営業力を上げる方法|SES営業の提案が決まるトレーニング5つと、週90分・3か月の練習計画

公開日:2026年9月30日更新日:2026年9月30日

営業力とは?営業スキルとの違い

営業力とは、営業スキルを使って、実際に成果(成約数・売上・粗利)を出す力のことです。
営業スキルとは、お客さんの課題を聞き出し、提案し、契約まで進めるための知識と技術のことです。
スキルは「持っているもの」、営業力は「結果として数字に出るもの」と分けて考えます。

厚生労働省の「職業能力評価基準」は、仕事に必要な力を3つに分けています。「知識」「技術・技能」「成果につながる職務行動例」です。営業力を上げたいときに大切なのは3つ目の「実際の行動」です。知識があっても、毎日の提案に出ていなければ数字は変わりません。

分け方意味SES営業での例
知識知っていること準委任契約と派遣の違い、Javaの主な使い道
技術・技能できること案件メールから必須スキルを読み取る
職務行動実際にやっていること提案前に必ず商流と精算幅を確認している

SES営業に必要なスキルそのものの一覧は、営業スキル一覧|SES営業に必要な力10個と身につける順番にまとめています。ここでは、そのスキルを練習でどう伸ばすかに絞って説明します。

SES営業の営業力は4つの数字に分けて考える

SES営業の営業力は、「提案数」「面談に進む率」「成約する率」「1件あたりの粗利」の4つの掛け算です。どれか1つが低いと、ほかをいくら頑張っても成果は伸びません。

粗利とは、売上から仕入れ(エンジニアの給与やBPへの支払い)を引いた利益のことです。
BP(ビジネスパートナー)とは、案件や人材を紹介し合う取引先の会社のことです。

段階見る数字低いときに弱いスキル
提案週の提案数情報を集める力・スピード
面談提案→面談に進んだ割合技術理解・マッチング
成約面談→成約した割合エンジニアフォロー・ヒアリング
粗利1件あたりの粗利条件調整・商流理解

たとえば「提案数は多いのに面談に進まない」なら、案件の読み違いか、組み合わせの精度に問題があります。「面談は多いのに決まらない」なら、面談準備か、案件の書かれていない条件の聞き漏れが疑われます。

数字の目安や集計の仕方はSES営業のKPIの目安|1日の提案数・面談数と1人あたり売上目標で解説しています。割合の良し悪しは会社や商材で大きく変わります。まずは自社の直近3か月の数字を出し、メンバー同士や過去の自分と比べるのがおすすめです。

営業力を上げる方法3ステップ

営業力を上げるには、「弱い段階を見つける → そこに効く練習を続ける → 数字で確かめる」の順で進めます。全部を一度に直そうとすると、どれも中途半端になります。

  1. 弱い段階を1つ見つける:直近3か月の提案数・面談数・成約数・粗利を出し、一番落ち込んでいる段階を選ぶ

  2. 効くトレーニングを2つ選ぶ:下の「トレーニング5つ」から、その段階に効くものを2つ選び、曜日と時間を決める

  3. 3か月後に同じ数字を見る:練習前と同じ数字を出し、上がっていれば次の段階へ、上がっていなければ練習の中身を変える

営業責任者がメンバー全員を見るときは、「できている行動」を段階別に評価し、数字と合わせて見ます。評価の表は営業スキルマップの作り方|SES営業の評価基準と項目例・シート例を使えます。

営業力を上げるトレーニング5つ

SES営業の営業力を上げるトレーニングは、次の5つです。どれも実際の案件メールと人材情報を教材にするのがポイントです。

トレーニング伸びるスキル効く段階目安の時間
① 案件メールの読み解き技術理解・商流理解面談・粗利週30分
② マッチング練習マッチング・条件調整面談週30分
③ ロールプレイヒアリング・条件調整成約・粗利週15分
④ 見送りの振り返り数字管理・マッチング面談・成約週15分
⑤ 先輩への同行・同席BP関係・ヒアリング提案・成約月2回

① 案件メールの読み解き

案件メールの読み解きとは、実際に届いた案件メールから、必須スキル・尚可スキル・商流・条件を抜き出す練習のことです。
新人が最初に取り組むべき練習で、提案の読み違いを減らします。

  1. その週に届いた案件メールを5通選ぶ

  2. 1通ごとに「必須」「尚可」「商流・商流制限」「単価・精算幅」「開始日・勤務地」を書き出す

  3. 書かれていない条件(面談回数、リモートの割合など)を「確認すること」として書き出す

  4. 先輩が同じメールを読んだ結果と見比べ、読み落としを直す

商流とは、仕事がエンド(発注元)から何社を通って流れてくるかという経路のことです。
教材には、SESの条件面の書き方|案件・人材メールに入れる14項目と記入例の14項目が使えます。

② マッチング練習

マッチング練習とは、案件1件に対して、社内やBPの人材から候補を選び、理由を説明する練習のことです。
面談に進む割合が低いメンバーに一番効きます。

  1. 案件を1件選び、候補の人材を3人選ぶ

  2. 次の順で、合う・合わないを確かめる
    商流制限と契約形態 → 開始日と勤務地 → 必須スキル → 単価 → 尚可スキルと人柄

  3. 1位の候補を選んだ理由と、2位・3位を外した理由を1分で話す

  4. 先輩が「自分ならこの人を出す」という答えを示し、判断の違いを話し合う

この順番は、出せない組み合わせを先に外すためのものです。必須スキルから見始めると、商流制限や開始日で出せない人に時間を使ってしまいます。

③ ロールプレイ

ロールプレイとは、先輩がお客さんやBPの役になり、ヒアリングや条件のすり合わせを本番の前に練習することです。
面談から成約までが弱いメンバーや、粗利が残らないメンバーに向いています。場面別の台本と評価シートはSES営業のロープレのやり方|場面別シナリオ6つと評価シートにまとめています。

おすすめの場面は、次の3つです。

  • 案件の書かれていない条件を聞く:「前任の方が抜けた理由を教えていただけますか」「面談は何回ありますか」

  • 単価の相談を受ける:「この単価では難しい」と言われたとき、開始日や精算幅など、ほかの条件と組み合わせて返す

  • 見送りの連絡を受ける:理由を具体的に聞き、次の提案につなげる

終わったら、役をした先輩が「良かった点1つ・直す点1つ」だけ伝えます。指摘が多すぎると、次に何を直せばいいかがわからなくなります。

④ 見送りの振り返り

見送りの振り返りとは、面談に進めなかった提案や、面談で落ちた提案の理由を分けて、次の直し方を決めることです。
同じ理由の見送りを減らすのが目的です。

見送りの理由よくある原因次の直し方
スキル不足必須と尚可の読み違い①の読み解き練習を増やす
単価が合わない仕入れ単価の確認不足提案前に粗利の計算をする
開始日・勤務地条件の確認漏れマッチング練習の確認順を守る
面談で不合格面談準備の不足面談前の説明の型を決める

見送りの連絡をもらったら、その日のうちに理由を1行で記録します。週15分で1週間分を見返すと、同じ原因がくり返されていることに気づけます。理由の聞き方はSES面談の見送り理由の聞き方|例文と次の提案に活かす記録法が参考になります。

⑤ 先輩への同行・同席

同行とは、先輩のBPとの情報交換や面談に同席し、聞き方や条件のまとめ方を横で学ぶことです。
BPとの関係づくりは、見て学ぶ部分が大きいスキルです。

同席の前に「今日は先輩が単価の話をどう切り出すかを見る」と、見るポイントを1つ決めておくと学びが残ります。終わったあとに5分だけ、先輩に「なぜあの質問をしたか」を聞きます。

週90分・3か月のトレーニング計画表

トレーニングは、曜日と時間を先に決めてしまうと続きます。週90分なら、通常の営業活動をほとんど止めずに回せます。

曜日やること時間
月曜① 案件メールの読み解き(先週届いた5通)30分
水曜② マッチング練習(案件1件・候補3人)30分
木曜③ ロールプレイ(場面を1つ)15分
金曜④ 見送りの振り返り(1週間分)15分
月2回⑤ 先輩への同行・同席商談の時間

3か月の進め方は、次のとおりです。

  1. 1か月目:①と②を中心に行い、「読み違い」と「出せない組み合わせの提案」をなくす

  2. 2か月目:③と④を増やし、面談から成約までの取りこぼしを減らす

  3. 3か月目:自分でトレーニングの教材を選び、先輩役を交代で担当する

伸びたかを確かめる記録の例

3か月たったら、練習を始める前と同じ数字を並べます。次の表は、入社8か月の営業担当を想定した記入例です(数字は説明のための架空の例です)。

見る数字練習前の3か月練習後の3か月判断
提案数60件58件ほぼ同じ
面談に進んだ数9件15件上がった(マッチング練習の効果)
成約数2件3件少し上がった
見送り理由「開始日・勤務地」6件1件確認順が身についた

この例では、提案数を増やさずに面談数が増えています。次の3か月は、面談から成約までを伸ばすため、③ロールプレイと面談準備に重点を移します。

自分の営業力を上げたい営業担当ができること

営業担当が自分で営業力を上げるなら、毎日の仕事の中に小さな練習を組み込むのが近道です。

  • 案件メールを読むとき、必須と尚可を声に出さずに分けてから読む:①の練習を毎日の業務で行えます

  • 提案を送る前に「この人を出す理由」を1行で書く:理由が書けない提案は、面談に進みにくい提案です

  • 見送りの理由を毎回1行で残す:1か月分たまると、自分の弱点がはっきりします

  • 週に1回、先輩に1つだけ質問する:「なぜあのBPを優先したのか」など、判断の理由を聞きます

毎日の行動習慣はSES営業のコツ12選|提案が決まる営業が毎日やっている習慣にまとめています。

営業力を上げるときにやってはいけないこと

営業力を上げようとして、かえって成果を落とすやり方があります。次の4つは避けてください。

  • 提案数だけを増やさせる:条件の合わない提案が増え、BPからの信頼を失います

  • 「見て覚えろ」で放っておく:何を見ればいいかがわからず、メンバーごとの差が広がります

  • 外部研修を1回受けて終わりにする:話し方などの一般的な練習は、案件と人材の読み違いまでは直せません

  • 法令の知識を後回しにする:偽装請負などの問題は、1件で会社の信用に関わります

偽装請負とは、契約は準委任や請負なのに、実際にはお客さんがエンジニアに直接指示を出している状態のことです。
判断の基準は、昭和61年労働省告示第37号(いわゆる37号告示)と、厚生労働省の疑義応答集に示されています。フリーランスに仕事を頼む場合は、2024年11月1日に施行されたフリーランス法も関わります。

法令の練習は、ロールプレイの場面に「お客さんから直接指示したいと言われた」を入れると身につきます。

判断のくわしい基準は偽装請負の判断基準|SES営業が避けたいNG行為10選と予防策で解説しています。

チョータツで「練習に使う情報」をチームでそろえる

トレーニングの質は、教材になる案件・人材情報の量と新しさで決まります。ベテランはどのBPがどんな案件を持っているかを知っていますが、新人は自分に届いたメールしか見ていません。この「見ている情報の差」が、そのまま営業力の差になります。

自分でやる場合は、共有フォルダに案件と人材の一覧表を置き、毎日だれかが更新する方法があります。ただ、更新が止まると練習の教材も古くなります。もっと楽にするなら、SES営業向けツール「チョータツ」を使う方法があります。

場面自分でやる場合チョータツを使う場合
練習用の案件・人材を探す個人のメールやExcelを探すチームで同じ案件・人材の情報を管理・共有できる
他社の営業中の情報を集める届いたメールを読んで転記する他社と連携すると、他社の営業中案件・人材をデータベース化できる
情報を登録する1件ずつ手で入力するAIが入力を手伝う
自社の情報を届けるBCCで一斉送信するパートナーへのメール配信機能で届ける

情報が一か所にそろうと、マッチング練習を実際のデータで行えます。責任者も、メンバーがどの案件にどんな人材を提案したかを同じ画面で確認しやすくなり、見送りの振り返りが進めやすくなります。

届くメールが多すぎて教材を選ぶのが大変な場合は、チョータツメールAIを使えます。AIが届いたメールを案件メールと人材メールに切り分けます。チョータツは3,000社以上が利用しており、無料で始められます。

よくある質問

Q. 営業力を上げるには、まず何から始めればいいですか?
直近3か月の提案数・面談数・成約数・粗利を出し、一番弱い段階を1つ見つけることから始めます。弱い段階がわかれば、選ぶトレーニングが決まります。
Q. 営業力強化のトレーニングは、どのくらいの頻度で行えばいいですか?
週90分を目安に、曜日と時間を決めて毎週続けるのがおすすめです。1回の長い研修より、短い練習をくり返す方が行動が変わります。
Q. 営業スキルアップの方法として、外部の営業研修は役に立ちますか?
話し方や聞き方の基本には役立ちます。ただし、案件メールの読み解きやマッチングはSES特有なので、社内の実際の案件を使った練習と組み合わせてください。
Q. 営業力とは何ですか?営業スキルとどう違いますか?
営業力とは、営業スキルを使って成約や粗利などの成果を出す力のことです。スキルは持っている知識や技術、営業力は結果として数字に出るものです。
Q. トレーニングの効果はどうやって確かめますか?
3か月ごとに、練習前と同じ数字(提案数・面談数・成約数・見送り理由)を並べて比べます。数字が動いていなければ、練習の中身を変えます。
Q. 人材が足りず、そもそも提案する人がいません。どうすればいいですか?
BPの人材に加えて、ITフリーランスに直接声をかける方法もあります。DrivenXのxhours(エックスアワーズ)なら、数千名のフリーランスから探して直接スカウトできます。

まとめ

  • 営業力は、提案数・面談に進む率・成約する率・1件の粗利の4つに分けて考える

  • 営業力を上げる方法は「弱い段階を見つける → 効く練習を続ける → 3か月後に数字で確かめる」の3ステップ

  • トレーニングは、案件メールの読み解き・マッチング練習・ロールプレイ・見送りの振り返り・同行の5つ

  • 週90分、曜日を決めて続ける。教材は実際の案件・人材情報を使う

  • 教材になる情報をチームでそろえると、新人の営業力が早く上がる。チョータツで案件・人材の情報を共有できる

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

運営:チョータツSES研究所(株式会社DrivenX)|編集方針|公開日:2026年9月30日|更新日:2026年9月30日

参考資料(2026年9月30日確認)

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