の支払いを守る

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年10月1日|更新日:2026年10月1日

参考資料(2026年9月30日確認)

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